2016年02月25日

子供の3DSを破壊した高嶋ちさ子のウソ


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最初に炎上したときは、3DSを破壊したことにイラッとしつつも、他人の家庭の事情だしわざわざ首を突っ込むのもおとなげないなーと思ってスルーしてたが、ちょっと看過できない感じになったので少し首を突っ込むことにした。
まずは、本件の経緯説明から。

※本記事ではいらすとやさんのイラストを使用しております。非常に便利で素敵なイラストが多数掲載された素晴らしいサイトです。

登場人物
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バイオリニストの高嶋ちさ子さん(俳優の高嶋政宏・政伸兄弟のいとこ)、長男(9歳)、次男(6歳)

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教育熱心な高嶋ちさ子さんは、子供たちにゲームで遊ぶ時間などのルールを決め、それを順守させていた。

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だが、長男がゲームで遊んではいけないはずの金曜の夜に、宿題を終えていない状態で3DSで遊んでいることが発覚。

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高嶋ちさ子さんは「怒り狂い」、ニンテンドー3DSを破壊してしまう。

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さらに、チェロの練習をしなかった次男の3DSも破壊する。

2015年10月23日に、破壊した3DSの写真をTwitterに投稿。


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その経緯を翌2016年2月12日付の東京新聞コラム「ゲーム機バキバキ事件」で告白、Twitterが炎上する。

以上が、2月上旬までの経緯である。
「ゲーム機バキバキ事件」において、破壊後の経緯は以下のように記述されている。

でも翌週、長男は算数のテストで満点。同級生から「おまえんち、ゲーム機折られたんだろ」と言われた時、「けど折られたおかげで、おれ満点とれたんだよ」と自慢し、みんなが「へーえ」と言ったとか

自分が9歳のころを思い返すと、にわかに信じがたい出来事だが、あいにくこの内容を否定するだけの情報を持ち合わせていない。

その後、高嶋ちさ子さんは沈黙を続け、新たな情報が入らないことから炎上は沈静化していた。

しかし、2月24日になってセンテンススプリングこと週刊文春が高嶋ちさ子さんの釈明記事を掲載した。

“大炎上中”高嶋ちさ子が初めて明かす「ゲーム機バキバキ事件」の真相 | スクープ速報 - 週刊文春WEB

「あれはカッとなって壊したのではなく、あくまで子供達との“約束”だったんです。我が家では子供達は自分のスケジュールを自分で決めます。そしてそれを守らなかった時のルール(ペナルティ)も子供が自分で決める。DSに関しても長男が自分で『今度ルールを破ったら折っていいよ!』と言ったんです」

しかも、“計算された”壊し方だったという。

「実は、事前にいろいろと調べておいたんです。折る時はテコの原理で(蝶番の部分を)真っ二つにしましたが、ソフトは一切傷つけないように注意しました。壊した端末は任天堂さんに持って行くと、3~4日で以前と全く同じように修理してくれます。値段は3~4千円くらいです。私が壊したものも、(壊してから)2カ月後のクリスマスに、“サンタさんから”と言って二人のところに戻しました」

週刊文春と東京新聞の記事を整理すると、(1)「破壊は衝動的なものではなく修理を見越したものであった」(2)「自分の3DSを破壊された長男は、破壊されたことによって成績が上がったことを自慢した」の二点がポイントとなる。
(1)の部分から「怒りに任せた行為ではなくしつけの一環であった」、(2)から「破壊は結果として教育的な効果があった」という主張が伺える。

双方が事実であれば、赤の他人が首を突っ込む問題ではない。独自の教育方針が期待したとおりの効果を発揮しただけの話だ。

冒頭で「看過できない」と書いたが、それはこの主張に明確な"ウソ"が含まれるためだ。

10月23日、3DS破壊写真から繋がるツイートである。
リプライ元のツイートは削除済みだが、5,000円ほどで修理できるというアドバイスが寄せられ、それに対する反応である。

このツイートからは「これほどまでに破壊された3DSを修理できるとは思っていなかった」「修理可能だと知ったあとも、修理する意志はなかった」という事実が明らかになる。
だとすると、文春における釈明は完全なウソ、後付の言い訳ということになる。

そもそも、東京新聞において「私は怒り狂って」と記述している。計画性のある破壊でそのような表現をするはずがない。

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だいたい、「叱る」と「怒る」はまったく違う。子供に対して怒りをぶつけてはいけない。

では、もう一つの論点である「破壊は結果として教育的な効果があった」という部分はどうだろうか。高嶋ちさ子さんは東京新聞において、真実を書いているのだろうか。
こちらに関しては覆すだけの材料を持ち合わせていないものの、すでに釈明でウソをついていることが明らかとなっているので鵜呑みにするのはちょっと難しいなという印象を受ける。

一連の出来事でお子様たちが心に深い傷を負っていないこと、もし傷ついていたとしたら周りの他の大人が手を差し伸べてくれることを祈るだけだ。

たいへん胸クソ悪い話ではあるが、一ついい話もある。

文春とTwitterに掲載された、修理後のニンテンドー3DS(左)と、バキバキにされた直後の3DS(右)の写真を並べてみた。
本体が上下に分離された状態からの修理となると、いちいち細かいパーツを接着するわけにはいかないので、基本的に外装の交換もしくは新品と交換となる。
しかし、この二台を見比べると同じシールが貼られている。

まず、注目して欲しいのは赤い丸で囲んだ部分。
大きなシールの下に小さなシールが貼られているが、修理後に消えている。
そして、黄色い丸の部分。
こちらは小さなシールも残っているが、端からの距離が変化している。

つまり、これはもとの本体からシールを丁寧に剥がし、新しい本体に貼り直しているのである。赤丸部分のシールはうまく移植できなかったのであろう。

愛着のある持ち物に好きなシールを貼って、自分だけのものにするのはとても楽しい。
修理に出して、シールの貼られていない本体が戻ってきたら、それは自分のものではなくなってしまったような感覚になる。そんな悲しい思いをさせないよう、任天堂の修理スタッフは手間ひまをかけてシールを移植しているのである。

怒り狂ってゲーム機を破壊する母親、そのゲーム機をなるべく元の状態で返そうとする任天堂。
子供のことを大事にしているのはどっちだろうか?
この丁寧な仕事が、すこしでもお子様たちの心を癒やしてくれることを願っている。

余談だが、このシールは2015年9月17日発売のポケモン超不思議のダンジョンの早期購入特典のようだ。(発売からだいぶ経つが、まだamazonで在庫あり)

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