2014年09月12日

過去のハードからNewニンテンドー3DSの狙いを探る


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ニンテンドー3DSに様々な機能が付加されたNewニンテンドー3DSが発表された。互換性を維持しているので新しいプラットフォームとはいいがたく、本体のバリエーションと呼ぶには追加された機能が多すぎる。いったいこのハードはどういう位置づけのものだろうか。

追加された機能は以下のとおり

・3Dブレ防止機能
・Cスティック追加
・ZR、ZLボタン追加
・NFC機能(Amiibo対応)
・カメラ機能向上
・CPU性能向上
・きせかえプレート対応(New ニンテンドー3DS LLは非対応)

同様のハードとしては、2008年に発売された「ニンテンドーDSi」が存在する。このニンテンドーDSiは、2004年発売のニンテンドーDSに対する機能追加版として発売された。追加された機能は非常に多く、マイナーバージョンアップとしては異例だった。

・カメラ搭載
・SDカードスロット搭載
・ダウンロード専用ソフト対応
・ペアレンタルコントロール対応
・本体ファームウェア更新機能

これらの機能は、2011年に発売された後継機種のニンテンドー3DSでも引き継がれている。

同様に、ゲームボーイとゲームボーイアドバンスの間にもゲームボーイカラーが発売されている。

ゲームボーイアドバンスにおける液晶のカラー化がゲームボーイカラーで先行投入され、DSiの機能が3DSに生かされている、そう考えると、Newニンテンドー3DSは後継機への布石とも考えられる。DS→DSi→3DSの発売時期を考慮すると、次の携帯ハードの登場は2017年頃だろうか。

ニンテンドーDSからニンテンドーDSiへの進化を見ると、ネットワークへの積極的な対応、ゲーム機への枠を超えた多機能な個人ツールとしての進化が見て取れる。
現在、スマホとの競合が任天堂の不振につながっているという指摘が多く見られるが、皮肉なことにこの当時はスマホと同じ方向性で進化していたといえる。

3D立体視という一番目立つ要素を排除すれば、DSi→3DSでの進化よりも、DS→DSiでの進化のほうが大きいと言えなくもない。
それならば、Newニンテンドー3DSで追加された機能が、任天堂の携帯ゲーム機の次の方向性を明確に教えてくれるのではないだろうか。

対応ソフトが限定されるものの、Newニンテンドー3DSにおけるユーザ体験として最も大きなものはコントローラ部分だろう。Cスティックと2つのボタン追加は、複雑なゲームをよりプレイしやすくする。

Wiiと脳トレブームを起こしたtouch generationsの時代からニンテンドー3DS発売の時期の任天堂は、入力インタフェイスをシンプルに、手軽に遊べるように舵取りをしてライトなユーザに訴求することに力を注いでいた。ニンテンドー3DSで、スタートボタンとセレクトボタンの機能を共通化し、存在自体を隠すようなフラットなボタンにしたこともその象徴だ。なるべくボタンを少なく見せようとしていることがデザイン上からはっきり分かる。
しかし、その進化の先にはタッチパネルのみで操作可能なスマホゲームのシンプルさという大きな壁がある。

物理ボタンは、スマートホンとの差別化を図る上で携帯ゲーム機の大きなアドバンテージとなる部分だ。さらに、ABXYボタンをスーパーファミコンと同じカラフルな配色にして、物理ボタンの強みをアピールしている。Newニンテンドー3DSでは、タッチパネルでは味わえない緻密な操作感覚を体験できるゲームを中心にすえようとしていることがデザインから伝わってくる。

では、その"次"のハードはどうなるのだろうか?
プラットホームの開発は短時間でできるものではないので、すでに方向性は決まっているだろう。わざわざ寄り道をする余裕はないので、Newニンテンドー3DSと次世代携帯ハードは同じ方向を向いているはずだ。
携帯機であることや、互換性を考慮すると、これ以上ボタンを増やすことは考えにくい。
また、解像度向上やCPUやGPUの単純な性能向上だけではそれほど興味を持たれないだろうから、3D立体視に匹敵するような驚くべき新機能が備わっているに違いない。それが何かはさっぱり分からないが、Newニンテンドー3DSの機能を見る限り、全体の方向性としてはゲーマー向けにシフトしていくのではないだろうか。
据え置きゲーム機と携帯ゲーム機の両方を同時に扱うことで、Wii Uの立ち上げが非常に悪かった反省点を考えると、Wii Uの次の据え置きハードと次の携帯ゲーム機を統合するという禁じ手を使うことも十分考えられる。

ゲーマー向けのハードが出ることはゲーマーとしては歓迎するが、WiiやニンテンドーDSのような爆発的な普及は望めない。そうなってくると、前々からアナウンスされている健康をテーマとした新規ビジネスが穴を埋める事になるのだろうか。
楽しみでもあるが、不安でもある。


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