決算粉飾の疑いで株式会社インデックスに証券取引等監視委員会が強制調査を行った。
参考:インデックスのニュースリリース(pdfファイル)
複数の関連会社等を利用して実態のない取引を行うことで、売上を水増しした疑い。
このまま立件されれば、上場廃止、倒産というコースも十分ありえる。
インデックス本体は情報・通信系の企業で、多くの企業を買収して成長。まさに悪魔合体という感じだが、その中で女神転生シリーズなどで知られるアトラスも子会社化していた。現在はアトラス自体は解散し、インデックスの中のブランドとしてアトラスの名前を残すのみになっている。
誤解が多いが、アトラスという会社はすでに存在しないので「インデックス子会社のアトラス」という表現は誤り。
四半期報告書の期限をぶっちぎって監理銘柄にぶち込まれたり、提出した報告書が債務超過だったり、あとから訂正入れたり、劇ヤバな雰囲気を醸し出していたので、やっぱりねという感想を漏らす人も多い(個人の感想です)
会社全体としては死にかけなのだが、その中でもアトラスブランドは収益を上げており、最後の砦となっている。
最近になってシリーズ作品を大量リリースしていたのは、このへんの事情があったのかなあと推測される。
さて、インデックスが倒産してしまった場合、アトラスはどうなるだろうか。
どこかの会社がインデックスごとまとめて買い取ってくれると一番手っ取り早いのだが、もれなく多額の負債もついてくるわけで、景気が上向いているとはいえインデックスを買い取る物好きな企業はなさそう。
アトラス部分だけ買えるかというと、粉飾してまで黒字に見せかけてたような経営陣が一番収益を上げている美味しい部分だけ軽く手放すとは思えないので、相当な金額をつまないと難しそう。
そもそも会社組織としてのアトラスは存在しない以上、「インデックスのコンシューマゲーム部門」という微妙なくくりでの買収となり、いろいろと面倒そうな感じ。
あとは、開発者をチームごと引きぬくとか、ソフトの権利だけ買うとか、シリーズタイトルのブランド単体で買い取るか。
いずれにせよ、アトラスがこのまま消えるのはもったいない。どこかの会社が動くだろう。
さて、どの会社がアトラスを救うだろうか?
可能性がありそうなのはセガサミー、タカラトミー、マーベラスAQL、DeNA、任天堂あたりだろうか。
セガは以前からプリント倶楽部がらみでアトラスと協業しており、アトラスブランドのソフトは現在セガが流通を受け持っている。
会社の規模、M&Aの実績から考えても有力かなと思える。
少なくともプリクラはセガが引き取ることになるだろう。
タカラトミーは現在インデックスと相互に株を持ち合っている。
すでに資本関係があるので、意志があればアトラスを引き取るのは他社より容易だと思われる。
ただ、企業規模としてはセガサミーに劣る。
タカラトミーブランドで女神転生や世界樹を出すとは思えないのでアトラスブランドも残してくれそう。
マーベラスAQLは前身のマーベラスエンターテイメント創業者がプリクラ発売当時のセガ社長の息子と、微妙に関係がある。
現在はアトラスブランドのペルソナのミュージカルをマーベラスAQLが扱っている。
また、最近インデックスの海外子会社XSEED Gamesを買収してマーベラスUSAに会社名に変えるなど、インデックスとのパイプは太い。
会社の規模的にはアトラス全体を救うのが難しい感じだが、ヴァニラウェアの次回作だけはマーベラス発売になるのではないかと予想。
※ヴァニラウェアが開発した朧村正とグランナイツヒストリーはマーベラスが発売していたが、最新作ドラゴンズクラウンはアトラス発売になっている。
DeNAの上場当時はインデックスが大株主だった。今では会社規模が逆転。
ソーシャルゲーム市場にアトラスブランドを持ってくることはそれなりに魅力的だろうから手を出しても不思議ではない。
最後に任天堂。
最近ファイアーエムブレムと女神転生のコラボを発表したばかりで、関係は悪くない。
任天堂が著名なゲームが会社を買収することは今までの傾向を見る限りなさそうだが、開発者をまるごと引きぬいて子会社に収める事例はある。
ただ、その場合にブランドを維持するかどうかは微妙なところ。任天堂ならバッサリとアトラスも女神転生も名前を捨てるような気がする。
任天堂はE3でも10年以上続くシリーズ作品の新作ばかり発表したし、任天堂が今欲しいのは歴史のあるゲームタイトルではなく、新規タイトルのはず。
任天堂がアトラスに手を差し伸ばすとしたら、開発チームだけ保持して新規IPを立ち上げることになるのではないか。
まあ、インデックスがこのまま消え去らずにアトラスが踏ん張ってくれるのが一番いいんだけど、中途半端に生き残ると開発者がどんどん抜けていって、ブランドとタイトルだけ残った全く別のゲームがリリースされ続ける悲劇が起きる予感。それだけは避けてほしい。
なお、アトラスの公式Twitterでは発売予定タイトルを予定通りリリースすると発表しているのでご安心を。