2010年02月24日

裁判員候補に選ばれて裁判員選任手続きに行ってきた


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裁判員候補名簿に載り、裁判員選任手続きにも呼び出されて裁判所に行ってきた。選任されず、守秘義務から開放されたので、裁判員制度が実際にどのような運用になっているか体験したことをまとめてみる。

2008年11月末に郵便受けにでっかい封筒がささっていた。でかすぎてはみ出しているし、思いっきり裁判所とか裁判員制度とかの文字列が見えている様子で、集合住宅住まいだとバレバレな感じ。翌年からはサイズを小さくしたようだが。

中身は細々とした書類と漫画アリの小冊子など。小冊子はオンラインでも読める

この封筒は「あなたは裁判員候補者名簿に載りましたよ」という通知。まだ裁判員や裁判員候補になったわけではなく、翌年1年間に裁判員候補に選ばれる可能性のある状態ということになる。

裁判員になれるかどうかを確認する調査票が同封されており、学生だったり、1年を通じて病気や怪我だったり、70歳以上だったりするなど、裁判員を辞退できる立場の人はその旨を通知することができる。「海外出張の予定があって7月と11月はムリ」といった返答も可能となっている。

自分の場合(2009年度候補者)はついていなかったのだが、2010年度からはPR用のDVDも同封されるようになったようだ。同じ映像はオンラインでも視聴可能。PRのDVDはいくつかあり、「裁判員 選ばれ、そして見えてきたもの」「審議」は裁判所の正面ロビーや裁判員選任手続きの控え室でも大量に置いてあったので頂いてきた。

クソつまらなそうなDVD

個人的には仮面ライダー555の木場勇治さんが出てる「裁判員 選ばれ、(略)」が気になるので、暇で暇で暇でどうしようもないときに見ようかと思っている。交通事故で車椅子に乗っているという設定だが、バトルで怪我をして記憶を失っているのだと思う。裁判の途中でホースオルフェノクに変身するに違いない。楽しみだ。また、残念ながら酒井法子さんが裁判員に選ばれた主婦役で出演したDVDは残念な理由で置いてなかったので残念だ。

小冊子にはいろいろ書かれているが、名簿に名前が載ったことは言いふらしてはいけない、ネットなどで公表してはいけないということになっている。家族や同僚、上司には話しても良い。そういうわけで、せっかく珍しいものが届いたのに黙っていないといけない悔しい状況に陥っていた。

結局、それ以降はなんの連絡もなく、その間に結婚したり引越したりなどしていたのだが、12月下旬、年明け寸前に「裁判員等選任手続期日のお知らせ(呼出状)」が届いた。候補に選ばれたらしい。2009年末で名簿から名前が消えて、守秘義務からも開放されるはずだったのだが、この呼出のおかげで数週間延長された。

名簿に載るだけでもレアなのに、さらに呼び出しを食らうなんて無駄なところでくじ運が強い。選任手続きおよび裁判は2月中旬。後で確認したのだが、2月下旬の裁判は2010年の名簿から選ぶそうで、本当にギリギリの選出だったようだ。

日付を見て驚いたのだが、裁判員選任手続きの翌日から3日間が裁判。裁判員に選ばれたらその次の日には裁判がはじまるということだ。早いよ。

質問状がついており、当日都合が悪い場合は事前に連絡するようになっている。後述する日当を振込む先の銀行口座登録用紙もついていた。特に予定はなかったので質問状は参加可能な回答にして、住所の変更と口座情報の記入をして郵送。

そして2月になり、選任手続きに行ってきた。

地方裁判所に行くと入口に案内があり、それにしたがって受付に行き、呼出状を提出。受付順に振られている番号付きのネックストラップといくつかの資料やアンケート用紙を渡されて控え室へ。ネックストラップと同じ番号が書かれた席に着く。プライバシーを守るため、裁判所内では氏名ではなく、この番号で呼ばれる。

いかにも法廷!といった場所ではなく、普通の会議室のような感じの部屋だった。
以下、文字ばかりだとさびしいので本文中に写真を挟んでいるが、本文とは無関係。写真を撮った経緯は後述する。

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(法廷・傍聴人席)

開始10分前についたのだが、控え室ではすでに20名ほどの方が待機しており、時間きっかりに係員による説明が始まった。集まった人たちは年齢はバラバラ、性別も半々のような感じ。机は35番まで用意されていたが、28人しかいなかった。余計に机を用意していたか、それとも7人がドタキャンしたのだろうか?制度上は当日来ない場合は10万円以下の罰金となるようだが、いままで罰金を請求したことはないと聞いたことがある。

そもそも今回は50人に呼出状が送られていたようで、35席しか用意していなかったということは少なくとも15人が事前に質問上で不参加の申請をしたようだ。なお、後ろにドリンクサーバがあり、水やお茶が飲み放題。税金で購入された紙コップも使い放題である。

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(法廷・証言台/タッチパネル液晶がある)

最初に裁判長の挨拶があり、その後、超高そうなでっかいプラズマテレビ2台にパワーポイントのショボイ資料やDVDなどを流して制度や、選出の流れなどが説明される。縦横比が正しく設定されず全部横長に写っていて気持ちわるかったのだが、毎回その画面をみている裁判所の人たちは気にならないんだろうか。

今回の事件の概要、被害者および被告の氏名が知らされる。関係者は辞退しなければならない。また、今回と同様の事件に身内が巻き込まれたことがある人は冷静に判決できない恐れがあるから辞退することが勧められる。すでに今回の事件に関する報道を詳しく見聞きし、その影響が裁判に出る恐れがある場合も辞退可能だ。

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(法廷・裁判官席および書記官席/証言台を録画するカメラがみえる)

今回の裁判では6人が裁判員に選出され、3人が補充裁判員に選出される。補充裁判員は補欠やスペアのようなもの。裁判員が出廷できない時の代理だ。以前、裁判中に被害者の写真を見て気分が悪くなった裁判員が補充裁判員と交代したという話を聞いたことがある。

ここまでで40分程度経過。その後、28人が3つのグループに別れ、1グループずつ別室に移動する。別室では裁判官と検察官、弁護士が合計8名ほど座っており、その前に一直線に並んで座る。辞退する理由があったり、裁判への参加に際して不安がある人は挙手を求められ、全員退室したあとで、挙手した人だけ残って個別に事情を聞かれる。個別で話をしていたのは28名中4人ぐらいだった。

他のグループを待っている間はでっかいプラズマテレビでクソつまらない環境ビデオを流してくれたのだが、相変わらず縦横比がおかしいし、画質がガッカリだった。冬季五輪のスーパープレイ動画とか流して欲しい。

質問が終わると抽選待ちになる。このあたりで最初から1時間半程度経過。個別に辞退理由を述べた人たちについては裁判官が判断して抽選から除外、その他、理由なしで検察官と弁護士が数名ずつ抽選から除外できるらしい。明らかに挙動がおかしい人などを排除するための仕組みだろう。

アンケートを書いたりしつつ10分ほど待つと結果が発表された。自分の番号はナシ。すでに名簿の期限も2009年末で切れているので、この時点で自分の裁判員候補としての仕事は完了となった。

証明書と参加のお礼カード

最後に裁判所に来たことを証明する書類と国民の貴重な税金で良い紙に印刷された記念カード(だれが喜ぶんだ、これ)をもらった。

10分ほど法廷を見学可能だというのでついでに参加してきた。先程からの写真はこの時に撮ったものだ。通常、裁判所内の撮影は厳禁だが、見学中は他の見学者が写らないようにすれば撮影可能で、法衣(裁判官が着る黒い服)を着てから記念撮影をしても良い。さすがに着なかったが、一緒に見学に来たおじさまが着て写真を撮ってもらっていた。ものすごく似合っていて、うれしそうだった。ちょっとうらやましかった。ちょっとだけな。

P1000762.JPG
(法廷・裁判長席から見下ろした風景/書記官席の配線が大変な感じ)

見学ついでに守秘義務について再確認したが、この時点で役目は終わったし、特に秘密にすることもないのでいくらでもしゃべっていいそうだ。というわけで、今回の記事を書くことにした。

ちなみに、一般市民を長時間拘束するため、日当(給料のようなもの)と交通費が支給される。交通費は居住地と裁判所の距離を決まった計算式を使って算出するため「511円」という妙な金額になった。自転車で行ったので金はかかっていないのだが。裁判員選任手続きの際は最大8000円とのことだが、これも拘束時間で増減し、今回は4700円ほどだった。合計5000円ぐらいが後日銀行に振り込まれることになる。無駄な質問や牛歩戦術で拘束時間を伸ばして支給額を増やすこともできるのだろうか?

裁判員に選ばれた場合は1日あたり最大1万円が支給される。今回の裁判は3日間なので、2~3万はもらえるようだ。なお、遠方からの参加の場合は宿泊費が支給されることもある。

なお、見学についてはある程度の人数が必要だが事前に申請すればいつでもできるらしい。今回は10分ほど写真を撮ったり質問しただけだが、ちゃんとした見学の場合は模擬裁判や実際の裁判の傍聴もできる。見学じゃなくても傍聴は毎日できるので名簿に載った人は、どんなものなのか事前に傍聴に行ってみるのも良いんじゃないだろうか?

自分も暇で暇で暇で暇でたまらなくて裁判員PRのDVDも繰り返し観て暇つぶしもできないときに裁判所へ傍聴しに行ってみようと思う。

追記:
今回、名簿登録期限(2009年内)が完了したので守秘義務から解放されたが、期限内で選任手続きに出頭して選ばれなかったとしても、期限が来るまでは再度選任手続きに呼ばれる可能性もある。そのため、年末までは名簿入りしたことは黙っておかないといけない。
選任前も守秘義務があるのは裁判員を守るためのもので、べらべらしゃべってると裁判関係者から接触を試みられたり裁判後に復讐される可能性があるからだ。選任手続きの翌日から裁判があるのも接触されるのを避けるためだろう。
というわけで、2010年の名簿に記載された人は2011年になるまでは、「みんなにはナイショだよ」

また、今回の体験談は自分が出頭した地裁での内容なので、ほかの地裁では見学ができなかったりするなど、対応が異なる可能性があるのでご注意を。


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コメント

貴重なお話、ありがとうございました。

とても読みやすかったです。

世間的にも、この話題にふれる機会がずいぶんと少なくなっているかと思いますので、大変参考になりました。

またお邪魔します。

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