2024年05月01日

次世代Switchの現実味のある予測(2024年5月現在)


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2017年3月にNintendo Switchが発売されて7年になる。発売からこれだけの年数を経ても売れ続けるゲームハードは非常に珍しく、おそらく最終的には1.5億台強を売り上げたニンテンドーDSを超えて任天堂史上最大のヒット商品となるだろう。だが、Switchが最新ハードとして活躍し続けることはなく、近い内に新型ハードが発表されるのは確実だ。

信頼性の高いもの、低いものも含め多くの憶測記事がでて、その真偽を問われるたびに任天堂は記事内容の否定を続けている。本記事もその憶測記事のひとつに過ぎないので話半分で読んでほしい

新ハードの発売時期・価格・スペックについて、2024年5月時点における数々の記事や過去ハードに関する情報、市場動向などを基に可能な限り"正解"に近づくように推測してみた。
なお、理由は後述するが新ハードがSwitchとの互換性を持つことはほぼ間違いないと思われるので、任天堂の新型ゲーム機のことを本記事では「次世代Switch」と記述する。

次世代Switchの発売日・発表日

ゲーム機の発売日を推測するのに必要な情報はいくつかある。
・前世代機の売上傾向
・前世代機対応ソフトの発売状況
・関係者からの情報漏洩(噂)

新型ゲーム機を出すタイミングとしては、前世代機の売上がピークアウトしつつもある程度の売上を維持している時期が多い。Switchが売れ続けていることから、これをもとにして次世代Switchの予測をすることが難しい。ただ現状、すでにハード・ソフトともに販売数のピークを過ぎているのは間違いなく、これからさらに売上は落ちていくだろう。

ハード末期は主力タイトルの開発陣が次世代機に注力するので、任天堂のタイトルで主役級ではないキャラクタを主人公にしたソフトや新規IPなど、比較的小粒なタイトルが多くなる傾向がある。2023年10月のスーパーマリオブラザーズワンダー以降、任天堂製Switchタイトルからはハード末期の雰囲気を感じられ、今後の主力タイトルの発売予定も少ない。

すでに、(本当かどうかはともかく)開発機材や次世代Switchの具体的なスペックなど、複数のルートからいろいろな情報が漏れてくる状況を考えると、割と早い時期からそれなりに準備は整っているように思える。

このあたりの情報を考慮すると、次世代Switchの発売時期は2023年末もしくは年度末(2024年3月)の間となる……が、すでに過ぎている。2024年4月の段階で次世代Switchが正式発表すらされていない。様々な情報を考えると現時点で発売されていないことにかなり違和感がある。

コロナ禍、半導体不足、インフレ、ソフト開発の遅れなど様々な要因で遅延している可能性が高いのではないか
実際、決算時や株主総会での質疑応答において、まだ次世代Switchの発表が行われていないことに対する説明が毎回苦しい言い訳に感じられて、なんらかのイレギュラーが発生していることが疑われる。
となると、遅延の要因をある程度克服できたタイミングで最速かつ適切なタイミングで発売されるだろう。

ここ20年ぐらいの任天堂ハードの発売時期を考えると、年末商戦もしくは年度末に発売されることが多い。それに従うなら次世代Switchの発売日は2024年の11月下旬-12月上旬、もしくは2025年の3月上旬となる

ソフトウェアと違ってハードウェアは早めに知名度を上げる必要があるので発表から発売までの期間は比較的長くなる。半年は周知期間が欲しいので、年末商戦での発売なら6月、年度末発売なら9月あたりが発表時期のリミットだろう

次世代Switchの価格

世界的なインフレ傾向と、半導体の価格高騰、円安などの要因があり、次世代SwitchはSwitchよりも高くなると予想する。

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まず、日本で29,980円で発売された初代Switchはアメリカだと299.99ドルだった。当時1ドル115円ぐらいの為替レートだったが、1ドル100円換算で価格設定が行われている。

2021年に発売された有機EL版Switchは37,980円と349.99ドルで、当時の為替レート112円/ドルに対して109円/ドル程度と実際の為替相場に近い値付けになっている。このあたりは2019年に消費税率が上がったことの影響もあるかもしれない。

Switchは国ごとに制限を設けないリージョンフリーの仕様のため、日本で仕入れたハードを海外で売る事が可能になり、価格差が大きいと転売行為を助長することになる。そのため、実際の為替レートと離れた価格は設定しづらい。

そうなると、2024年5月現在の155円/ドルの為替レートを反映させた価格設定をしなくてはいけない。

任天堂のゲーム機は日本の製品ではあるが、その売上の大半は国外であり、部品の調達や製造も国外なので、基本的にドルベースで価格設定をして、為替レートに応じて日本での販売価格を決めているだろう。

次世代Switchが現行機と比べてどれだけ製造コストがかかるのか不明だが、半導体価格の高騰とスペックアップを考えると仕様を切り詰めたとしても原価の上昇は避けられない。そのため、大幅な値下げになることは考えにくい。Switchの299.99ドルが下限で、おそらくは有機EL版の349.99ドルと同等かそれ以上になる。考えられる価格は299.99ドルから399.99ドルの間だ

1ドル155円でそのまま計算すると、日本での価格は46,500円から62,000円になる
4万円超えは必至だ。

感覚的に子供に与えるゲーム機として本体のみで4万を超えるのは結構厳しいのではないだろうか。
なんとか頑張って日本円で4万以下に抑えて欲しいが、アメリカでの価格をSwitch以下にする可能性は低いだろう。転売のリスクを承知で日米価格差を6,500円に設定する必要があるが、299.99ドルに対して39,980円まで抑えてくる可能性は十分にある
予想レンジ内で最大の399.99ドルだったとしても、日本市場の感覚だと6万円越えの可能性は低い。許容できる上限は5万以下、49,980円になるだろう。日米の価格差については、北米ではソフトウェア同梱、日本では同梱なしという手法も考えられる。

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なお、Wii Uは内蔵メモリと付属品などで差をつけた25,000円と30,000円の2モデル販売を実施した。次世代Switchでも内蔵メモリやディスプレイ違い、物理カードスロットの有無などで2モデル販売することで、普及モデルを格安で提供する可能性はある。だが、Wii Uの2モデル販売は好評だったとはいえないので次世代Switchで複数モデル販売はしないと予測する。

ソフト価格についても見直しが行われるかもしれない。
日本において、ブレスオブザワイルドのパッケージ版が7,678円(税別6,980円)、マリオワンダーが6,578円(税別5,980円)なのだが、両方ともアメリカでは59.99ドルだ。155円/ドル換算だと、約9,300円になる。日本の価格は安すぎる。プラス1,000円程度は覚悟しておいたほうがいいだろう。

次世代Switchの機能

■互換性

Switchの最大のコンセプトは「据え置き型ゲーム機であり、携帯ゲーム機でもある」ことだ。その名の通りスイッチ可能な仕様となっている。ゲーム専用機の携帯型としてはほぼ市場独占状態だし、据え置きゲーム機から撤退する理由もないので、次世代Switchも据え置き・携帯兼用の仕様となるだろう。

基本コンセプトが同じであるなら、当然互換性は維持され、Switchのソフトは基本的に次世代Switchで遊べることになるだろう。互換性があれば、新型ゲーム機発売直後のソフトラインナップ不足を補えるし、豊富なSwitchソフト資産を再活用できる。

■グラフィック性能

新型Switchは当然ながらSwitchより高性能になる。ただ、比較的小さな本体に収める必要があり、バッテリ稼働になることを考えるとプレイステーション5のようなハイスペックになることは考えにくい。PS4 以上、PS5以下ぐらいの性能ならコストや発熱・消費電力のバランスが良いのではないだろうか。PS4Proと同等ぐらいの性能になるかもしれない。

フルHDを超える解像度、4K出力に関しては微妙なところだ。任天堂はすでにハイビジョンテレビが普及している時代に発売されたWiiで、HD画質に対応しなかったことを考えると、次世代Switchで4K対応を見送る可能性はある。対応するとしても、ディープラーニングスーパーサンプリング(DLSS)を用いて、内部ではHD画質で描写し、出力時にアップコンバートするかもしれない。

現行機と比べてバッテリや基板が大きくなる可能性が高そうなので本体も大きくなり、携帯モード時に使用する本体のスクリーンも大きくなるだろう。現行機で有機EL版が販売されているが、コストを抑えるためにも有機ELではなく液晶を採用する可能性が高いと思われる。また、前述の4K出力に携帯モード時も対応するのは過剰なので、本体の液晶解像度はフルHD止まりだろう。

■ストレージ

現在のSwitchにおける不満ポイントの一つがロード時間だ。とにかく遅い。
携帯モードで遊ぶ気軽な作品は別として、マルチプラットフォーム作品だとPS5版を選びがちになる。PS5はロードが早くて快適だ。

次世代Switchにおいて、ロード時間改善はマストだ。eMMCというあまり速度の早くない規格のストレージが使用されているが、PS5と同じNVMeに変わるだろう。それだけでだいぶ快適になる。
内蔵ストレージの高速化でダウンロード版ソフトのロード時間は解決しそうだが、パッケージ版ソフトはゲームカードからの呼び出しがボトルネックになりそうだ。PS5同様に初回プレイ時に内蔵ストレージにインストールする仕組みを入れると気軽さが損なわれるので、どう解決するか気になるところだ。

容量不足も心配だ。ゲームがリッチになると容量が増えていくことになるし、今後ダウンロードの比率が上がっていくと、ストレージ容量は大きい方が良い。PS5やXbox Series Xは1TBほどの容量がある。ただ、容量を増やすとその分コストに跳ね返ってくるので、増やすとしても256GBから512GBぐらいだろう。

現行Switchでは、microSDカードでの拡張がある。次世代Switchでも拡張機能がほしいが、microSDカードの信頼性や速度を考えると別媒体に変えてほしい。PS5の拡張にも使われるm.2 SSDなら速度も容量も十分だがサイズの問題もある上にネジ留めも必要なので、手軽さが犠牲となる。残念だが次世代SwitchでもmicroSDカードで容量拡張をおこなう可能性が高いだろう。

■ネットワーク

ハード的な話で言えば、現行SwitchはIEEE1394/ac(現在はWi-Fi 5と呼ばれる)まで対応している。
現時点でWi-Fi 7まで対応機器が市場に出回っているが、普及度を考えると世代SwitchはWi-Fi 6までの対応だろう。まあ、このあたりはゲームのダウンロード待ち時間が多少短くなるだけなのであまり大差はない。

SIMスロットが不要なeSIMに対応して5G回線に次世代Switchが直接つながる仕組みを入れてくるというのも一瞬思いついたが、アンテナ内蔵のコストや各国の通信規格に対応することを考えると実現可能性は限りなく低いだろう。

ネットワークに関しては、ハード面の進化よりはサービス面での改善に期待したい。
Wiiで本格的にネットワークに対応してから少しずつネット周りのサービスは充実してきたが、まだまだ不満は多い。特に、複数の本体を所有している際にデータの共有が煩雑なことや、本体の世代が変わるとダウンロードソフトの買い直しが必要になることは残念な部分だ。最低限、Switchで購入したソフトはそのままセーブデータごと次世代Switchに持っていきたい。

Switchは一家に一台ではなく、一人に一台を目指していた。その方針をもっと進めるのなら、例えば1本のダウンロードソフトに対して比較的安価な追加料金で家族分の追加ライセンスを発行し、複数本体で同時に起動できるようにするような仕組みがあってもいいだろう。どのような形にせよ、家庭内で複数台所有されることを前提にライセンス管理周りで何らかの改善があることを期待したい。

ネットワーク関連の改善点といえば、ボイスチャットや配信もある。チャットや配信をやりやすくするように本体にカメラやマイクを搭載したり、外付けで追加可能にする…というのは、正直”ナシ”かなと考えている。機能追加によるメリットより、プライバシー面でのデメリットを強く意識してしまう。安心して子供達に与えるためには、そもそもカメラをつけない方が良い。

■コントローラ

Switchといえば本体に装着可能な左右分割コントローラが特徴的だが、据え置き型と携帯型のハイブリッドを維持するなら、次世代Switchでも同様のコントローラになるだろう。ただし、使用頻度の低いモーションIRカメラ(JOY-CON右の底部にある)は廃止されるかもしれない。

NINTENDO64の3Dスティックや、Wiiリモコン、Wii Uゲームパッドなど、任天堂はコントローラで毎回驚くような提案をしてくる。今回もなにか画期的な要素を追加してくるのだろうか。ただ、JOY-CONと互換性を維持しつつ更に革新的なアイデアを追加するのは蛇足感があるので、コントローラはNINTENDO64からゲームキューブ程度の軽い進化にとどまるだろう。機能面ではほぼ同等で、ボタンレイアウトなどのデザイン修正にとどまるだろう。JOY-CONを片方だけ使用する場合にあまり使い勝手がいいとは言えないので、そのあたりは改善してくるかもしれない。また、アナログスティックが動作不良を起こすドリフト問題も設計レベルで根本解決してほしい。

また、日本においてプレイステーション5登場の際に、決定ボタンを◯ボタンから✕ボタンに変更され「右手の下ボタンが決定、右ボタンがキャンセル」で世界的に統一され、任天堂だけが「右ボタンが決定」の取り残されてしまっている。PS5とSwitchで交互に遊ぶ際の混乱の元となっているので、そのうち移行して欲しいと願っているが、任天堂が他社に合わせるとは思えないので遠い将来はともかく、次世代Switchの段階ではこのミスマッチは解消されないだろう。

ローンチタイトル

新型ゲーム機発売と同時にリリースされるゲームは「ローンチタイトル」と呼ばれ、そのハードの印象を決定づけるものとなる。過去の据え置き型任天堂ハードのローンチタイトルはマリオやゼルダなどの主力IPや、Wii Sportsや1-2-Switchといったハードの特徴を発揮するソフトなどがラインナップされる。

ゼルダの伝説に関してはティアーズ オブ ザ キングダムからあまり間がなく、完全新作タイトルが出るにはまだ早いと感じる。マリオは2D最新作のスーパーマリオブラザーズワンダーが出たばかりだが、3Dマリオはスーパーマリオオデッセイから年数が経っているので、新作が出る可能性が高い。マリオ映画でデザインがリファインされたドンキーコングの最新作の可能性もある。

ハードの特徴を活かしたタイトルについては、本体の姿が見えてこない状態だとなーんも想像できん。まあ、なんか予想を超える何かが出るでしょう。

Wii Uでリリースされたタイトルのバージョンアップ版をSwitchで多くリリースしていた。次世代Switchが初代Switchと比較して十分な性能差があるならば、同様にグラフィックが向上しロード時間が短縮された形でSwitchのソフトが移植される可能性もある。特にWii U版と同時リリースだったので、ある意味2世代前のハードのタイトルとも言える「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」のアップデート版を次世代Switchでリリースする意義は十分にある

まとめ

発売時期:2024年11月〜2025年3月
価格:299.99ドル〜399.99ドル(ただし、日本は39,980円〜49,980円)
ソフト価格:日本におけるSwitchソフト+1,000円程度
互換性:Switchと互換性あり
グラフィック性能:PS4Proと同等
本体ディスプレイ:液晶(Switchより大型・高精細化)
内蔵ストレージ:256GB〜512GB(NVMe)
拡張ストレージ:microSDカード
ネットワーク:Wi-Fi6対応
カメラ:搭載なし
コントローラ:機能面はSwitchとほぼ同等で使い勝手向上
ローンチタイトル:マリオ3D新作、ドンキーコング新作、ゼルダの伝説ブレス オブ ザ ワイルド

さて、どれだけ当たっているだろうか。早めに答え合わせをさせて欲しい。


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