2012年04月02日

円谷プロのエイプリルフールを支えた男の告白


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毎年毎年飽きもせずニッチなターゲットを狙った微妙な滑り気味ネタを披露していることからもわかるように、私はエイプリルフールの悪ふざけが大好きだ。去年は震災自粛ムードで盛り上がりにかけたが、今年は大いに楽しむことができて大満足だ。

その中でも、Googleとスクウェアエニックスがまさかのコラボで、Googleマップをドラクエ風に作り変えるという超絶ハイクオリティのネタが話題をかっさらって行ったが、その裏で、個人ブログにちょっと長い文章が掲載された。

4月1日にふと話したくなった、とりとめのない話。

突然ですが、皆さんはアニメや小説や映画に登場するキャラクターが、

“本当に居る”

と思いますか?

ミッキーマウスでも、仮面ライダーでもウルトラマンでも、アンパンマンでも美少女キャラでも何でもいいです。

僕は子どものころ、そんなもの、本当は居ないと思っていました。

でも、大人になった今は、本当に居ると思っています。

*

僕は、1985年1月31日、円谷という家に産まれました。

隠すつもりも大仰に言いふらすつもりもない、僕にとって極めて普通のことなのですが、僕の直系の曾祖父にあたる人は、円谷英二という人です。

blogの著者である円谷洋平氏は、特撮の神様と言われたウルトラマンの生みの親である円谷英二氏のひ孫にあたる。しかし、円谷プロとは無関係のWeb制作会社(「サイバーエデン株式会社)に新卒で入社し、一社員として働いていたという。

今回のblogでは遠まわしに記述しているが、以前のblogや彼のTwitter上での発言を見るかぎり、円谷プロがWeb制作を洋平氏の所属するサイバーエデン社に委託し、エイプリルフールの企画や、Twitter公式アカウントの更新を任せていたようだ。おそらくはコネだと思うが

サイバーエデン社が倒産し、現在は別会社で働いているが、エイプリルフールを機に昨年の4月、そしてその直前の3月11日について綴ったのが今回の文章だ。

原文を読んでもらったほうが良いので内容については詳しく触れないが、わかりづらい点があるので補足だけしておこう。

3月11日の震災・津波の直後、原発不安が日本中に蔓延するなか、ずっと悩みました。

正しい答えは、今までの考え方をすれば自明です。

リアルタイムに結ばれている今の時代だからこそ、いまはまだ、こちらの世界に関わってもらうべきではない。

でも、先人の言葉や、キャラクター自身の言葉が、頭のなかをぐるぐると回っていました。

答えが明らかだからこそ、間違った選択をすることは、僕にしか出来ないと思いました。

たぶん、円谷洋平が産まれ、この業界にいて、今それが出来る立場にいるのは、この選択をするためじゃないかと、一瞬、そう思ってしまいました。

ここで黙っていたら、いままでのことがすべて嘘になってしまう。一瞬、そう思ってしまいました。

僕が直接話したことがない二人と、色々な人、そして、キャラクター自身に「ごめんなさい」と言ってボタンを押しました。

よく覚えていませんが、たぶん泣いていたとおもいます。

はっきりと書かれていないが、彼がキャラクタに謝りながら押したボタン、それは円谷プロ公式Twitterの発言ボタンのことであろう。
その発言がこれである。

彼は、キャラクタに魂があり、それは長年受け継がれていくものであって、キャラクタビジネスに関わる人間が勝手に歪めてはいけないと考えていた。

そんな中で起きた震災。
こんな時、ウルトラマンならどういうだろう、どんな言葉で子供たちを勇気づけるだろう、彼はきっと、震災報道を見ながら、何度も、何度も、ウルトラマンを、亡き曽祖父を、そしてウルトラマンに関わった全ての人を思いながら、書きなおしたことだろう。

キャラクタが、勝手に喋りだし、都合のいいことを言うことは、決してあってはならない。
いくら考えて、考えぬいて紡ぎ出した言葉も、ウルトラマンの言葉ではなく、自分の言葉に過ぎない。果たしてそれを書いていいものなのだろうか?しかし、今、自分に何ができるだろうか?その、葛藤の中で、涙を流しながらTwitterの世界に放った言葉、それが先ほどのTweetである。

blogはこんな言葉で締めくくられている。

皆さん知っていました?ウルトラマンって、遠いM78星雲に、本当にいるんですよ。

信じていれば、自分自身と戦わなければならないときに、そっと背中を押して、助けてくれるそうです。

僕も、一年とちょっと前に、彼らに助けてもらいました。

きっと、いつも僕達のことを見守っているんだろうなあ、って思います。

4月1日はエイプリルフールですね。

嘘をついていいのは今日だけですが、その嘘は、いつまでも信じ続けたっていいんですよ。

あ、これを読んだ人は、ウルトラマンが本当に居るってこと、今日、誰かにこっそり教えてあげて下さい。

それでは、よい一日を。

エイプリルフールは、一年で一日だけウソをついていい日だ。

せっかくウソをつくのなら、人を騙すウソではなく、人を楽しませるウソ、人を勇気づけるウソをつこうじゃないか。


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