2015年06月21日

Splatoonは引き算で作られている


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みなさんはシオカラーズのどっち派ですか?
私はアオリちゃん派です。ただ、最近になってハイカラニュースでのホタルさんの雑なトークが微妙にツボにはまってしまい、気持ちが揺らぎつつあります。まあ、アオリちゃんの笑顔には勝てませんけどね。Wii Uを立ち上げ、ハイカラニュースでかわいいかわいいアオリちゃんの話に雑に回答するホタルさんを堪能し、広場からすぐに2階に登ってスタジオ内をガン見してアオリちゃんから手を振ってもらってから2時間ほどSplatoonを遊んだ後に、再び2階に登って手を振ってもらってWii Uの電源を切るのが最近の日課です。
お気づきかもしれませんが、ホタルさんはさん付け、アオリちゃんはちゃん付けで呼んでいます。特に理由はありませんが、何となく伝わるかと思います。

このままシオカラーズの話を書き続けると気持ち悪さランク20に到達してしまうので、次の行から本題に入ります。なお、この記事をブックマーク、ツイートする際にはホタル派かアオリ派か表明していただけると幸いです。

さて、このようにシオカラーズ…ではなくSplatoonを毎日楽しんでいるわけだが、遊べば遊ぶほど開発者側の意図というか美学というか思想というか、そういった部分がなんとなくわかってきた。追加すれば便利な機能をあえて追加しない、ユーザがほしがるであろう機能をあえて切り捨てている、たとえ不便になったとしてもゲームの根幹に影響を及ぼすデメリットを伴うものは導入しない。簡潔にいうと徹底的な"引き算"でこのソフトは作られている。

あっていいはずの機能がない、簡単に実装できそうな機能がついていない、それらの機能がついていない理由を推測することで、開発者がどういうゲームをつくろうとしていたのかが見えてくる。

ゲーマー界隈から発売日以降「なんでこの機能がないんだ」という声が出ていた。とくに、ボイスチャットの不採用については、海外レビューサイトで致命的なマイナスポイントとして点数を下げる根拠としてあげられるレベルである。

"勝つ"ことを最優先に遊んでいる人たちからすれば、チーム内のコミュニケーションが取れるボイスチャットを導入することで、圧倒的に快適になるだろう。ガチのプレイヤが洗練されたプレイをするためには必須の機能だ。また、コミュニケーション手段はボイスチャットだけではない。マリオカート8ではマッチング中に定型文のみだが一言コメントをやりとりする仕組みがあった。それすらもSplatoonは実装していない。あるのは、プレイ中に十字キー上下で出せる「ナイス」と「カモン」の2つだけだ。十字キー左右は押しても無反応という機能のそぎ落としっぷりである。

このSplatoonにおけるコミュニケーション機能の未実装について、amazonに大変興味深いレビューが投稿されている。

このレビューが総てを言い表している。求められる機能をあえて実装しなかったのは、初心者が気軽にオンラインに接続するためにはコミュニケーション機能は邪魔になると判断したのだろう。そして、その判断は一定の評価を受けている。

「連戦する際にブキおよびギアの変更ができない」という点も不満点としてよく指摘されている。おそらく、この機能を足すことはさほど難しいことではない。マッチング中に数十秒程度の選択時間を用意して、スムーズに選択できるようなユーザインタフェイスを用意すればいいだけの話だ。
ブキを試合ごとに変更可能にしていれば、ブキの読み合いが発生するし、プレイヤの名前とブキが一致しなくなる。「このローラー使いは気をつけないといけない!」と思っても次の試合でブキを変えられたら連戦の面白さが削がれることになるのではないだろうか。この点については賛否両論あるだろうが、個人的にはゲームを面白くするためのひとつの答えとして尊重すべき選択であり、決して、機能の不備ではないと考えている。

一人プレイモードが充実していない、CPUと対戦の練習ができないということもよく言われている。この辺りも、初プレイでも練習でもとにかくオンライン対戦に接続してほしいという考え方によるものではないだろうか。マップがテレビ画面に出ないのも、目の前の敵に専念するプレイスタイルと、マップを見ながら全体の動きを見極めるプレイスタイルを選択させ、より幅広い遊びを提供するためのものではないだろうか。敵を倒した数や勝利数など、累積スコアを表示する機能や、実績解除のような達成度を測る機能がついていないのも、勝利やKill数に固執するプレイをさせないようにする配慮ではないだろうか。

他にも、この機能があればいいのにと思う部分はいくらでもでてくる。それらの機能は明確な意図を持って削り落としていると感じる。
おそらく、既存のFPS・TPSに存在する機能を分析し、幅広い層に受け入れられるソフトを立ち上げるには、最低限どの機能を入れればいいか検討に検討を重ねて本来必須だと思われる機能を1つずつ削っていったのだろう。

彼らが実装した機能を削った証拠もある。Splatoonが初めて披露された2014年のE3での映像に残っている。

相手チームを倒した瞬間に注目して欲しい。

敵を倒した時のスコア表示がある。この機能は製品版では存在しない。値は大きくなく、敵の立ち位置によって数字が変わっているので「敵を倒して飛び散ったインクによって得られたスコア」であると思われる。
この機能が残っていれば、プレイヤは地面を塗ることよりも敵を倒すことを、より強く意識してしまったであろう。「このゲームは敵を倒すことを目的としたゲームではない」ということを伝えるためにあえて外したと思われる。

機能を削るといえば、ローカル2人対戦のバトルドージョーに関しては削ってもよかったんじゃないかと思えるが、あれは一応オフラインでも対戦できるという言い訳を用意しないとマーケティング上不利に働くので、仕方なく入れたのだろう。

さて、このSplatoonは数々のインタビューや株主総会の場でも語られているように、若手のスタッフが中心となって開発している。

このゲームは2チームに分かれてペンキを塗り合うというもので、結構話題を集めました。社内の若手を中心に開発をしておりまして、若い人たちがつくった新しいものが評価されて、非常に喜んでいます。
2014年6月27日(金)第74期 定時株主総会 質疑応答

任天堂のソフトには若手の開発メンバーが多いゲームが他にも多数あるが、私が知るかぎり若手が"中心"となったゲームはほとんどない。過去のしがらみがなく、"この機能を入れたら評判が良かった"というような、過去の成功体験が少ないことが、機能の削減にプラスに働いたのではないだろうか。
今後もこういった若手による、既存ジャンルを覆すようなソフトの登場に期待したい。

で、毎日楽しんでいるSplatoonだが、週末にどっぷりプレイするとゲームパッドのバッテリが切れるという問題に遭遇する。テレビのそばに電源アダプタを設置しているのだが、おもいっきりケーブルを伸ばしてもテレビから近すぎるので、もう一本アダプタ欲しくなった。ただ、純正品は高いのでどうしようかと思っていたところ、大変便利な商品があったので買ってみた。

なんと、コンセントに差し込む必要もない構造になっている。どういうことかというと…

Wii Uの背面にあるACアダプタ端子に……

このように接続する。
本体への給電量が若干減りそうな気がするが、今のところは問題なく動作している。
ケーブルも3mの長さがあるのでテレビから離れてプレイできる。大変便利だ。
しかし、「バッテリが切れたらとりあえず休憩する」という運用ができなくなったため、際限なくプレイするようになってしまったので注意が必要だ。


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