2006年06月02日

WiiがE3のゲーム批評家賞の最優秀賞を受賞


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例年、5月にアメリカで開催されるゲームの見本市E3に出展された作品を評価するGame Critics Awards(ゲーム批評家賞)は、2006年度の最優秀賞を任天堂の新型ゲーム機「Wii」に与えた。

Game Critics AwardsはニューズウィークやUSAトゥデイ、タイムといった新聞、雑誌のエンタテインメント部門や、ゲームスポット、IGNといったゲーム情報サイトなどに所属する編集者やライター、コラムリストなど37名で構成される。2006年度は大賞を含めて16部門に賞が与えられた。

賞は、E3にプレイアブルで展示された作品から各部門5作品のノミネートを選出した後に、その中から再度投票を行い、最優秀賞を決める。各部門の受賞作品は以下の通り

タイトル(ハード) 開発/発売元
Best of Show
(最優秀賞)
Wii NINTENDO
Best Original Game
(最優秀オリジナルゲーム)
SPORE
(PC)
Maxis
Electronic Arts
Best Hardware/Peripheral
(最優秀ハード/周辺機器)
Wii NINTENDO
Best Console Game
(最優秀家庭用ゲーム)
Gears of War
(Xbox360)
Epic Games
Microsoft Games Studio
Best PC Game
(最優秀PCゲーム)
Spore
(PC)
Maxis
Electronic Arts
Best Handheld Game
(最優秀携帯ゲーム)
The Legend of Zelda:
Phantom Hourglass
(NINTENDO DS)
NINTENDO
Best Action Game
(最優秀アクション)
Gears of War
(Xbox360)
Epic Games
Microsoft Games Studio
Best Action/Adventure Game
(最優秀アクションアドベンチャー)
Assassin's Creed
(PlayStation 3)
Ubisoft Montreal
UbiSoft
Best Role Playing Game
(最優秀RPG)
Mass Effect
(Xbox360)
Bioware
Microsoft Games Studio
Best Racing Game
(最優秀レースゲーム)
Excite Truck
(Wii)
Monster Games
Nintendo
Best Simulation Game
(最優秀シミュレーション)
Spore
(PC)
Maxis
Electronic Arts
Best Sports Game
(最優秀スポーツゲーム)
Wii Sports
(Wii)
NINTENDO
Best Fighting Game
(最優秀格闘ゲーム)
Heavenly Sword
(PlayStation3)
Ninja Theory
Sony
Best Strategy Game
(最優秀ストラテジー)
Supreme Commander
(PC)
Gas Powered Games
THQ
Best Puzzle/Trivia/Parlor Game
(最優秀その他のゲーム)
Guitar Hero 2
(PlayStation 2)
Harmonix
Red Octane
Best Online Multiplayer
(最優秀オンラインゲーム)
Enemy Territory:
Quake Wars
(PC)
Splash Damage
id
Activision


ノミネート作品はこちらのページで確認できる。各プラットホームのノミネート作品数および受賞作品数は以下の通り。

プラットホーム ノミネート件数 受賞件数
PC 29 5
Xbox360 21 3
PlayStation3 10 2
PlayStationPortable 9 0
Wii 9 4
PlayStation2 7 1
NINTENDO DS/Lite 3 1
Xbox 2 0
NINTENDO GameCube 1 0
Arcade 1 0


Wiiは大賞の他に、最優秀ハード/周辺機器賞も受賞。単独の獲得数としては、シムシティなどで知られるウィルライト氏の新作「Spore」(昨年の最優秀賞作品でもある)の3部門に次いで2位タイ。また、Wii対応ソフトのエキサイトトラックが最優秀レースゲーム賞、Wiiスポーツが最優秀スポーツゲーム賞を受賞。合計4部門をWiiおよびそのソフトが受賞した。ニンテンドーDS版ゼルダの伝説(邦題未定)も含めると、任天堂の受賞は5部門。これはすべてのメーカーの中で最多獲得数となり、3部門を制したマイクロソフトとエレクトロニックアーツが後に続く。

レースゲーム部門では、各社が次世代ハードのパワーを駆使し、実写のような画質でリアルな挙動のソフトを出展する中で、トラックが空を飛びまくってクラッシュしてもすぐに復帰できるようなソフトが最優秀賞を受賞したことは非常に興味深い。 一方で、昨年は「Best Console Game」「Best Action/Adventure Game」の2部門を受賞したゲームキューブ/Wii対応のゼルダの伝説(The Legend of Zelda: Twilight Princess)や、Wii版メイドインワリオ(WarioWare: Smooth Moves)が賞を逃したことも気になるところだ。

東京ゲームショウ出展作品の中から、一般投票で1作品だけを選ぶ、日本ゲーム大賞フューチャー部門もそれなりに意義はあると思うが、それとくらべるとプロが選定するだけあってGame Critics Awardsのチョイスは鋭さを感じる。過去の受賞作品を見てみると、一般投票でこんな作品が選ばれるのは無理だろうなあ、なんて思わせる作品が見受けられる。例えば2004年度に「Best Original Game」「Best Puzzle/Trivia/Parlor Game」の2部門を受賞したのはゲームキューブのドンキーコングジャングルビートだ。たいして注目もされなかったし、売れ行きも芳しくなかったが、自分が書いたレビューでも大絶賛した作品で、見た目のバカらしさと実際にプレイしたときの感覚の違いに驚かされるゲームだ。パッケージが巨大なため、小売店からは嫌われ、早々とワゴンにドナドナされてしまったり、amazonでゲームキューブ本体と同じ値段で本体と抱き合わせ販売(すでに売り切れ)されてしまったり、マーケットプレイスで新品400円なんて値段が付いてしまったりしている不遇なソフトだ。ものすごく面白いんだけどなあ…。

日米の文化の違いや、ショウでのインパクトが重視されるために、実際の売り上げとは繋がらないことの多い賞だが、ソフトの初お披露目の場でこれだけの絶賛をWiiが得られたことは喜ばしい。この勢いを殺さぬよう、任天堂には発売までに少しづつでも継続してWiiの話題を提供して欲しいものだ。

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コメント

ジャングルビート!
面白いっすよね痛快ですよね
ほんと傑作なのに
続編も期待してたのに
ワゴンセール的な不遇な扱いはホント残念です

他人に薦めるときにタルコンガを強調しなかったので
タルコンガなしで購入した家族がありました
それなりに面白いそうなんですが
やっぱタルコンガで楽しさ倍増なのになぁ

ほんと面白いのになぁ
惜しいなぁ


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