釣りタイトルにならないように、先に結論を書くと話題が減ったのは「普通に良かった」「普通に悪かった」というのが理由だと思う。要するに褒めるにしても馬鹿にするにしても、特筆すべき点がなくて話題にしづらいデバイスだったのだろう。
というわけで、予約開始日に予約したAppleWatchが5月中旬に届いた。予約開始時刻まで待機して即効で予約を入れるレベルまで物欲がわかなくて、発売日分の予約を閉めきったあたりで予約完了報告をしている人たちを見ているうちに物欲が湧いてきて「とりあえず予約して、必要なくなったらキャンセルすればいいか」と遅い時間に予約を入れた結果「6月発送予定」扱いとなってしまった。
それ以降、別にキャンセルするまでもないかと放置していたら、予定よりは早く届いた次第である。
購入したのは42mmのApple Watch Sportの黒。比較的安価で、無難なチョイスであり、自分の周囲での購入者の多くが同じモデルを買っている。
AppleStoreで試着した際にはバンドの付け方が独特で、非常に苦労したものの、実際に届いてから数回脱着していたらスムーズに付けられるようになった。
使用感としては予想を裏切るような便利さはなく、予想を裏切るような不都合もない感じ。冒頭で書いたとおりだ。
所詮は腕時計であり、iPhoneに備わっている機能を一部移しただけのもので、それ以上でも以下でもない。
長文で絶賛ポエムを書くような革新的便利さが備わっているわけでもなく、ネガティブキャンペーンでページビューを稼ぐような腐れblogの餌になるような不具合もない。とにかく、話題にしづらいのだ。
Appleのプロダクトなので、「新製品の第一弾は微妙な出来になっていることが多い」というジンクスを背負っている商品なので、万人におすすめできる商品ではない。ハードウェアもソフトウェアもバージョンアップの余地が多く残っている。
それでも、日頃運動をしていて、その記録を残したい人にはおすすめしても良さそう。
あとは「iPhoneをポケットやかばんから取り出して見る回数が大幅に減る」というメリットに万単位のコストを掛けても構わないという人はすぐに買おう。
同じ金額を出すならSplatoonとWii Uをセットで買うほうがオススメだが、カテゴリが違いすぎるので引き合いに出すのは微妙か。
機能紹介や、写真などは発売日に入手した先輩たちが腐るほどネット上にばらまいてくれているので、個人的な良かった点、悪かった点を列挙したい。
■良かった点
・思ったよりごつくない
・バンド(スポーツ)の装着感がいい
・スケジュールの通知に気づきやすい
・ジョギング中に腕を見るだけで時間・距離・ペース・心拍が表示されるのは便利すぎる
・腕時計でhueが操作できる!最高!
・リューズ長押しでSiriを呼び出して「タイマーxx分」と発声するだけでタイマーがセットされるのは便利
・3つの円で示されるアクティビティログがわかりやすいし、モチベーションも上がる
・iPhoneで音楽を聞いている時に再生中の曲名がすぐに分かる
・装着しているとやたら声をかけられる(たぶん今だけ)
・耐水性があるので水仕事・シャワーができる
■悪かった点
・バッテリが割とカツカツ。丸一日仕事をしたあとで長時間走ったりするとだいぶ厳しい
・買い足し用の充電ケーブルが高過ぎる
・時計を見るジェスチャーで点灯するギミックが動作しない時がある
・メインの時計のカスタマイズ機能がさほど充実していない
・常用していたNIKEアプリのAppleWatch連動機能がしょぼい(標準ワークアウトアプリに乗り換えた)
・サードパーティアプリが全般的に機能不足
・本体物理ボタン2つのうち、片方がほぼ連絡先アプリ専用ボタンと化していて、使わない人には無駄が多い
・操作時に必然的に両手が塞がる
・アプリの起動が遅い。しばらく起動していないと天気アプリで数十秒待たされる。
繰り返しになるが、なければなくてもいい商品で価格ほどの価値はないという感じではある。
だが、使っているうちにAppleWatch前提の生活になってしまい、すでに手放せない必須アイテムになってしまっている。代金を返すから手放せと言われたら断るレベルではある。
iPodやiPhone、iPadの初代とモデルチェンジ/バージョンアップ後の充実度の差を考えると、2年後には万人に進められる良いアイテムになっているような予感はある。そのときまでこの中途半端な商品を愛用しながら、のんびり待つことにする。