50本レビュー 3本目:「星のカービィ 夢の泉の物語」
タイトル:星のカービィ 夢の泉の物語
発売:任天堂
開発:HAL研究所
ハード:ファミリーコンピュータ
発売日:1993年03月23日
バーチャルコンソール配信開始:2007年02月27日
1992年4月27日に発売されたゲームボーイ用アクションゲーム「星のカービィ」は、非常にシンプルで初心者でも楽しめる作りで、多数の魅力的なキャラクタや、印象に残る音楽が組み合わさった完成度の高いゲームで、長年にわたって関連作品が作られている。
シンプルでありながら細かい部分に目を向けると、今までのアクションゲームにない特徴がいくつかある。最大の特徴はホバリングだろう。スーパーマリオギャラクシーのレビューでスピンジャンプの有効性について書いたが、星のカービィではホバリングというアイデアで、アクションゲームでストレスになりやすい"落下"を回避している。
今作「星のカービィ 夢の泉の物語」は星のカービィシリーズ第2弾で、すでに後継機のスーパーファミコンが発売されたあとの、ファミリーコンピュータ末期にリリースされたタイトルだ。(ファミコンとしては)大容量のROMを使用したボリューム感と、ファミコンソフトとしてはかなり美しいグラフィックが印象深い。2002年10月25日には、ゲームボーイアドバンスでリメイク作「星のカービィ 夢の泉デラックス」がリリースされている。
最終ステージの中ボス戦で闘う順番を選べる以外は、一つ一つステージをクリアしていく一本道の「星のカービィ」に対し、「夢の泉の物語」は、ある程度ステージを選択してバラバラの順番で遊べるようになっている。また、随所にミニゲームが盛り込まれ、飽きさせない作りとなっている。ちょうど、スーパーマリオブラザーズからスーパーマリオブラザーズ3になったような進化をしている。だとすると、マリオ2は星のカービィのエクストラモードにあたるだろうか。
第一作との細かな違いは多数あるが、最大の特徴はカービィが「コピー能力」を手に入れた事だろう。今となってはカービィといえばコピー能力、コピー能力と言えばカービィと言われる(かもしれない)ぐらい、カービィを特徴付ける能力なのだが、第一作ではカービィにコピー能力がなかった。敵を飲み込むことで、その敵の能力をコピーし、自分のモノにできる。これで遊びの幅は大幅に広がり、その後の星のカービィシリーズの方向性が定まったと言える。
遊びの幅が広がった分、初心者向けに特化していた第一作と比べると若干難度が上がってはいるが、完全クリアを目指さなければ、何度もプレイしているうちに簡単にクリアできる程度の難易度になっている。それでも最近の複雑化しているアクションゲームと比べると、シンプルで遊びやすい。今でも通用するおもしろさだ。
また、今作では大乱闘スマッシュブラザーズXでプレイヤキャラとして使用可能となる「メタナイト」が今作で初登場している。スマブラXの予習をかねて、ダウンロードしてみるのはどうだろうか?
星のカービィ 夢の泉デラックス
発売日:2002/10/25
発売元:任天堂
定価:¥ 5,040