ローストホースの店長に怒られた

いつもの取り皿。もう、これを見るだけで食欲が湧いてくるパブロフの犬状態。

いつもの盛り合わせ…と思ったら内容が若干変わっており、なんかすごいうまい湯葉がある。
店長が見つけた最高の湯葉を毎日送ってもらっているそうだが、湯葉の仕入れ値より送料のほうが高いそうだ。
口の中に大豆の豊かな香りが満ち溢れて、馬肉の旨味と混ざり合って、植物性タンパク質と動物性タンパク質が極上のハーモニーを奏でてくれる。

バルサミコ酢と馬肉の組み合わせも最高だ。

最高の馬肉を堪能していたところで、事件が起きた。

店長「ちょっと、あの『味がする』ってブログ書いたのあなたですか」
私「あっはい」

どうも他の人が私が本人だとばらしたようだ。

店長「みんなあの記事を読んで来店して、『味がするねー』とか言うんですよ。なんてことをしてくれたんですか」
私「すみませんすみません」

バレてしまったのはしょうがないので、もくもくとメニューを胃袋に収める。
揚げ物も当然美味しい。

食事会のメンバーの人数が多いため、3組に分かれて皿が提供されているのだが、ちょうどこの皿が席に届けられたときに同じ組の全員が日本酒を飲みにテーブルの反対側に移動してしまい、酒が飲めない私だけが取り残されていた。
どの皿が提供される時も店長の説明が入るのに、他の人達がいないのでひとりで聞く。怒られた直後なのでなんかアレだが、他の人が戻ってきたときに代わりに説明するためにしっかりと聞いて、内容を覚えた。

馬刺しでよく提供されるタテガミは首のうしろにある部位なのだが、知名度が高く馬刺しには必須といえるのに、希少部位のため実際には見た目が似た脂身が出されるのだという。今回のタテガミは正真正銘本物のタテガミで、脂身とは違い、歯応えのある繊維質を含んでいる。
まずはタテガミを単体で食して、どういう食感か確認したうえで、店長が考える最高の調理法である軍艦巻きでいただく。両方ともなにも付けずに食べるのが良い。
…という説明だった。

たしかに、口の中で脂分が溶けたうえでしっかりとした歯ごたえがある。そして、この軍艦巻き！タテガミもうまいが、それ以上に海苔がうまい！以前来店したときに聞いた話だと、最高級の海苔を使っているという。磯の香りがすごい！

例の窯で焼いた肉や野菜類が出てくるあたりで、みんなのテンションはだいぶおかしくなっていた。
言語能力が劣化していき、うめき声のような感想がそこらじゅうから湧き上がっていく。
私も思考能力が低下して、途中からカメラを構えてシャッターを押すという複雑な動作が不可能になったため、これ以降の写真はない。
というか、写真と文章をどう組み合わせても、味を10%も伝えられないので諦めたほうがいい感じだ。

そうして、うめーうめー言いながら馬肉を堪能していると、また店長に声をかけられた。

店長「最近IT系のお客さんがみんな『これが味がする肉かー』とか言うんですけど、なんてことをしてくれたんですか」
私「ほんと、すみません」

また怒られたわけだが、その後も最高の馬肉を味わい、最後のかき氷までたっぷりと料理を堪能した。

ちなみに店を出る時にも再度同じことを言われた。

まあ、書くなとは言われなかったし、むしろ喜んでいる様子に見えなくもなかったのでダチョウ倶楽部の「押すなよ！絶対押すなよ！」みたいなものと解釈して、今回も記事にすることにした。
店長、また行きますね。