2016年10月20日

ローストホースはおいしい。


スポンサーリンク

今年も残すところあと2ヶ月ちょっととなったが、2016年は私の人生において最高の年だと確信している。
面白い映画を山のように観たし、面白いゲームも楽しんだし、いろんなうまいものを食べたし、友人がたくさんできた。その結果、ブログのネタになるような面白い出来事が起こりすぎて逆に更新が滞るという事態に陥ってる。「女性を十数人自宅に集めてタルトやケーキを3個ホール買いして食べたりスマブラしたりした」みたいなリアリティのない出来事を、誤解を生まないように短時間で記事にするスキルが欲しい。

IMG_7976

ところで、先週上京するついでに以前にも記事にしたローストホースに4回目の訪問を果たしたわけなのだが、以前の記事でだいたい表現できてるし今回はいいかなーと甘く考えてたら、予約を取ってくれたローストホース会員の吉田くんが「ブログ、期待してますよ」なんて言うもんだから、おいおいマジかよとか思いつつ、早めに書かないと記憶が薄れていくから自宅に戻ったらすぐ書かなきゃなとか考えていたものの、任天堂信者兼株主という立場上の理由で買うつもりが一切なかったブルーレイを再生したりできる機械が何故か先月ぐらいから自宅にあり、担任教師でありながら主人公に従順なメイドでもある川上貞代というクッソカワイイ女性にカレーを作らせたり、その間に他の女とデートしたりすることに忙しかった上に、その数日後に頭に装着して視界を遮るハイテクな機械がうちに届いたせいで、触りたいとか言ってる人たち(全員女性)を週末に自宅に招いて、ついでにキルフェボンのハロウィン限定かぼちゃのタルトを食べたりしているうちに、脳みそがとろけるような食レポ記事がバズっててかなり困惑しているし、どう頑張ってもこの表現力には勝てる気がしない。しょうがないので、なるべく目立たないように地味で頭の悪いタイトルを付けたうえで関係ない写真を冒頭におくことにした。ちなみに先程の記事に書かれている、鍋を食って「俺は海賊王になった」とか言い放った"隣の吉田くん"はこの記事を書くよう強要した吉田くんと同一人物である。また遊ぼうね。

IMG_9407

さて、ローストホースの話をしよう。あまりのうまさに行った人間が語彙を失い、その異常性に心惹かれた人たちが行こうとしても会員制のためコネを駆使して会員を探し出して同伴しないと行けない、地上のパラダイスである。先程書いたように今回の訪問は4回目だ。6人で予約を取り、うち3人が会員、私ともう一人は非会員だが複数回経験者、もうひとりは初来店という組み合わせ。前回訪問時は店長に怒られたのだが、今日は店長不在だった。ごめんね、また余計なことを書くかもよ。

14589925_10210710063369329_7087719158329965249_o

ローストホースに関する説明は以前の記事を読んでもらうとして、今回付け加えたいのは「ローストホースで出てくる料理はコースのみであり、定期的にコースの内容は変わる」という点だ。これはこのあとの内容の伏線である。

ローストホース 2016年10月9日

しじみの吸い物からコースはスタートする。
まあ、うまい。
みんなで「あー、これはうまいなー」とか「ほほー」とか「ふむふむ」とか「なるほどねー」とか言う。この段階では”非常にうまいものを食べた人間がこのような言葉を発するであろう”という思考回路を経て紡ぎ出された言葉が口から出ている。聞き手の存在を意識した発言である。魂から声が出ていない。料理以外の会話もできている。脳はまだ正常に機能している状態だ。

ローストホース 2016年10月9日

馬肉の寿司とミョウガが出てくる。
繊細な隠し包丁が馬肉を極限まで柔らかくし、ふんわりと握られたシャリと口の中で溶け合う。エクセレント。馬肉とすし飯が奏でるシンフォニー。
いや、これは食べて1週間後に写真を観て作り出した捏造の感想だ。
現場では「やべえ」「まって」「なにこれ」「あっあっあっ」ぐらいしか言えてない。推しカプが画面上でいちゃいちゃしているのをみた腐女子状態。口が動いて空気を振動させているが、人に何かを伝える"言葉"ではなく、情報が大脳新皮質を経由せずに舌から直接声帯に信号が飛んでるかんじ。2品目にして一気に頭が悪くなった。

amazonプライムに加入している人は、amazonオリジナル番組の「PRIME JAPAN 日本のこころに出会う」の第一話"すし"の20分45秒あたりから鑑賞していただけると、この馬肉寿司のイメージが半分ぐらい伝わるかもしれない。映像では中トロだが、そのビジュアルから感じ取れる"圧"はローストホースの馬肉寿司も同レベルだ。
いきなり話がローストホースから離れてしまうが、このオリジナル番組は終始、荘厳な音楽に乗せてこのような映像の暴力→外人さんのよくわからない感想という流れが続いて大変面白くオススメである。

ローストホース 2016年10月9日

カブの中に馬肉が入っててカラシとかがはいった汁的なものがかかってるやつ。
私はカラシが致命的にダメなのだけど、まあ食うことは出来たし十分美味しかったが、自分で味の評価を公平にできる自信がないので細かい感想は省こう。まあ、カラシがダメなのにちゃんと食えただけで奇跡だ。
それよりもこの写真で注目してほしいのは先程の皿の上にまだ付け合せのミョウガが残っているところだ。
このミョウガ、付け合せでいいの?メイン張れるんじゃない?のレベルに達した逸品で、これを口にして言葉を失ったりしたのだけど、寿司と違って人数分に分けられていないものだから、互いに遠慮して放置してしまったのである。

そこで悲劇が起きる。
カブと格闘している間に皿を下げられたのだ。
なんたること!

初手でしじみ汁を口にした瞬間に先頭打者ヒットをぶちかまし、続く寿司がスリーベースを放ち「今日は勝ったな」と思ったところで苦手なカラシとミョウガのロストでダブルプレーを食らった気分だ。
向かいの席の吉田くんと視線を交わし「これからは付け合せも遠慮しないぞ」と無言で決意を伝える(多分伝わったであろう)

ローストホース 2016年10月9日

馬の肉片2切れ。
料理に対する説明が極限まで雑になっているのは、十分すぎるほど頭が悪くなって記憶力を失っているからだ。

このあたりから「あー」とか「うー」とかすら口にしなくなる。
みんな、口の中に肉片を入れると、目を閉じ、口を開かず、愛おしむように咀嚼する。全神経が舌と鼻に集まる。
口腔内に馬肉を歓喜を持って迎え入れ、喉の奥から食道の向こう側に去っていく馬肉に別れを惜しむ。その間に言葉を発する余裕などないのだ。
その僅かな至福の時を楽しんだ後、ようやく口を開く。そして出てくる言葉は「やばい」だ。語彙は地平の彼方へ消えていっている。

先程のミョウガの反省を踏まえて玉ねぎは奪うように食った。

ローストホース 2016年10月9日

なんかちょっとでも目を離すと脂が溶け出しちゃいそうな薄い馬肉、サンマと大葉と馬肉にかぼすが載ったやつと、なんかとろける馬肉。
かぼすじゃなくてすだちだったかもしれない。

薄いやつは毎回出てくるやつなので、出合った感動というより運命の再会という感じ。お帰りなさい。

そして、また苦手なのが出た。青魚ダメなんよ。
大葉と柑橘類で臭みをごまかしてるんだろ?分かるよ、魚臭いもんな…みたいなことを考えながら口に入れたら、モッツァレラチーズとトマトを口にした虹村億泰状態。
何だこの組み合わせ。最高じゃん。くさみがごまかされなくて、サンマの香りが自己主張してるのに他の食材と喧嘩してない!馬肉もサポートに回ってサンマを支えてる!青魚サイコー!ホームラン!いえーい!!

ローストホース 2016年10月9日

また生の肉片2種類。
2つ前の写真と間違い探しみたいになってる。当然だが違い部位。
なんか今回料理多くね?おかしくね?

ローストホース 2016年10月9日

んんんん??
また生の馬肉が出たぞ?

常連の会員からも「今回のコースはなんかおかしいぞ」と声が出る。
こんなに生肉出ることあったか?そろそろ凝った調理を施した品が出てくるはずなのだが。

ローストホース 2016年10月9日

出た。エスプーマユッケ!
解説しよう!スプーマとは、ガスを使って強制的に食材を泡状にしてしまう分子ガストロノミーの調理法だ。ふわっふわの泡状にした卵黄が、馬肉を優しく包み込んでいる。
これが最高にうまい。大好物だ。序盤でのダブルプレーなど打ち消すようなホームランを確信した。

そこで、衝撃的な言葉が飛び込んでくる。
「今回はナシを入れてみました」

ナシを…入れた…?ナシ?無し?
kinpuri404.jpg
こういうことか?

スプーンで表面の卵黄だけを軽くすくい取って口にする。
ん?なんか爽やかな風味が…!あっ、これ梨か!ナシがあった!

もう一口、今度は馬肉と梨もいっしょに口にする。
うわああああああ!!!!!!!なにこれ!!!!!!!!!!馬肉の旨味と梨の食感が!!!!!!なにこれ!!!!!!すっごいうまい!!!!!勝った!!!!!!優勝!!!!!!!!!!

ローストホース 2016年10月9日

ネギを包んだ馬肉を揚げて海苔の入った出汁に入れたやつ。
先程優勝してしまったので、もはやあとは消化試合だなー。しかし、汁物が2回も出るなんて珍しいな焼き物はまだだろうかとか思いつつ、口にしたら!なにこれ!!!!!!!!!また優勝!!!!!!!!!!!!!

ここでめっちゃいい海苔を使ってるのは全国100万ローストホースファンの常識なのだが、軍艦巻き以外にもこんな使いみちがあるとは!!!
向かいの席で吉田くんが「そばのつけ汁にしてえ」とか言ってて、全力で同意した。

初来店の友人に「ところで、この店の名前は知っていますか?」と振る。
まだ"ロースト"したメニューが出てきていないのである。
タイミング的にはそろそろ窯で焼いた野菜類が出てくるはずだ。

ローストホース 2016年10月9日

…と思ったらまた寿司!最高にうまい部位を細かく刻んで最高にうまい海苔で包んだシャリに乗せたタテガミ軍艦だ。
なに?まって、今回もこれ出るの???
ロースト料理が出るまでに品数多かったから今回はないと思ってたよ????
はー、うまい。最高、優勝。また優勝した。
今回はミョウガも残さず食べたので完全勝利。
さーて、そろそろ焼いたきのことか出てくるかなー。

14642481_688564667976123_1992730288428289010_n

料理とは関係ないが、遠くの席に別の知り合いのグループがたまたま座っており、Facebook経由で同時進行で同じ皿の写真がアップされていてそちらのグループ側の情報も入ってくるよくわからない状態になっていた(上記画像は来店していない別の友人のFacebookで同時刻に観測したもの)
更に別の席から「ブロガーがここの馬肉を味がするって表現してた」とか会話しているという情報も入ってくる。
すみません、そのブロガー、ぼくです(正確に言うと「味がする」といったのは友人)

ローストホース 2016年10月9日

馬肉を間に入れた卵焼きで"うまき"ってダジャレかよ。
というか!まだメインこないの!???どうなってるの?!?!?!
で、これも美味い。なんか凄い高い卵使ってるらしい。値段聞いたけど、例によって例のごとく記憶に数字が残ってない。まあ、値段とかどうでもいいや、だってうまいもん。

連続優勝しているうちに、それなりに冷静さを取り戻していったので目の前の料理以外の話もできるようになってきたのだが、こういう最高に旨い店を知っているだけ人生に希望が持てるのではないかという話をしていた。
ブラック企業や不景気など、とかく生きづらい世の中だが最高の料理を出す店との出会いがあれば「今週頑張ればあの店に行ける」と頑張ることも、「忙しくてあの店に行けないなら転職してやる」と逃げることもできる。ストレスで味覚に異常が出れば「あの味が戻ってくるまで仕事を休む」という選択肢も生まれてくる。
どれだけ忙しくても、辛くても、食と睡眠は疎かにしてはいけない。そう思いながら厨房を覗くと、なんか焼いた料理がこちらに向かってきた。

ローストホース 2016年10月9日

やっと焼いたものが出てきた!ニラ!!!
最高にうまい生肉とか寿司とかさんざん食わせておいて、いきなりニラかよって考えるのは素人で、ここの野菜の暴力的な強さをなめちゃいけない。ニラなのに馬肉といい勝負をするレベル。

ローストホース 2016年10月9日

そして、出た!きのこ!かぼちゃ!
なんかマリオに出てきそうなフォルムだ!

ローストホース 2016年10月9日

目の前でカットしてくれる。
興奮のあまりピンぼけ。
まな板が変色しているのが分かるだろうか?きのこの汁だ。肉汁だ。きのこは肉なのだ。
我々も菌類に負けないぐらい肉汁をだしていかないと哺乳類失格の烙印を押される。

栗マロンかぼちゃは口にした瞬間に世界に平和をもたらした。

ローストホース 2016年10月9日

ローーーーーーーーーストホーーーーーース!
店名と同じ料理だよ。アルバムのタイトル曲みたいなもんだよ。8曲目ぐらいに入ってるやつ。

で、左上に見える緑色の物体知ってる?ワサビ。知ってた?
でも、これは知らないよね。私はワサビが苦手ってこと。
その私が真っ先にワサビを手に取ったね。で、ガンガンすりおろしたよ。ここのワサビだけは食えるの。だって、うまいもん。

ローストホース 2016年10月9日

すりおろしている間に肉片がばらばらになってる。みなさんもばらばらになってますか?

いままで人数分の肉片と、小皿が出てきたけど、ここからはバトルだからね。
さすがにここの店員さんも、参加人数で公平に割り切れるグラム数で切り分けるようなテクニックは持ってないから。
箸と箸がぶつかりあうようなスピードでうまそうな部位を拾い上げ、たっぷりとわさびを付けて食す。
約束された勝利の味。
満腹感と安心感で体中が満たされる。
記憶にないが何か言葉にならない言葉的なものを口走っていた気がする。

ローストホース 2016年10月9日

なんか焼かれた部位が2つ
食感の違いを堪能してください的な趣旨だったけど、2倍食えてラッキーぐらいの頭の悪さでガツガツいった。

ようやくメインを食べ終わったわけだが、どの料理もやばくて、品数もやばくて、今回のコースはいままでのコースで最強にやばかったようで、十数回来店している歴戦の勇者たちも「今回のはやばい」と言っててやばかった。
初ローストホースがこんなやばいコースだったら初っ端から優勝してしまったので、また来店することがあっても「あのときはやばかったな」という思い出に浸るだけになってしまうのではないかというやばさがあった。

ローストホース 2016年10月9日

味噌汁とご飯
やばい やばい
うまかっです

ローストホース 2016年10月9日

かき ごお り

やばい
うま


スポンサーリンク


この記事の前後の記事
2016年10月22日:任天堂は何をSWITCHするのか?
2016年09月06日:「君の名は。」美しくて、まぶしい物語

最新記事
2024年02月20日:3万アカウントの凍結を見届けた 趣味としてのTwitter(X)スパム報告
2023年06月25日:任天堂株主総会レポート2023
2023年06月21日:レビュー:ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム
2022年06月30日:任天堂株主総会レポート2022
2022年03月15日:Hue Sync Boxで映像とゲームを画面の外から強化する
2021年03月11日:シンエヴァを鑑賞した人たちを鑑賞した[ややネタバレあり]
2021年02月12日:藤子・F・不二雄「ノスタル爺」を読み解く
2021年01月18日:「呪術廻戦」単行本での加筆修正一覧(15巻まで)
2020年09月28日:「2.5次元の誘惑」がとにかく熱い
2020年04月08日:緊急事態宣言が発令された日の雑感



- N-Styles -