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2006年06月28日

「ニンテンドーDS Liteノーブルピンク」7月20日発売

今でも品薄が続いているニンテンドーDS Liteに新色「ノーブルピンク」が追加される。発売日は2006年7月20日で価格は16,800円。日本語で言うと「高貴な桃色」といったところだろうか。

これで、日本国内でのニンテンドーDS Liteのバリエーションは既存の「クリスタルホワイト」「アイスブルー」「エナメルネイビー」を含めて4種類となる。暖色系の追加は若い女性の需要を見越したものだろうか?ニンテンドーDSでもキャンディピンクが約半年後に追加されている。

なお、北米ではクリスタルホワイトと同等の白色モデル1種類のみ、ヨーロッパでは白色モデルに加えて、日本で未発売の黒色モデル、スリークブラックが発売されている。この黒色モデルは輸入を行っている店舗で購入可能だが、もともとの定価が高いうえに国内で通常のニンテンドーDS Liteの供給が追いついていない状況のため、値が張る。

ちなみに発売日となる7月20日は肉じゃがの描かれたパッケージが目を惹く「しゃべる!DSお料理ナビ」の発売日でもある。

2006年06月27日

レビュー:スーパーマリオ64

NINTENDO64発売10周年記念ということで、NINTENDO64ソフトのレビューを掲載する。記憶をたよりに書いている部分があるので多少ウソがあるかも。

タイトル:スーパーマリオ64
発売:任天堂
発売日:1996年06月23日
価格:9,800円(税別)
※後に振動パック対応バージョンが発売、価格は最終的に4,800円になる

スーパーマリオブラザーズの発売から約10年が経過して登場した、初の3Dマリオ、それがスーパーマリオ64だ。任天堂は、次世代ハードNINTENDO64と同時にこのソフトを発売した。10年間、日本の、そして世界の家庭用ゲーム市場を席巻してきた任天堂が、さらに次の10年を戦うための意気込みがこのゲームに込められている。

過去の作品に登場したキャラクタが3Dで描かれ、同じく3Dで描かれた広大な「箱庭」を自由に動き回ることが出来る。既にプレイステーションやセガサターンで家庭用ゲーム機の世界に3Dの世界が持ち込まれていたが、スーパーマリオ64の箱庭は誰の目から見ても明らかに今までの3Dゲームとは一線を画す出来映えだった。ところどころ、チラチラと目に付くポリゴンの隙間が見えたり、ポリゴンの表面に描かれたテクスチャがカクカクしていたり、移動すると画面の奥から木がニョキニョキ生えてきたりするような中途半端な画面ではない。派手さはないものの、キャラクタや地形はしっかりと描かれ、広大な箱庭内の地形は遙か遠景まで、基本的にはすべて描画される。スーパーマリオ64のすごいところは、無矛盾に構成された箱庭のなかで自由に動き回ることにマシンパワーを注ぎ込んでいるところにある。ROMカートリッジのためロード時間はなく、グラフィックも十分に美しく、サウンドも臨場感を盛り上げた。

非常に独特なコントローラを持つNINTENDO64だが、そのコントローラの中央にある3D(サンディ)スティックがこのゲームのひとつのキモである。今まで、ゲームのキャラクタを動かすためには十字キーを使用する必要があった。十字キーは基本的に4つのデジタルなボタンの集合体であり、縦軸と横軸のボタンを同時に押す斜め入力を加えても8方向のON/OFFしか表現できない。また、ダッシュボタンと併用して、移動速度を2段階に選ぶことのできる工夫もあったが、微妙な速度を表現することも出来ない。例えば斜め30度の方向にゆっくりと移動したいと思えば、斜めやまっすぐの方向にボタンを押したり離したりしないといけない。3Dスティックなら移動したい方向に、移動したい速度になるように傾ければいい。これが実に3Dの世界にマッチしている。左手の親指の動きにマリオの動きが完全に一致し、ものすごい没入感を得られる。

当然、新しい入力デバイスを使うことになるので慣れが必要だ。最初は自由に動かすことが出来ず、もどかしく感じられることがあるだろう。3Dスティックでのマリオの操作だけでも大変なのに、プレイヤはマリオを撮影しているという設定のジュゲムも操作して視点をコントロールしなければならない。さらに、説明書の他に付属している操作カードには24種類ものアクションが書かれている。結構大変だ。そういえば、NINTENDO64には2つ折りの厚紙の両面に操作説明が書かれたカードが同梱されていたが、それ以降のハードでは付けられていない。いちいち説明書をペラペラめくらなくても知りたいことが分かるようになっているので非常に便利なのだが。

また、このゲームはボリュームもスゴイことになっている。条件をクリアすることで得られるスターを集めるのが、このゲームの目的だが、そのスターが全部で120個。クリアには最低70個が必要で、全部を集める必要はないが、それでもなかなか大変だ。撮るための条件が非常にむずかしいスターも含まれるため、完全クリアには結構な時間を要するだろう。

スーパーマリオを含め、多くの2Dアクションゲームは時間内にゴール地点に到達することがクリア条件になっていて、基本は1本道になっている。これを単純に3Dアクションに置き換えてしまわずに、スーパーマリオ64では別の様々な条件をクリアの条件に変更した。これは非常に大きな変革であり、スーパーマリオ64がその後の作品に大きな影響を与えた部分でもある。3Dアクションゲームでゴール地点への到達をクリア条件とするとどうなるか?せっかく作り込んだ地形も、ゴールまでの最短距離以外は目に触れることもなく、一度通り過ぎればそれで終わりだ。ボリュームを増やすためにはひたすらマップを増やすしかない。スーパーマリオ64では1つのマップで7個のスターが取れる。おかげでマップの隅々まで動き回り、その世界を満喫することが出来る。

15+αの箱庭と120個のスター。膨大なボリュームだが、最初に遊べる部分は少ない。箱庭を繋ぐピーチ城の中には扉が多数あり、規定数のスターを手に入れると扉を開けるようになる。また、特定の場所にある3つのスイッチを押すことで、特殊能力が得られる3つの帽子が使用可能になり、行動範囲が広がる。少しずつ探索範囲が広がることもこのゲームの楽しみのひとつだ。この、得られたアイテムにより行動範囲が広がるシステムは古くは「ゼルダの伝説」などで見られた手法で、その後の任天堂作品でも頻繁に使用されている。行けそうで行けない場所をわざと先に見せることで好奇心を刺激し、行けるようになったときに大きな達成感を与える仕組みだ。

これだけのボリュームがありながら、細かい演出にも非常に凝っている。ピーチ城には鏡のある部屋があるが、鏡の中にはマリオだけではなく、後ろから撮影するジュゲムも写っている。タネを明かせば、鏡として描いているわけではなく、動きを反転したキャラが実際に鏡の向こうにいるだけのことなのだが、それだけの演出でものすごいリアリティを感じることが出来る。近くに絵があるかと思って近づくと、なかなかたどり着けず、実は遙か遠くにある巨大な絵だったという、遠近法を用いた手品のようなトリックを実際にゲーム内でやっているのも面白い。

任天堂初の本格的な3Dアクションだが、とにかく完成度が高い。10年が過ぎても、多くのゲームはこのゲームを超えられていない。本当に完成度が高い。非常に面白い。だが、はたして万人にお勧めできるゲームだっただろうか?ゲーム初心者にこのゲームが受け入れられただろうか?受け入れられる人たちには間違いなく100点に近い点数を付けられるだろうが、それ以外の人たちには、低い点数を付けられて……いやいや、実際には点数すら付けてもらえなかった。難しそうと思われて触れてももらえなかった。斬新的すぎたのか、ハードとソフトを同時に購入して遊びたいと思わせることができなかった。

次の10年も、王者であろうとした任天堂。最高のスタートダッシュを切るために、最高のソフトを作った。おかげでサードパーティだけではなく、その後に続くソフトを作ろうとした任天堂自身にも「マリオ64を超えるソフトを作らなくてはいけない」と巨大なプレッシャーがのしかかる。たしかにNINTENDO64では少数精鋭で、総数は少ないながらも優良なソフトが出そろう市場になった。だが、1万円近くの価格で発売され、選択肢の少ない中で選んだゲームがあっという間にクリアしてしまう作品であってはならないという宿命も背負った。これはプレイヤも肩の力を抜いてゲームを楽しめなくなった事を意味する。完成度が高すぎたために自らの首を絞めた、悪魔のようなソフトだ。

このゲームを境に、家庭用ゲーム市場における任天堂の独裁は崩壊、任天堂の失われた10年が始まった。

ちなみにこのゲーム、ニンテンドーDSに移植されているが、当然のことながら3Dスティックでの操作ができない。ニンテンドーDS Liteには付属しないタッチストラップで画面上をなでたり、ペンでマリオを動かしたりする工夫があるが、かなり無理がある。追加要素もたくさんあり、遊びやすくなっているが、やはりオリジナルであるNINTENDO64版を遊んで欲しい。

2006年06月23日

ニンテンドーDS用ブラウザは7月24日発売

「DSブラウザ」ではなく「DSブラウザー」、伸ばす。Opera Softwareの発表によると、任天堂はニンテンドーDSおよびニンテンドーDS Lite用のインターネットブラウザ「ニンテンドーDSブラウザー」を7月24日に発売する。ニンテンドーDS/Lite兼用とニンテンドーDS Lite専用の2種類があり、各3,800円(税込み)。当面は任天堂ホームページでの販売に限定される。詳細はGAMEWATCHが詳しい。

ニンテンドーDSブラウザーは、Windowsをはじめとしたパソコン用や、携帯電話、各種通信機器に搭載されている「Opera」をベースにしたもので、Opera Softwareが開発したもの。2画面とタッチパネルを駆使し、小さな画面でも拡大や縮小、ズーム機能、縦長モードなどの様々な方式でウェブサイトを表示できる。また、タッチパネルを使ってソフトキーボードや手書き認識機能で文字入力が可能となっている。

接続にはニンテンドーDS自身に搭載された無線LAN機能を使用することになるが、当然その無線LANからインターネットに橋渡しをする何かが必要となる。家庭であればニンテンドーUSB WiFiコネクタや無線ルータが使える。また、店頭のWi-Fiステーションやホットスポットも利用可能だ。ただ、店頭の試遊台の前でネットをするのはどうかと思うが。

製品はプログラムの入ったDSカードと、メモリー拡張カートリッジの2つで構成される。ニンテンドーDSとニンテンドーDS Liteで使用可能なモデルでは、ゲームボーイアドバンスソフトと同じサイズのメモリー拡張カートリッジが同梱され、ニンテンドーDS Lite専用モデルではより小型の拡張カートリッジが同梱される。DS振動カートリッジと同じで、ニンテンドーDS Liteだけで使いたいならLite専用モデルを、両方で使いたいなら兼用モデルを使うことになるが、Lite本体では1cm程度はみ出すことになる。

細かい仕様についてのアナウンスはないが、Operaの技術を使っていることから、JavaScript等の実装は一通り搭載し、Googleなどで多用されるAjaxなどの技術には対応しているものと思われる。ただし、GAMEWATCHの記事によると、動画の再生、音楽の再生、Flashの表示には対応していないとのこと。動画や音楽は仕方がないとしても、Flashが未対応なのは少々惜しい。任天堂自身も最近は自社サイトでFlashを多用しているがそれをフルに楽しむことが出来なくなるわけだし、GoogleVideoやYouTubeなどのFlashをベースとした動画配信に対応できない。出来たら出来たで色々困るとは思うが。

また、不適切なサイトをブロックするペアレンタ機能も搭載されるので小さな子供にも安心して使えるようだ。うちのサイトがブロックされるかどうかが気になるところだ。ブロックされると困るのでコメント欄にあまり汚い言葉は書かないで欲しい。

普段、でっかくて重い21インチCRTでネットをしているので、256x192x2の画面でネットをしようとは思わないが、ベットで寝転がってネットを出来るのは魅力的…でもないなあ。パソコンもソファで寝転がって操作しているしなあ。無線LANが整備されていて、自室にパソコンがない家庭向けの製品なのかな。

そういえば、メモリー拡張パックで思い出すのが64DDだ。64DDって何?って本気で聞かれることがよくあるので一応説明すると、64DDってのはNINTENDO64をより豪華に見せるための台座であり、専用の磁気ディスク(両手で数えられるぐらいの本数が"配布"されたり発売されたりした)に入ったステキゲームを楽しめるコレクターズアイテムだ。…で、その64DDを使用するときに「メモリー拡張パック」が必要となる。

そのメモリー拡張パックの差し込み口はNINTENDO64に巧妙に隠されていて、「はがしちゃだめ」と書かれたシールをあえて剥がすという禁断の行為を乗り越えた一皮むけた大人だけが差し込むことが出来た。64DDとは無関係にやはり両手で数えられるぐらいのNINTENDO64ソフトがこのメモリー拡張パック(最初はハイレゾパックなんて呼ばれていた)に対応しており、解像度がクッキリハッキリしたり、敵をたくさん出したり出来る恩恵にあずかれた。「ゼルダの伝説 ムジュラの仮面」もそのソフトのひとつだ。

話がそれたが、要するに、メモリー拡張カートリッジをDSブラウザー以外の一般的なゲームソフトで使用し、解像度を上げたり、よりポリゴンたっぷりのゲームができるようになったする可能性があるんじゃないかと予想というか妄想しているわけだ。どうだろう。

…解像度は無理か。

2006年06月23日

NINTENDO64発売から10年

1996年6月23日(日)にNINTENDO64が発売されて、本日でちょうど10年になる。

当時はそれほどゲームに興味が無く、発売日には買わなかった。数日後、試遊台でマリオに触れてから、完全に心を奪われ、気づいたら購入していた。3D酔い吐き気がするまで一晩中マリオを動かしまくったものだ。あれから10年が過ぎた。長かったような、短かったような。

すっかりNINTENDO64にハマってしまい、当時普及し始めていたインターネットで情報をあさっているうちに自分で任天堂関連のサイトを立ち上げたのが1997年の9月ぐらい。名称変更や移転を繰り返しつつも9年近く、ファンサイトを続けていることになる。よく飽きもせずにやるもんだと自分でも思う。たぶん5年後も同じように続けているだろう。

たしか1998年の4月頃に他のサイトと共同運営という形でチャットを設置し、最盛期には数十人が一晩中ゲームの話をしていた。今ではE3の時などでしか使われていないが、当サイトに今でも残っている「64会議室」がそれだ。名称を変えていないのは、「いつでも当時のみんなが帰ってこれるように」という思いを込めたもので、決していじるのが面倒だからではない。本当だよ。本当だって。

今年中に発売が予定されているWiiで、NINTENDO64のソフトがダウンロードで遊べるようになる。購入から10年が過ぎたウチのNINTENDO64は故障もせず(しかも64DD付きで)普通に動いているので、あまりWiiでNINTENDO64ソフトを遊ぶことはないと思うが、当時の名作が再び多くの人に触れられるようになると思うと感慨深い。読み取りエラーで遊べなくなったタレントスタジオがダウンロードできるようなら是非とも手に入れたいものだが。ダメならサウンドボンバーだけでも良い。

10周年記念に何かやろうと思って、いくつかネタを用意していたが、文章の手直しが間に合わなかったので、それはまた別の機会に。

2006年06月21日

レビュー:テトリスDS

タイトル:テトリスDS
発売:任天堂
発売日:2006年04月27日
価格:3,800円(税込)

発売からずいぶんと日付が経ってしまっているが、とりあえずレビューっぽいものを書いてみようかと思う。

テトリスDSを購入したあとで何本か新しいゲームに手を出しているが、結局テトリスに戻ってきた。今でも2日に一度はWi-Fi接続して対戦をしまくっている。一人用モードはパズル以外はすべてクリア、対戦成績もかなりの数字になっている。ずいぶんとやりこんだなあ…。

テトリスについてはいまさら説明する必要もないだろう。テトリスDSはそのDS版だ。

岩田氏がWiiのバーチャルコンソールと比較して、パッケージソフトの欠点を語ったときの言葉を借りると、「3,800円分にしようと思ってゲームの本筋とはなんの関係もないゲームモードをいっぱい付けたり、豪華な絵をいっぱい描いたり、キャラクターを乗せたり」したゲームだ。パッケージとして販売する以上仕方がないが、このテトリスDSは無駄にボリュームがありあまっている。

一人用モードのゴージャスっぷりや、各モードの紹介は公式サイトに説明を譲る。蛇足とも思えるような各モードもやりこめばかなり楽しめる。自分のお気に入りは「タッチ」だ。ペンでブロックをずらしたり回転させたりして消していく、今までのテトリスとはまったく違うゲームだ。通常のテトリスでは存在しない「連鎖」が心地良い。

また、通常のテトリスであるスタンダードも良い出来だ。

テトリスのルールについては版権を持つテトリスカンパニーが、ガイドラインを作成しているらしく、ここ数年に発売されたテトリスはこのガイドラインから逸脱したルールで発売できなくなっているようだ。アイデアを盛り込む余地がない。スタンダードモードはそのガイドライン上のシンプルなものだ。

ただ、ガイドライン策定前のテトリス、例えばゲームボーイ版やセガのアーケード版などと比べると、違いが見られる。ブロックの回転法則やブロックの色、不要なブロックをひとつだけストックできるHOLD、一気に最下層まで落とすハードドロップなどがそれだ。改悪とも思える、接地後も回転を続ける限り固定されないという酷いルールもあり、極端な話、回転ボタンを連打する限りゲームオーバーにならない。他にもTスピンという特殊なテクニックがあるが、おまけのようなものなのであまり気にする必要はない。

ルールはガイドラインに従ったものなので、任天堂独自のアレンジはないのだが、その分ビジュアル面で大きな工夫がある。ファミコン時代の任天堂のドット絵が上画面にも下画面にも所狭しと動き回る。慣れるまではそれらをじっくりと見る余裕はないが、これは嬉しい演出だ。

目を惹くドット絵に注目が集まっているが、それよりも細かな演出が素晴らしい。上ボタンを押すことでブロックを最下層まで落とすハードドロップ時に、ブロックが彗星のように尾を引き、心地よい効果音が出る。Iブロック、通称テトリス棒で一度に4列を消す時も目と耳で快感が得られる。これらの効果音や視覚効果が良い感じに脳を刺激して、普通の状態では処理できないような速度でブロックを消すことが出来る。上級者になれば1秒に何個ものブロックが処理できるようになる。そうなってくるとますます画面も音も賑やかになり、さらに心地よい世界に旅立てる。長時間のプレイかなり危険だ。

一人用モードもそれなりに楽しいのだが、やはりこのソフトは対戦が楽しい。

直接ニンテンドーDSを持ちよるワイヤレス対戦では1カードで10人対戦が出来るという恐ろしい仕様。また、Wi-Fi対戦では最大で4人対戦だが、24時間いつでも世界中のテトリスプレイヤと対戦できて非常に楽しい。

対戦はレイティングを基準にしたマッチングが行われ、同じぐらいの腕前のプレイヤ同士が戦えるようになっている。始めたばかりの頃は5,000で、勝つとレートが上がり、負けるとレートが下がる。レートの高い相手に勝つと、大きくレートが上がり、自分より低いレートのプレイヤに負けるとガクンとレートが下がる。マリオカートDSでは負けそうになると切断するプレイヤが続出し、勝負を無効にされることがあったが、テトリスDSでは切断=負け、「対戦中に接続が切れると負けになってしまいます」と注意書きが出るようになっている。

参考までに、自分のテトリス暦はゲームボーイ版の頃からなので17年、ただ、ゲームボーイ以降はテトリスを購入してやりこんだことはない。アーケード版のテトリス・ザ・グランドマスター3では、MASTERでほぼ確実に500ラインに到達できるが、タイムが足りずにそこから先には進めない程度。そんな自分の対戦成績は1,706戦1,011勝、レートは6,763になっている。レートの変動は激しいが、だいたい6,500~7,000の間ぐらいで推移している。おそらく上の下程度の実力だろう。

上級者にとってはレイティングシステムは秀逸だ。7,000台の相手と戦うと、レートを上げるチャンスなのでやる気が出る。5,000台を相手にすると、負けたときに一気にレートが下がるので負けられない。

レートを上げるのはそれほど難しくないが、高いレートを維持するのはむずかしい。低レート相手との対戦では、勝っても10程度しかレートが上がらないのに、うっかりミスで一気に100以上レートが下がってしまう。そのため、7,000台に何度か上がったが、すぐに転落してしまう。常に手を抜かずに真剣勝負が出来る。負けたときの悔しさはたまらない。その負けを取り戻そうと、何度も対戦してしまい、いつまで経ってもやめられない。

上級者にはつらく楽しいWi-Fi対戦だが、初心者にはただただ厳しい。レートや勝ち負けを気にする相手だったばあい、手を抜いて貰うことはまったく期待できない。時間帯によってはレートが2,000以上離れた相手と戦うこともあり、10連敗なんてこともあるだろう。勝ち負けを気にしながらプレイすると負けが増えて非常につまらなく感じるだろう。

初心者もレートに注目してプレイするとそれなりに楽しめるのではないだろうか。レートが大きく離れた相手と対戦するときは、連敗してしまうと気を落とすのではなく、レートが上がるチャンスだと思うようにすると良い。そんな相手には10回に1回、20回に1回勝てればいい。何度も戦えば上級者でもうっかりミスで負けることがある。

レートが下がってもガッカリすることはない。レートが下がるということは、勝つことが出来る低レートの相手と対戦しやすくなるということでもある。

Wi-Fi対戦は、連続して対戦するのが楽なように作られている。異常なほど無駄を省いて、テンポが良すぎて忙しいと感じるほどだ。状況にもよるが、対戦が終わって、次の対戦が始まるまで、5秒もない。コップに手を伸ばして水を飲むぐらいの時間で次の対戦が始まる。

負けてもそれなりに楽しめるとは言っても、やはり勝ちたいと思うだろう。対戦で勝つためのポイントは、色々あるがHOLDの使い方が比較的重要だ。LかRを押すと、現在落下中のブロックがHOLDされる。次にLかRを押したときはHOLDブロックと落下中のブロックが入れ替わる。ただし、連続して2回入れ替えを行うことは出来ない。

対戦開始の早い段階で何らかのブロックをHOLDすると良い。その後は常に落下中のブロックとHOLDブロックのどちらを使うのが良いかを考えるようにする。常に二択出来るようにするわけだ。可能であればもう一つ先のNEXTブロックも見るようにして、「次に何をどこに置き、その次にどこに置くのか」のパターンをいくつも考え、その中で最良の方法を選べるようになるとなお良い。考えられるパターンが多ければ多いほど良い。2手先よりも先を読めるとさらに良い。これを1秒間に2回ぐらいずつテンポ良く行えるようになれば、10秒に一度ほどのペースでテトリスが発動できる。処理する速度は速ければ速い方が良い。もちろん全部ハードドロップだ。…というのは理想だが、慣れればそれに近いことはできるようになる。ブロックの出現順が良ければ、一切反撃を許さずに30秒程度で4連続テトリスで勝利、なんてことも出来る。まあ、上には上がいるわけで真の上級者はさらに先のNEXTブロックまで見つつ、相手の画面の状況まで把握しているわけなのだが。もう、これは1秒間に10回ジャンケンをするような世界だ。

とりあえずの目標は7,000台安定なのだが、まだまだ先は長そうだ。Tスピンは覚えるべきだろうか…、うっかりミスはどうしたら防げるだろうか…、それ以前に、右回転ボタンしか使わず、左回転ボタンが一切使えていないのをどうにかしたい。

2006年06月14日

任天堂経営方針説明会から予想できること

6月7日に、都内で任天堂の経営方針説明会が行われ、岩田社長による1時間半の講演が行われた。テキストに起こしたものを数日かけて掲載したが、その作業の過程でなんどもなんども聞いているうちに任天堂の次の戦略が見えてきた…ような気がしてきた。

ニンテンドーDS Liteとか脳トレがバカ売れしているとか、Wiiがプロセッサ至上主義とは異なる考えとかE3でWiiにものすんごい行列が出来たなんてことは既知のことだし、ポケモンダイヤモンド/パールがボイスチャットに対応、それに連動するWiiソフト「ポケモンバトルレボリューション」を年内に出すというのはたいていの人にインパクトのない話だろう。

じゃあ、岩田氏の発言、およびその後の質疑応答の中で語られた内容で何が重要なのか?自分が重要だと思ったのは以下の3項目

・バーチャルコンソールで500円、1,000円の新作をリリースする準備を始めている
・Wiiの発売日と価格は9月に発表する
・Wiiの発売前に発表会を開いて新ジャンルソフトを発表する

まずはバーチャルコンソールについて。バーチャル(=仮想の)コンソール(=ゲーム機)は、その名の通り「過去のゲーム機を仮想的に再現(エミュレーション)することにより、Wii上でプレイできるようにするもの」と発表されていたものだ。ソフトはダウンロードにより提供され、本体内蔵のフラッシュメモリ、もしくは別売りのSDカードに保存することが出来る。課金システムはあきらかにされていないが、プレイするためには支払いが必要となる。

このバーチャルコンソールで提供されるプラットホームは以下の通り

・ファミリーコンピュータ
・スーパーファミコン
・NINTENDO 64
・PCエンジン
・メガドライブ

Wiiにはゲームキューブとの互換性があり、ゲームキューブ用の8cmディスクをプレイすることが出来る。こちらはダウンロードによる提供が行われないためか、バーチャルコンソールと呼ばれないようだ。

ここで、岩田氏の発言を引用する。

バーチャルコンソールは過去のプラットフォームのことが今話題になっていますが、そのことだけではなくて、コンパクトな新作を作って、例えば500円、例えば1000円で、新しいコンパクトな新作を楽しんでいただくというような用途にも使いたいと思って準備も始めています。

(中略)ゲームの本筋とはなんの関係もないゲームモードをいっぱい付けたり、ストーリーモードを付けたり、ムービー付けたり、豪華な絵…絵をいっぱい描いたり、キャラクターを乗せたりというようなことが、起こらざるを得ないのが今のパッケージビジネスの宿命なんですね。ですから、これを根本的に変えたいと思っております。

そのために、バーチャルコンソールは大きな可能性がありますし、こういうコンパクトな新作が、出て行く道が出来れば、小規模なチームに新たな開発者としての門戸が開かれます。
任天堂経営方針説明会 テキスト起こし6

これは、Wiiの新しいインタフェイスを駆使した新ジャンルの話の流れで出てきた発言だ。つまり、ここでいうコンパクトな新作は当然、Wii用のソフトということになる。まさかいまさらPCエンジンやファミコンの新作を出すわけにはいかないだろう。

バーチャルコンソールという名称から考えるとWiiの新作が配信されるというのはちょっと不思議な感じがするが、要するにダウンロードおよび課金システムの仮称が今のところ「バーチャルコンソール」なのだろう。まあ、この際、名前はどうでもいいが。

同様のサービスとしてはXbox360のオンラインサービス、「Xbox Live マーケットプレース」があるが、こちらは過去のゲームだけではなく、ゲームの体験版やムービー、マップなどの追加要素の無料/有料の配信が行われている。

Wiiでも体験版の配信を行って欲しいところだが、そうなってくると気になるのはデータの保存量。512MBではあっという間にいっぱいになるだろうから、大容量のSDカードが欲しくなる。ただ、最近ではSDカードの値下がりが激しく、amazonでは例えば2GBのSDカードが8,429円で販売されている。送料税込みで、750円のポイントバック付きだ。手頃な容量のものならもっと安価で手に入る。また、以前の発表によるとSDカードに保存したデータは自由にパソコンなどに保存することも出来るらしいので、最低限の容量のSDカードといちいちコピーする手間さえ惜しまなければ、大容量のカードを何枚も買わずに、何本でもソフトをダウンロードできるようになる。

500円、1,000円のソフトの配信は、以前書いたようなカジュアルゲームの配信に最適だ。ゲームショップに行く習慣がなく、ネットで積極的に検索もせず、新作情報もテレビのCMでしか手に入れられないようなユーザ層でも、ゲーム機の上でメニューから辿っていくだけで新作情報を手に入れ、体験版をプレイし、その場で購入できれば需要拡大に繋がる。アイデア重視でボリュームの少ないカジュアルゲームが適正な価格で、それを求めている人たちの手元に届くようになる。みんなにとって嬉しい仕組みだが、流通業者や小売店は頭を抱えるだろうか。

次に、価格発表の時期について。質疑応答で岩田氏はこう語っている。

Q1 Wiiの正確な発売価格および発売月の発表はいつ頃になるか。また、基本的に赤字にならない価格で発売するという考えで良いのか。

岩田: 正確な価格や発売日については、今年の9月頃までにはお話しする必要があると思っています。というのは、第4四半期に出す、第4四半期イコール10月から12月の間ですから、その前に当然お話しないといけませんので、9月までには何らかの形でそういう機会を作ろうと思います。また、価格が赤字にならない値付けなのかどうかということについてですけれども、ゲーム機というのは、最初は赤字が当たり前というのは、妙な常識だと思うんですね。(中略)任天堂はそういう発想とは、距離を置いております。実際に、じゃあ我々が赤字になるのかならないのかということについてですけれども、1円も赤字にならないかどうかはわかりません、が、巨額の赤字がハードで生まれるということはないようにするつもりです。また、そのことは結局どこかで取り戻さないといけないわけですから、むしろ私達はWiiのビジネス全体で、初年度から健全なビジネスが展開できるということを前提に考えております。
経営方針説明会 質疑応答(任天堂)

また、別の質問の回答として「私どもはその600万台というように申しあげている年度内の予定の中で、400万台以上は年内に出荷できるようにしたいなというように思っている」と発言している。

初期需要があり、全世界で同時期に発売するとはいえ、400万台をという数をさばくのに1ヶ月では短すぎる。おそらく11月下旬以降の発売はない。Wiiの発売日は10月から11月上旬にかけて…と予想できる。価格はすでに25,000円以下と発表されているが、ある程度の赤字は覚悟しておきながらも、健全なビジネスをするとの宣言。…うーん、一体いくらなんだろう。

9月までに何らかの形で発売日と価格を発表するというが、せっかく発表するのならそれ以外にもなにか別の新事実の発表があると考えるべきだろう。9月といえば東京ゲームショウがあるが、それにあわせて発表を行う可能性もあるし、数年前から中止しているユーザ参加型の展示会「任天堂スペースワールド」の再開も考えられる。

岩田氏は講演で次のように語っていた。

Wii Sportsのシリーズ、まあ、テニスや野球やゴルフなどのソフトを除いては「ゲームをしたことのない人がぱっと遊べるようなソフトが、(Wiiには)ありませんね。」ということを色々な方から、取材で、えー、質問を受けました。もちろん、私たちはそういう新しいジャンルのソフトを考えています(中略)

そして、またそのために、いくつかの具体的なテーマを挙げて、投入の準備も始めています。そして、本体の発売から間を空けずに…本体の発売と同時期に、複数の新しい提案が出来ると思います。

ただし、脳トレが流行る前と今とではちょっと状況が違ってきました。1年前に脳トレの存在を無視していた人たちの中には、今や、えー「これは売れるんだったら、こういうソフトを作ろう」ということで、次々と脳活性化ソフト作る方々が現れました。いわゆるフォロワーが現れたということですね。

そして、今や、脳活性化ソフトはゲーム業界の中で、一大ジャンルになっています。

そして、そういうことが起こった後ですから、いま、我々の行動は、注目されているというふうに自覚しております。そういう中で、えー、我々が、早くこのテーマについてお話しすぎることは競争上好ましくないのではないかと、今の時点では、まず、我々の社内で深く潜行して進めておいて、そして時が来たときに、まあ、発売前にまた、何らかの形で発表会をさせていただく機会もあるでしょうから、そういうときに、えー、大々的にお見せするのはどうかな、というふうに今思っています。
任天堂経営方針説明会 テキスト起こし6

間違いないく、価格や発売日の発表があるときに、Wiiで新しいジャンルのソフトも発表される。しかも、その時期はなるべく遅らせたい考えだ。バーチャルコンソールの詳細発表も同じタイミングだろう。

これらの話を統合するとこうなる
・Wiiの価格と発売日の発表時に未発表の新ジャンルソフト、バーチャルコンソールの詳細が発表される
・発表は10月より前で、なるべく遅い時期
・本体の発売は10月~11月上旬

発表会と発売日の間隔は非常に短い。岩田社長就任前の、かつての山内体制では発売する見込みすら危うい商品を早々と発表し、それによってユーザーに早い段階で他の選択肢を排除させ、延期延期を繰り返すという戦略を頻繁に行っていた。スーパーファミコンではファミリーコンピュータのソフトを遊ぶためのアダプタを発売すると発表し、NINTENDO64ではファイナルファンタジー6のキャラを使用したCGムービーを公開、MOTHER3を発売するとも発表した。情報だけ先行し、結局発売に至らなかったソフトや機器が多々ある。

一方で、最近の岩田体制では動きが素早い。昨年のE3で唐突に発表したゲームボーイミクロは数ヶ月で発売されたし、ニンテンドーDS Liteも発表から発売までが極端に短かった。Wiiでも同様の戦略をとる可能性が高い。

パーソナルコンピュータの世界で例えると、過去の山内体制はマイクロソフト的、現在の岩田体制はアップル的である。

結局2007年の発売となる、Windowsの次期プラットホームであるVistaは当初、もっと早い時期に発売される予定だったし、本来予定していた機能も一部2007年の発売に間に合わずに未搭載となるものがある。一方でアップルは新型iPodや新型iMac、MacBookなどを発表したその日のうちに直営店のアップルストアやオンラインストアで販売を開始する。

任天堂はターゲット層の相違があるため、さすがにアップルとまったく同じ戦略は取れない。アップルのメインターゲット層はネット上での最新情報に敏感で、その製品も発売日に買う必要のない商品だ。一方で、任天堂はターゲット層に情報が伝達されるまでの時間を必要とするし、ゲーム機やソフトは発売日に欲しい物だ。任天堂にはある程度の周知徹底期間が必要となる。

任天堂の発表から、その情報が隅々まで行き渡り、なおかつ情報が色褪せない期間というと、どれぐらいだろうか。ニンテンドーDS Liteは発表から1ヶ月とちょっと…5週間程度での発売となったが、以前も書いたように、これは本来の発表日よりも早かった可能性が高い。発表は発売2週間前に行うことも出来た。ただ、これは上位機種なので行き渡るのを待つ必要があった情報はほとんどなかったという点でWiiとの違いがある。

今現在、E3でWiiのソフトが発表されてちょうど1ヶ月程度。ネット上では良い感じにWiiの話題で盛り上がっているし、ネット外でもある程度Wiiの話題が出てくるようになった。新製品の情報が行き渡るのに1ヶ月というのはちょうど良いぐらいかもしれない。発売が近づけば、当然CMもガンガン打ってくるわけだからネット外でももっと情報が浸透していくだろう。予約などの準備期間を考えるともう少し長いぐらいでも良いかもしれない。発表から1~2ヶ月の発売であれば、発表時のインパクトを保ったままの状態で店頭に並ぶことで、良いスタートダッシュが期待できる。

このことから考えられるスケジュールはこのあたりだろうか?
「夏休みである8月に東京で自社主導の発表会と体験会を実施し、10月上旬に発売」
もしくは
「東京ゲームショウにあわせて9月に発表会、その後全国で体験会を実施し、11月上旬に発売」

どうかな。

2006年06月12日

任天堂経営方針説明会 テキスト起こし8

テキスト起こし目次

任天堂経営方針説明会 テキスト起こし7の続き

テキスト起こしはこれで最後。

・ポケモンバトルレボリューションは年内発売
・技術の進歩により、Wiiは省電力で24時間ネットに繋がる
・毎日新しいこと、毎日変わること
・対戦しかないネットの利用は世界が狭い

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2006年06月12日

任天堂経営方針説明会 テキスト起こし7

テキスト起こし目次

任天堂経営方針説明会 テキスト起こし6の続き

・Wii Sportsはパッケージの革命
・ゲームキューブとGBAの連動は失敗だった
・連携により、WiiでDSを拡張する
・自宅でもDSのソフトをダウンロード

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2006年06月11日

任天堂経営方針説明会 テキスト起こし6

テキスト起こし目次

任天堂経営方針説明会 テキスト起こし5の続き

・みんなにゲームに触れて欲しい
・Wii Sports以外にもWiiにはお手軽ソフトがあるよ
・だけど今は話せないよ
・3秒で起動させたい
・500円、1000円で新作ソフトを売りたい

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2006年06月10日

任天堂経営方針説明会 テキスト起こし5

テキスト起こし目次

任天堂経営方針説明会 テキスト起こし4の続き

・Wiiは次世代ゲーム機ではない
・携帯ゲーム機での変化が据置ゲーム機でも起こる
・任天堂は技術を否定しない、プロセッサ性能至上主義ではないだけだ
・暗に他社を否定しつつ、自社の過去も否定
・触りたくなるコントローラ

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2006年06月10日

任天堂経営方針説明会 テキスト起こし4

テキスト起こし目次

任天堂経営方針説明会 テキスト起こし3の続き

・Wiiの命名理由
・それに対する反応
・E3でのWiiへのリアクション

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2006年06月09日

任天堂経営方針説明会 テキスト起こし3

テキスト起こし目次

任天堂経営方針説明会 テキスト起こし2の続き

・ブラウザ、ワンセグ
・Touch!Generationsの今後について
・ニンテンドーDSのコアゲーマーへの対応
・DSのポケモン新作について

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2006年06月09日

任天堂経営方針説明会 テキスト起こし2

テキスト起こし目次

任天堂経営方針説明会 テキスト起こし1の続き

・北米でのDS苦戦の理由
・ヨーロッパ市場で、異常な売れ方をするソフト
・今後のLiteの供給体制について

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2006年06月09日

任天堂経営方針説明会 テキスト起こし1

テキスト起こし目次

・岩田氏の挨拶
・ニンテンドーDSの快進撃
・脳トレの異常な売れ方に任天堂自身もビックリ
・ユーザ層の変化

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2006年06月09日

任天堂経営方針説明会 岩田社長発言全文テキスト起こし

6月7日に、都内で任天堂の経営方針説明会が行われた。岩田社長による、1時間30分弱の講演が行われ、任天堂の現状、今後の方針についての説明がなされた。現在、会場のビデオとプロジェクタで映されたスライドが公開されている

国内でのニンテンドーDSの好調を背景に、強気の発言が飛び出したり、DSやWii今後の展開について見逃せない情報が多数、語られた。

せっかくなので、全文をテキストに起こしてみた。

カッコ内は補足、それ以外は岩田氏の発言内容だ。時間がない人は太字の部分だけ読めばたぶん大丈夫。

任天堂経営方針説明会 テキスト起こし1
挨拶/DSの売れ行きについて/脳トレの異常な売れ方/ユーザ層の変化

任天堂経営方針説明会 テキスト起こし2
北米の苦戦/Liteの供給体制改善/欧州でのnintendogsの異常な売れ方/北米版脳トレ

任天堂経営方針説明会 テキスト起こし3
ブラウザ/ワンセグチューナー/Touch!Generations新作/コアゲーマー向けソフト/ポケモン新作

任天堂経営方針説明会 テキスト起こし4
ゲームの豪華化ではコストが釣り合わない/Wiiの命名理由/名称へのリアクション/E3でのWiiの反応

任天堂経営方針説明会 テキスト起こし5
据置ゲーム機は必要か?/Wiiは次世代ゲーム機ではない/技術は否定しない、使いどころが違うだけ

任天堂経営方針説明会 テキスト起こし6
Wiiの新ジャンルソフトはまだ見せられない/3秒で起動しよう!/500円、1,000円のソフト

任天堂経営方針説明会 テキスト起こし7
本体に似顔絵機能/DSとWiiの連携/自宅でWiiを経由してDSのソフトをダウンロード

任天堂経営方針説明会 テキスト起こし8
「ポケモンバトルレボリューション」を年内発売/24時間ネット接続で毎日新しいこと/対戦だけがネットじゃない

岩田社長の講演のあとで行われた質疑応答の内容は任天堂が掲載しているのでそちらを参照して欲しい。

通して動画を見る前に、いきなり思いつきでテキスト起こしを始めてしまった。深く後悔。
どうせ紹介ムービーとかでしゃべっている時間はたいしたこと無いだろ?と甘く見ていた…、まさか岩田さんが1時間30分ずっとノリノリでしゃべりっぱなしとは…。というか、1時間30分ってこともあとで気づいたし。
テキストで70kb、えーっと、4万文字?ぐらい?
もう二度とやらねえぞ。

2006年06月06日

レビュー:メトロイドプライムハンターズ

タイトル:メトロイドプライム ハンターズ
開発:Nintendo Software Technology
発売:任天堂
発売日:2006年06月01日
価格:4,800円(税込)

ゲームのレビューってのはアラ探しじゃなく、良いところを見つけてそれをみんなに伝えることだと思っている。そんな自分が、テトリスDSやNewスーパーマリオブラザーズのレビューを中途半端に書きかけの状態で、先にメトロイドプライムハンターズのレビューが書きたくなった。まあ、テトリスやマリオは放っておいても売れまくってるし、紹介するまでもないというのもあるのだが、それらのソフトと比べてもこのメトロイドプライムハンターズには良いところがいっぱい、そして、それを紹介したくてたまらないのだ。いやいや、素晴らしい。

"メトロイド"+"プライム"+"ハンターズ"

メトロイドは言わずとしれたファミリーコンピュータディスクシステムで発売された名作2Dアクションだが、メトロイドプライムはゲームキューブで発売された主観視点の3Dシューティングゲーム、いわゆる「FPS(First Person Shooting-game/First Person Shooter)」だ。メトロイドプライムはゲームキューブで2作品が発売され、Wii版の「METOROID PRIME 3 CORRUPTION」の発売も予定されている。Wii(当時はコードネームのRevolution)が2005年のE3で発表された際に、具体的なソフトの発表が全くない中で、唯一主人公のサムスと"3"の文字だけスクリーンに映し出され、(主に北米の)プレスの面々からの大喝采があった。それほど北米での人気は非常に高い。しかし、ごく一部を除いてFPSというジャンル自体が受け入れられていない日本では、メトロイドプライムもその例外ではなく、ヒットしたとは言い難い。

メトロイドプライムシリーズは、過去のメトロイドシリーズ同様、シングルプレイでの探索がメイン。「メトロイドプライム2 ダークエコーズ」では画面4分割によるマルチプレイが取り入れられたが、今作「メトロイドプライムハンターズ」はそのマルチプレイに特化したゲームである。"ハンターズ"と複数形になっているタイトルが対戦主体であることを表している。そのため、シングルプレイ用のアドベンチャーモードは対戦のための練習、操作法の習得やマップや武器の特性を覚えるためのものだと割り切った方が良さそうだ。一応、シングルプレイでストーリを進めることで使用可能キャラが増えていくという要素があるが、マルチプレイモードで数をこなすことでも使用キャラをそろえることが出来る。

ニンテンドーDSとFPS

さて、FPSはPCで生まれ育ったジャンルだけあって、キーボードとマウス操作が基本だ。移動はキーボードA/S/D/Wの4キーをそれぞれ左下右上に割り当てられており、照準と武器の使用はマウスだ。実際にキーボードで確かめてみると分かるが、キーボードでの移動は微妙にやりづらい。しかし、マウスで照準を合わせるのは非常に心地よい。一方、家庭用ゲーム機でのFPSは移動がアナログスティックになることで、忍び足→歩き→走りとシームレスに速度を変えられ、移動方向もキーボードでの最大8方向に比べると格段に自由度が上がる。

照準もスティック操作になるわけだが、これは明らかにマウスよりも劣る。スティック操作はキャラクタの操作や車のハンドル操作のような、滑らかな動きには適しているが、照準のように鋭角で素早い動きには適していない。例えばカタカナの「レ」の字のような動きをしようとすると、ひらがなの「し」の字の動きにしかならないし、画面右上の端にいる敵を撃ったあとで、左下の敵を撃つのはどうしても時間がかかる。感度を極端に上げれば、画面の端から端への素早い動きには対応できるが、そうなると逆に繊細な動きには対応できなくなる。また、キーボードの多彩なボタン操作であらゆるアクションが出来ることを考えると、一見すると使いづらそうに見えるキーボードとマウスの併用は、FPSのインタフェイスとしては最適解であることが分かるだろう。

メトロイドプライムハンターズの操作方法はどうかというと、操作方法は左利き用のものも含めて、4種類のなかから選ぶことが出来る。基本は左手で十字キーとLボタン、右手でタッチペンを使用する「タッチペンR」だ。

・十字キー:プレイヤの移動
・Lボタン:武器の使用
・ペンスライド:視点移動
・ダブルタップ:ジャンプ
・アイコンをタップ:武器変更/モーフボール形態への変形など

ペンによるスライド操作は、完全にマウスでのポインティングを置き換えるものだ。素早く、なおかつ繊細に操作できる。マウスよりも指先に近いマウスはよりなじみやすい。また、親指一本で操作できる十字キーはASDW操作よりも、格段にやりやすい。ただ、この操作方法ではボタンが1つしか使えないため、下画面にいくつか点在しているアイコンのタップに武器変更などの機能を割り当てている。

ペンでやらなくてはいけないことが多く、本体を左手だけで保持しなくてはいけないので、はっきり言えばやりづらい。ただ、アドベンチャーモードで最初の1,2ステージを越す頃にはこの操作方法以外考えられなくなるほど手になじんでくる。しかし、短気な人ならそれまでに投げ出すだろうし、FPS初体験の人は2ステージクリアするまでに何時間かかかるかもしれない。1度でもFPSをプレイしたことがあり、主人公の移動と照準の移動を同時に行うことに違和感を感じない人なら、30分もあれば十分だ。無茶な持ち方をするので、長時間遊ぶとどうしても指に負担が出るのは仕方がない。説明書の言葉を借りると、30分ごとに5分の休憩が必要だ。そしてかの高橋名人の言葉、ゲームは1日1時間を思い出して欲しい。自分は遊びすぎて、左手の人差し指の皮がむけた。ニンテンドーDSの上ボディと人差し指が、弾を撃つたびにこすれてしまうのだ。両手持ちなら指と本体が触れ合うことはないのだが。

ボタン1つにアイコンタップでは、どうしても使える機能が少なくなるため、本格的なFPSと比べると、非常に簡略化されている。メイン武器と同時に使えるサブウェポンもないし、しゃがみもない(モーフボールはある意味しゃがみのようなものだが)。逆にそのことが幸いして、FPSとしてはかなり取っつきやすいほうだと言えるだろう。また、慣れてくると、おなじみの十字キーでの移動と、快適に動作するペン操作での照準あわせが非常に心地よい。

Wi-Fiがなければ魅力1/3ぐらい

対戦主体のゲームでニンテンドーDSでの発売、当然のことながらWi-Fiコネクションに対応し、世界中のプレイヤと対戦が出来る。勝率や試合数などで決まると思われる★~★★★★★のランクシステムがあり、ランクの離れた相手とはマッチングしない仕組みになっている。それでも、初めて対戦に挑んだ時はなかなか勝てないかもしれない。負けが続くとつまらなく感じることもあるだろうが、基本は慣れだ。そのうち、少しでも勝てるようになり、だんだんと楽しくなってくるだろう。

ランダム対戦の相手は国内と世界中の2つから選ぶことになるが、世界中を相手にすると結構しんどい。海外では日本よりも先に発売されているし、気合いの入ったFPSプレイヤがウヨウヨ居る。国内で対戦相手を選んだ方が良いだろう。発売直後だけあって、良い感じにマッチングされる。

最大で4人対戦が可能だが、対戦時にサムスばかりなんてことにはならない。ちゃんとサムス以外にも6人のキャラクタが用意されている。サムスを含めた7人はすべて賞金稼ぎ(バウンティハンター)、そう言う意味で”ハンターズ”というわけだ。この6人のキャラクタはそれぞれ個性があり、得意武器や特殊な能力を備えている。個性的とは言っても、デザインはみんなそろいもそろってアメリカーンなコッテリかつゴッテゴテとしたデザインで、比較的スッキリとしたデザインのサムスと見比べるとおなかいっぱい、胸焼けがしそうな感じだ。マニュアルに彼らの特徴の記載はあるが、微妙に物足りなく、分かりづらい。公式サイトのキャラ紹介を見た方がわかりやすいだろう。

雑魚キャラを蹴散らし、コンピュータの動かすハンターを倒し、ボスを倒して制限時間以内に戻る比較的シンプルで単調なアドベンチャーモードとは雲泥の差。Wi-Fiでの対戦は非常に楽しい。玉砕覚悟で突進してくる鉄砲玉、高台からライフルっぽい武器でヘッドショット(頭部狙撃)を狙うスナイパー、ヒットアンドアウェイで回復アイテムを回収して回る頭脳派(もしくはチキン野郎)、最初から最後までモーフボール状態で転がり回るダンゴムシ、…さまざまな相手と4人対戦が出来る。マップもなかなか相手に出会えない広大なモノから、復活直後に鉄火場のど真ん中に投げ込まれるような狭いモノまで26種類も用意されている。

ランダム対戦では、相手を倒すと+1ポイント、壁際でミサイルを撃つなどして爆風で自爆したり地面のないステージで落下すると-1ポイント、7ポイント先取するか7分間が経過すると終了となる。マップはマリオカートDSのように多数決で決める。大抵は「ランダム」が選ばれる。初期ライフは100で、回復アイテムを取ることで最大199まで増やすことが出来る。ガンガン撃たれてもなかなかライフが0になることはないが、各キャラの得意武器を駆使するとあっという間に倒すことも可能だ。例えば、ライフル系の武器を得意とするキャラがその武器を手にすると、立ち止まっているあいだ透明になる。CMで出てくる狙撃シーンがそれだ。ズームしてヘッドショット、つまり敵の頭を射抜くと一発で死んでしまうことも。他にも、相手を氷らせるキャラや、固定砲台を設置できるキャラもいる。それぞれのキャラと武器の特性を覚え、地形を覚えることが必要だが、それらの情報を元に新たな戦略を考え出したり、対戦相手から戦い方を盗んだりする過程が非常に楽しい。

FPSで対人対戦が楽しいのは、NINTENDO64の名作、「007 ゴールデンアイ」でも体験済みだが、家にいながら世界中といつでも対戦できるのは最高に楽しい。また、007といえば、プレイ中に気分が悪くなる(いわゆる"3D酔い")ことが多かったが、このソフトではまったく問題ない。慣れたというのもあるだろうが、視点が比較的安定し、地形が見やすいのが原因だろうか。対戦はまだまだ始めたばかりなので、★~★★程度のヒヨッコたちとの対戦ばかり─とは言っても漁夫の利狙いで2位が精一杯─だが、いつかすごいプレイヤに想像もしない場所から狙撃されたり、必死に逃げ回ったりしたいものだ。

対戦後、気になる相手をライバルとして登録することが出来る。ただし、相手も登録してくれないとライバルにはなれない。ライバル登録すると、相手の対戦成績を見ることが出来るが、海外組はやはりスゴイ。既にプレイ時間が50時間だったり、数百勝していたりする。こんなのに勝てるはずがない。また、ライバルの登録方法はもう一つある。nintendogsやどうぶつの森にも搭載された「すれ違い通信」だ。これはさすがに無茶な仕様だと思う…。このソフトの売れ行きや、一体誰がこのソフトをわざわざすれ違い状態にして持ち歩くか?という当然の疑問を考えると、すれ違う可能性はものすごく低いだろう。

ニンテンドーDSのパワー

さて、このゲームは小さな画面ながら、グラフィックは意外なほど綺麗で見やすいし、非常に滑らかに動く。いかにも低ポリゴン構成されたカクカクしたマップも、それなりの雰囲気を醸し出している。リアルさにこだわって作り込んだマップも臨場感を盛り上げる意味では重要だが、覚えやすくはっきりとしたマップは対戦していてかなり楽しい。アドベンチャーモードや起動画面ではムービーも流れる。2画面を駆使したなかなか凝った構成、カット割りでそれなりにボリュームもあるようだが、容量の関係か圧縮によるブロックノイズが酷いが、これはおまけだと割り切ってしまえば十分だ。2画面と言えば、通常のFPSでは画面を切り替えたり、画面隅に表示するしかなかったレーダーも、ニンテンドーDSなら下画面に常に表示させることができる。これは便利だ。ただ、プレイ中はあまり見るヒマがないのだが…。

実はこのゲーム、「ニンテンドーDS振動カートリッジ」に対応している。ニンテンドーDSのGBAカートリッジスロットに挿入して使用する、オプションカートリッジで、文字通り振動する。単体では店頭販売されていない代物で、従来のニンテンドーDS用のものは「メトロイドプライムピンボール」同梱で店頭でも市販されているが、ニンテンドーDS Lite用は任天堂のオンライン通販以外に入手する手段がない。そういうレアものに弱い自分は当然ソフトと一緒に買った。ニンテンドーDS Liteに標準で付いているGBAスロットのフタと同サイズ。この小ささにモータが入っていてブルブル震えるわけだ。携帯電話のバイブレーション機能と同じモノと考えれば、この程度のサイズでも十分なのだろう。しかし、これがもう、"微妙"としか言いようがない。

揺れる。たしかに揺れるのだが、揺れると言うより、「え?揺れてる?」もしくは「揺れてるかも…」といったレベル。それより先に出てくる感想は「うるさい」だ。振動しているというか、ギシギシときしんでいるような感じだ。ダメージを受ける → ギー! ムービーで爆発シーン → ギーギー!片手持ちで本体が安定しない分、振動の不快な部分が目立ってしまうような印象を受ける。これでは臨場感もクソもない。それと、色が黒なのも気にくわない。欧州版のブラックモデルのLiteならしっくり来るんだろうが、白ボディに黒カートリッジは何となく締まりが悪い。

臨場感と言えば、このゲームはヘッドホンを使用してプレイすることをオススメする。ヘッドホンを使用することでステレオ感が強くなるが、それが対戦で有利に働くのだ。プレイ中は様々な音が飛び交うが、音で方向が分かる。それに、なかなか音質も良いのでヘッドホンで堪能するべきだ。それだけではない。ヘッドホンの使用を進めるのはもう一つ理由がある。

脅威のボイスチャット

Wi-Fiでの対戦はランダムマッチングの他に、個々に割り振られるフレンドコードをお互いに交換し、登録し合うことで行えるフレンド対戦がある。このフレンド対戦でしか楽しめない、ある特典がある。なんとニンテンドーDSのマイクを使用してボイスチャットが出来るのだ。不用意に知らない人と会話してしまわないよう、フレンドのみ、搭載されているのだろう。

この、ボイスチャット。対戦中には行えない。おそらく、ゲームで通信帯域をフルに使用するため、音声に割り当てられないのだろう。キャラクタセレクト画面や対戦結果表示画面、要するに対戦前と後で、Xボタンを押しているあいだだけ、音声による通信が行える。一人だけしゃべれるトランシーバ方式ではなく、最大で4人同時に話すことが出来る。音質は一世代前(第2世代・docomoのムーバなど)の携帯電話より少し劣る程度だろうか、電話として普通に使えるレベルだ。声を発してから、相手に届くまでに若干の遅延があるうえに、ニンテンドーDSのスピーカから音を拾ってしまうのか、自分の声が遅れて聞こえる現象が起きる。そのため、少々話しづらいが気になるほどではない。少し通信状態が悪い相手と携帯電話で話しているような感じだろうか。お互いにヘッドホンを使用していれば、少なくともマイクがスピーカの音を拾うことはないだろう。

画面はメトロイドプライムハンターズのキャラクタ選択画面なのに、画面に向かって話しかけて、スピーカからは相手の声が聞こえる。何とも珍妙な光景だが、メトロイド以外のゲームの話などをしているうちにゲームそっちのけで何十分と話し込んでしまった。話題がとぎれたときに「じゃあ、ゲームでもしようか」と対戦開始。対戦終了後にまた、先ほどのプレイの感想などを10分以上話あったりする。ちなみに、1対戦は通常7分間だ。対戦時間よりも話し込んでいる時間の方がはるかに長い。

さらに、ランダム対戦ではルールが固定であるのに対し、フレンド対戦(とライバル対戦や通常の無線通信対戦)では他のルールを選ぶことが出来る。

・バトル:通常の対戦。制限時間後の撃破数が多い、もしくは目標撃破数達成で勝利
・サバイバル:最後まで生き残った者が勝ち
・バウンティ:特殊アイテムを目的地に運ぶと得点
・ディフェンダー:陣取り。特定エリアに1人でいた時間が長いと勝ち
・プライムハンター:鬼ごっこのようなもの。鬼(プライムハンター)は強くなり、鬼を倒した者が次の鬼になる。鬼であった時間が長い方が勝ち
・キャプチャー:相手チーム陣地内の特殊アイテムを自陣に持ち込むと得点
・ノード:陣取り。複数あるノードに一定時間居座ると自分のものになる。ノードを所有しているあいだ得点が入る

他にもダメージ量やレーダーの表示設定など細かく設定できる。あれこれ工夫して最適なルールを見つけるのも楽しそうだが、この手のゲームは結局最終的に基本ルールに戻ってくるものだ。

メトロイドプライム3に期待

ニンテンドーDSでありながら、操作性に優れたFPSであり、ボイスチャットまで搭載したWi-Fi対戦を搭載したこのソフトには非常に驚かされた。驚かされると同時に、今後の任天堂の可能性を大いに感じさせられた。Wiiで発売されるメトロイドプライム3コラプション(邦題未定)は確実に、あらゆる意味でこのソフトを超えてくるに違いない。マウスやタッチペンと同等の操作が可能な右手のリモコンに、左手のヌンチャクは十字キーを超えるアナログスティックを搭載している。操作可能なボタン数も多い。リモコンのスピーカからは、ミサイルやパワービームの発射音。リモコンは不愉快な音を発しない振動を演出してくれる。また、当然Wi-Fiにも対応するだろう(プライム3でダメなら、プライム4かハンターズ2で)。ついでにマイクを搭載して、ボイスチャットを─できれば対戦中も─可能にしてくれれば、もう言うことはない。

むしろ、ボイスチャットの部分だけ分離してくれても良い。Wiiのシステムに組み込んでくれたら最高だ。Wiiのコンセプトのひとつとして24時間常時ネット接続がある。まるで電話のようにリモコンのスピーカから呼び出し音が聞こえ、友人と会話をし、これから××で対戦しようぜ、と言われ、そのソフトを挿入してそのまま対戦開始…まあ、スリープ中はリモコン側の電源が切れているだろうから、それはないだろうし、携帯電話で良いじゃんという声も聞こえてきそうだ。

非常に面白いソフトであるが、過去の作品が対して売れていないFPSの新作、しかも携帯ゲーム機、さらに広告もそれほど多く打っていないと思われるこの作品、やはり出荷量はさほど多くなく、店頭では売り切れが続いているようだ。ただ、ニンテンドーDSのソフトは品切れになっても、比較的早く改善されるようなので1,2週間待てば手に入るのではないだろうか。すぐにでも欲しいなら大量に入荷したっぽいamazonあたりで買うといいだろう。無線LAN環境がない人はUSBコネクタも一緒にどうぞ。対戦相手がいない方はWi-Fi掲示板をどうぞ。

FPSとしてはかなり遊びやすく、世界中の競合と直接戦えるのでマニアにもオススメなのだが、やはりゲームに不慣れな人たちには勧めにくい。FPS初体験でも問題ないとは思うが、少なくともマリオ64などの3D系のアクションゲームの経験ぐらいは必要そうだ。電源を入れて最初の30分か、1時間程度は苦痛を伴うかもしれないが、操作に慣れ、システムを理解してからは楽しくなる一方だ。食わず嫌いをせず、ぜひとも楽しんで欲しい。

2006年06月02日

WiiがE3のゲーム批評家賞の最優秀賞を受賞

例年、5月にアメリカで開催されるゲームの見本市E3に出展された作品を評価するGame Critics Awards(ゲーム批評家賞)は、2006年度の最優秀賞を任天堂の新型ゲーム機「Wii」に与えた。

Game Critics AwardsはニューズウィークやUSAトゥデイ、タイムといった新聞、雑誌のエンタテインメント部門や、ゲームスポット、IGNといったゲーム情報サイトなどに所属する編集者やライター、コラムリストなど37名で構成される。2006年度は大賞を含めて16部門に賞が与えられた。

賞は、E3にプレイアブルで展示された作品から各部門5作品のノミネートを選出した後に、その中から再度投票を行い、最優秀賞を決める。各部門の受賞作品は以下の通り

タイトル(ハード) 開発/発売元
Best of Show
(最優秀賞)
Wii NINTENDO
Best Original Game
(最優秀オリジナルゲーム)
SPORE
(PC)
Maxis
Electronic Arts
Best Hardware/Peripheral
(最優秀ハード/周辺機器)
Wii NINTENDO
Best Console Game
(最優秀家庭用ゲーム)
Gears of War
(Xbox360)
Epic Games
Microsoft Games Studio
Best PC Game
(最優秀PCゲーム)
Spore
(PC)
Maxis
Electronic Arts
Best Handheld Game
(最優秀携帯ゲーム)
The Legend of Zelda:
Phantom Hourglass
(NINTENDO DS)
NINTENDO
Best Action Game
(最優秀アクション)
Gears of War
(Xbox360)
Epic Games
Microsoft Games Studio
Best Action/Adventure Game
(最優秀アクションアドベンチャー)
Assassin's Creed
(PlayStation 3)
Ubisoft Montreal
UbiSoft
Best Role Playing Game
(最優秀RPG)
Mass Effect
(Xbox360)
Bioware
Microsoft Games Studio
Best Racing Game
(最優秀レースゲーム)
Excite Truck
(Wii)
Monster Games
Nintendo
Best Simulation Game
(最優秀シミュレーション)
Spore
(PC)
Maxis
Electronic Arts
Best Sports Game
(最優秀スポーツゲーム)
Wii Sports
(Wii)
NINTENDO
Best Fighting Game
(最優秀格闘ゲーム)
Heavenly Sword
(PlayStation3)
Ninja Theory
Sony
Best Strategy Game
(最優秀ストラテジー)
Supreme Commander
(PC)
Gas Powered Games
THQ
Best Puzzle/Trivia/Parlor Game
(最優秀その他のゲーム)
Guitar Hero 2
(PlayStation 2)
Harmonix
Red Octane
Best Online Multiplayer
(最優秀オンラインゲーム)
Enemy Territory:
Quake Wars
(PC)
Splash Damage
id
Activision


ノミネート作品はこちらのページで確認できる。各プラットホームのノミネート作品数および受賞作品数は以下の通り。

プラットホーム ノミネート件数 受賞件数
PC 29 5
Xbox360 21 3
PlayStation3 10 2
PlayStationPortable 9 0
Wii 9 4
PlayStation2 7 1
NINTENDO DS/Lite 3 1
Xbox 2 0
NINTENDO GameCube 1 0
Arcade 1 0


Wiiは大賞の他に、最優秀ハード/周辺機器賞も受賞。単独の獲得数としては、シムシティなどで知られるウィルライト氏の新作「Spore」(昨年の最優秀賞作品でもある)の3部門に次いで2位タイ。また、Wii対応ソフトのエキサイトトラックが最優秀レースゲーム賞、Wiiスポーツが最優秀スポーツゲーム賞を受賞。合計4部門をWiiおよびそのソフトが受賞した。ニンテンドーDS版ゼルダの伝説(邦題未定)も含めると、任天堂の受賞は5部門。これはすべてのメーカーの中で最多獲得数となり、3部門を制したマイクロソフトとエレクトロニックアーツが後に続く。

レースゲーム部門では、各社が次世代ハードのパワーを駆使し、実写のような画質でリアルな挙動のソフトを出展する中で、トラックが空を飛びまくってクラッシュしてもすぐに復帰できるようなソフトが最優秀賞を受賞したことは非常に興味深い。 一方で、昨年は「Best Console Game」「Best Action/Adventure Game」の2部門を受賞したゲームキューブ/Wii対応のゼルダの伝説(The Legend of Zelda: Twilight Princess)や、Wii版メイドインワリオ(WarioWare: Smooth Moves)が賞を逃したことも気になるところだ。

東京ゲームショウ出展作品の中から、一般投票で1作品だけを選ぶ、日本ゲーム大賞フューチャー部門もそれなりに意義はあると思うが、それとくらべるとプロが選定するだけあってGame Critics Awardsのチョイスは鋭さを感じる。過去の受賞作品を見てみると、一般投票でこんな作品が選ばれるのは無理だろうなあ、なんて思わせる作品が見受けられる。例えば2004年度に「Best Original Game」「Best Puzzle/Trivia/Parlor Game」の2部門を受賞したのはゲームキューブのドンキーコングジャングルビートだ。たいして注目もされなかったし、売れ行きも芳しくなかったが、自分が書いたレビューでも大絶賛した作品で、見た目のバカらしさと実際にプレイしたときの感覚の違いに驚かされるゲームだ。パッケージが巨大なため、小売店からは嫌われ、早々とワゴンにドナドナされてしまったり、amazonでゲームキューブ本体と同じ値段で本体と抱き合わせ販売(すでに売り切れ)されてしまったり、マーケットプレイスで新品400円なんて値段が付いてしまったりしている不遇なソフトだ。ものすごく面白いんだけどなあ…。

日米の文化の違いや、ショウでのインパクトが重視されるために、実際の売り上げとは繋がらないことの多い賞だが、ソフトの初お披露目の場でこれだけの絶賛をWiiが得られたことは喜ばしい。この勢いを殺さぬよう、任天堂には発売までに少しづつでも継続してWiiの話題を提供して欲しいものだ。

2006年06月02日

ファイナルファンタジーIIIは8月24日発売

スクウェアエニックスは、ニンテンドーDS用RPG「ファイナルファンタジーIII」を8月24日に5,980円(税込)で発売すると発表した。

ファイナルファンタジー、通称FFは旧スクウェアの看板タイトル。このニンテンドーDS版ファイナルファンタジーIII(FF3)は、ファミリーコンピュータで発売されたオリジナル版の単なる移植にとどまらず、グラフィックを平面的なドット絵からポリゴンで描画された3Dに変更したほか、ストーリの一部、キャラ設定、ジョブシステムの変更を行うなどの大幅な改変を加えている。移植と言うよりも新作に近い。

他のファミコン/スーパーファミコン世代の作品と違って、FF3だけは移植が一度も行われていない。今回は、オリジナル版の発売(1990年4月27日)から16年と4ヶ月、実に5,880日ぶりの発売となる。FF3は、バンダイの携帯ゲーム機、ワンダースワンカラーで一度移植の計画があり、画面写真まで公開されたが発売に至らなかった経緯がある。以前、そのほかのシリーズ作も含めたFFシリーズの移植の歴史をまとめているので参考にして欲しい。

5,980円の価格設定は、一般的に4,800円での販売が多いニンテンドーDS用ソフトとしては高額だ。開発コストがかかっていることも要因の一つと考えられるが、オープニングムービーを収録するなどしているために、大容量のDSカードを使用し原価が高くついた可能性が高い。

また、今作はWi-Fi通信の対応が発表されているが詳細は不明。ゲームの性質上、対戦というのは考えにくいが、ミニゲームなどで対応するのだろうか?アイテムやシナリオの配信というのも考えられる。

リアルタイムにファミコン版をプレイしていたが、さすがに16年も経つと、ラストダンジョンが長かったことぐらいしか思い出せない。あとは源氏シリーズを集めるのが大変だったとか、忍者と賢者以外使わなくなったとか…。DS版は、全くの新作に触れるぐらいの気持ちで遊んでみようと思う。


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