2004年12月27日

レビュー:ドンキーコングジャングルビート


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タイトル:ドンキーコングジャングルビート
発売:任天堂
開発:任天堂
発売日:2004年12月16日
価格:タルコンガ同梱版 6,800円(税込み)
価格:ソフト単体版 5,800円(税込み)
対応:タルコンガ(単体は税込み3,150円)
amazonで購入

※このレビューは隠し要素に関するネタバレを含んでおります。

ゲームキューブ用の音楽ゲーム「ドンキーコンガ」シリーズで使用するタルコンガという周辺機器がある。その名の通り、コンガという楽器を模したコントローラで、2つのタルをくっつけた形をしている。左のタルを叩く、右のタルを叩く、両方を同時に叩く、真ん中にあるスタートボタンを押すという基本動作に加え、センター部に仕込まれたセンサーが手拍子を認識するちょっと変わったインタフェイスを備えている。これをコントローラとして使用する一風変わったアクションゲームがこのドンキーコングジャングルビートである。

ゲームのルールは至って簡単。基本はスーパーマリオタイプの横スクロールアクションで、タルを叩き続けてゴールまでたどり着けばいい。道中でバナナが至る所に配置されているが、これに点数の役割とライフの役割の二つを同時に持たせてある。最初はバナナを20本所持しているが、1ステージクリアするころには数百本に増えることになる。敵にぶつかったりするとダメージを受けてバナナを落とすが、その本数は多くてもせいぜい20本。獲得できるバナナの本数を比べると微々たるものだ。スーパーマリオタイプのゲームだと穴に落ちると即死と言うことも多いが、このゲームの場合は数本のバナナを落としてちょっと前に戻る程度なので、ボス戦までにゲームオーバーになることはまずない。これならゲームの初心者や子供達にも安心して薦められる。

2つのステージ+ボス戦が1コースになっており、それが16コース、さらにラスボスステージ+ラスボス戦が2回分あり、ボス戦を含めると合計で52ステージになる。1コースでだいたい10分程度かかるのでボリュームは十分にあるといえるだろう。後半になるとだんだんと地形が厳しくなってきて、様々なテクニックを駆使しないと先に進みづらくなるし、後述するプラチナ狙いも難しくなってくる。だが、プレイするごとに技術が身に付き、それぞれのステージでのコツがつかめてくる。この課程が楽しく、なおかつ難しすぎる訳でもない。実にバランスが良い。

操作法は実に直感的で素晴らしい。初めてゲームに触れる人にとっては十字キーよりもわかりやすいかもしれない。
・右のタルを連打すると右に走る
・左のタルを連打すると左に走る
・両方のタルを同時に叩くとジャンプする
・手拍子をすると場所によって様々なアクションをする
基本はたったこれだけだ。

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壁にぶつかったときに壁と反対側のタル、もしくは両方を叩けば壁キックをする、格闘ゲームチックなボス戦ではタルを叩く行為がそのまま左右のパンチになり、手拍子で相手の攻撃をかわす操作体系に変わる、仲間の鳥に捕まると左右のタルの連打でそれぞれの方向に上昇する。他にも色々な操作があるが、かなりわかりやすい。特にボス戦は美しいグラフィックや過剰気味の演出、操作に即した効果音もあり、この操作体系でのバトルは非常に臨場感がある。操作に関しては、水中ステージでの操作体系に若干なじみにくい感じがするぐらいで申し分ない。

この、タルを連打すると走り、同時に叩くとジャンプするという操作体系が、いかに簡単な操作体系か、横スクロールアクションの大先輩であるスーパーマリオブラザーズと比べてみるとよく分かる。走ってジャンプするという操作を考えてみる

スーパーマリオ:Bボタンを押しながら十字キーを右に入れ、踏切地点で十字キーを右に入れたままAボタンを押す
ジャングルビート:右のタルを連打して踏切地点で左も一緒に叩く

文章にするとさらにわかりやすさが際だつ。我々ゲーマーはマリオとその類似ゲームを死ぬほどやりこんでいるので気づきにくいことではあるが、ゲームをやらない人たちにとって、このBダッシュジャンプは意外と難しい。Bを押しながら十字キーを右に入れるという行為が「走る」というのも、Aを押すと「ジャンプする」というのもあくまでゲームの文法であって、万人に理解してもらえるものではない。これではゲームを始める以前のところで大きな隔たりが出来てしまう。そのため、ずいぶん前からゲームは初心者向けのものと上級者向けのものとおおきく二分化されてしまっている。だが、ジャングルビートは普段ゲームをやる人もやらない人も同じスタート地点に立てるゲームといえるだろう。これは「初心者向けのゲーム」というわけではない、「初心者にも遊べるゲーム」なのだ。ニンテンドーDSで任天堂が示したゲームの未来に対する答えの一つがこのゲームの中にあるのだと思う。

上級者向けと言って初心者を切るのは容易い。いくらゲーム的な文法を説明もなく並べても、みんな分かってくれるし、先に進めないのをプレイヤの力不足だと言い訳することが出来る。逆に初心者向けとして上級者を無視した作りにするのも正しいアプローチとは言えない。ゲームの初心者の多くは幼い子供達だが、彼らは厳しい消費者でもある。初心者向けだから、子供向けだからと手を抜くと、彼らはそれにすぐに気づいて遊ぶことを放棄する。これでは彼らのサンタさん達も落胆するだろう。

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直感的な操作体系がこのゲームにおける初心者へ開けた門戸だとすれば、上級者が渇望するゲームの奥深さはどこに隠れているのか?これは説明書にも記載していないが、「プラチナクレスト」の存在がそれにあたる。先にこのゲーム内で回収するバナナが点数だと書いたが、2ステージ+ボス戦の1コースをクリアした際に、この点数「ビート」が一定水準を超えると「クレスト」が与えられる。これは先のステージを開けるキーの役割も果たしており、クレストの個数に応じてプレイ可能なステージが増えていく仕組みになっている。単純にクリアしただけだと「ブロンズクレスト」が、600ビートで「シルバークレスト」、800ビートを超えると「ゴールドクレスト」が与えられる。説明書で書いてあるのはここまで、さらに上があり1200ビートで「プレチナクレスト」を手に入れることが出来るのだ。ラスボス戦を含めて18コース、クレストが4つで計72のクレストを集めるのが最終目標となる。

というわけで、気合いを入れて全部回収した
これがなかなかどうして難しい。プラチナを狙いだしたとたんに非常に手応え十分のスルメのようなゲームに様変わりする。説明が冗長になるのでコンボシステムについての詳しい説明は省くが、いかにコンボを増やすように、そして切らさないようにストイックにバナナを集めるかがキーになる。敵を倒すタイミングもよく考え、普通におちているバナナも1アクション挟むようにして、わざと落下して壁キックで戻って・・・こういった手順を組み立てながら考えてプレイするのが非常に楽しい。ある程度解法が分かってくると、1割ぐらいのミスを含んでもなんとか1200ビートは取れる。パーフェクトなプレイでなくとも後である程度挽回できる絶妙なバランスでそれぞれのコースが設計されているのには思わず脱帽だ。困難な目標が提示されているからと言って「ほとんど無理」というレベルではなく「やればできる」程度に抑えたのは正解だろう。ただ、このレベルを軽く越してしまうごく一部の人にとっては物足りなく思えるかもしれない。


道中、なかなか気づきにくい場所にバナナが置いてあったり、ちょっとしたアクションでコンボ数が増え、ビート数が飛躍的にあがることがある。普通、こういった情報は攻略本が必要になってくるが、素晴らしいことにこのゲームでは各コースクリア後に「レッツトライ!」という、ちょっとしたムービーが挿入され、ポイントとなるシーンの上級プレイが見られる。そのプレイを真似する、あるいは見たこともない場所が映っていればそこを探せばバナナが沢山用意されており、高得点を狙うことが出来る。また、エンディングのスタッフロールの背景ではさらなるスーパープレイを見ることが出来る。これは実際に目にして欲しい。

さて、すべてのクレストを手に入れたらどうなるのか。
この記事の一番上にある画像をクリックすれば答えが見える。左上に表示されているものがその答えだ。すべてのクレストを撮るとこれが表示されるようになるのだ。ついでに言うとメニュー画面の音楽も変わる。

結構大変だったんだが報われないもんだなあ。

※文中で引用した画像の著作権は任天堂株式会社に帰属します


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コメント

ふむふむそんなことも出来るんですか・・・
まぁ自分は買わないと思いますけど

それはそうとアナザーの発売日とタイトルが決定したそうですが
メテオスと同じ発売日なのはどうも・・・

ゲームの内容がよ~~~く分かりました。
なるほどと色々考えさせられました。
「ゲームの文法」、任天堂が最近再構築しているように
思えます。
「万人向け」というのは、本来こういうものを指すのだと
改めて思いました。

コンガコントローラーはコンガを模したのではなくボンゴを模しています。
コンガはボンゴより大きいのです。
コンガは語呂が良いのでつけたものと思われます。

以上、どうでもいい話でした。

あんな綺麗な画面写真よく撮れましたね。

普通にパソコンのキャプチャボードにゲームキューブ繋いだだけですけどね
もともとこのソフトは画面がきれいですから。
プレイ中の画面はブレやすいけど、メニューは綺麗に取れますね。

あと、多少鮮やかになるように少しだけ色調補正しています。

覇王降臨以外1000ビートたまりませんが・・・

昨日、すべてのクレストをあつめた!と思ったら、まだプラチナクレストというのがあるんですね。スイカのところをやったら、いきなり「天からプラチナクレストがふってきた!」でしたっけ?そんなので、でてきてびっくり!でした。1200って、最後の方難しくないですか?けど、本当にやればできる、ですよね。
このゲーム、ほんとーに大好きですvv

裏技誰か教えて

ゆいおぽ言う幸男下さい俺の友達エロい

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ああああああああああああああああああああああああああああ
間違っているところはどこですか


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