2017年01月16日

任天堂はSWITCHにどんな未来を託したか?


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NINTENDO SWITCHの発売日と価格が発表された。2017年3月3日、税別29,980円。細かい仕様や、ソフトも多数発表され、あと2ヶ月も経たないうちに任天堂の新しいゲームを体験することができる。

また、SWITCHの発表と合わせて1月23日から任天堂自身が「マイニンテンドーストア」をオープンして、SWITCH本体を含めたハードウェア、ソフトウェアの販売を開始すると発表した。

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2つのポイント

発表の翌日から体験会も実施され、私も早速SWITCHに触れてみた。
携帯ゲーム機と見るにはいささか大きな本体だが、Wii Uゲームパッドで数百時間イカを操ってきた者の感覚としては小さく扱いやすいゲーム機だと感じた。ソフトも非常に魅力溢れるラインナップで、今から発売が待ち遠しい。

任天堂は何をSWITCHするのか?
ゲーム機の姿が明らかになった昨年10月の段階で書いたこの記事で私は、広い客層ではなくより狭く、ゲーマー向けにターゲットを絞るのではないかと予想していたが、紹介されたラインナップを見るとやはりその傾向があるようだ。会場の客層も、20代男性を中心にとしており、ファミリー層が普段の任天堂の体験会よりも少なく感じた。

もちろん、最大の話題作であるSplatoon2や、新しいインタフェイスを活用した同時発売タイトル1-2-SWITCHなどの発表も衝撃的だったが、「ゲーマー向け」「直販」という2点が任天堂とSWITCHの将来を占う上で重要なポイントだと感じた。

SWITCHはゲーマー用ハード?

エンターテインメント業界は、たったひとつのキラータイトルであっという間に形勢が変わる。Wii SportsやWii FitをきっかけにWiiが爆発的に売れ、脳トレとニンテンドーDS本体を求めて早朝から行列ができた。何度もそういった経験をしてきた任天堂は、あらゆるゲームソフトを貪欲にリリースし、それらのソフトを動かせるゲーム機を作ってきた。

1人のゲーマーとしてSWITCHやそのソフトのラインナップを見ると十分すぎるほど魅力的なのだが、今まで任天堂がターゲットとしていたあらゆる層に訴求力を持っているかと疑問符が付く。『ターゲットを絞っている」と感じた。「小さくまとまってしまっている」と言い換えても良い。

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少なくとも、現時点でのSWITCHはWiiで拡大したゲームファン層全体ではなく、比較的ゲーム歴の長いゲーマーに向けた戦略を取っている。本体発売の年に、ゲーマーが喜ぶタイトルを大量投入している。ゼルダ、箱庭マリオ、Splatoon2、ゼノブレイド2、ドラクエX/XI…などなど。
ゲーマー向けタイトルに偏っているから、WiiやDSほどの多様性が感じられない。どのゲームもとても面白そうに見える反面、DSブームのきっかけになった脳トレのような異端の伏兵がいないように思える。

ゲームソフトを1本作るコストは年々肥大化し、低予算で遊べるカジュアルなゲームはスマホとバッティングする。当たるかどうかわからない博打を打ちまくるのも難しい。そんな中で、任天堂は確実に一定数のユーザがついてくるゲーマー向けタイトルを主軸にしたのではないだろうか。
SWITCHのハード構成と価格を考えると本体での利益は逆ザヤ(赤字)か、利益があったとしても極わずか。利益を伸ばすには、1台のハードに対して、なるべく多くのソフトを買ってもらう必要がある。ゲーマー向けのラインナップは利潤追求の結果とも言える。

なぜ、マイニンテンドーストアを開設したか

SWITCHに関するもう一つの鍵がマイニンテンドーストアだ。
まだオープン前なので細かい部分は分からないが、取扱予定商品を見ると次のような特徴がある。

・カラーバリエーションなど限定商品が存在する
・セット購入で限定特典が付属する場合がある
・定価販売
・マイニンテンドーポイントが付与される

ゲームハードはもともと小売店での仕入れ値と売価の差が小さく、さほど値引き販売されない。もし、すぐに品切れにならずに十分な数量がマイニンテンドーストアで提供されるのであれば、ネット通販に抵抗のない層は今後、ゲーム機本体を任天堂から直接買っていくのが主流になっていくだろう。ユーザアカウントと紐づけされるので、大量購入による転売もある程度防げる。

限定商品、限定特典はゲーム好きにとって非常に魅力的に映る。25cmのマスターソードフィギュアとか欲しいに決まってるだろ。値引きなしというデメリットはあるものの展開次第ではソフトも任天堂から直接買うようになっていくだろう。

ネットが普及する以前のゲーム販売は雑誌などで新作情報を集め、小売店の店頭で購入するのが主流で、店頭デモやパッケージも購入の動線として機能しており、店頭でどのゲームを買うか相談する家族連れが多く見られた。現在ではSNSでの評判等で購入するソフトを決めてネットで買うか、店頭でもあらかじめ購入するソフトを決めて他のソフトを見ることもなく買うことが多くなっている。
SWITCHのHOMEメニューの先頭にはゲームニュースアイコンが鎮座しており、おそらくここから直販サイトにもつながるだろう。
小売店軽視につながるメーカー直販サイトの開設は、時代の流れとしては当然の選択とも言える。

直販サイトは、小売を経由せずに直接売上が入ってくるため、当然のことながら利益率が高くなる。ゲーマー向けのラインナップと同じく、貪欲に利益を求めている印象を受ける。

企業なのだから、利益を求めるのは当然だ。
今まで、同時発売タイトルでファミリー層に訴求した結果、せっかく本体を買ってもらっても2本めのファミリー向けソフトが発売されるまでに長い期間が空いてがっかりさせたりしてきたことを考えると、初年度はゲーマー向けにソフトを充実させて、ある程度普及し、ラインナップが揃ってきたころにファミリー向けにタイトルを投入していく方針は正しいと思う。
直販にしても、小売店はともかくとして、任天堂とユーザーの双方の利益につながる(あっという間にサーバーが落ちたり在庫がなくなったりすることがないという前提条件は提示したいが)。

1年後のSWITCH

今回の発表を受けて、最初はゲーマー向けの狭いターゲッティングに疑問を抱いていて、任天堂のアグレッシブさが失われたのではないかと心配していた。
しかし、体験会で実際に本体に触れて、印象が変わった。Joy-Conを活かしたタイトルは、SWITCH独特のもので、このコントローラをうまく活用したとんでもないソフトが生まれてくる予感がする。
ピーク性能で考えると他のゲーム機に見劣りする部分があるのは確かだが、可搬性の高さがそのまま普及の原動力となることも考えると、なかなかポテンシャルの高いハードだと思う。

SWITCHの1年目はしっかりと地固めをして、堅実に利益を集め、ある程度普及が進めば、ユーザーが勝手に外に持ち出してアンバサダーとして動いてくれるだろう。その点で持ち出しできるというコンセプトは強い。その上で、2年目からファミリー層の心を動かすような挑戦的なタイトルが出始めるのではないかと考えている。持ち運んで、持ち寄って楽しいゲームが次々と出てくれば、一気に普及する可能性を秘めている。
おそらく発売直後にSWITCHについていろんなことが語られるだろうが、その時点でSWITCHの評価を下すのは時期尚早だろう。真価が問われるのはその1年後だ。

体験会の様子

さて、金曜にSWITCHの詳細が発表されて、土日に一般公開されたわけだが、私は最終日の日曜に会場でSWITCHに触れた。

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あっというまに整理券が配布終了となり、整理券なしの列に並ぶか、整理券キャンセル待ちに並ぶか、ステージを見るかという選択を強いられ、とりあえず本体に触れるために比較的待ち時間の短かったボンバーマンに並んだ。120分待ちとなっていたが90分ぐらいで順番が来た。

…ただのボンバーマンだった。2組のJoy-Conを使って4人で対戦となっており、初めて触れたJoy-Conの印象としては「小さい」「使いづらい」と感じた。ただ、しばらく遊べば慣れるレベルだろう。スティックが過去のハードと比べると緩め(軽め)に思える。

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続いてキャンセル待ちの列が短かったARMSを体験。
Wii Sportsのボクシングみたいなものだろうと思っていたが、想像以上に細かい操作に対応し、読み合いもアツい。LRボタンに親指をかけて両手でJoy-Conを持ち、前後左右に傾ければ移動、片手を前に突き出せばパンチ、両手を同時に突き出せば投げ、内側に倒せばガードとなる。パンチは投げに強く、投げはガードに強く、ガードはパンチに強い、定番の三すくみだ。それに加えてボタン操作のダッシュ、ジャンプ、ラッシュがある。
腕を振りながら遊ぶため、長時間のプレイは厳しそうではあるものの、かなり面白いゲームだと感じた。Splatoonほどのインパクトはないものの、新規IPでなかなか強烈なものを入れてきた。

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整理券を譲っていただき(あとで確認したら譲渡NGだったので本来ルール違反。すみません)、ゼルダの伝説 ブレス・オブ・ザ・ワイルドも体験できた。
オープンワールドが売りではあるものの、20分の体験時間では堪能するのは無理な話で、マップが広いだけのいつもどおりのゼルダだった。
本体をドックにセットして、Joy-Con+グリップで操作。途中で係員にお願いして携帯モードに切り替えて遊ばせてもらった。ドックから抜けば瞬時に液晶側にゲーム画面が移り、Joy-Conの取り付けも容易で、子供でも扱いは問題なさそうに感じた。携帯モードは、Wii Uゲームパッドよりも持ちやすく軽い。これなら外に持ち出して遊ぶのも問題ないと感じた。バッテリの短さは心配ではあるが。

できれば1-2-SWITCHも遊びたかったが、キャンセル待ちが締め切られて諦めざるを得なかった。
会場はそこそこ広いのに、台数がそれほど多くなく、さばききれていない印象を受けた。
過去の体験会ではもっと大量の台数が用意されていて、ゲームによっては5分待ち程度で次々と遊べたことを考えると残念だ。
実は、コントローラが無線のため、密集して展示すると互いに干渉してまともにプレイできないという事情がある。そのため、ブース内でのゲーム機の距離が非常に広くなっている。実際、自分もARMSでJoy-Con(L)のスティックの反応が鈍くキャラの選択がうまく出来ないという不具合が発生した。

結局、イベントの開場前から並んで閉会まで居座ったにも関わらず3本しか体験できなかった。
物足りない。圧倒的に物足りない。早くHD振動やIRカメラも試してみたい。あと1ヶ月半が待ち遠しい。


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