「横井軍平ゲーム館」が復刊
1996年に発売された横井軍平氏の著書「横井軍平ゲーム館」が「横井軍平ゲーム館 RETURNS ─ゲームボーイを生んだ発想力」として復刊し、6月25日に発売される。
このサイトを見に来る方なら説明は不要だと思うが、横井軍平氏は任天堂の元開発一部部長でゲーム&ウォッチやゲームボーイの生みの親である。開発に携わったバーチャルボーイとゲームボーイポケットの発売を見届けて1996年に任天堂を退社し、株式会社コトを設立して独立。本著を執筆後の1997年10月に交通事故で亡くなった。
彼が開発に携わったハードウェアは、最先端の技術を使うのではなく、コストの安い普及した部品を組み合わせているのに、今までにない新しい製品になっていた。彼はこれを「枯れた技術の水平思考」と呼んでいて、その思想をこの本に記した。
その後、任天堂がCPUパワーやグラフィックなどの側面で見ると他社よりも性能の劣るゲーム機「ニンテンドーDS」と「Wii」で世界を席巻し、そこに横井氏の思想が込められていることを頻繁に指摘されるようになった。
横井氏が再び注目されるようになったが、本著はすでに絶版していたため、中古市場で高騰し、万単位の価格で取引されるようになった。amazonマーケットプレイスでもすごい値段になっている。今回の復刊は、単なる再発売ではなく、注釈や序文、解説を追加し、図版や年表もリニューアルされている。
バーチャルボーイが切り開いた携帯ゲーム機での3D立体視がニンテンドー3DSで復活するこの年に、横井氏の著作が帰ってくるのは感慨深い。
自分も、発売当時から気にはしていたが、気づいたときには入手不可能になっており、どんどん値上がりする古本価格を苦々しく思っていたのでこの復刊は非常に嬉しい。早速予約した。
また、本著の共同執筆者(インタビュア)の牧野氏によるゲームの父・横井軍平伝 任天堂のDNAを創造した男も6月11日に発売される。こちらも気になるところだ。とりあえず書評待ち。誰か感想ください。
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