2018年06月26日

6月24日の事件について


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先日のHagex氏の事件の後、気持ちの整理がつかず、もやもやした状態が続いている。
自分の気持ちの整理のために吐き出していこうと思う。
書き上げたあとでこれは違うなと思い、一旦削除したのだが当時どう考えたのか書き残して風化させないことも大事だと思い、ゴミ箱からサルベージした。
あくまで自分のために書く文章であり、故人の追悼ではない。
整理ができていないので、支離滅裂な内容になるかもしれない。

福岡でHagex氏のイベントがあると知ったのは、1ヶ月ほど前のことだった。
彼のblogは時々読んでいて、近くで開催されるのであればぜひとも参加してみたいと思ってチェックしていた。
その時点では当日の予定が不透明で、別の用事が入らないようなら参加表明しようとイベントページを記録し、あとでチェックするつもりでいた。…が、すっかり忘れていた。

事件当日、旧大名小学校での事件のニュースを目にする。
セミナー講師が刺され、犯人は逃走中だという。
現場は、スタートアップ支援施設になっている。
熊本地震の際には、救援物資受け入れ施設となっていて、そのときに物資を持っていったことがある。
どんなセミナーがあって、誰が亡くなったのだろうかと遅めの夕食を取りつつ好奇心で検索したがうまく見つけられず、そうこうしているうちに、犯人確保の報が入ってきた。

それから10分ほどして福岡出身の友人から、該当するイベントはHagex氏のものではないかと連絡が来た。
自分がそのイベントを気にしていたことを友人が把握していて連絡してくれたのだ。
イベント告知から1ヶ月経過していたので、会場が同じであるということに気づけなかった。

テレビにはワールドカップの映像が流れている。
ゴールが入ったことにも気づかず、事件の情報を追いかけていた。
地元新聞社がTwitterでイベント参加者に情報提供を求めている。
ああ、これは確定だ。あのイベントだ。
複数人の講師が登壇するイベントではない。被害者もHagex氏で間違いない。
被害者の実名報道、関係者のコメントなどから、情報がどんどん確定していく。

この時点では「身近な場所で殺人事件が起きた、イベントに参加していたら犯人とニアミスしていたかもしれない」ぐらいの気持ちでいた。
犯人の動機も、彼がblogで取り上げた企業や団体からの報復ではないかと思っていた。

Hagex氏とは面識がなく、ネット上でお互いの存在を知っている程度の関係だ。
同じ震災絡みのデマを題材とした記事を書いたことがあり、彼の記事にこちらのblogのURLが載っていたりすることもあった。
自分はネットで調べた内容をまとめて書いただけなのに、彼はデマの発信源の人物の著書を購入して引用したり、本人に質問を送ったりする行動力があり、力量の差を見せつけられた。
ただ、彼自身とは直接的なやり取りをしたこともないため、悲しみはなく、どちらかというと言論を暴力で封殺しようとした犯人への怒りのほうが遥かに大きかった。

知っている人が殺されたというのに、他人事のように俯瞰した視点で事件の情報を追っていた。
殺人事件という非日常は、ネット回線やテレビ電波を介した向こうの世界であってほしいという思いがあった。
そして、加害者が知らない人であることを願った。
裏社会関係や個人的な怨恨など、自分とは全く無関係な事件であってほしいと思った。

次々と書かれていく追悼記事を読んでいる間に、犯行声明と思われる文章が流れてきた。


ああ、なんで。
どうして、お前が。
いや、でも、こいつならやりかねん。

…知ってる人間だった。
殺意があることも理解していた。


素顔も、本名も知らない。
ネット上での名前も知らない。
こちらからコンタクトを取ったこともない。
それなのに、何度も繰り返し、一方的に罵詈雑言をぶつけてくる人間だ。

アカウントを何度削除されても再取得し、暴言をぶつけ
ときには名指しで殺害予告もしてくる人間

異常者の思考はわからないが、殺害に至った動機は推測できる
普段から攻撃対象にしている相手が、たまたま福岡に訪れた。だから刺した。

普段の言動を見るに、Hagex氏を最も恨んでいたわけではないだろう。
彼が、福岡に来て、自由に出入りできる会場で行われるセミナー講師という攻撃しやすい状態にあったからターゲットになった。

ネット上で奴が最も強く攻撃していたのは別の人物だった。自分の友人だ。
自分は、つるんでいる仲間だと認識されて攻撃を受けた。
しかし、その友人は奴のいる福岡から遠く離れてた場所にいて、顔もわからない。
だから攻撃対象から離れたのだろう。

だが、自分はどうだ?
無差別に大人数に対して攻撃を行っていた人物だが、その中でも自分は確実に個体認識されている。
ターゲットとして上位10位以内に入っている可能性は十分にある。
もし、奴が顔と居場所を把握したら?
もし、自分がイベントに参加していたら?

イベントの参加メンバーを見る限り明確にターゲットになりそうな人はいなかった。
自分が参加していたら奴は同じようにHagex氏一人を狙い撃ちにしただろうか。

殺人の現場に居合わせた可能性があるという漠然とした恐怖が、一歩間違えば被害者になったかもしれないという現実感のある恐怖に変わった。

ある意味、自分は当事者だったと言える。
当事者だからわかるが、Hagex氏はなにか誤ったわけではない。回避できる事件ではなかった。
事故や天災のようなものだ。それも、非常に稀有な。

後知恵で、容疑者に言及するべきではなかった、リアル世界でイベントをするべきではなかったということを言う人達がいる。
そうではない。
通勤途中に交通事故にあった人に「会社を休めばよかった」というようなものだ。

今回の件で、日本のネット言論が萎縮しないことを願っている。


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