任天堂の20世紀、任天堂の21世紀 9章:NINTENDO64 1999年(1)

ジャックの豆の木プロジェクト
スマブラのヒットに続いてハル研から次のNINTENDO64ソフトが登場する。「ポケモンスナップ」である。前年夏に発売されたポケモンスタジアムと同様に64DD用ソフトとして開発されたが、カセットでの発売となった。開発はジャックの豆の木プロジェクトで集められたメンバーが担当した。ジャックの豆の木プロジェクトは任天堂がNINTENDO64ソフト開発者を雑誌などを介して一般公募したプロジェクトである。550人以上の応募があり、糸井重里氏、任天堂の宮本茂氏、ハル研の岩田聡氏、チュンソフトの中村光一氏が選考を行い、メンバーが選ばれた。最終面接には横井軍平氏も顔を出した。

ソフトの手直し
4月30日に1998年に発売されたポケモンスタジアムのバージョンアップ版、「ポケモンスタジアム2」が発売される。カセットのROM容量が2倍になり151匹すべてのキャラクターが使用できるようになり、9つのミニゲームを追加。時のオカリナ以来、5ヶ月ぶりの任天堂自社制作のNINTENDO64ソフトだが、あまり手間が掛かっているように見えない。さらに、任天堂はこの後1年もの長い間に渡って自社制作ソフトを発売しない。一体任天堂は何をしていたのだろうか。その答はすぐに明らかになる。

次世代機とのバトンタッチ
5月上旬、通称でN2000やN200Xなどと勝手に呼ばれていたNINTENDO64の次世代マシンがProject Dolphinであるという情報がネット上で流れはじめる。そして5月12日に任天堂は松下、IBMと提携を行い、コードネーム"ドルフィン"の開発をしていることを発表した。任天堂はただ黙っていたのではなく、ドルフィンを開発していたのだ。このときドルフィンの発売は2000年末という事になっていた。任天堂はそれまでにソフトをそろえなくてはいけない。NINTENDO64のソフトを開発している場合ではなかったのである。

NINTENDO64は静かに、そして確実に終わりへと近づいていった

----
ニンテンドウオールスター!大乱闘 スマッシュブラザーズ

最大4人まで同時に戦える対戦乱闘ゲーム。複雑な特殊コマンドはなく、簡単な操作で必殺技などを出すことが可能。対戦モードの設定が細かく、熟練度の違うプレイヤ同士が対等に戦える。

任天堂のキャラクターが殴り合うというのは似合わないということから、そのキャラクターのぬいぐるみが戦っているという設定になっている。

----
ポケモンスナップ

野生のポケモンを写真におさめる事を目的としたゲーム。移動は自動的に行われるため、視点変更とシャッターだけでシャッターチャンスをねらう。ポケモンを集めたりするなどの効果があるアイテムもある。

ローソンで撮った写真をシールにプリントアウトするサービスが行われた。

----
ポケモンスタジアム2

ゲームボーイソフト「ポケットモンスター」の対戦部分を3Dで楽しむためのソフト。151匹すべてのポケモンで対戦が楽しめる。