2016年02月16日

オープントップバス(福岡市民の大半が見たことがあるけど乗ったことがない乗り物)に乗ってみた。


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「オープントップバス」という、福岡市内を循環する観光バスが存在する。
市内観光2階建てオープンバス『FUKUOKA OPEN TOP BUS』
福岡市中心部で生活をする人を対象に「オープントップバスを見たことがあるか?そして、乗ったことがあるか?」というアンケートを取ったとしたら、おそらく95%ぐらいの人が「見たことはあるけど、乗ったことはない」と答えるだろう。

毎日何便も市内を循環しており、たいへん目立つ外見なので、非常に目につく。しかし、どう見ても乗り心地が快適そうに見えない外見と、観光資源の乏しい福岡市内で一体何を見るんだという疑問が生まれるため、乗ろうと言う気は全く起きない。実際、そのへんの事情をよくわかってなさそうな外国人観光客が団体で乗っているのをよく見る。

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そんなバスに、30年ぐらい福岡で生活していた友人が、何を思ったのか帰省ついでに乗るというので、面白半分…いや、面白九割ぐらいの気分で便乗してみることにした。
その、友人サイドの旅レポはこちら。なんで全力で福岡を楽しんでるの、このひと。
【永久保存版】元福岡市民が全力で1泊2日の福岡市周辺観光してみた | はげあたま.org

オープントップバスは、福岡市の中心部にある市役所前を発着し、チケット販売所は市役所の1階にある。
わりと頻繁にダイヤ改正とコース変更があるが現在の時刻表だと、都市高速経由で福岡ドーム方面に向かうシーサイドももちコースが9時30分-10時30分、14時-15時の2便、博多駅や櫛田神社を回る博多街なかコースが11時30分-12時30分、16時-17時の2便、ドームも博多駅も都市高速も楽しめるお得な博多きらめき夜景コースが18時-19時30分の1便、合計5便の運行となっている。料金はいずれも1,540円である。

予約なしで朝9時30分の便に乗るというので、念のため当日チケットが売りだされる9時前に市役所入り…をしようと思ったら、市役所のドアが空いてなかったので警備員さんが開けるをドアの前で少し待つ。

で、チケットは余裕で取れた。そして、30分ほど時間が余った。
市役所内で、観光案内のパンフを手にとったり、フロアに配置された巨大な航空写真地図を見ながら、撮影時期を特定する遊びをしていた(舞鶴公園などで桜が咲いていたので春なのは間違いないが、年までは特定できなかった)
カフェもあるので、そちらで時間を潰してもいい。
福岡市 ユニバーサルカフェ(喫茶コーナー)

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出発時間が近づき、オープントップバスが市役所前に到着。まさかのバレンタインデー仕様のラッピングバスだった。あいつはこれにひとりで乗ろうとしていたのか。強い。

その時の天気はやや曇り、気温は6度、ひとことで言うと、寒い。
ベンチコートの無料貸出しがあたので、ありがたくお借りした。

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このオープントップバス、当然ながら屋根がない。しかも、雨天決行である。バスの床に排水口が設置されているのを見たのは生まれて初めてだ。
濡れる可能性のあるシートはプラスチック製である。大変冷たい。膝までカバーしてくれるベンチコートは冬の乗車には必需品といえるだろう。ついでに、使い捨てカイロも一つ支給された。ありがたい、ありがたい。
飲食はNGだが、ペットボトルのドリンク持込はOKだったのでホットのお茶を持ち込んだ。こちらも必需品だろう。

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チケット売り場に来る人を見かけなかったのである程度予想していたが、想像以上に乗客が少ない。自分たちを含めて5人だった。人が座っているのは4列シートの最前列と2列目のみ。それと、最後尾でマイクを持って座るガイドさん1人。
このガイドさんがなかなか素晴らしくて、福岡のプロダクションに所属するタレント・モデルが担当しており、福岡市民も知らないうんちくを含めた解説を1時間みっちりやっていただける。

座った時点で「けっこう寒いな」「寒いね」と話していた。この時はまだ余裕があった。動き出したら「やばい」「つらい」とお互い言い始めた。寒さで知能が低下して、語彙が減っていくのを感じた。
手を伸ばせば触れられそうな街路樹や信号機をくぐりながら、天神を北に向かい、都市高速に乗る。

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オープンカーで、真冬に、高速道路だ。その高速道路は海(博多湾)の上を走っている。どうなるか容易に想像がつく。ガイドさんはのんきに「ジェットコースター気分を味わってください」などと言ってる。

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「うはははは」「あはははは」もう、笑うしかない。
潮風が高速で体温を奪う。写真を取ろうと伸ばした手に痛みを感じる。
ほんの10分ぐらい前に買った「あたたかーい」お茶が「つめたーい」に変化した。
これは観光ではない。アトラクションだ、エンターテインメントだ。

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都市高速には防音壁があり、普通に車で通ってもあまり風景は楽しめないのに、オープントップバスは防音壁の上に座席がある。確かに景色はいい。寒さで知能が低下していなければ最高に楽しめるだろう。夜の「博多きらめき夜景コース」であれば造船所のライトアップまで行われるから最高だろう。しかし夜はもっと冷えるから覚悟しよう。

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高速道路での洗礼を受けつつ、このコース最大の見所、福岡ドーム+シーホーク+福岡ドームを一度に撮影できるスポットを通過。撮影スポットとしての条件はとても良いのだが、撮影者自身が置かれた環境としては割と最悪なので、だいぶ試される感じだ。

福岡タワーの手前で高速道路を降り、一般道へ。
オープントップバスは、通常より高額な路線バスとしても活用可能で、座席に余裕があればタワー前のバス停で乗ったり、降りたりすることも可能だ。
オープントップバスの乗車チケットは、福岡市中心部が1日乗り放題になる特典も付いている。

タワー前からももちエリアを周り、大濠公園の北側からけやき通りを走って天神に向かう。春であれば、高い位置から桜を楽しむこともできるだろう。


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アップルストア前を通り、西鉄大牟田線の高架下をギリギリで通過して渡辺通へ。

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緑に包まれたアクロス福岡が見えたら終点だ。

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せっかくなので、アクロス福岡にも登った。ちなみにこちらもクソ寒い。
右手に見える建物が市役所。その前の道路が乗降場所となっている。

今回わかったことは、オープントップバスは、真冬に乗るのものではない。
しかし、温暖な気候のときに乗ったとして、ここまで楽しめただろうか。
雨の日や、極寒の日に乗ってこそ最高の体験ができるのではないだろうか。

なんで金を払ってまで苦行のような行為をしているのだと疑問に思わなくもないが、真冬の高速道路でのオープンカー乗車という滅多に味わえない体験への対価としては、1,540円は安い。そう思うことにした。

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