2006年06月27日

レビュー:スーパーマリオ64


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NINTENDO64発売10周年記念ということで、NINTENDO64ソフトのレビューを掲載する。記憶をたよりに書いている部分があるので多少ウソがあるかも。

タイトル:スーパーマリオ64
発売:任天堂
発売日:1996年06月23日
価格:9,800円(税別)
※後に振動パック対応バージョンが発売、価格は最終的に4,800円になる

スーパーマリオブラザーズの発売から約10年が経過して登場した、初の3Dマリオ、それがスーパーマリオ64だ。任天堂は、次世代ハードNINTENDO64と同時にこのソフトを発売した。10年間、日本の、そして世界の家庭用ゲーム市場を席巻してきた任天堂が、さらに次の10年を戦うための意気込みがこのゲームに込められている。

過去の作品に登場したキャラクタが3Dで描かれ、同じく3Dで描かれた広大な「箱庭」を自由に動き回ることが出来る。既にプレイステーションやセガサターンで家庭用ゲーム機の世界に3Dの世界が持ち込まれていたが、スーパーマリオ64の箱庭は誰の目から見ても明らかに今までの3Dゲームとは一線を画す出来映えだった。ところどころ、チラチラと目に付くポリゴンの隙間が見えたり、ポリゴンの表面に描かれたテクスチャがカクカクしていたり、移動すると画面の奥から木がニョキニョキ生えてきたりするような中途半端な画面ではない。派手さはないものの、キャラクタや地形はしっかりと描かれ、広大な箱庭内の地形は遙か遠景まで、基本的にはすべて描画される。スーパーマリオ64のすごいところは、無矛盾に構成された箱庭のなかで自由に動き回ることにマシンパワーを注ぎ込んでいるところにある。ROMカートリッジのためロード時間はなく、グラフィックも十分に美しく、サウンドも臨場感を盛り上げた。

非常に独特なコントローラを持つNINTENDO64だが、そのコントローラの中央にある3D(サンディ)スティックがこのゲームのひとつのキモである。今まで、ゲームのキャラクタを動かすためには十字キーを使用する必要があった。十字キーは基本的に4つのデジタルなボタンの集合体であり、縦軸と横軸のボタンを同時に押す斜め入力を加えても8方向のON/OFFしか表現できない。また、ダッシュボタンと併用して、移動速度を2段階に選ぶことのできる工夫もあったが、微妙な速度を表現することも出来ない。例えば斜め30度の方向にゆっくりと移動したいと思えば、斜めやまっすぐの方向にボタンを押したり離したりしないといけない。3Dスティックなら移動したい方向に、移動したい速度になるように傾ければいい。これが実に3Dの世界にマッチしている。左手の親指の動きにマリオの動きが完全に一致し、ものすごい没入感を得られる。

当然、新しい入力デバイスを使うことになるので慣れが必要だ。最初は自由に動かすことが出来ず、もどかしく感じられることがあるだろう。3Dスティックでのマリオの操作だけでも大変なのに、プレイヤはマリオを撮影しているという設定のジュゲムも操作して視点をコントロールしなければならない。さらに、説明書の他に付属している操作カードには24種類ものアクションが書かれている。結構大変だ。そういえば、NINTENDO64には2つ折りの厚紙の両面に操作説明が書かれたカードが同梱されていたが、それ以降のハードでは付けられていない。いちいち説明書をペラペラめくらなくても知りたいことが分かるようになっているので非常に便利なのだが。

また、このゲームはボリュームもスゴイことになっている。条件をクリアすることで得られるスターを集めるのが、このゲームの目的だが、そのスターが全部で120個。クリアには最低70個が必要で、全部を集める必要はないが、それでもなかなか大変だ。撮るための条件が非常にむずかしいスターも含まれるため、完全クリアには結構な時間を要するだろう。

スーパーマリオを含め、多くの2Dアクションゲームは時間内にゴール地点に到達することがクリア条件になっていて、基本は1本道になっている。これを単純に3Dアクションに置き換えてしまわずに、スーパーマリオ64では別の様々な条件をクリアの条件に変更した。これは非常に大きな変革であり、スーパーマリオ64がその後の作品に大きな影響を与えた部分でもある。3Dアクションゲームでゴール地点への到達をクリア条件とするとどうなるか?せっかく作り込んだ地形も、ゴールまでの最短距離以外は目に触れることもなく、一度通り過ぎればそれで終わりだ。ボリュームを増やすためにはひたすらマップを増やすしかない。スーパーマリオ64では1つのマップで7個のスターが取れる。おかげでマップの隅々まで動き回り、その世界を満喫することが出来る。

15+αの箱庭と120個のスター。膨大なボリュームだが、最初に遊べる部分は少ない。箱庭を繋ぐピーチ城の中には扉が多数あり、規定数のスターを手に入れると扉を開けるようになる。また、特定の場所にある3つのスイッチを押すことで、特殊能力が得られる3つの帽子が使用可能になり、行動範囲が広がる。少しずつ探索範囲が広がることもこのゲームの楽しみのひとつだ。この、得られたアイテムにより行動範囲が広がるシステムは古くは「ゼルダの伝説」などで見られた手法で、その後の任天堂作品でも頻繁に使用されている。行けそうで行けない場所をわざと先に見せることで好奇心を刺激し、行けるようになったときに大きな達成感を与える仕組みだ。

これだけのボリュームがありながら、細かい演出にも非常に凝っている。ピーチ城には鏡のある部屋があるが、鏡の中にはマリオだけではなく、後ろから撮影するジュゲムも写っている。タネを明かせば、鏡として描いているわけではなく、動きを反転したキャラが実際に鏡の向こうにいるだけのことなのだが、それだけの演出でものすごいリアリティを感じることが出来る。近くに絵があるかと思って近づくと、なかなかたどり着けず、実は遙か遠くにある巨大な絵だったという、遠近法を用いた手品のようなトリックを実際にゲーム内でやっているのも面白い。

任天堂初の本格的な3Dアクションだが、とにかく完成度が高い。10年が過ぎても、多くのゲームはこのゲームを超えられていない。本当に完成度が高い。非常に面白い。だが、はたして万人にお勧めできるゲームだっただろうか?ゲーム初心者にこのゲームが受け入れられただろうか?受け入れられる人たちには間違いなく100点に近い点数を付けられるだろうが、それ以外の人たちには、低い点数を付けられて……いやいや、実際には点数すら付けてもらえなかった。難しそうと思われて触れてももらえなかった。斬新的すぎたのか、ハードとソフトを同時に購入して遊びたいと思わせることができなかった。

次の10年も、王者であろうとした任天堂。最高のスタートダッシュを切るために、最高のソフトを作った。おかげでサードパーティだけではなく、その後に続くソフトを作ろうとした任天堂自身にも「マリオ64を超えるソフトを作らなくてはいけない」と巨大なプレッシャーがのしかかる。たしかにNINTENDO64では少数精鋭で、総数は少ないながらも優良なソフトが出そろう市場になった。だが、1万円近くの価格で発売され、選択肢の少ない中で選んだゲームがあっという間にクリアしてしまう作品であってはならないという宿命も背負った。これはプレイヤも肩の力を抜いてゲームを楽しめなくなった事を意味する。完成度が高すぎたために自らの首を絞めた、悪魔のようなソフトだ。

このゲームを境に、家庭用ゲーム市場における任天堂の独裁は崩壊、任天堂の失われた10年が始まった。

ちなみにこのゲーム、ニンテンドーDSに移植されているが、当然のことながら3Dスティックでの操作ができない。ニンテンドーDS Liteには付属しないタッチストラップで画面上をなでたり、ペンでマリオを動かしたりする工夫があるが、かなり無理がある。追加要素もたくさんあり、遊びやすくなっているが、やはりオリジナルであるNINTENDO64版を遊んで欲しい。


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コメント

マリオ64がゼルダのように行動範囲が少しずつ広がっていくのは、もともと「城の中を歩き回って絵の中にステージがある」というアイデアは、ゼルダのために考えられていたからでは?確かこんなことをマリオ64の攻略本の巻末インタビューで宮本さんが言ってた気がする。

あの頃、どれだけ友人に説明しても、「PSと比べて映像がちゃちい。」「スティック操作なんて難しくて要らない。」などの非難を受けていた任天堂(俺)。
今思うと鼻で笑っちゃうような、言い分で任天堂を拒否し続けた友人達。
今だにPS2を持ってない私。
これからの10年も任天堂の勢いは止まらず、常に先を走ってて欲しい。

64の魅力にとりつかれてGCを購入しましたが、やはり64のソフトには勝てず、しかもあまりにもタイトルが揃わなくて退屈になったからPS2を購入してみたものの、地雷が多過ぎて下手にソフトが買えない…。そのおかげでここ最近まですっかりゲーム熱が冷めていました。しかし、DSのおかげで再びゲーム熱と任天堂魂が燃え上がって来ました(オススメは応援団です)。Wiiよ!今の腐ったゲーム業界をブチ壊してくれ! …ついでにSONYも。

まぁ確かにマリオ64の発売当初は変に敬遠されてしまいましたが、最終的には190万本近く売れた訳ですし、日本国内でこれほど売れた3Dアクションはあまり無かったんじゃないんでしょうか(マリオ64DSをあわせるともっと凄い数に…)。GC、PS、PS2にはこのゲームを越えるアクションゲームはありませんでした。売り上げも質も(多分)。やっぱりマリオは偉大ですよ。マリオゲームが全て面白いとは言いませんけどね。

そう言えばマリオ64は、今までファミ通のレビューで無理矢理欠点をほじくり出されて、酷評とまではいかないけど煮え湯を飲まされている様な後味のあまり良くない評価をされていたマリオシリーズにしては異例の39点を獲得したゲームでしたね。
あと1点で満点だったのに・・。この残りの1点にファミ通の悪意を感じるのは私だけでしょうか。きっとこのゲームがスクウェアのゲームだったら満点だったんだろうなぁと思うと歯痒くて仕方が無いです。
それにしても、ファミ通のレビューは本当に当てになりません。FF12は当然の如く満点、メトロイドプライムハンターズは殿堂入りすら許されず、初代星のカービィに至っては驚愕の21点、64スマブラには31点。まぁこれは1人用ゲームがやや物足りないから妥当な数字かなっと思いきや、爽快感が無いとかぬかしやがる奴が居る始末。・・本当に触ってからレビューしてるんですかね。虚しくなってくる。
WiiがSCEさんとたいそう仲のよろしいファミ通さんの鼻をあかす日が来るのが待ち遠しいですね。

>カルチョビッツさん
たしか、当時のファミ通の「事実上」最高得点は39点だったはずです。
40点はゼルダの伝説・時のオカリナが弾き出すまで一度も出たことがありませんでした。
それを考えると、正当な評価かと思います。
ちなみに、古い記憶で正確かどうか若干微妙ですが
初めて39点を出したのもゼルダだったと記憶してます。

ところで、ここ数年ゲーム雑誌を見てないのですが
クロスレビュー40点、って頻出状態なんですかね?

>通りすがりさん
僕は割りと頻繁にクロスレビューを見ていますが、やはりそう簡単に満点を採るゲームは現れませんよ。僕が知っている限りでは、時のオカリナが初の40点満点(これは当然だと思う)、PS2のベイグランドストーリーっていうゲーム(僕はやった事は無い。メーカーはスクウェア)、風のタクト(面白いんだけど、満点を採る程では無いと思う)、nintendogs(これも当然かと)、FF12(マジありえない)ぐらいだったと思います。まぁ、革新的なゲームで無いと満点は採れないって事でしょうか。そういう意味ではFF12は満点に値するゲームだったのかなぁ。でも、粗が多過ぎるし…。

かつて「ファミマガ」という雑誌でも、ゲームソフトの評価をやっていました。しかし、満点ゲームは1本もありませんでした。
評価するのが、何百~何千人という、全国のプレイヤーだからです(つまり一般読者)。
これだけの人数が居たら、評価も様々になりますよねえ。
もちろん記事の取扱や、読者の年齢層によっては、意見が偏ることもあるでしょう。しかし、数名の編集者の評価よりは偏りがないのかなあと。
ちなみに最高は、「ドラゴンクエスト2(FC)」の28.75(30点満点)です。
オイラにとっては“神様ソフト”です。


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