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2006年04月28日

ニンテンドーDS、国内累計売り上げが700万台に

2月15日の"NINTENDO DSカンファレンス2006春"で、日本国内600万台の販売を達成したと発表されたニンテンドーDSが、わずか2ヶ月強で100万台を上乗せし、700万台に達したことを京都新聞が報じた。この数字は従来機種のニンテンドーDSと、新型のニンテンドーDS Liteの合計台数。

Liteの発売を控えた2月は、ほとんど出荷が行われず、深刻な品不足状態であり、実質3月と4月前半のみで100万台を売り上げている。1年前の同時期、2月~7月には半年でようやく100万台というペースだったことを考えると、異常なほどの盛り上がりだ。さすがに昨年度末から年始にかけての1月半で200万台という脅威のペースには敵わないが、出荷台数と販売台数がほぼ同数の状態はあいかわらずで、特にLiteの入手困難な状況は一向に改善される気配がない。店頭に並べばその日のうちに全台売り切れる状況だ。

順調に出荷数を伸ばしているようだが、いつまでこの品薄が続くのだろうか。4月下旬には供給体制が改善されるとアナウンスされていたが、Liteはさっぱり手に入らない。もたもたしている間にキラーソフトの一つであるテトリスDSまで発売されてしまった。正式な発売日の発表はないが、近いうちに北米でもニンテンドーDS Liteが発売され、国内出荷台数をこれ以上増やすのが難しくなる可能性がある。

ハードもすごいことになっているが、ソフトも異常なほど好調だ。京都新聞によると、ミリオンセラーが2タイトル増えて9タイトルに達したとある。ということは、「スーパーマリオ64DS」と「さわるメイドインワリオ」が発売から約1年4ヶ月でめでたく100万本と言うことになる。おそらく、数ヶ月以内にえいご漬けも100万本に到達、テトリスDSとNewスーパーマリオも順調にいけば100万本を超えるだろう。これでまだわずか発売2年目のハードだ。何とも恐ろしい。

それにしても発売からまもなく1年が経とうというのに、あいかわらず週間売り上げでトップ5内安定の「川島教授」は異常すぎる。一体いつまで売れ続けるつもりだろうか…。

2006年04月28日

5月8日からNewスーパーマリオブラザーズの体験版がプレイ可能に

5月25日に発売される、ニンテンドーDS用アクションゲーム「Newスーパーマリオブラザーズ」の体験版が、5月8日から店頭でプレイできる。ニンテンドーWi-Fiステーションでダウンロード配信される体験版ではなく、試遊機での体験版だ。体験版ではワールド1の序盤がプレイ可能。

ダウンロードできるとありがたいが、さすがにアクションゲームの本編をダウンロードするのは容量的に厳しいのだろうか。任天堂ゲームセミナー生徒作品をダウンロードするついでにちょっと触ってくると良いかも。ちなみに現在は「くるけし!」がダウンロードできる。まだダウンロードしていないが、週明けぐらいにレビュー予定だ。

北米では日本に10日先行して、このソフトが5月15日に発売される。公式サイトも既に出来ており、Flashでムービーが閲覧できる。5月1日、5月8日、5月15日と、1週間に一度新しいムービーが公開されるようだ。現地時間なので日本だと翌日以降に見に行くといいだろう。

amazonでは現在、ゲーム部門でテトリスDSとマザー3に次ぐ3位となかなか好調。amazonは基本的に当日出荷なので、同じネット通販なら楽天の方が良いかも。何店舗か、前日出荷を明言している店がある。

2006年04月28日

任天堂の次世代機の正式名称は「Wii(ウィー)」

開発コードネーム「Revolution(レボリューション)」として知られていた、任天堂が今年中に発売を予定している次世代家庭用ゲーム機の名称が正式決定し、28日未明に発表された。正式名称はシンプルにアルファベット3文字で構成された「Wii」。日本語での表記は「ウィー」となる。

英語で「われわれ」を意味する「We」と同じ発音で、誰もが遊べるというコンセプトを表す。2つ並んだ「i」はユニークなコントローラを表すと同時に、人々が集まる様を表現している。

はっきりと明言されたわけではないが、無線通信規格であるWiFi(ワイファイ)もイメージさせる名称だ。
他には…Withとか、Willとか、Wideとか、世間を騒がせているWinnyを連想できなくもない…というのは強引か。

語呂あわせで、宣伝のキャッチコピーに「What is it?」と出てくるような気がする。他にも「We will ~ with Wii」とか英語だと語呂の良いフレーズがいっぱい出てきそうだが、日本語だと…ちょっと。ウィー…うぃー…Wii…。しっくりこないなあ。そのうちなじめるんだろうか?今後、ローマ字入力の誤変換で出てくる、「ゐい」という隠語で呼ばれることが容易に予想できる。

以前予想した、「E3での発表」、「名称にNINTENDOを含む」は見事に外れてしまった。

それにしても、今回の発表のタイミングはよく分からない。E3という絶好の発表の機会があったのに、どうしてこのタイミングで?以前、ニンテンドーDSで任天堂がどのように発表を行ってきたかをまとめたが、妙なタイミングで発表を行うときは何らかの理由があった場合にみられた。
考えられる理由はいくつかある。推測というか、これはもはや妄想に近いが、今週末あたりにプレイステーション3がらみで何らかの発表があるのを察知したから、Wiiの名称が漏れ始めていたから…などの理由が考えられる。

関連ドメインの取得状況を調べると、wii.jpはさくらインターネット経由で2004/09/23に何者かが取得済み。おそらく今回の名称とは無関係。nintendowii.jp、nintendo-wii.jpは2006/04/26に大阪のある特許事務所が取得している。任天堂の依頼で確保しているのだろう。nintendo-wii.comなどの.comドメインはNintendo of Americaが4月27日に取得している。時差があるので実際は昨日ではなく、発表の前後に取得したのだろう。他にも.netが取得されているが、これは任天堂ではなくドメイン取得業者が大あわてで確保しているようだ。

直接任天堂がとったわけではないとは言え、nintendo-wii.jpなんて露骨なドメインの取得が知られたら、それがなにを意味するのか容易に推測できるわけで、少なくとも26日の段階で、Wiiの名称を近々発表する予定があったことが推測できる。

また、他人に取得されないように確保した可能性もあるが、いずれプロモーションサイトなどが立ち上がる可能性も捨てきれない。E3が終わる頃には、任天堂が様々な方法でWiiの名称を広めてくるだろう。

nwii.jpとかn-wii.jpとかwiids.jpとかはまだ取られていないようなので、欲しい人はお早めに。.jpは年間4000円弱のはず。

2006年04月21日

MOTHER3発売

1日過ぎてしまったが…、4月20日に任天堂からゲームボーイアドバンス用RPG「MOTHER3」が発売された。4800円。ゲームボーイミクロ同梱版で予約限定販売のデラックスボックスは一部店舗でのみ、在庫限りの店頭販売も行われている。amazonではまだ在庫があるようだ。

1999年のイベント「任天堂スペースワールド」で後に開発中止となるNINTENDO64版「MOTHER3豚王の最期」がプレイアブル展示されていた。実際に2回ほど短めの行列に並んでプレイしたんだが…、その出来に関しては多くを語るまい。10分ほどのプレイ時間で5分ぐらいムービーを見せられたような気がする。

NINTENDO64版の開発中止に関しては、ほぼ日刊イトイ新聞内の樹の上の秘密基地にて開発者による座談会が掲載されている。

対談のメンバーは、MOTHERシリーズの企画立案者であるシナリオライターの糸井重里氏、MOTHER2ではプログラムを担当していた当時任天堂取締役経営企画室長の岩田聡氏、それと言わずとしれたMOTHER3のプロデューサーで任天堂情報開発本部長の宮本茂氏だ。

開発中止が伝えられた当時は、熱狂的なファンからはこの三人が戦犯扱いされ、座談会も言い訳だと言われることもあった。だが、6年が経過して改めてこの文章を読むとなかなか興味深いことが書かれている。

宮本:私のテーマは「労働時間が増えているから、
労働を減らそう」ですから。

岩田:たしかにね、ファミコンの創世記って
1本を2ヶ月くらいでつくっていて
1年に何回も商品の完成を経験できていたのに、
マザーをやっていた人間の中には、
入社後4年も経っているのに、
1回も完成を経験してない、
なんて人がいたんですね。
本当にその当人には申し訳ないと思っているんですが、
この差ってものすごく大きくて、
深刻なんですよ。
完成して初めてお客さんと
キャッチボールなんですよ。
だから、「労働を減らす」って
すっごい重要なテーマなんですよね。

糸井:やっぱり、本当だったら、
この対談をヒントにして、
次を垣間見れるようだったらうれしいですよね。

後に任天堂社長に就任する岩田氏のこの言葉が、今のニンテンドーDSに繋がってるんだなあと思うと感慨深いものがある。

2006年04月16日

レビュー:ネコソギトルネード

ネコソギトルネードタイトル画面/(c)2006 NINTENDOタイトルネコソギトルネード
開発:任天堂ゲームセミナー2005(男組/C TEAM)
配布期間:2006年4月13日~4月26日
価格:無料

ネコソギトルネードはちょっと特殊なソフトだ。箱に入れられて販売される市販ソフトではなく、期間限定の無料配信ソフト。しかも開発はゲームソフト会社ではなく、任天堂が毎年開催している「任天堂ゲームセミナー」の参加生徒が行った。商品として販売する予定はなく、今回の配信は生徒作品の披露と市場調査を兼ねたもののようだ。現在、任天堂がアンケートで感想を募っている。

配信期間中に、DSダウンロードサービス実施店舗の店頭で、手持ちのニンテンドーDSにダウンロードすることでこのゲームをプレイすることが出来る。販売の予定はないため、配信期間の2週間以内に手に入れられなければ二度と入手することは出来ない。また、手に入れたとしても、電源を切ればダウンロードしなおしになるため、このゲームを手元に置いておきたい場合は専用のニンテンドーDSを用意する必要がある。電池切れになれば当然消えてしまう。ある意味非常に貴重なゲームだ。

ネコソギトルネードの起動メニューで「男組」「C TEAM」とロゴが表示されるが、おそらくゲームセミナー内で班分けが行われていたのだろう。後述するスタッフロールを見ると、開発者は10人未満のようだ。2005年度の募集要項では40名の人数制限が設けられていて、生徒作品は全部で4作品配信される。ということは、A TEAM~D TEAMまでの4チームがあったのではないかと予想される。…じゃあ、男組って何だろう?C TEAMの別名か?

ネコソギトルネードメニュー画面/(c)2006 NINTENDO起動すると表示されるメニューは4項目。
・ノーマル
・ハード
・ゲロムズ
・せつめい

ノーマル~ゲロムズは基本的に同じ内容だが、敵や撃ってくる弾の数が違っていたりする。…書き忘れていたが、ネコソギトルネードはシューティングゲームである。ボタンは一切使用せず、ペンのみで操作するようになっている。
一度クリアすると、画面下部に「おんなのコをタッチすると・・・?」と表示される。指示通りに画面上のイラストをタッチすると、「ネコソギトルネード!」と女の子の声がして、プレイヤキャラが女の子になる。戻すときは同じように男の子のイラストをタッチすると良い。今度は男の声で「ネコソギトルネード!」と言う。スタッフロールのボイス担当は一人なので声色は違っていても両方とも同じ人なのだが。

「せつめい」は文字通り、ゲーム内容の説明だ。
前述の通り、タッチペンだけで操作するシューティングゲームのため、操作方法はかなり特殊だ。まったく見ずにプレイすると、何が何だか分からなくなるのはほぼ確実なので、しっかりと目を通しておいた方が良い。「コレツカハカセ」なる人物からレクチャーを承けられる。ちなみに主人公の男の子はハカセから「ナゲル」と呼ばれている。女の子モードでせつめいに入ってもナゲルが登場するため、女の子の名前は不明。

ネコソギトルネード「せつめい」/(c)2006 NINTENDO主人公には弾を発射する能力はなく、地面に設置されているありとあらゆるモノを両手でつかんでぶん投げる。設置物をタッチすることで拾うことができ、モノを持った手をペンで弾くことで、その方向に投げることが出来る。これをぶつけて敵を倒すわけだ。何かモノを持ったままの手で敵を直接殴ることも可能だが、この場合は倒すことは出来ず、気絶させることになる。気絶は後述するコンボで威力を発揮する。

投げられるものには4タイプがある。
・ノーマル 敵にぶつかると跳ね返りながら飛ぶ
・ヤリ まっすぐ飛んで敵を貫く
・ブーメラン 弧を描いて飛ぶ
・バクダン 爆発して周囲の敵を巻き込む
手でつんだときに、それぞれのタイプを示すアイコンが表示されるが、基本的には形状でそのタイプっぽいことが分かるようになっている。くの字型に曲がったモノはブーメラン、長いものはヤリ、爆発しそうなモノはバクダン、それ以外がノーマルだ。

モノを掴んだ手を主人公の回りで大きくぐるぐる回転させ続けると、必殺技「ネコソギトルネード」が発動する。通常は片手に1個ずつ、合計2個までしかモノを持てないが、回転させ続けると周囲のモノを巻き込むことができ、それを一気に真正面に投げ飛ばすことが出来る。この場合、どのタイプのモノでもまっすぐ前に飛んでいく。バクダンも爆発しない。

基本的にペンで動かすのは両手のみで、主人公自身を直接動かすことは出来ない。タッチしたままスライドさせることで、主人公の左右移動は可能だが、動きはゆったりとしている。弾幕を1ドット単位で避けるタイプのゲームではない。

間を空けずに連続して敵を倒していくと、コンボが発動する。コンボ状態だと点数が通常より高くなるので、高得点を狙う際には意識しておく必要がある。気絶させるなどしてわざとまとめて敵を倒さずに、少しずつ倒していきコンボを貯め、10コンボを超えるとコンボブースト状態になる。コンボブースト中はスクロールスピードが上がるため、敵が普段よりも速いペースで登場する。そのため、さらにコンボが繋がりやすくなる。

1ライフ制で、1度撃墜されれば即ゲームオーバーだ。しかし、敵や敵弾に接触してもすぐに撃墜されるわけではなく、魂が抜けた状態になる。主人公をペンで擦れば魂は戻ってくる。何度も魂が抜けると、擦っても擦っても戻らなくなる。

文章にするといささか複雑だが、チュートリアルはしっかりしているので、それほど戸惑うことなく遊ぶことが出来るだろう。

ネコソギトルネードゲーム本編(1面)/(c)2006 NINTENDOゲーム本編は全部で2面。それぞれの面の最後にはボスが待ちかまえている。1面は普通の町並みの上を飛ぶ。主人公は駐車してある車やバイク、電柱、電話ボックス、ベンチ、ガスボンベ、マンホールの蓋…その他諸々をちぎっては投げ、ちぎっては投げして敵を蹴散らしていく。迷惑な話だ。1面のボスはゼルダの伝説に出てきそうな多関節蛇型キャラで、ご丁寧に弱点のしっぽにハートの器っぽいモノまである。しっぽ側から一つずつ潰していけば、めでたく1面クリアだ。

2面ではさらに上空で戦う。眼下に見えるのはビル街だ。今度はそのビルをぶん投げる。ドーム球場も、テレビ塔もガスタンクもぶん投げる。迷惑どころの話ではない。2面ボスとの対決は通常と逆、下方向へのスクロールとなる。ボスは両手に回転ノコギリの歯のようなモノを持っているが、ボスがそれを投げてきたときに奪い取ることも出来る。

2面ボスを倒せば精算画面となる。1ポイントあたり3億円の賞金から、壊したモノの賠償金を引いたものが最終的な賞金となる。最後にはちゃんとスタッフロールまで用意されており、宇宙空間に浮かぶ開発者の名前を惑星や隕石で壊すことも出来る。

長々とゲーム内容紹介をしてしまった。配布期間を過ぎれば目にすることすら出来なくなるわけで、資料として残しておくことを考えると、こういう紹介もアリかなと。

このゲームは、何かのソフトのミニゲームとして収録するには十分すぎるほどの面白さを持っている。複雑化した最近のゲームと比べるとシンプルで、テンポが良く、ゲームバランスも悪くない。音楽やグラフィックもしっかりしている。しかし、仮に面数を増やしたりパワーアップアイテムなどの追加要素を加えたとしても、正直言って製品として販売するには弱い。

ただ、資金を使った力技を使えば…例えばキャラクタを他の著作物から持ってきてそこそこの宣伝をすれば、ヒットとは言わないまでもそれなりに売れそうだ。しかし、少人数、低予算で作成したものにそのような予算をつぎ込んで、無理矢理ヒットさせるよりも、ありのままでユーザに届けるようにして欲しい。前回も書いたが、こういったコンパクトなソフトを無料、または低価格で提供する仕組みが欲しい物だ。

ネコソギトルネードゲーム開始時演出/(c)2006 NINTENDO最後に、スタッフロールの内容を転記する。この中の何人かが、いずれ市販ソフトのスタッフロールにも名を連ねることになれば良いなあ。
プログラム
 あさば あきのり
 しまむら ともふさ
 はたけやま たくみ
 ほさか げんや
 みやしろ ともたか

デザイン
 おかざき たくろう
 かみやま しょうた
 こんの りゅういち

サウンド
 たむら りゆう

ボイス
 とみた さとこ

サブディレクター
 あさば あきのり

きかく/ディレクター
 こんの りゅういち

2006年04月07日

任天堂ゲームセミナー生徒作品の配布について考える

任天堂ゲームセミナー」の生徒作品が、DSダウンロードサービスを利用して無料配布される。任天堂ゲームセミナーは、任天堂が主催する学生向けの無料の実践的な講習会。任天堂の現役開発者が講師となり、約10ヶ月の期間で開催され、生徒は実際にゲームの開発を行う。開発プラットホームはニンテンドーDSで、昨年度に実際に作られた作品が、4月下旬より店頭の無料ダウンロードサービスで無線配信される。

今回配布されるのは以下の4作品。それぞれ2週間ずつの配信期間がある。

「ネコソギトルネード」(シューティング) 4/13~4/26
「くるけし!」(パズル) 4/27~5/10
「bioum」(育成シミュレーション) 5/11~5/24
「チーとフーのおいしいえほん」(絵本アドベンチャー) 5/25~6/07

配信期間中に、自分のニンテンドーDSかニンテンドーDS Liteをサービスを提供している店舗に持ち込み、メニューからダウンロードを選ぶことで遊ぶことが出来る。ダウンロードプレイの特性上、電源を切るとデータが消えてしまうので、ダウンロード後はDSの蓋を閉じてスリープ状態にすると良い。バッテリ切れにならないよう、あらかじめ充電しておき、持ち帰ったあとはなるべく電源ケーブルを繋いだ状態でプレイすることをオススメする。


さて、今回の配信は一見すると、任天堂の気まぐれかちょっとしたサービスのように見えるが、任天堂の新たな変化にむけた大事な布石と見た方が良い。

大人のDSトレーニングややわらかあたま塾、アソビ大全などの昨年度ヒット作を例に挙げるまでもなく、ニンテンドーDSで注目されているソフトの多くは「お手軽」な低価格ソフトである。ブラウザ上でプレイするFlahゲームや、携帯電話でプレイするソフトなど、いわゆる"カジュアルゲーム"に近い。

カジュアルゲームの定義は、はっきりと定まったモノはないようだ。よく言われるのが「少人数の開発者によって」「低予算で作られ」「説明書なしで手軽に遊べる」ソフトがカジュアルゲームだ。これに「ネットワーク配信で手に入る」が追加される場合もある。

カジュアルゲームの市場規模がどの程度の大きさで、既存のゲーム市場との競合状態がどのようになっているのかは正確な資料が手元にないのではっきりとは分からない。ただ、近年カジュアルゲームが大きく市場を広げていることは間違いない。一般的なゲームユーザーには、おそらくカジュアルゲームの大半が物足りなく、退屈な性質のものであるため見向きもされないことが多い。しかし、カジュアルゲームのメインターゲットは既存のゲームユーザーではない。OLや主婦、中年サラリーマンなどが比較的多いと言われている。

さて、低価格とはいえコストを割いて開発を行う以上、何らかの形でコストの回収をする必要がある。既存のソフトを店頭で売るにはDSカード(もしくはCD/DVD-ROM)や説明書、パッケージといったハードウェア(器)も一緒に売らなくてはいけない。当然これらには製造コストや流通コストがかかり、ある程度以下の価格にすることはできない。例えば「だれでもアソビ大全」では定価3,800円で42種類のソフトを詰め込むことで解決したが、1本ずつばら売りにすることは出来ない。大人のDSトレーニングに収録されている対戦部分だけを切り取って、店頭で売るのは無理だ。…あの対戦はすごく面白いんだが。

要するに、今までのパッケージメディアでは、本当の意味でカジュアルゲームを売るにはいささか無理があるのだ。やはり、ネットワーク配信は必須と言えるだろう。そして、今回の生徒作品の配布はまさにネットワーク配信だ。

ネットワーク配信でも何らかの形でコストを回収しなくてはいけない。カジュアルゲームにおけるコストの回収方法は大きく分けて以下の3つがある

1.月額課金制度の導入
2.低価格課金システムの構築
3.広告収入に依存

i-modeなどの携帯電話におけるカジュアルゲームは1か2、何らかの形でユーザから直接収入を得ている。直接的、かつ明瞭。電話料金と共に集金されるので心理的障壁も低い。XboxLiveのプリペイド制は2番に該当する。広告依存のカジュアルゲームはRealNetworkが運営するRealArcadeなどがある。プレイ前に広告が表示され、さらにプレイ後も広告なしで長く遊べるフルバージョンの宣伝が行われる。余談だが、このサイトには先日ニンテンドーDSで発売された「瞬感!パズループ」のコピーソフト「ZUMA」が遊べたりする。とりあえず、そのあたりの詳しい話はgoogleなどで調べて欲しい。

さて、任天堂のようなプラットホームホルダーにはもう一つの資金回収方法がある。カジュアルゲームの配信自体を広告として利用することだ。「このハードを買えば、xxx本の無料ソフトが楽しめます」…これは十分宣伝として利用できる。

今のところ、任天堂が保有するゲームの配信システムは、ニンテンドーDSにおける店頭でのダウンロードサービスだけだ。だが、今年中に発売されるRevolutionにネットを介して、自宅にいながらファミコンソフトなどをダウンロードすることが出来るバーチャルコンソール機能が搭載される。今のところ、配信されるソフトはファミコンやメガドライブといった過去のハードで発売されたソフトしか明らかになっていない。しかし、この仕組みを新作ソフトに適用することに何の問題もないだろう。そうなってくると当然、Revolutionの専用コントローラに対応したソフトをダウンロード配信されるだろう。RevolutionからDSにダウンロードする仕組みも出来るかもしれない。

カジュアルゲーム市場では、ZUMAなど他のソフトからアイデアを盗用したソフトが問題になることがある。表面化していない盗作もたくさんあるだろう。それは、カジュアルゲームがアイデア先行型であるとも言える。通常の家庭用ソフトでは、多少アイデアを盗用したところでさほど騒がれることはない。真・三国無双っぽいゲームにいちいちコーエーが文句を言ったりしないだろう。それはアイデア以外の部分のウェイトが大きいためだ。同じアイデアを元にしても肉付けの部分や見た目で全然違うゲームになる。逆に、カジュアルゲームはアイデアが命。ある意味、アイデアだけで成り立っているソフトも多い。そりゃ盗作されたら怒るわけだ。

そして、パソコンのマウスや携帯電話のキーなどの、貧弱なインタフェイスでしか動かないにもかかわらず多くの優秀なカジュアルゲームが生まれている。そこにニンテンドーDSやRevolutionの先進的なインタフェイスが投入されたら、きっと素晴らしいものが産まれるにちがいない。

ニンテンドーDSやRevolutionのソフト開発の現場では、そのようなアイデアが次々と生まれてきているのではないだろうか。しかし、そのアイデアを既存のパッケージで販売するには障壁が高すぎる。アイデアを泣く泣く捨てるか、他のものとセットにするしかない。無理にアイデアを寄せ集めたところで、生み出されるのはミニゲーム集ばかりだ。実際、ニンテンドーDSの初期(と最近発売のソフトの一部)には小さなアイデアを無理矢理詰め込んだようないびつなソフトがあった。こういったソフトを一つずつ低価格、もしくは無料で配信できれば開発者にもユーザーにもメリットになるのではないだろうか。まぁ、流通業者は嫌がるだろうが。

任天堂はTouch Generationシリーズで今までゲームに触れていなかった層を大量に取り込んだ。これらの層のゲーム対する購買力は低いが、やたらと人数が多い。購買力が高いが人数の少ないマニア層と比べると、全体の購買力ははるかに大きい。

ともかく、あまりゲームを買わない人たちにニンテンドーDSが売れた。任天堂の次の課題は、大人のDSトレーニングシリーズを2本購入した人々に3本目、4本目のソフトを買わせることである。たとえば、こちらの店に超巨大なテトリスDSのパッケージ画像があるが、帯にある文章は明らかにマニア向けではない。フラッとゲーム店に立ち寄った人たちに手に取らせる演出だ。

テトリスだけで十分だろうか?もっともっと多くのバリエーションを増やす必要がある。彼らを十分に満足させるためには、もっと安く、もっと手頃で、もっとわかりやすいソフトを多数用意する必要がある。彼らには、カジュアルゲームを与えるのがちょうど良い。

高画質や高性能を競い合うことも、たしかにゲーム機において重要なことだ。しかし、こういった世の中の大多数の層が本当に求めているものを提供できるかどうかも、次世代ゲーム機戦争の一つの鍵になるのではないだろうか。

そして、これは一つの願望なのだが、Revolutionの仕様をある程度オープンにし、ゲーム配信システムを利用してアマチュア開発者のゲームをダウンロードできるようにしてもらえないだろうか。きっとその中からダイヤの原石が見つかるにちがいない。

追記:よくよく考えたら、任天堂ははるか昔からゲーム配信には注目してた。ディスクシステムの書き換え、サテラビュー、ニンテンドーパワー、それと(大失敗だったけど)ランドネット。サテラは敷居が高いし、ディスクシステムとニンテンドーパワーも実店舗の協力が必要だったから、あまりコストは抑えられなかった。しかし、インターネットがこれだけ普及すると、そのあたりの心配が要らなくなる。いままでの任天堂の長年の努力が、やっと実を結ぶことになるかもしれない。

2006年04月05日

CESA主催の賞がまた名称変更。10年間で4度目

CESA(社団法人コンピュータエンターテインメント協会)が年に一度、東京ゲームショウの開催に合わせて発表している賞の名称が"また"変更された。新しい名称は「日本ゲーム大賞」…。これは、前に戻ってるじゃんとツッコミを入れて欲しいのだろうか。

過去の名称変更歴と、大賞受賞作品をまとめてみた。(96年は「作品賞」、それ以外は「大賞」)

開催年名称受賞作
備考
1996年CESA大賞'96サクラ大戦
第1回目
1997年CESA大賞'97ファイナルファンタジーVII
ゲームジャンル別部門を廃止
1998年第3回CESA大賞ゼルダの伝説時のオカリナ
名称を微妙に変更。一応、変更1回目
1999年第4回日本ゲーム大賞どこでもいっしょ
また名称変更「審査のしくみ、賞の設定などを見直し、さらに権威ある賞として~」
2000年第5回日本ゲーム大賞ファンタシースターオンライン
FF9/ドラクエ7/ムジュラは作品賞。ドラクエ7はベストセールス賞も
2001年開催なし-
2001年発売ソフトは第6回の集計対象となった
2002年第6回CESA GAME AWARDSファイナルファンタジーX
またまた名称変更「未発売作品を表彰する新カテゴリーを新設、大幅にリニューアル」
2003年第7回CESA GAME AWARDS太鼓の達人 タタコンでドドンがドン
ファイナルファンタジーXI
(大賞受賞は2作品)
グローバル賞新設/ベストセールス賞復活。ベストセールス賞はポケモンルビー/サファイア
2004年第8回CESA GAME AWARDSMONSTER HUNTER
INDIES部門新設
2005年第9回CESA GAME AWARDSドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君
作品賞はメテオスなど
2006年日本ゲーム大賞2006未定
またまたまた名称変更「ゲームファンはもとより広く内外に周知するために発展的に改称」

やる気あんのかって気がするのは自分だけだろうか。これだけしょっちゅう名称が変わる賞に権威もなにもないだろう。実際、賞を受賞したところで売り上げが変動するとも思えない。基本的に選ばれるのはCESA会員であるゲーム会社の作品なわけで、どうも自己満足でやってるような雰囲気を感じてしまう。

それはともかくとして、7月25日まで一般投票が行われている。この結果が直接大賞に結びつくのではなく、一般投票の結果を持ってノミネート作が選ばれる。ノミネートされた作品は業界誌編集者、流通関係者、クリエイターなどで構成された選考員によって選考が行われ、各賞が選ばれる。大賞と優秀賞については、一般投票の票数や売り上げ本数も考慮される。

まあ、なんだ。ちょっと分かりづらくて不透明な部分も多い選考方法だ。基本的には一般投票と売り上げで大賞が決まるようだが、選考員のさじ加減次第で受賞作が変わることもあり得そうだ。大賞はともかく、優秀作には「どうしてこんな作品が?」と思える作品が紛れ込むことも考えられる。

投票期間を考えると、つい先日発売され、好調なセールスを続けるファイナルファンタジーXIIが一番の大賞候補だろうか。他に、ファンの間で評価が高く、今のところファイナルファンタジーXIIを超えるセールスを記録しているおいでよどうぶつの森も受賞する可能性が高そう。少なくともこれらの作品は優秀賞はねらえるだろう。今までの同系統のソフトと比べて、100倍以上のセールスを記録した大人のDSトレーニングシリーズは、何らかの特別賞を受賞するだろうか。…このように容易に結果が予想でき、おそらくは大ハズレしないだろうと思われるところも、この賞の不必要さを表している気がしないでもない。

こういう怪しげな賞には、唯一のCESA個人会員であるところのゲイムマンさんに目を光らせて欲しい物だ。まあ、そのゲイムマンさんも相当プロフィールがあやしい。この御方は一応テレビとかにも出ているみたいなので、どっかの事務所に所属しているのかなあとぼんやりネット上で調べていたらトンでもないところに所属してた。悪役商会かよ!しかも悪役商会のサイトの連絡先メールアドレスがゲイムマンのアドレスだった。八名信夫さんのグッズとか直販しているみたいなんだが、メール出したらゲイムマンさんが対応してくれるのかなあ…。まあ、他のコワモテ俳優さんが対応しててもそれはそれで怖いが。

よくよく調べてみたら、Wikipediaによるとゲイムマンさんは悪役商会の経営者の息子だそうで。…納得。

2006年04月01日

NITENDO DS Lightが発売に

仁天堂は6月31日にNITENDO DSの上位機種、「NITENDO DS Light」を28,900円で発売すると発表した。ヘッドギア型アタッチメントが付属する。
※分かってると思いますが、エイプリルフール用のネタです

NITENDO DS Lightは従来のNITENDO DS Liteに懐中電灯機能を搭載した新モデル。Liteを含めた従来のモデルでは、バックライト機能を搭載しており暗闇でゲームをプレイすることが出来たが、暗闇を照らす効果はほとんどなかった。DS Lightは高性能の白色LEDを搭載し、その灯りは1km先からも視認できる。

懐中電灯機能を搭載したことにより、バッテリの寿命はLiteの約1/2となっている。また、液晶のバックライト機能も省略されている。

液晶のバックライト機能が省略されたことにより、暗がりでゲームをプレイすることが困難になっている。搭載された画期的な新機能とのトレードオフで、ある意味仕方がないのだが、ユーザから批判の声が出ることは必至だ。しかし、付属のヘッドギアアタッチメントを利用すると、頭部にDS Lightを固定することが可能。2台用意すれば、DS Lightで手元を照らしながらDS Lightでゲームを楽しむことが出来る。

広報担当者は「DS Lightで照らしながらタッチペンアタッチメントをつけたDS Writeでゲームをプレイするスタイルが定着することを期待したい」と半ば投げやり気味にコメントした。

2006年04月01日

NITENDO DS Writeが発売に

仁天堂は4月31日にNITENDO DSの上位機種、「NITENDO DS Write」を17,010円で発売すると発表した。タッチペンアタッチメントと予備のボールペン芯が付属する。
※分かってると思いますが、エイプリルフール用のネタです

NITENDO DS Writeは従来のNITENDO DS Liteにボールペン機能を搭載した新モデル。Liteを含めた従来のモデルでは、画面上に擬似的に文字を書くことは出来たが、ゲーム機を使用して文字を書くことができなかった。移動中にファンにサインを求められたり、宅配便などでサインが必要になった際にボールペンがなくてもDS Writeがあればすぐに書き記すことが出来る。

インクがなくなった場合には付属のボールペン芯と取り替えることで、新品同様の書き味が再現できるようだ。また、別のNITENDO DSでゲームをプレイする際にペンを紛失した場合は、付属のタッチペンアタッチメントをDS Writeに取り付けることで、タッチペンの変わりに使用することが出来る。

具体的な発売日や価格は未定だが、年末に毛筆アタッチメント等の別売りパーツが発売される予定となっている。これはおそらく年賀状需要を見据えたものだろう。年賀状作成ソフトの発売も期待される。

2006年04月01日

NITENDO DS Heavyが発売に

仁天堂はNITENDO DSの上位機種、「NITENDO DS Heavy」を発売すると発表した。受注生産のみの生産で価格は時価。
※分かってると思いますが、エイプリルフール用のネタです

DS Heavyは燦然と輝く16Tの文字どおり、16トンの重量を持つ超重量級のゲーム機。しかしながら縦横のサイズは従来機種と同等、厚みは非公開としている。一体どのような物質で出来ているのかはまったく分かっていない。

資材調達の都合上、製造に非常に時間かかるのと、需要が予想できないため受注生産に限定しており、すでに予約を受け付けているとのことだが、予約方法は明らかにされていない。

16Tのロゴが、あるゲーム機の16BITロゴに非常に似通っている点に関して仁天堂にコメントを求めたが、回答は得られなかった。


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