« 2006年04月 | メイン | 2006年06月 »

2006年05月29日

レビュー:チーとフーのおいしいえほん

チーとフーのおいしいえほんタイトル画面/(c)2006 NINTENDOタイトル:チーとフーのおいしいえほん
開発:任天堂ゲームセミナー2005
配布期間:2006年5月25日~6月07日
価格:無料

素晴らしい!実に素晴らしい!はっきりと言ってしまえばただのインタラクティブ絵本だが、非常に大きな可能性を感じさせる天晴れな出来映えだ。とりわけ美麗なグラフィックが見られるわけでも、感動させる音楽が流れるわけでも、涙がこぼれるようなストーリがあるわけでもないが、ありふれた部品でも組み合わせとアイデア次第では立派なものができあがるのだ。

チーとフーのおいしいえほん画面/(c)2006 NINTENDOこの作品は、ニンテンドーDSを十字キー側を下にして縦に持ってプレイする。左画面には絵本の本文、右画面には絵が表示される。文字は比較的大きく、漢字は使われていない。場面によっては左画面にも絵が表示される。絵柄は多少アラが見られるものの、いかにも絵本らしいタッチで、親しみが持てる。

チーとフーのおいしいえほん画面/(c)2006 NINTENDO操作は右画面をさわるだけ。戸棚や電球を触れば様々な反応が見られる。音が出たり動いたり。場面によってはマイクに向かって声を掛けたり、円を描くようにペンを滑らせたり、暗闇の中でねずみを探すシーンもある。ページをめくるのは、十字キーでも可能だが、実際の絵本と同様にページの端をつまんで持ち上げてページをめくれる。また、どのタイミングでもページを進んだり戻ったり出来る。画面上の特定の場所を触れることで条件を満たし、その後のストーリが変わることがある。この手の総当たり式アドベンチャー(と言っていいモノなのか?)は、すべての条件を満たしたかどうかが分からず、延々と調べ続けることがよくあるが、このソフトでは調べ尽くすと、ページの端が光るようになっているのでわかりやすい。

一番最初には5ページほどの操作説明があり、操作方法もごくごく簡単なので、小さな子供でも安心だ。チュートリアルが終わると物語の本編に入る。収録されている話は「チーとフーのパンケーキ」の1話のみ。登場するキャラクターは、古いアパートに住む人間のマルノさん、それに屋根裏に住む2匹のねずみのチーとフーだ。

チーとフーはマルノさんの目を盗んで食べ物を失敬している。ある日、パンケーキの材料を買ってきたマルノさんをみた2匹は、夜中にロープを伝って降りてくるが、途中でロープが切れてしまう。屋根裏に帰れなくなった2匹。そのときフーがひらめいた「パンケーキをやいてつみかさねるんだ!そしたらロープにてがとどくよ!」…こんなお話だ。絵本らしく、世界征服を目論む魔王も意外な犯人も朝起こしに来る幼なじみもない毒のないストーリだ。

チーとフーのおいしいえほん画面/(c)2006 NINTENDOどのあたりが「おいしい」かというと、食べ物を軸にお話が組み立てられている…というわけではなく、最後にレシピが出てきてパンケーキを作るようになっている。

レシピ通りの分量の小麦粉と砂糖、ふくらし粉をふるいに掛け、牛乳と卵を入れてよくかき混ぜる。できあがった生地を泡が出てくるまでフライパンで焼いて裏返し、湯気が上がるまで焼き上げると完成だ。綺麗に焼き上げることが出来ると、最後に物語の途中で拾ったメープルシロップやホイップクリーム、イチゴなどで自由にデコレーションをすることが出来る。

チーとフーのおいしいえほん画面/(c)2006 NINTENDO起動直後のメニューでは、「おはなしをよむ」の他に「レシピをみる」も用意されている。ここでは前述のパンケーキの作り方が簡単ではあるが紹介されている。ゲームの中ではなく、本物のパンケーキを作るためのレシピだ。

文章だけでは、このソフトの魅力は伝わらないと思うし、興味のない人なら触ってもなんの感情も抱けないだろう。だが、子供に遊んで貰うことを想像しながら触ってみると、これほど素晴らしいソフトはない。任天堂はDSで5歳から95歳をターゲットとしていると主張し、実際に95歳でも楽しめそうな脳を鍛える大人のDSトレーニングなどを発売してきた。では、5歳でも遊べるゲームはというと、はっきりとその年齢層をターゲットとしたソフトはなかった。

この、「チーとフーのおいしいえほん」は5歳、いや3歳でも通じるソフトだ。触ると反応する仕組みは、間違いなく子供が喜ぶし、マイクに呼びかけると反応する演出にはビックリするだろう。ゲームの分類上はアドベンチャーゲームに該当するが、フラグ立てを無視してもページをめくれるので、次にどうしていいのか分からなくなって先に進めなくなることもない。文字が読めないなら親が読み聞かせて、子供にペンで触らせればいい。ある程度上の年齢なら、ゲームで遊んだあとで実際にレシピ通りに料理を作るといいだろう。

同様のコンセプトを持ったゲームは、セガのキッズコンピュータ・ピコをプラットフォームとしていくつも発売されているが、携帯ゲーム機で出す意義は大きい。寝床で読み聞かせが出来るし、キッチンに持ち込んで画面を見ながら料理も出来る。頑丈に出来たニンテンドーDSなら子供に触らせても安心だ。

大した素材を使わなくとも、組み合わせと味付け次第で、素晴らしいものができあがる。ゲームも料理もレシピ次第というわけだ。

チーとフーのおいしいえほんレシピ画面/(c)2006 NINTENDOさすがにこの程度のボリュームの1話収録でパッケージ販売をするのは無理だが、何話か集めたり、絵本作家などから素材提供をしてもらい知名度が得られれば市販するのも無理ではないだろう。既存の名作絵本をこのソフト用にアレンジしても良い。単純なコンセプトなので、シリーズ化も十分考えられる。メリットがあるかどうかは不明だが、ソフトエンジンをDSカードに収録し、本編と音楽をGBAカートリッジに入れて取り替えられるようにするのも面白いかもしれない。

今回もスタッフロールから転載

プログラム
 ご ほっわい
 たなか わたる
 たにひら ちほ
 はっとり ゆりえ
 ほりた じゅんぺい
 りゅうごう まゆみ
デザイン
 くらた めぐみ
 こばやし くるみ
 ささき まい
サウンド
 いのうえ めぐみ
サブディレクター
 はっとり ゆりえ
ディレクター
 くらた めぐみ

追記:7月6日にニンテンドーDSで絵本が読めるソフト、こどものための読み聞かせ えほんであそぼうが、3作品発売される。結構安い。

2006年05月26日

Wiiの今年度販売予想は600万台、価格は25,000円以下に

任天堂は25日、平成18年3月期決算短信(pdfファイル)を自社サイト掲載した。その中でWiiの2006年度の国内外販売予定がハード600万台、ソフト1,700万本であることが明らかにした。また、決算発表に伴い発表会見を行い、その会見の席上で、森仁洋専務取締役が、今年中に発売を予定している新型ゲーム機「Wii」の価格が25,000円以下、250ドル以下であると語った。具体的な価格や発売日は発表されていない。

おそらく近日中に、正式に価格発表が行われると見られるが、大方の予想通り過去の据え置き型ハードとあまり変わらない額に収まりそうだ。25,000円と250ドルを同列で扱っているが、現在の為替レートやニンテンドーDSの日米価格差などから推測すると、日本円で25,000円なら、北米では200~220ドル程度になる可能性が高い。仮にこのままの価格で発売されるとなると、日本での価格が意図的に下げられた金額設定ということになりそうだ

価格については「まあ、こんなもんだろう」という印象しか受けないが、2006年度中の販売予想で、なかなか強気の数字を出してきていることが気になる。Wiiは今年の第4四半期(2006年9月~12月)発売ということなので、2006年度内の販売予想ということは3~6ヶ月間に600万台売り上げるつもりということだ。意図したかどうかは不明だが、プレイステーション3の初年度販売予定数量も同じく600万台である。また、Wiiのソフトの販売本数は、初年度で1,700万本予定。これは、ハード1台に対して2.83本である。

これらの数字の持つ意味を紐解くために、過去の決算短信を元に、それぞれのハードの予想販売台数と実際の販売台数などを年度別に一覧表にしてみた。

ゲームボーイアドバンス(2001年3月21日/9,800円)
ゲームボーイアドバンスSP(2003年2月14日/12,500円)
ゲームボーイミクロ(2005年9月13日/12,000円)
年度 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006
ハード予想
- - 1,900 2,000 1,400 1,020 250
ハード実績
107 1,709 1,565 1,759 1,540 833 -
ハード累計
107 1,816 2,394 5,140 6,679 7,513 7,763
ソフト予想
- - 5,700 6,000 7,000 5,050 3,000
ソフト実績
273 4,705 4,051 7,489 8,457 5,936 -
ソフト累計
273 4,978 7,122 18,379 26,836 32,772 35,772
装着率
2.55 2.74 3.22
3.58 4.02 4.36 4.61
国内タイトル数
25 143 205 156 165 76 -
北米タイトル数
- 149 221 145 181 170 -
その他タイトル数
- - 203 142 135 170 -
ニンテンドーゲームキューブ(2001年9月14日/25,000円)
年度
  2001 2002 2003 2004 2005 2006
ハード予想
- 400 1,200 600 450 280 -
ハード実績
- 380 576 502 392 235 -
ハード累計
- 380 955 1,457 1,850 2,085 2,085
ソフト予想
- 1,000 3,600 5,000 4,500 3,450 1,500
ソフト実績
- 1,437 4,614 4,737 4,842 3,279 -
ソフト累計
- 1,437 6,051 10,787 15,629 18,908 20,408
装着率
- 3.78
6.34 7.40 8.45 9.07 9.79
国内タイトル数
- 22 77 89 43 37 -
北米タイトル数
- 42 159 125 99 84 -
その他タイトル数
- - 150 127 80 67 -
ニンテンドーDS(2004年12月2日/15,000円)
ニンテンドーDS Lite(2006年3月2日/16,800円)
年度
        2004 2005 2006
ハード予想
- - - - 350 1,240 1,600
ハード実績
- - - - 527 1,146 -
ハード累計
- - - - 527 1,673 3,273
ソフト予想
- - - - 1,500 3,500 7,000
ソフト実績
- - - - 1,049 4,995 -
ソフト累計
- - - - 1,049 6,044 13,044
装着率
- - - - 1.99 3.61 3.99
国内タイトル数
- - - - 26 147 -
北米タイトル数
- - - - 18 97 -
その他タイトル数
- - - - 16 84 -
Wii(2006年第4四半期予定/25,000円以下)
年度
            2006
ハード予想
- - - - - - 600
ソフト予想
- - - - - - 1700
装着率
- - - - - - 2.83
 ※売り上げの単位は万台・万本、タイトル数の単位は本
 ※装着率は「ソフト累計÷ハード累計」
 ※緑色で表記した2006年度の累計、装着率は予想値
 ※赤字は予想を下回った実績値、青字は予想を上回った実績値
 ※ゲームボーイアドバンスシリーズ、ニンテンドーDSシリーズの台数はそれぞれのハードの合算
 ※販売予想台数(本数)は、前年度決算時のもの。中間決算などで修正が行われることがあるが、それは考慮していない。
 ※ゲームボーイアドバンスの2001年度は10日間の実績。
 ※ゲームボーイアドバンスの2001/2002年度の予想は資料なし。


まったくの余談だが、ゲームボーイシリーズは発売から11年で1億台の大台を突破したが、2006年中には、ニンテンドーDSを含めたゲームボーイアドバンスソフトが動作する携帯ゲーム機の合計台数が、1億台を突破しそうだ。2001年の発売から5年強、旧ゲームボーイの2倍のペースである。なんとも恐ろしい。

話がそれすぎた。閑話休題。
表を見れば分かるが、携帯ゲーム機は装着率が低く、据え置きゲーム機は高い傾向にある。…これは旧ハードとの互換性の有無も関係していると考えられる。Wiiは、ゲームキューブ並の装着率を想定していると考えられる。ただ、9月発売のゲームキューブより10~12月発売のWiiはどうしても1本体あたりのソフトの売り上げは落ちる。初年度のソフト販売本数が1,700万本というとかなりの本数に見えてしまうが、装着率で2.83ならわりと妥当かもしれない。

ハードの売り上げ台数の600万台というのはどうだろう。同時発売ソフトに恵まれず、スタートダッシュで大きくつまずいたゲームキューブが380万台、2005年にTouch!Generations旋風がゲーム業界の常識を覆す直前のニンテンドーDSが527万台。それを超える600万台は、一見すると強気だ。しかし、ゲームキューブやニンテンドーDSとは違って、Wiiには好材料がそろっている。

Wiiの好材料の一つは、ニンテンドーDSで任天堂が積極的に行っている非ゲーマー層の掘り起こしが驚くほど効果的に働いていることだ。大人のDSトレーニングなど、多くのソフトが100万、200万と驚異的な売り上げを続けており、今までゲームに興味の無かった人たちが次々とニンテンドーDSを買い漁ることになり、半年近く入手困難な状態が続いている。そのニンテンドーDSと同じ思想を受け継いでいるWiiは確実に受け入れられると、任天堂は絶対的な自信を持っている。その自信が600万台という数字に表れている。思い返せば、ゲームキューブのコントローラで、ボタン一つでも遊べるゲームにしたいという考えからAボタンを大きくしたときからずっと、任天堂の主張には一切のブレがない。もっと多くの人に、もっと簡単に、ゲームを楽しんで欲しいという主張だ。まだ、ゲームキューブの時には、思い切りが足りなかったが、ニンテンドーDSではさらにその思想を推し進めてボタン操作を捨て、さらにWiiでは片手で遊べるようにした。NINTENDO64でトップシェアを奪われた任天堂が、10年間思い悩んだ結果たどり着いたのがこのWiiだ。任天堂が弱気になるはずがない。

もう一つの好材料は価格。25,000円以下…おそらく19,800~25,000円の範囲内になるが、これは過去の任天堂の据え置きハードの価格と同じで、大方の予想通り。はっきり言えばインパクトがない。絶対的に見ると印象の薄い価格だが、相対的価格は圧倒的に安い。相対的価格というのは、当然プレイステーション3と見比べての金額だ。Wii本体にコントローラを人数分、ソフトを数本つけてもプレイステーション3より安くなるのは明らかで、これはかなりのインパクトだ。本体価格に限れば、Wiiの価格設定とプレイステーション3のモデルによっては、3倍かそれ以上の価格差になる。3倍も差が付けば、よほど商品価値に魅力を感じない限り安い方に手を伸ばしてしまうのではないだろうか。今年の年末商戦では、性能 vs 価格&独自性の勝負が繰り広げられることになる。明確なコンセプトの違いで性能争いから一歩退き、次世代機ではなく新世代機と主張するWii。それに、ミスターアメリカとホーガンぐらいの明らかな差があるXbox360とPS3。一見すると三つ巴の3択のように見えた構図だが、まずは「Wiiとそれ以外」という2択が行われ、そのあとでWiiを選ばなかった人たちが、さらに「3か360か」の2択をすることになりそうだ。

おそらく近いうちに正式に価格が発表される。その際に他の未公開情報が明らかになるかもしれない。600万台の本体と1,700万本のソフトを数ヶ月で売りさばくための秘策の片鱗も見えてくるだろうか。

2006年05月24日

欧州版ニンテンドーDS Liteに日本未発売カラー

任天堂の欧州法人Nintendo of Europeが、6月23日にヨーロッパ地域でニンテンドーDS Liteを発売すると発表した。価格はイギリスが99.99ポンド、そのほかの地域が149.99ユーロ。いずれも現在の為替レートで21,000円程度。

発売されるのは「Stylish white」と「Sleek black」の2色。スタイリッシュホワイトは日本版のクリスタルホワイトとおそらく同じものだが、スリークブラックは日本未発売の黒モデル。プロモーションサイトで外観が確認できる。

なお、北米地域ではPolar Whiteの1色のみが129.99ドル(15,000円弱)で6月11日に発売される。

将来的に日本でも黒モデルが発売されるのだろうか?
過去のゲームボーイシリーズで数多くの海外専売カラーが発売されていることや、北米限定のニンテンドーDSエレクトリックブルーなどの存在を考えると、国内で黒モデルが発売されない可能性の方が高そうだ。

どうしても黒が欲しい人は輸入販売を行っている店を利用すると良いだろう。例えば前述のエレクトリックブルーも販売されており、現時点で日本未発売のメトロイドプライムハンターズなどのソフトも販売されている。ただ、最初は現地でも品薄が予想されるため、輸入品の価格はかなりの高額、場合によっては2倍以上になることを覚悟した方が良さそうだ。

また、販売圏が広まったことにより、最近は不定期でamazonに入荷したり、入荷日の昼前に家電店や大型玩具店行けば、並ばずとも購入できるようになったニンテンドーDS Liteが、国内でも以前のように超品薄になる可能性がある。4月には国内だけで100万台を販売したニンテンドーDS Liteが日本、北米、欧州の3地域の需要を満たせるほど生産できる体制が取れるのか心配だ。

2006年05月20日

レビュー:bioum(ビオウム)

bioumタイトル画面/(c)2006 NINTENDOタイトル:bioum(ビオウム)
開発:任天堂ゲームセミナー2005
配布期間:2006年5月11日~5月24日
価格:無料

bioumはネコソギトルネードくるけし!に続く、任天堂ゲームセミナー2005生徒作品配布第3弾だ。ネコソギトルネードはインタフェイスに工夫があるものの、オーソドックスな縦スクロールシューティングであり、くるけし!が王道ともいえるタッチペンアクションパズルゲームであったのに対し、bioumは一言では言い表しにくい奇抜で不思議なソフトである。

このゲームのルールはマニュアル画面を見るのが一番だと思う。

bioumマニュアル画面/(c)2006 NINTENDOこのゲームの目的は生態系を作ることにある。人工生態系のことを、生物学では英語でバイオトープ、ドイツ語でビオトープと言うが、このゲームのタイトルはここから得たものだろう。

本来の生態系では、食う食われるの関係や、死骸を分解する微生物の存在をすべて含めたものだが、このゲームで扱う内容はもう少し単純で、食物連鎖をモチーフとしている。食物連鎖というのは、草を草食動物が食べ、草食動物を肉食動物が食べ、さらに強い肉食動物がそれを捕食する、ピラミッド状の図で表される、小学校か中学校の理科の教科書に載っているアレだ。このゲームでは分解者は考慮されていない。

実際のゲームは、最初の生物の発生→それを捕食する生物の発生→生態ピラミッドのバランス取り→さらに上の階層の生物の発生、と進んでいく。どんどん新しい生物を生み出し、ピラミッドを登っていくイメージだ。

タッチパネル上で、一筆書きで描くと、それが新しい生物となり画面上を自由に動き回る。このゲームではそれぞれの生命体のことをビオと呼称する。正体不明のなんだかよくわからない台形部分から、画面中央に向かってペンをスライドさせるとそのビオが新しく生まれてくる。

台形部分から生み出されるビオは、生態ピラミッドの最下層のものだけだ。それより上の階層にいるビオは、ひとつ下の階層のビオを捕食することによって増殖する。画面内のビオにタッチすることで、そのビオが鳴き、それをエサとするビオが寄ってくるようになっている。肉食動物が草を食べないのと同じように、二つ下の階層のビオを食べることはできない。

上画面には生態ピラミッドが常に表示されている。その階層のビオが多ければ幅広く、少なければ狭くなる。ビオにはおそらく寿命が設定されており、何もせずに放置すると寿命や捕食により絶滅してしまう。1階層でもビオを絶滅させるとゲームオーバーだ。

生態ピラミッドには理想となる形があり、それぞれの階層のビオは増やしすぎると、はみ出してしまう。画面上には最大で4階層分のビオが登場するが、そのすべてが理想となる数の範囲に収まると、さらに上の階層のビオを生み出すことができるようになる。

それぞれのビオには特徴がある。動きのすばやいもの、遅いもの、同じルートをひたすら往復するもの、その場でぐるぐる回るもの、群れたがるものなど。動きの遅いビオはなかなか捕食してくれないが、下の階層のビオを鳴かせることでうまい具合に誘導してあげるといい。

動きがかわいらしく、見ていて飽きない…というと言いすぎだが、自分で適当に描いたはずの丸や四角が、雄雄しい捕食者として小さな生態系を支配する様は、見ていてなかなか愉快ではある。その最強のビオも、プレイを進めるにつれ、世代が変わっていくと、いつの間にか小さく弱い最下層に位置するようにになる。世知辛いものだ。

20世代まで食物連鎖を続けることができればクリアだ。常にピラミッドに気を払い、操作に慣れればゲームオーバーになることなく、簡単にクリアできるだろう。初プレイでクリアしてしまう人も多いのではないだろうか。


bioum結果表示画面/(c)2006 NINTENDOどのようなビオを生み出したかは、スタッフロールの後で一覧表示される。この画面で、それぞれのビオにタッチすると、「動きがすばやい」「真ん中が好き」などのビオの性格が表示される。一番でかいビオは地球サイズらしい。20階層もある超巨大生態ピラミッドだけのことはある。
※一箇所、空欄に見えるのは、白いビオだ


さて、このゲームの感想だが、はっきり言ってしまえば「あまりおもしろくない」

というか、セミナーの生徒作品に面白さを求めるのが、そもそも無茶だというものだ。だが、ネコソギトルネードとくるけし!が異常に面白かったので、その差を強く感じてしまう。

タッチペンで描いたものが動き出すという要素と、生態系を真似たコンセプトは面白いと思うが、"それだけ"のゲームだ。それ以上でも以下でもない。このゲームを数10分以上遊ぶのは無理だろう。

だが、ちょっとした味付けで化けそうな印象は受けた。

例えば音。複数のビオの動きに合わせて和音を出したり、状況に応じてBGMを変更させると楽しそうだ。…要するにエレクトロプランクトンなのだが。

時間をもっとゆっくりにするのも良い。ちょっとこのゲームは忙しすぎるのだ。10分程度でクリアできるが、まず、ゲームの終わりを無くし、世代交代を数時間から数日にまで延ばしてみる。電源を入れっぱなしで放置する遊び方もアリだろう。1回につき10分程度遊び、次にプレイしたときにニンテンドーDSの内蔵時計を利用して、電源を切っているあいだに何か変化をもたらすのも良い。…これは巨人のドシンだな。

時間と言えば、ゲーム内の仮想時間の尺も思いっきり長くするのも良さそうだ。食う食われるの関係だけじゃなく、進化の要素を加味してビオたちに変化をもたらすのだ。…ここまで行くと完全に別のゲームになりそうだが。


bioum結果表示画面、ビオを全部アルファベットにしてみた/(c)2006 NINTENDO進化の要素を加えるならネットワークを利用しない手はない。無線を利用して、他の生態系とのやりとりをするようにするのだ。

他の生態系とやりとりが出来れば、外来種との交配で突然変異が生まれるなんて要素を加えることが出来る。すれ違い通信なら、気づいたときに見たことのないビオが自分のbioumに突然現れるなんてこともある。

他にも、弱肉強食の部分だけコンセプトを受けついで、アクションゲームに…ってこれは動物番長か。

うーん。何か要素を加えたら面白くなりそうな気もするが、どうにもならない気がしないでもない。いっそのこと、画面を3DにしてWiiで出しちゃったらどうだろうか。


bioumプレイ画面/(c)2006 NINTENDO今回もスタッフロールから開発者を転載。いずれ市販ソフトのスタッフロールに彼らの名前が見られると良いなあ。

director
 inoue seita

programming
 kasuya shogo
 sato shintaro
 minato keiichi

graphic design
 kubo amica
 kubo kenta

sound
 fujisaki masahiro

2006年05月16日

任天堂はE3でWiiの何を見せ、何を隠したか?

E3も無事に閉幕。情報ソースによってとらえ方は様々だが、一通りの記事に目を通すと、Wiiが一番の注目であったことはほぼ間違いなさそうだ。試遊台には4時間待ちの行列もあったという。様々と言えば、発表の瞬間に会場から拍手が消え失せたという、プレイステーション3の価格への反応。ネット上ではおおむね「高すぎる」という評価なのだが、ファミ通副編集長が、多くのゲームファンが予想した価格だとblogで言い放った。いつからあんたらの雑誌は値札を見ずにモノを買うマニアとセレブのものになりましたか。つーか、ファミ通で小売店やメーカによる価格予想アンケートをやってなかったか?6~7万円超えなんて価格つけたのはメチャクチャ少数派だった気がするぞ。

そのほかにも、各プラットフォームメーカーのお偉いさんから愉快な発言の応酬があり、ゲームファン ─ もとい、ゲーム情報マニアたちが喜ぶいい話の種、というかネタが盛りだくさんでおなかいっぱいの1週間だった。

たとえば、SCEの久夛良木氏が「これはPS3の価格です。-略- 高級なレストランで食事をした時の代金と、社員食堂での食事の代金を比べるのはナンセンスですよね?」と言えば
任天堂の岩田氏はその発言を知ってかしらずか、「リッチなコンテンツはリッチなコンテンツで否定するわけではありません。-略-毎日フランス料理や会席料理じゃ飽きるでしょ。たまにはお茶漬けも食べたい。」と発言。
PS3とWiiの思想の違い、商品展開の違い、ソフトラインナップの違いがこの2つの発言に見事に現れているだろう。

さて、ヨタ話はおいといて、今回の本題に入るとしよう。任天堂は今回の発表で何を見せたか。そして、何を隠しているのか。

Wiiに関して今回明らかになったハードウェア情報のうち、重要と思われるものをいくつかピックアップしてみる。

1.コンセプト「Wii Connect24」の発表
2.リモコンにスピーカを内蔵
3.ヌンチャクにもモーションセンサーを搭載
4.ニンテンドーWi-Fiコネクションに対応
5.ガンタイプの拡張コントローラをオプションで提供

たいていの情報は昨年の東京ゲームショウなどで既に発表済み。今回発表された内容は意外なほど少ない。しかし、その中でもWii Connect24とリモコンに内蔵されたスピーカの存在価値は大きい。

Wii Connect24というのは、Wiiが「止まらない」ハードであることを意味する。多くの家電製品は、リモコンの信号を常時受け付けるために常に待機状態(スリープ状態)にある。Wiiのコントローラは名称自体が「Wiiリモコン」となっており、それで本体の電源を入れることが出来る、文字通りのリモコンだ。よって、Wiiにもスリープ状態が存在し、電源コードを抜かない限りは(もしくは存在するかどうか不明の主電源を切らない限りは)電源がOFFの状態にならない。通常、冷却ファンやCPU、GPU、その他制御チップ類のために50W程度の電力を消費するWiiは、スリープ状態で5W程度、豆電球と同程度に電力消費を抑えることが出来る。さらに、Wiiはスリープ状態でも無線LANでの接続を維持し、サーバからのゲームのデータをダウンロードしたり、友人からのメッセージを受け取ることが出来るという。

このスリープ状態での通信。どこかで体験したことがないだろうか?…そう、これはnintendogsのすれ違い通信と同じコンセプトである。違いは物理的に通信相手と近距離に移動する必要があるか、ニンテンドーWi-Fiコネクション(インターネット)経由で世界中と通信できるかの部分だけだ。

現在のところ、体現するソフトの具体像が見えてこないため、このコンセプトを理解することがむずかしいが、そのうちWiiに取って大きな力になることは間違いなさそうだ。Wii版のどうぶつの森でこれが活かされることは疑う余地もないが、他にもっと斬新な使い方をするソフトも出てくるだろう。しかし、しばらく待つ必要はありそうだ。実際、ニンテンドーDSでも、すれ違い通信を活用できるソフトが発売されるまで、発売から半年ほど必要だった。

ニンテンドーDSでもそうだが、スリープを利用することで、プレイをいつでも中断し、すぐに再開することができる。Wiiのスリープモードが完全にニンテンドーDSとは同一ではないにせよ、近いことは出来るようだ。具体的には内蔵されている512MBのフラッシュメモリに、ディスクキャッシュを配置し、次回プレイ時に同じディスクが挿入されたままであればそのキャッシュを活用するというものだ。ディスクが交換されていればさすがに何秒か待たされるのだろう。岩田氏は3秒でゲームがスタートできるように開発陣に話していると発言している。Wii Connect24もこのキャッシュを用いて実装していると考えられる。通信用のプログラムとデータをフラッシュメモリ上に配置し、通信が終ったときか次に電源を入れた際にセーブデータを上書きしているのではないだろうか。フラッシュメモリをいろいろと活用していることを考えると、512MBはフルに使えず、ユーザ領域はある程度制限されるだろう。バーチャルコンソールのソフト置き場にも使われることを考えると、ヘビィユーザは大容量のSDカードが必須かもしれない。

リモコンに配置されたスピーカもいろいろとイメージをふくらませる機能だ。5.1サラウンド機能で、前だけじゃなく後ろから横から音が押し寄せてくるのは今ではそう珍しくない。だが、手元から音が出るゲームは家庭用では未体験ゾーンだ。

単純に考えても、銃声、剣の音、ライトセイバーを振り回す音、釣り竿のリール音、弓のしなる音…その他諸々、手元から音が出るだけで臨場感が格段に違いそうだ。

しかし、今回発表された機能の他、以前から発表されている機能に関してもあれこれと想像は出来るのだが、いまいち実像が見えてこない印象を受ける。これはニンテンドーDSの時と同じなのだが、やはり実際に触ってみないと分かりづらい部分が大きいためだろう。早くさわってみたいものである。


これは単なる想像なのだが、Wiiの機能で未公表の部分はほとんどない。おそらくは現在の仕様にほんの数点の追加と一部デザインの変更があるだけで、そのまま発売される。E3の直前に未確認情報としてスピーカがコントローラに内蔵される話があったが、それは現実のものとなった。今現在、リモコンに個人設定記憶(パーソナライズ)機能が実装されるという噂がある。この機能が実際に組み込まれれば、わりと大きな仕様変更といえるだろうが、それ以上のサプライズはなさそうだ。

今後、ハード面での大きな変更がないと考えているのにはそれなりの根拠はある。Wiiに関して、任天堂はきめ細かく情報の露出を調整している。1年前のレボリューションのハードウェア外観の発表、昨年のゲームショウでのコントローラの発表、わざとE3の前に行ったWiiの名称発表、そして今回のE3。一貫した考えの基で発表を行っているとしたら、ハードウェア上でのサプライズはこれで終了と見るべきだ。振り返って欲しい。なぜWiiの名称発表がE3前に行われたか。仮にE3で名称を発表したとすると、逆説的だが「Wii」という名称が一人歩きし、Wiiそのものが無視されてしまう危険性があった。E3で任天堂が見て欲しかったのはWiiという名前ではなくWiiそのものにあった。

E3では結局ハード面でのたいした発表は行っていない。今回明らかにした情報は、本来それを活かしたソフトのデモが必要だが、少なくともWii Connect24に関してのデモはなかった。情報の露出に対して、その情報に対するアピールが全然間に合っていない印象を受ける。任天堂は、これまでに小出しにしてきた機能を理解して貰うための努力を、これから徹底的に行う必要がある。おそらく、今回のE3でハード面での発表は終わり。それと同時にソフトウェア面でのサプライズを提供し始めるスタート地点だ。まずは昨年のゲームショウで見せた、リモコンのコンセプトを実際に理解してもらうこと。それが任天堂がE3での目標だっただろう。

ある程度の事前リークがあったものの、公式にはWiiのゲーム画面は今年のE3が初出だ。これから半年かけてソフト面で話題を提供し続けるつもりだろう。発売3ヶ月前には現在の任天堂が最大の顧客と考えている、非ゲーマー層への訴求も始めなくてはならない。いまさらハード面で隠し球を持っていてもしょうがない。

さて、今回のテーマは「任天堂はE3でWiiの何を見せ、何を隠したか?」、任天堂がE3で見せたのはWiiのハードウェアのすべてだ。そして一体何を隠したか?…任天堂はWiiのソフトウェア、それと提供するサービスを隠している。それも、かなりの規模でだ。

E3で発表されたWiiのソフトは、ほとんどがヌンチャクコントローラを必須とするか、リモコンを横持ちにしてボタンと併用する、複雑な操作方法のソフトだ。リモコンを純粋に振るだけだったり、ポインタとしてだけ使用したのはWii Sportsやメイドインワリオ、それと技術デモぐらいしかない。Wiiがゲーム初心者に本当にアピールするためのものであるならもっと単純化すべきだ。ヌンチャクやボタンは使用するべきではない。

たとえばゼルダの伝説。ニンテンドーDS版の新作では、すべてタッチペンで操作できるという思い切りの良い仕様変更をしているが、Wii版のゼルダは─これはゲームキューブ用と同時発売が主な原因であるが─Wiiの特徴がオプション的な扱いとなっている。マリオ、ゼルダ、スマブラ…名前の売れたソフトの続編がWiiで発売されると言えば、確かにそれは魅力的だ。ニンテンドーDSで現在売れているソフトを考えると、続編タイトルは意外と少ない。むしろオリジナルタイトルのほうが、ニンテンドーDSの特徴をうまく生かしてユーザの心をわしづかみにしている。Wiiでも、魅力的なオリジナルタイトルの登場が望まれる。Wii Sportsがその候補となるだろうが、さらに"とっておき"を隠しているに違いない。

任天堂は、Wiiの名称のインパクトでWiiのコンセプトがかすんでしまうのを畏れたように、とっておきの新作がE3の騒音でかき消されてしまうことを畏れている。だから任天堂は隠している。まだ誰も目にしたことのない、まったく新しいソフトを。

それがどんなソフトか?─分かるはずがない。簡単に想像が付くようなら今までにどこかが発売している。どうぶつの森、nintendogs、大人のDSトレーニング…これらの分類に困るようなソフトを任天堂がまた披露してくれるだろう。そしてまた、すぐには理解されず、じわじわと火が付くのではないだろうか。

任天堂はまだたくさんの武器を抱えている。未発表のソフト、発売日、価格、バーチャルコンソールの詳細、未発表のサービス…。これから半年、少しずつこれらが明らかになってくる。自ら情報を追いかけ、海外情報やblogを読みあさるマニアだけではなく、大人のDSトレーニングを体験した数百万人に、「Wii」の名前、そしてソフトを知らしめるにはどのタイミングで公表すればいいか?任天堂は今も最良のタイミングを計っていることだろう。

2006年05月16日

ポケットモンスターダイヤモンド/パールの画面写真公開

株式会社ポケモンは、2006年秋に発売を予定している人気RPGの最新作、ニンテンドーDS用ソフト「ポケットモンスターダイヤモンド」「ポケットモンスターパール」の画面写真と一部仕様を公開した。開発はゲームフリーク、価格は未定。ダイヤモンドは「究極の硬度」を、パールは「究極の新円」を意味し、ポケモンシリーズ究極の作品になるとアピールしている。

今度の舞台は「シンオウ地方」、「フタバタウン」から物語は始まる。フィールド画面は斜め見下ろし型で、地形が立体的に表現されている。男女二人の主人公のビジュアルも公開された。

新種のポケモンとしては、劇場版映画や、ゲームキューブソフト「ポケモンXD 闇の旋風ダーク・ルギア」で先行して登場していたマニューラ、ゴンベが正式にポケットモンスター本編に登場することが発表された。そのほか、「ルカリオ」「マネネ」「ウソハチ」「ブイゼル」「ペラップ」「タマンタ」などの本編未登場ポケモンが今作から登場するものと思われる。新ポケモンが何種類登場するか不明だが、前作までにNo.386まで登場しており、今作で500種の大台に到達してしまう可能性が高そうだ。ただでさえ昆虫や魔女にお客(子供)を取られているのに、この数だと覚えるのにちょっと敷居が高すぎる感じがする。

そのほか、通常のプレイでは登場しない幻のポケモン「マナフィ」が、劇場版映画「ポケモンレンジャーと蒼海の王子 マナフィ」の前売り券についた「Wミッション引換券」と、ニンテンドーDS用ソフト「ポケモンレンジャー」との連携で入手可能となる。具体的な入手方法は映画館で引換券で入手できるガイドブックに掲載されるとのことだが、ニンテンドーDSソフト→ニンテンドーDSソフトのデータ受け渡しとなると、ニンテンドーDSが2台必要になりそうなのだが、いったいどうするのか気になるところだ。

また、ポケモンダイヤモンド/パールである程度ストーリを進めると、ゲームボーイアドバンス用のポケットモンスターシリーズ(「ファイアレッド」「リーフグリーン」「ルビー」「サファイア」「エメラルド」)からポケモンを受け取れるという。

「2006年秋」と、より具体的になった発売日だが、本当に年内に発売されるんだろうか?以前、延期されると予想したのだが。はてさて。それにしてもレアキャラをエサにいろいろと商売しているところは、いかにもポケモンらしい。ポケモンレンジャーも近いうちに100万本越えるのではないだろうか。そして、またDS本体の品切れが加速するのではないだろうか…。

2006年05月15日

どうぶつの森がアニメ映画化

どうぶつの森が2006年12月に劇場版アニメ映画作品として公開されると、スポーツ報知が報じた。劇場版「おいでよ どうぶつの森(仮題)」は四季をイメージした4作の短編で構成される。同時上映作品があるかどうかは不明。

監督はテレビアニメ・ポケットモンスターアドバンストジェネレーションで演出や絵コンテなどを手がけたことのある志村錠児氏。2004年には劇場版・新暗行御史の監督も努めている。

任天堂と映画といえば、2004年9月に前社長である山内氏(当時任天堂相談役)がアニメ映画製作を示唆したことがある。百人一首の殿堂「時雨殿」の地鎮祭に伴う記者会見の席上で、記者団に対して山内氏が劇場版アニメの製作に進出する意向を明らかにし、「日本だけではなく外国でも通用する作品にしたい。ゲームソフトは映画作りと近い位置にある。経営会議が決めることだが、そういう分野に出て行くべきだ。任天堂がリスクを負ってもいい」と発言した。山内氏の個人的発言で、任天堂からの公式発表ではなく、映画の内容に関しても、各報道機関の報道内容が異なり、自社製キャラクターを題材としたもの、百人一首を題材としたもののどちらが山内発言で示唆されていたかは不明。その後、同年10月に行われた任天堂経営会議の後も、続報がなかったことから映画化の話は自然消滅していたものと思われる。

今回の映画化は、任天堂の開発チームが製作に大きくかかわっていると報道されているが、上記の山内発言とはあまり関係がないだろう。具体的な会社名は明らかにされていないが、おそらく映画の製作自体は、通常のアニメ作品と同じくアニメーション制作会社が行うものと思われる。

2006年05月11日

大乱闘スマッシュブラザーズX(エックス)、2007年発売!

任天堂は、Wii用対戦格闘ゲーム「大乱闘スマッシュブラザーズX」を2007年中に発売することを発表した。ディレクターおよびゲームデザイナーは元HAL研究所、現在は独立して個人事務所ソラを設立している桜井政博さん。メインテーマの作曲はファイナルファンタジーシリーズでおなじみの植松伸夫さん、オペラ歌手の錦織健さんも歌い手として参加している。

NINTENDO64版の初代スマブラ、ゲームキューブ版のスマブラDXの際にも桜井氏が膨大な量の情報を掲載し続けていたサイト「スマブラ拳!!」も、再び登場。英語版のSmash Bros DOJO!!も併設されている。

スマブラ拳に掲載されているムービーで、以下の4人の既存キャラと5人の新規参入キャラが確認できる。

・マリオ(言わずとしれた任天堂の顔)
・リンク(ゼルダの伝説シリーズ)
・ピカチュウ(ポケットモンスターシリーズ)
・カービィ(星のカービィシリーズ)
・メタナイト(星のカービィシリーズ)
・ピット(光神話 パルテナの鏡)
ゼロスーツサムス(メトロイド ゼロミッション)
・ワリオ(ワリオランドシリーズ、メイドインワリオシリーズ)
・スネーク(メタルギアシリーズ)

ピットは前作でも登場するという噂もあったキャラで、要望が多かったのだろう。ゼロスーツサムスは、ゲームボーイアドバンス用ソフト「メトロイド ゼロミッション」に登場したピッタリとしたボディスーツに身を包んだサムスで、素顔が見えている状態。

スネークは任天堂キャラではなく、コナミからの参戦。ムービーの最後に小芝居をしてくれている。声はおなじみの大塚明夫さん。ゲームの中でもしゃべりまくってくれるのだろうか?

また、このシリーズでは操作できる登場キャラの他にアイテムや背景として登場するキャラが多数いるのだが、今回はnintendogsからラブラドールレトリバーの子犬が登場するようだ。でかい。邪魔すぎる。

登場キャラはこれから発売日までのあいだに少しづつ明らかになっていくだろう。スネーク以上にインパクトのある新規参入キャラも出てきてくれるだろうか?

さすがに川島教授はないだろうが、大躍進を続けているニンテンドーDSからの参戦があるのは間違いないだろう。個人的な希望を言えばさわるメイドインワリオのアシュリーとか、バンドブラザーズのバーバラバットとか、押忍!闘え!応援団の一本木龍太とか、どうぶつの森のとたけけとか…これはないか。

2006年05月10日

カプコン、バイオハザードシリーズをWii向けに開発

カプコンは、2006年第4四半期に発売される任天堂の家庭用ゲーム機Wii向けに、同社の主力作品の一つであるバイオハザードシリーズの開発を行っていることを明らかにした。ニュースリリースが同社ウェブサイトに掲載されている。

カプコンは、バイオハザードシリーズ最新作であるBIOHAZARD5を、Xbox360とPlaystation3で発売することを既に発表している。今回のWii向け作品については、BIOHAZARD5だと明言していないこと、また、Wiiの革新的な操作性を活かした作品にすると発表していることから、外伝的な作品になる可能性が高い。

ドラゴンクエストやファイナルファンタジーでもそうだが、プレイステーション3でナンバリングされた最新作を発売して、Wiiでは独特のインタフェイスを活かしたシリーズ外伝を発売する傾向は今後も続く可能性が高そうだ。

何はともあれ、有力なタイトルがWiiでもリリースされることが明らかになったことは喜ばしいことだ。

2006年05月10日

任天堂がWiiの情報を掲載、新情報も

任天堂は、E3のカンファレンス終了後、会場で流れたビデオや公開した情報をサイト上に掲載した

「Wii Connect 24」と呼ばれる待機時通信機能を搭載している事が明らかになった。必要最低限の機能だけを残して冷却ファンの動きを止め、ゲームをしていないあいだでも、Wiiは24時間サーバーと通信しつづけることができる。これにより、ともだちからのメッセージをネット経由で受け取ったり、アイテムを自動ダウンロードできたりするという。どうぶつの森などのソフトで活用されるものと思われる。

ネットに接続はニンテンドーDSとの連動機能でも利用するWi-Fi(無線LAN)で行われる。無線LAN環境がない場合は、2端子搭載されるUSBポートに別売りのUSB-Ether変換コネクタを接続する必要がある。おそらくNintendo Wi-Fi USBコネクタも利用可能だろう。

また、インターネット接続はゲームの対戦だけではなく、ウェブサイトの閲覧も可能であることが明らかになった。発売が予定されているニンテンドーDSブラウザと同様に、オペラブラウザがオプションで用意され、それによりサイトの閲覧が可能になる。標準搭載しないのはライセンス料が価格に上乗せされるのを嫌ったためだろう。

コントローラは「Wiiリモコン」と「ヌンチャク」が同梱が予定されている。同梱本数が1セットなのか2セット以上あるのかは不明。そのほか、Wii専用のクラシックコントローラやゲームキューブ用の各種コントローラが使用できる。

Wiiリモコンには以下のボタン、機能が搭載される
・ポインター
・3軸モーションセンサー
・十字キー
・本体の電源ボタン
・Aボタン(十字キーの下)
・マイナス、プラス、HOMEボタン(中央部分)
・スピーカー
・1,2ボタン(下部)
・Bボタン(裏側)
・プレイヤーインジケーター(自分が1~4番のどれなのかを表示)
・振動機能
・拡張コネクタ

ヌンチャクに搭載されるのは以下の機能
・3軸モーションセンサー
・コントロールスティック
・Cボタン
・Zボタン
・Wiiリモコンとの接続ケーブル

標準で同梱されるかどうかは不明だが、バーチャルコンソールで過去のソフトを楽しむためのクラシックコントローラも用意されている。なかなか秀逸なデザインだ
・a/b/X/Y/Z/L/R/ZR/ZLボタン(LとRはアナログトリガー)
・十字キー
・Lスティック、Rスティック
・マイナス(Select)、Home、プラス(Start)ボタン
・Wiiリモコンとの接続ケーブル

ポインティング機能を利用するためにテレビ側に設置するセンサーバーの外観も明らかになった。テレビの上に置くだけで良いようだ。大きさはさほど気にならないと思うが、テレビの形状によっては設置に困るかもしれない。おそらく両面テープなどが同梱されるだろう。

なお、いまのところ、任天堂のWii対応ソフトで同時発売がアナウンスされたのはWii Sportsのみ。もう少しソフトの情報が欲しいところだ。

2006年05月10日

E3:任天堂カンファレンス ニンテンドーDS

Wiiに続いて、ニンテンドーDSで発表されたゲームを紹介する。

とは言っても、メインはWiiだったのでニンテンドーDSの新作は少ない。とりあえずメモ代わりに列挙だけ。

・スターフォックスDS
・ヨッシーアイランド2
・ディディーコングレーシングDS
・ファイナルファンタジー3
・ゼルダの伝説 Phantom Hourglass
・マリオ HOOPS 3ON3
・Elite Beat Agents(押忍!闘え応援団のローカライズ版?)
・マリオ vs ドンキーコング2

2006年05月10日

E3:任天堂カンファレンス Wii

日本時間10日午前1時30分過ぎから任天堂のカンファレンスが行われた。詳細は後ほどプレスリリースなどが出されると思うが、とりあえず中継を見て気づいた点を列挙してみる。

注目されていたWiiの発売日、価格は発表されなかった。発売時期は2006の第4四半期、つまり2006年10月~12月と発表された。

会場ではWii対応バージョンが発売されることが発表された「ゼルダの伝説 Twilight Princess」が実際にプレイされた。敵の動きは風のタクトに近く、グラフィックは時のオカリナを高画質にしたような印象を受ける。コントローラが指し示す先に妖精(ナビィ?)がおり、画面上のアイコンに触れることで装備を変更したり出来るようだ。ゴミ処理施設で見られるような巨大な磁石のクレーンに、ヘビィブーツで逆さまに張り付いて移動するシーンを見ることが出来た。なお、Twilight PrincessはWiiだけではなくゲームキューブ版も発売されるという。

UBIソフトの「RedSteel」も実演された。日本のヤクザ社会をイメージしたFPSで、銃の他に日本刀を使ったチャンバラシーンもある。ゲームキューブの2,3倍程度の性能しかないと言われているWiiだが、炎や光、水の表現はそれなりに見られるものだった。

また、「Super Mario Galaxy」も映像のみが公開された。ギャラクシー、銀河系の名前が示すように、宇宙空間をイメージしたステージ構成となっている。平らな広い地面はなく、小惑星のような球体がいくつも宇宙空間に漂っているような画面で、マリオがその中を飛び回ることになるようだ。個々の惑星には重力が存在し、斜めの位置でもマリオは球体の中心に向かってまっすぐ立つことができる。マリオがコインに触れると、例のコイン音が鳴るわけだが、その音はテレビ画面ではなく、コントローラから出てきているようだ。Wiiのコントローラにはスピーカーが内蔵されていることが明らかになった。


そのほかに映像で確認できたタイトルは以下(順不同・いずれも正式名称とは異なる。メモの書き間違いもあるかも)
・メトロイドプライム3:Corruption
・ファイアーエムブレム新作
・メイドインワリオ新作
・ドラゴンクエストソード
・ファイナルファンタジークリスタルクロニクル
・ドラゴンボール スパーキング!2
・Hyper Sonic
・Sonic Wind Fire
・パンヤ(ゴルフ)
・エキサイトトラック(レースゲーム)
・SDガンダム
・ワンピース
・Rayman
・SpongeBob SquarePants
・Cars
・SengokuAction(コーエー)
・Necro-Nesia(スパイク)
・トニーホーク ダウンヒルジャム(スケートボードゲーム)
・Elebits(コナミの新作)
・Disaster:Day of Crisis(災害モノ?)
・Project H.A.M.M.E.R(ハンマーを振り回す格闘)
・競馬ゲーム
・Madden NFL 07
・Wii Sports(スポーツゲーム詰め合わせ・テニス/野球/ゴルフなど)
・オーケストラを指揮するゲーム
・ドラムを叩くゲーム
・飛行機を操作するゲーム(パイロットウィングス?)

2006年05月09日

エレクトロニック・エンタテインメント・エキスポ 2006(E3 2006)、まもなく開催

世界最大のコンピュータエンタテインメント見本市「エレクトロニック・エンタテインメント・エキスポ 2006」(以下E3)がロサンゼルスで現地時間5月10日から開催される。例年、前々日あたりから各メーカーによる発表会が行われ、大々的に未公開情報が明らかにされている。任天堂の発表は日本時間で5月9日深夜(5月10日未明)の午前1時30分から。ニンテンドーDSや、先日正式名称の発表されたWii関連の発表が期待される。

すでにソニーコンピュータエンタテインメント(SCE)やスクウェアエニックスによる発表が行われており、いくつかの情報が明らかとなった。

SCEからはプレイステーション3に関する発表があった。GAMEWATCHなどで発表内容が掲載されている。
・11月11日国内発売/11月17日北米および欧州発売
・HDD容量をはじめとしていくつか仕様の異なる2モデル(20GB/60GB)を発売
・60GBモデルのみHDMI出力、カードリーダ、無線LANを搭載
・20GBモデルは62,790円(499ドル)
・60GBモデルはオープン価格(599ドル)→楽天では75,390円での販売が確認できる
・コントローラはWii同様、傾きの検出機能を搭載

スクウェアエニックスからは早くもWii対応ソフトの発表があった。
任天堂がWiiの発売日をまだ発表されていないため、具体的な発売日は明らかにされなかったが、「DRAGON QUEST SWORDS 仮面の女王と鏡の塔」をWiiと同時に発売する予定だという。シナリオとゲームデザインは堀井雄二氏、音楽はすぎやまこういち氏、そして、キャラクターデザインは鳥山明氏としている。SWORDSというタイトルから、剣神ドラゴンクエストに近いゲームであると予想できる。Wiiのコントローラを剣にみたててプレイするのだろうか。

また、Wii用ソフト「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタルベアラー」、ニンテンドーDS用ソフト「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リング・オブ・フェイト」(いずれも仮称)も発表された。これらのタイトルは連動すると思われる。

いずれの作品も、まだスクリーンショットは公開されていない。あと十数時間後にはWiiの実際のゲーム画面、そして、価格や発売日が発表されるのだろうか。楽しみだ。

2006年05月03日

レビュー:くるけし!

くるけし!タイトル画面/(c)2006 NINTENDOタイトル:ネコソギトルネード
開発:任天堂ゲームセミナー2005
配布期間:2006年4月27日~5月10日
価格:無料

「くるけし!」は前回レビューしたネコソギトルネードにつづく、任天堂ゲームセミナー生徒作品の配信第2弾だ。

パネルでポンやグンペイに代表される、場所を入れ替えて消していくアクションパズルゲームで、操作はすべてタッチパネルで行う。細かい内容は後述するが、非常に完成度の高い優秀なパズルゲームだ。この無料配信版にちょっとした要素を追加すれば製品として店頭に並べてもおかしくない出来映え。アクションパズルゲーム好きなら是非プレイして欲しい。

プレイ開始時、またはスタートボタンでポーズした際に簡単なマニュアルが表示されるが、それだけを見れば十分に理解できるようになっている。単純で理解しやすく、プレイするとはまりこむ。アクションパズルゲームの教科書のような作品だ。

くるけし!マニュアル画面/(c)2006 NINTENDOくるけし!マニュアル画面/(c)2006 NINTENDO

ルールを箇条書きにするとこのような感じだ。ほぼすべてを網羅したので複雑そうに見えるが、実際にプレイすると複雑さはまったく感じない。非常に良いバランスだ。

・フィールドは23個の星と、それらを頂点とした28個の三角形で構成される
・三角形の各辺は赤、青、黄、緑、それと白の5色の棒で構成される
・星の状態は自分、中立、相手の3種類ある
・対戦相手のフィールドと自分のフィールドは星の状態を共有する
・三角形の内部をタッチすると、三角形が時計回りに120度回転する
・三角形の3辺の棒がすべて同じ色になると、棒が消滅する
・棒が消滅する際に頂点の星の色が変わる。相手のものであれば中立に、中立であれば自分のものになる
・制限時間内に相手の星をなくせば勝利
・制限時間終了後に、相手の星よりも自分の星が多ければ勝利
・三角形が消滅後、上の段から棒が落ちてくるが、一番上の段には供給されず空欄になる
・一定時間経過後、空欄の棒が画面外から供給される
・消滅後の落下時に三辺が同じ色の棒になると「連鎖」となる
・画面外から新しい棒が供給される前に別の場所で棒を消すと「コンボ」となる
・各辺が2本分の大きな三角形を同じ色の棒で作ると「1デカデルタ」となる
くるけし!プレイ画面/画面右上の三角形を240度回転させると3デカデルタとなる/(c)2006 NINTENDO・同じく3本分なら「2デカデルタ」、4本分なら「3デカデルタ」となる
・デカデルタの場合は、三角形の内部の星もすべて色が変わる(3デカデルタなら15個)
・一度に2つの三角形を作ると「ダブル」、3つなら「トリプル」となる
・白い棒は最大でフィールド上に3本しか出てこない
・白い棒で三角形を作るとフィールド上が3色の棒だけになり、デカデルタなどが作りやすい配置になる
・すばやく2回タッチすることで、240度の回転が出来る。この場合、120度の位置で三角形が出来ても、消滅しない
・主人公および対戦相手は12星座を模したキャラで、主人公はDSに記録されたプレイヤの誕生日に該当するものが選ばれる
・対戦相手は星座の順に登場し、全部で11回対戦して勝利するとクリアとなる
・クリア後に「結果」として「さいだいコンボすう」「さいだいれんさすう」「ごうけいデカデルタすう」「ごうけい☆すう」が表示される
・ノーコンティニューでクリアすると隠しコマンド(↑→↓←XABY)が表示される
・隠しコマンドを入力すると「むずかしいモード」をプレイできる
・むずかしいモードではデカデルタか連鎖を組まないと星の色を変えられない

くるけし!プレイ画面/(c)2006 NINTENDOこのゲームは、タッチペンならではのパズルゲームだろう。十字キー操作では非常に忙しいゲームになってしまっただろう。また、2画面との相性もなかなか良い。常に相手のフィールドが見えているので、相手がどこを狙っているのかが分かる。ただ、わかったところでどうすることも出来ないのだが…。アイテムなどの追加要素があれば、もっと面白くなっただろう。

コンピュータ対戦でも、ラストの11戦目はなかなか楽しめる。最初からフィールドに相手の星が多く、いきなりピンチになる。相手はとにかく早く、消しても消しても自分の星が見えてこない。効率よくデカデルタを狙いつつ、白棒を一ヵ所に集めることが重要だ。白棒を消したあとは、じっくりとフィールドを眺めてデカデルタを作るポイントを見定めると良い。闇雲に消すよりも、相手の星や中立の星が多く固まっているエリアで確実三角形を作ることを心がけると、展開が有利に進むだろう。

むずかしいモードはとにかくデカデルタを作ること。そして、消したあとは確実に連鎖を狙うことだ。無駄に三角形を作りコンボを組んでもなんのメリットもない。また、デカデルタ狙いを続けると、角の星が取りづらい。角でデカデルタを狙えるときは、それを優先しよう。

操作方法やルールが単純なため、特殊なテクニックはほとんど存在せず、運の要素も比較的少ない。消したいところを確実に消せること、フィールド全体を見通せることが勝負の分かれ目となる。コンピュータ対戦しか実装されていないが、これだけ対戦に特化しながら対人対戦が搭載されていないのは実に惜しい。きっと対人対戦があれば「今のナシ!もう1回!」と何度でも連続して対戦してしまうだろう。少しルールを変えるだけで複数人対戦も出来そうだ。

出来ればWi-Fi対戦も実装し、モードも充実させれば十分製品として通用するのではないだろうか。陣取りではなく、デカデルタや連鎖に点数を付けて時間制限のスコアアタックモードや、体力ゲージのようなものを用意してデカデルタ等で回復しながら延々と続けるエンドレスモード、決められた手数で所定の星を取るパズルモードなどを搭載すれば、十分すぎるほど立派な製品と言えるものになると思う。あとはキャラクタ設定とボイスの追加があれば十分だろう。それにしても、2週間限定の配信ソフトにするのは惜しすぎる。なんとか製品にしてもらえないだろうか。

最後に、今回もスタッフ一覧を掲載する。今回はネコソギトルネードよりも少人数だ。

プログラム
 まとの りょうすけ
 ふじい ともひろ
 あいだ たくや

デザイン
 でやま ひろみ
 しばた まり

サウンド
 かみくぼ しおり

サブディレクター
 しばた まり

きかく/ディレクター
 あいだ たくや


- N-Styles -