2005年05月25日
大人のDSトレーニングがおもしろい
先週発売された「脳を鍛える大人のDSトレーニング(正式名称は長いので省略)」を購入して数日プレイしているが、なかなかのおもしろさだ。というわけで、レビューを書こうかと思ったが、これはゲームではないので困った。レビューのようなもの、としておこうか。
さて、簡単にこのソフトの内容を紹介すると、1分~5分程度の非常にシンプルなミニゲームを3個プレイし、その結果をもとに脳の年齢を測定するというもの。ミニゲームは赤色でかかれた「あお」という文字(あお)などが次々と出てくるので、その色名(この場合は「あか」)を口に出して言うものなど、集中していないとうっかり間違えそうなものばかり。その結果を1日に1回だけ記録を残し、毎日プレイすることで脳年齢がどう変化したのかをつぶさに見ることがでる。もちろん、これだけではなく、脳年齢を若返らせるためのトレーニングも搭載しており、脳年齢測定とは異なるミニゲームを好きなだけプレイできる。こちらも記録を毎日1回だけ記録し、記録の変化を見ることができる。
ボケ防止のおもちゃのようなもので、はっきり言ってゲームではない。エレクトロプランクトンやnintendogsといったDSの新機軸ソフトの一つであり、それらのソフトと同様ゲームの枠に収まるものではない。2回目以降のプレイは記録が残らないし、内容が単調なので連続して何回もプレイできるものではない。いくらがんばっても1日に30分以上このゲームを遊ぶのは難しいだろう。1日10分程度を毎日、毎日繰り返しプレイしてグラフが右肩上がりになるのを楽しみにするソフトになっている。毎日続けさせるためのちょっとした小細工もいろいろとちりばめてある。
なにげにこのソフトは技術的には高レベルなものが使われているようで、数字の認識率は非常に高い。最初に紹介した色を答えるものでもほとんど誤認はなく、早口で「あお!」と叫んでもちゃんと認識する。ただ、数字の認識は多少ズルをしているようで、同じように縦にふにゃふにゃと曲がった文字を書いても、正解が1であれば1と、3であれば3と認識してしまう。同じように0だか6だかわからないゆがんだ丸を書いても正解の方で認識される。正解を書く方が多い→正解側で認識した方が認識率が高い、ということなのだろう。その反面、ひらがなの認識率はそれほど高くないようだ。焦って書くので字が汚かったり書き順がおかしいのかもしれないが・・・。
1回のプレイが短いこと、毎日のプレイに耐えること、脳の若返りがテーマであること、その他諸々の要素は全部既存のヘビィなゲーマーのための仕様ではなく、全くゲームをしていない30代以上をターゲットとしたもののように思える。というか、大人のDSトレーニングというタイトルからしてゲーム好きの子供向けではない。そのあたりを意識してか、発売当日は意外なキャンペーンを展開した。大手の新聞各社の朝刊にカラーで全面広告を掲載したのだ。ゲームとはかけ離れている読者層を持つと思われる日経新聞にまで掲載されていたのには驚いた。任天堂はかつて「ゼルダの伝説時のオカリナ」が全世界600万本に到達した時に同様の全面広告を掲載したが、ゲームで新聞の全面広告はなかなか見られるものではない。
意外な展開といえば、公式サイトでこのソフトの取り扱い説明書がpdfファイルで公開されている。こんなこと前代未聞じゃないだろうか?確かにこのソフトに限って言えば、説明書を見せておくことでデメリットは全くなく、メリットの方が多そうだ。他にもキャンペーンサイトでわざわざ問い合わせ窓口の電話番号を掲載するなど、ゲーマー以外を囲い込む体制は万全のようだ。
何度も繰り返すようだが、このソフトはゲームではない。ゲームではないが、ゲームとして楽しむことも可能だ。一桁の加減乗算(割り算はない)を100個連続でプレイするトレーニングあたりはタイムアタックをやる感覚だ。レースゲームのようにコースを覚える必要性も、格闘ゲームのように技を覚える必要性もなく、テクニックも何もないただの算数。完全にガチンコ勝負だ!これで熱くならずして何で熱くなるというのだろうか?さらに記録が残るのはその日の初回プレイのみという強烈な縛り!これは燃える!各自手になじんだタッチペンを取って毎日真剣勝負をするしかないだろう。冗談のようだが、本当におもしろい。サクサクと問題を解いていくと自分が天才のように思えて、逆に記録が伸びないときは自分のあまりの慌てっぷりに思わず笑ってしまうだろう。前述のように数字は認識率も高いので全くストレスを感じずに計算ができるのも愉快だ。さらに通信対戦だと16人で計算速度を競える!これは是非やってみたい!
最後になるが、実はこのソフトは非常に安い。定価が税込2,800円と、他のDSソフトと比べて6割程度の価格だ。Amazonだと安売りしているので税込、送料込みで2,380円と、ワゴンセールのような価格になってしまっている。
おそらく当サイトを見に来ている方々はこのソフトで測定できる脳年齢の最高記録である20才にも到達していない方もかなり多いだろうが、セーブデータを4人までもてるので、家族用に購入するのもアリだろう。父の日のプレゼントと称して買うのも良いかもしれない。