2006年05月03日

レビュー:くるけし!


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くるけし!タイトル画面/(c)2006 NINTENDOタイトル:ネコソギトルネード
開発:任天堂ゲームセミナー2005
配布期間:2006年4月27日~5月10日
価格:無料

「くるけし!」は前回レビューしたネコソギトルネードにつづく、任天堂ゲームセミナー生徒作品の配信第2弾だ。

パネルでポンやグンペイに代表される、場所を入れ替えて消していくアクションパズルゲームで、操作はすべてタッチパネルで行う。細かい内容は後述するが、非常に完成度の高い優秀なパズルゲームだ。この無料配信版にちょっとした要素を追加すれば製品として店頭に並べてもおかしくない出来映え。アクションパズルゲーム好きなら是非プレイして欲しい。

プレイ開始時、またはスタートボタンでポーズした際に簡単なマニュアルが表示されるが、それだけを見れば十分に理解できるようになっている。単純で理解しやすく、プレイするとはまりこむ。アクションパズルゲームの教科書のような作品だ。

くるけし!マニュアル画面/(c)2006 NINTENDOくるけし!マニュアル画面/(c)2006 NINTENDO

ルールを箇条書きにするとこのような感じだ。ほぼすべてを網羅したので複雑そうに見えるが、実際にプレイすると複雑さはまったく感じない。非常に良いバランスだ。

・フィールドは23個の星と、それらを頂点とした28個の三角形で構成される
・三角形の各辺は赤、青、黄、緑、それと白の5色の棒で構成される
・星の状態は自分、中立、相手の3種類ある
・対戦相手のフィールドと自分のフィールドは星の状態を共有する
・三角形の内部をタッチすると、三角形が時計回りに120度回転する
・三角形の3辺の棒がすべて同じ色になると、棒が消滅する
・棒が消滅する際に頂点の星の色が変わる。相手のものであれば中立に、中立であれば自分のものになる
・制限時間内に相手の星をなくせば勝利
・制限時間終了後に、相手の星よりも自分の星が多ければ勝利
・三角形が消滅後、上の段から棒が落ちてくるが、一番上の段には供給されず空欄になる
・一定時間経過後、空欄の棒が画面外から供給される
・消滅後の落下時に三辺が同じ色の棒になると「連鎖」となる
・画面外から新しい棒が供給される前に別の場所で棒を消すと「コンボ」となる
・各辺が2本分の大きな三角形を同じ色の棒で作ると「1デカデルタ」となる
くるけし!プレイ画面/画面右上の三角形を240度回転させると3デカデルタとなる/(c)2006 NINTENDO・同じく3本分なら「2デカデルタ」、4本分なら「3デカデルタ」となる
・デカデルタの場合は、三角形の内部の星もすべて色が変わる(3デカデルタなら15個)
・一度に2つの三角形を作ると「ダブル」、3つなら「トリプル」となる
・白い棒は最大でフィールド上に3本しか出てこない
・白い棒で三角形を作るとフィールド上が3色の棒だけになり、デカデルタなどが作りやすい配置になる
・すばやく2回タッチすることで、240度の回転が出来る。この場合、120度の位置で三角形が出来ても、消滅しない
・主人公および対戦相手は12星座を模したキャラで、主人公はDSに記録されたプレイヤの誕生日に該当するものが選ばれる
・対戦相手は星座の順に登場し、全部で11回対戦して勝利するとクリアとなる
・クリア後に「結果」として「さいだいコンボすう」「さいだいれんさすう」「ごうけいデカデルタすう」「ごうけい☆すう」が表示される
・ノーコンティニューでクリアすると隠しコマンド(↑→↓←XABY)が表示される
・隠しコマンドを入力すると「むずかしいモード」をプレイできる
・むずかしいモードではデカデルタか連鎖を組まないと星の色を変えられない

くるけし!プレイ画面/(c)2006 NINTENDOこのゲームは、タッチペンならではのパズルゲームだろう。十字キー操作では非常に忙しいゲームになってしまっただろう。また、2画面との相性もなかなか良い。常に相手のフィールドが見えているので、相手がどこを狙っているのかが分かる。ただ、わかったところでどうすることも出来ないのだが…。アイテムなどの追加要素があれば、もっと面白くなっただろう。

コンピュータ対戦でも、ラストの11戦目はなかなか楽しめる。最初からフィールドに相手の星が多く、いきなりピンチになる。相手はとにかく早く、消しても消しても自分の星が見えてこない。効率よくデカデルタを狙いつつ、白棒を一ヵ所に集めることが重要だ。白棒を消したあとは、じっくりとフィールドを眺めてデカデルタを作るポイントを見定めると良い。闇雲に消すよりも、相手の星や中立の星が多く固まっているエリアで確実三角形を作ることを心がけると、展開が有利に進むだろう。

むずかしいモードはとにかくデカデルタを作ること。そして、消したあとは確実に連鎖を狙うことだ。無駄に三角形を作りコンボを組んでもなんのメリットもない。また、デカデルタ狙いを続けると、角の星が取りづらい。角でデカデルタを狙えるときは、それを優先しよう。

操作方法やルールが単純なため、特殊なテクニックはほとんど存在せず、運の要素も比較的少ない。消したいところを確実に消せること、フィールド全体を見通せることが勝負の分かれ目となる。コンピュータ対戦しか実装されていないが、これだけ対戦に特化しながら対人対戦が搭載されていないのは実に惜しい。きっと対人対戦があれば「今のナシ!もう1回!」と何度でも連続して対戦してしまうだろう。少しルールを変えるだけで複数人対戦も出来そうだ。

出来ればWi-Fi対戦も実装し、モードも充実させれば十分製品として通用するのではないだろうか。陣取りではなく、デカデルタや連鎖に点数を付けて時間制限のスコアアタックモードや、体力ゲージのようなものを用意してデカデルタ等で回復しながら延々と続けるエンドレスモード、決められた手数で所定の星を取るパズルモードなどを搭載すれば、十分すぎるほど立派な製品と言えるものになると思う。あとはキャラクタ設定とボイスの追加があれば十分だろう。それにしても、2週間限定の配信ソフトにするのは惜しすぎる。なんとか製品にしてもらえないだろうか。

最後に、今回もスタッフ一覧を掲載する。今回はネコソギトルネードよりも少人数だ。

プログラム
 まとの りょうすけ
 ふじい ともひろ
 あいだ たくや

デザイン
 でやま ひろみ
 しばた まり

サウンド
 かみくぼ しおり

サブディレクター
 しばた まり

きかく/ディレクター
 あいだ たくや


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コメント

「くるけし」を体験してみましたが、いまいち面白さが分からなかったです。
ブラウザで遊べる「Hexic」と基本的に同じゲーム内容なので、真新しさも感じませんでした。
http://zone.msn.com/en/hexic/holiday_game.htm

陣取り要素(星)はなかなか面白いと思いましたが、もうちょっと派手な演出があれば気分を盛り上げてくれたことと思います。

やってみたいけど、ネコソギを消すのが惜しいなぁ


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