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2013年08月27日

廃墟と日常生活が共存する島、池島 (後編)

前編からお読みください

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午後からは有料の坑内探検ツアーに参加した。一人2500円。
長崎さるく|池島炭鉱さるく
元炭鉱マンがガイドを務めているので、解説はバッチリ。

今回は、平日で人も少なく時間の余裕があったので、普段はあまり回らない見学コースを案内していただけた。
テレビで紹介されることも増えて、週末だと数十人がいっぺんにやってくるため、だいぶ省略気味になるそうだ。

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誰も住んでいないアパートの一室を、観光用に開放していてそこを案内してもらった。
普段は鍵がかかっているので、ガイド付きじゃないと入れないようになっている。

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中に入る。
このアパートには4畳半2部屋に台所とトイレが備わっている。風呂はない。

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部屋の中には当時を偲ぶ資料や生活道具が置かれている。

さらに、特別に屋上に登れる階段を設置してあり当時の住民たちも見ることができなかった絶景が堪能できた。

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建築時期や立地などによって廃墟度が違っている。
植物に侵食されると一気に廃墟感が増す。

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建物と植物が組み合わさった奇妙な感覚は福岡のアクロスに通じるものがある。
参考:福岡市のド真ん中にある穴場スポット:アクロス福岡・ステップガーデン

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2013年08月27日

廃墟と日常生活が共存する島、池島 (前編)

友達の誘いで、長崎県の池島に遊びに行った。

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池島はかつて、炭鉱で繁栄していたものの2001年に炭鉱が閉山して以降、人口が激減した島だ。
最盛期の人口は8000人近く居たと言われていて多くのアパートが建築され、その多くが無人のまま炭鉱の施設共々朽ち果ててしまっている。
現在でも200人ほどが暮らしているため、廃墟と日常生活が奇妙に交差する不思議な島になっている。

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佐世保から高速船で池島に上陸。
あいにくの雨で、空は厚い雲が覆い、薄暗い。
早速目の前に朽ち果てた建物や重機が見える。

午前中は小島健一氏にガイドをお願いした。「社会科見学に行こう」という団体を主催していて、2011年から池島に移り住んで地域おこし協力隊のメンバーとしてPR活動をしている方だ。当日もテレビクルーの長期取材の合間を縫って我々のお相手をしていただいた。ありがとうございました。
参考:Pirori.org / Kenichi Kojima

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まずは大人1人100円のコミュニティバスに乗って島の中央部に移動。

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島の規模に不釣り合いに大きな池島小中学校が待ち構えていた。
最盛期は1000人をこえる児童がいたが、現在の生徒は7名。当然、生徒数よりも教室の数のほうがはるかに多い。

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島のアパートのほとんどが4階建て。
しかし、炭鉱の入口にほど近いこのエリアは多くの作業員が居住していたためか、8階建てとなっている。
上下で色が異なるのが特徴的だ。

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絡みついたツタや壊れた雨戸が、すでにここに誰も住んでいないことを教えてくれる。

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