2006年06月12日

任天堂経営方針説明会 テキスト起こし7


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テキスト起こし目次

任天堂経営方針説明会 テキスト起こし6の続き

・Wii Sportsはパッケージの革命
・ゲームキューブとGBAの連動は失敗だった
・連携により、WiiでDSを拡張する
・自宅でもDSのソフトをダウンロード

--任天堂経営方針説明会 テキスト起こし7 ここから--
(Wii Sportsで提唱する新しいパッケージ形態)
また、同時にこの問題(大作偏重)は、こういう方向(パッケージの束縛からの脱却)だけではなくて、別の方法でも解決できるのではないかということで、ひとつお話をしたいことがあるんですが、それは、ダイナミックレンジを広げるために、新しい方法でパッケージソフトを作る取り組みを考えてはどうかということで、こういう議論を社内で実は、散々してきた結果として、『Wii Sports』という商品形態があります。

もともと、Wii Sportsの発端は、えー、テニスであるとか、えー、ゴルフであるとか野球であるとか、非常にシンプルなプリミティブ(基本的)な部分をこのコントローラで、どんなことが出来るのだろうかということの、実験的な要素としてプログラムをしてみて、「あー、こんな事をしたら面白そうだね。でも、テニスの中心となる、核は出来た、野球の中心となる核は出来たけど、これ、どう商品にしようか」という議論を私も宮本(茂)も加わって、社内のたくさんの人たちとしてきた中で、生まれたアイデアなんですね。

で、もちろんそこに、マリオを乗せることも出来たし、プロスポーツのライセンスを受けて、例えばテニスでしたら、今だったら、例えばシャラポワ選手(ロシアのプロテニス選手)のライセンスを受けて、プロテニス協会と契約して…という方法で、従来のように(テニスだけを1パッケージとして)まとめることも出来たと、ただ、私たちはあえて、それをしませんでした。

そして、逆に、複数のコンパクトにまとめたシンプルでわかりやすく直感的なものを、複数固めて、家族みんなで遊べることが出来る、そういうこともできるスポーツゲームを作ろうと…でも、それは、家族みんな、初心者だけが遊べば、いいというものではなくて、ゲームをずっと遊んできた方にとっても、直感的で新鮮で面白い、そんなパッケージが作れるんじゃないか。その意味で我々は、新しい、パッケージングの発明によって新しくソフトを売る方法、新しくソフトをマーケットに出して、それを市場価値を高める方法というのを考えていきたいと思っております。

現実に、パッケージングの工夫で解決できる問題というのは実は非常に多いんじゃないかと私は思っております。

また、今日、あの、先ほど、あの、E3のときに私の似顔絵や、宮本の似顔絵が画面に映っていたのをご覧いただいたと思うんですが、ああいう、えー、似顔絵キャラクターを作る機能を私たちは本体の中に入れたいと思ってます。そして、これをWii Sportsだけじゃなくて、色んなソフトで使えるようにしたいと思ってます。

ま、こんな事がまた違う広がりを産むのかな、と。少なくとも、えー、今までと同じように、えー、どんどんリアルだけを目指すっていう、一方向の道以外に、ソフトを市場…ソフトの市場価値を高める方法があるんだということを実証できたらいいな、というふうに思います。

(DSとWiiの連携について)
えー、これだけ、DS、DS Liteが売れたわけですから、DSとWiiは上手く連携できないのかということは当然議論の中にあります。

ま、かつて「ゲームキューブとゲームボーイアドバンスの連動」というのは、多くの皆様に期待はしていただきましたが、必ずしもうまくいったとは思っていません。

これは別売のケーブル(ニンテンドーゲームキューブGBAケーブル/1,400円)が必要であったというのも大きな障害になっていましたし、「両方のソフトを買って初めて何かの要素が出てくる」っていうような、ま、決してお客様本意と言えない、あの、ような実装をしてしまった例もあって、えー、決してうまくいったとは私は考えていません。
(※例:ゲームキューブ『メトロイドプライム』とゲームボーイアドバンス『メトロイドフュージョン』をケーブルで連動させることで、プライム上で隠しコスチュームが使用可能になり、フュージョン上でNES版『メトロイド』をプレイできた)

今回は、DSの「ワイヤレスダウンロード機能」を上手く使うことで、DSを既にお持ちのお客様が、「家にWiiがあると、色々うれしいことがある」…そういう提案をしていってはどうかと、いうふうに私たちは考えております。それが、DSの市場での勢いを活用する方法になるんじゃないかと思います。

えー、例えば、DSをWiiのタッチスクリーンコントローラとして、使うようなソフトがあっても良いでしょうし、また、えー、「DSステーション」のような、えー、店頭で新しいソフトのお試し版をダウンロードしてくるというようなことが家でできるようになっても良いでしょうし、そして、DSソフトをWiiで拡張すると…例えば、バンドブラザーズ(『大合奏!バンドブラザーズ』)という合奏ゲームがあるんですけれども、このバンドブラザーズというDSのゲームを、Wiiをつ買って拡張して、テレビから大音量で演奏が出来るようにする…そしたら、Wiiが一台あれば、DSを持ち寄った人たちが、また違う楽しみ方を出来る。あるいは、nintendogs…手元にあるnintendogsの犬が、(Wiiの)画面上に現れる…こんな事が考えられますね。

(DSステーションの機能を自宅で)
ちなみに、全国約1,000ヵ所にこのDSステーションが展開されています。Wi-Fi Connectionの無料接続拠点、ニンテンドーWi-Fi ステーションとして、最初に設置されたわけですが、同時にDSソフトの試遊サービス(Touch!Try!DS)、そして、DSダウンロードサービスによるお試し版の配布や、すれ違い通信の中継、ワイヤレス通信による情報配信など、マルチな機能を持っています。そして、非常に多くの方に利用していただいています。

各店舗に、インターネットのネットワークを引き込むっていうのは実は、大変な労力が必要で、流通の皆様にもずいぶんご協力をいただいたのですが、ネットワークが繋がることで、内容の更新を、「月一回ディスクを送って更新します」じゃなくて、随時出来るようになりましたから、また、店頭からどのソフトがよく遊ばれている、どのソフトがどれだけダウンロードされているというようなことも分かりますから、発売前に色んな反響が分かったりですね、多くのマーケティング上の情報も提供してくれています。

もちろん、Wiiでこの機能がすべて実現できるわけではありませんが、自宅にいながらにしてDSダウンロードサービス(によるソフト/データの配布)を実現するような仕組みを提供していきたいというふうに思っています。
--任天堂経営方針説明会 テキスト起こし7 ここまで--

最後はWii版ポケモンスタジアムである「ポケモンバトルレボリューション」、24時間ネットに繋がるWii Connect24について。

任天堂経営方針説明会 テキスト起こし8に続く


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この記事の前後の記事
2006年06月12日:任天堂経営方針説明会 テキスト起こし8
2006年06月11日:任天堂経営方針説明会 テキスト起こし6

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コメント

Wii面白そうですね!!DSとの色々な連動もあるみたいだし、楽しみだな~

ホントに色んな楽しみが広がりますね。
wiiで、いちばん楽しみなのは、旧ファミコンソフトのダウンロードです。
ディスクシステムや、スーファミにも、そんなサービスがありましたが、オイラが一度も利用することなく終わってしまいました。
時節というものもあるんでしょう。
もっとお手軽に利用できるのなら非常にうれしいサービスです。
パッケージ(箱)が無くなれば、値段も安くなりそうですね。


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