ファミ通ゲーム白書が99%オフの285円(追記あり)
様々な要因が重なった結果、定価が3万円以上のゲーム業界向け白書がたったの285円で購入できてしまう現象が発生している。
【要因1】10月1日にKADOKAWAとDWANGOが経営統合し、株式会社KADOKAWA・DWANGOが誕生した。
【要因2】KADOKAWAは大々的な発表などのタイミングで出版部門の電子書籍セールを行う。
【要因3】ファミ通ゲーム白書を発行しているエンターブレインはKADOKAWAグループである。
【要因4】amazonは他の電子書籍サイトのセールに合わせて対抗セールを同時期に行う。
【要因5】今回のamazonによる対抗セールは一部の商品を285円に設定するもの。
【要因6】突発的なセールの場合、amazonの値段の設定ミスが起きることがある。
結果として、書籍版の定価が38,880円(税込み)の「ファミ通ゲーム白書2014」のKindle版が現在285円で購入できる状態になっている。脅威の38,595円引き、99.3%OFFである。
最新版だけではなく、2011年、2012年、2013年版も285円である。
他にも35冊セットの小説が285円だったり、紙の本だと3000円ぐらいする画集が285円だったりして、だいぶ愉快なことになっている。
amazonの285円祭りはともかくとして、格安で膨大なデータが詰まった資料を4年分入手することが出来たので、ざっくりと読んでみた。
1年間の売上ベスト1,000、やたら細かく分けられたジャンル別売上ランキング、地域別の海外動向、有名シリーズの動向など、ファミ通が普段集めているデータをこれでもかと集約した内容だ。
売上げベスト1000は最下位がわずか1,639本だったり、野球ゲーム売り上げランキングでは特定メーカーが市場シェア100%(1社だけで6本リリースして、他社が0本)だったり、「歴史アクション」という特定のゲームシリーズを連想させるランキングで予想通りの会社が市場シェア96%を超えていたり、非常に面白い。
なんなんだこの円グラフは。
海外市場については欧州市場を細かく分けていて、スカンジナビア(スウェーデン/ノルウェー/デンマーク/フィンランド)やベネルクス(ベルギー/オランダ/ルクセンブルク)のソフト・ハード売上情報も掲載されている。
モバイル市場の情報も充実しており、例えばパズル&ドラゴンズをプレイしているユーザは他にどのようなスマホゲームを遊んでいるか、月々のお小遣いはいくらか、どのSNSを利用しているかなどがまとめられている。
気になるのは情報が細かすぎるところ。Webアンケート自体の回答者数は12000人ほどだが、特定のゲーム機所有者で特定の年代ごとの数値まで出ている部分は、対象者が極端に少なくなり数字のブレが大きく出るのではないかと思える。この辺りは読者側でそういう数字だと理解しながら読むしかない。「Xbox360所有の50-54歳によるXbox360の評価が、満足0% やや満足100% やや不満0% 不満0%」という数字を見たら「あー、持ってる人は1人しかいなかったんだな」と読み解く必要がある。
読めば読むほど意外な発見が出てくる。
妖怪ウォッチのユーザ層を見ると10-14歳が40%という他のソフトに比べて異常に高い数値を出している。例えば、この層は逆転裁判5だと2.5%しかおらず、ポケモンXYでも23%、マリオカート7でも30%だ。子供に高い人気を得ていることが分かる。
しかし、妖怪ウォッチを超えるゲームがあり、トモダチコレクション新生活だと49%が10-14歳層となっている。うまく子供たちを巻き込んでマーケティングできれば、妖怪ウォッチ級のヒットにもなり得たのではないだろうか?
あと、GTA5で10-14歳が9.3%ってどういうことだよ…。
深く読み進めていくときりがないので、少しずつ読み進めて今後blogの資料として活用していこうと思う。
閲覧環境についていうと、この本は電子書籍にしては字が緻密なので、Kindleが読める端末なら全部OKというわけではない。
画面サイズがでかくなったとはいえ、iPhone 6 Plusで読むには文字が小さい感じはするものの、拡大しなくても読めなくはない感じ。さすがフルHD。iPhone6や5S以前だとかなり厳しいと思う。
7インチタブレットのNexus7だと結構読みやすいが、見開きは無理そう。
先日リリースされたブラウザ版のKindle Cloud Readerだと見開きでも見やすい。ただ、この本は見開きで見る必要性はあまり大きくないので、1ページ単位での閲覧ならタブレットが最適だろう。
また、自分は所有していないのだが、白黒のKindle専用端末だとフルカラーのこの本を読むのは絶望的だ。
MacbookPRO 15インチ、Nexus7、iPhone 6 Plusでの表示を並べるとこんな感じ。
ある程度の資料は、同等の数値データがネット上に掲載されているが、ここまでまとまった形で読めることはない。ゲーム業界に興味がある人ならコンビニスイーツ程度の出費を惜しまず買うべきだろう。
【追記】
と、午前7時に書き終わって、掲載して再度値段を確認したら14,000円になってる!!!!!
やっぱり値段の付け間違えだったのかな。
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