2006年02月18日

CEROの自主規制区分を変更、18禁を新設


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17日にコンピュータエンターテインメント協会(CESA)は、家庭用ゲームソフトで実施しているレーティング制度(自主規制基準)の年齢区分一部変更すると発表した(※pdfファイル)。レーティング制度はコンピュータエンターテインメントレーティング機構(CERO)が実施している。よくゲームのパッケージにある「CERO」マークがこのレーティングを表している。

今回の変更で、今までの「18歳以上対象」が「17歳以上対象」と「18才以上のみ対象」の2区分に細分化される。CESAは販売店に18歳以上のみ対象ソフトを、18歳未満に販売の「禁止」を"お願い"する。このCESAの要請には罰則規定は存在しないものと思われるが、世論を考えるとこれを無視することは難しい。ゲームショップの大型化、チェーン店化が進行する中で、わざわざイメージを悪化するようなことをするはずはない。この区分変更は、実質的には「18歳以上対象」の「18歳未満禁止」への切り替えにあたると考えて良いだろう。

新制度への切り替えは5月末日を期限としており、3月から既存ソフトの再審査が行われる。再審査の中で17歳以上対象になるか、18歳以上のみ対象になるかが決定され、5月頭から順次新制度での販売が開始される。しかし、CEROマークはパッケージそのものに印刷されているわけで、区分が変わるなりマークが変更されるなりするとパッケージが作り直しになってしまう。在庫分は上からシールを貼り付けるなどして対処するのだろうか?また、追加出荷分は新区分でのパッケージに切り替わるとしたらコレクター泣かせになりそうだ。

ところで、誤解されがちだが18歳以上禁止の区分が出来たからと言って、いわゆる過激な性表現を含む「18禁」ソフトが家庭用ソフト業界に進出するわけではない。「18才以上のみ対象」にも上限を想定しており、あまりに過剰な表現はCEROの対象外となる可能性が高い。CEROの審査を通らないソフトは当然プラットフォームベンダー(任天堂やSCE、Microsoft)が発売を許可しない。

この制度変更がどれほどの効果を得るかは結局の所、販売店の努力次第ということになるだろう。CESAとしては「やるべきことはやった」と見せることが一番の目的ではないだろうか。大型店や家電量販店あたりは免許証の提示とかを求め出すかもしれない。また、会員カードなどを発行している店では年齢を把握している場合は、その情報を元に18歳未満の購入を断ったりする可能性もある。

さて、CEROのサイト上では過去のレーティング内容をデータベースとして提供している。制度の変更内容も含めて任天堂プラットフォーム上での代表的なソフトを一覧表にしてみた。

現在の制度 作品例 2006年6月以降

全年齢対象
一部を除く任天堂ソフトなど多数 A
全年齢対象

12歳以上対象
逆転裁判 蘇る逆転(カプコン)
悪魔城ドラキュラ~蒼月の十字架~(コナミ)
突撃!!ファミコンウォーズ (任天堂)
研修医 天堂独太2(スパイク)
超執刀 カドゥケウス(アトラス)
など
B
12才以上対象

15歳以上対象
ファミコンミニ ファミコン探偵倶楽部PART II
- うしろに立つ少女 前後編(任天堂)
研修医 天堂独太(スパイク)
バイオハザード 0(カプコン)
メタルギアソリッド ザ・ツインスネークス(コナミ)
など
C
15才以上対象

18歳以上対象
バイオハザード 4(カプコン)
バイオハザード Deadly Silence(カプコン)
Killer7(カプコン)
など
D
17才以上対象
Z
18才以上のみ対象

PS2と比べると絶対的なソフト数の違いはあるが、圧倒的に18歳以上対象ソフトが少なく、ほぼすべてと言っていいぐらいのソフトが全年齢対象となっている。やはり任天堂ハードのソフトは子供にも安心して遊べるソフトが多いのだろう。

ファミコン探偵倶楽部は登場人物の喫煙シーンが規制の対象となり、任天堂初の非全年齢対象認定を受けた。また、今月発売されるバテンカイトスIIが任天堂で4本目の非全年齢対象ゲームとなる。ナムコから発売された前作は全年齢対象だったんだが…。

ちなみに、CEROの審査はゲーム業界の関係者が行っているのではなく、公募で集めた一般市民が審査員となり実施している。逆に、ゲーム関係者の応募は断っているという。審査員は一通り講習を受け、審査基準に関する知識を受けた後で実際にゲームを審査する。CEROの規定(pdfで公開されているが、実際はもっと細かいと思われる)に触れる部分はないかを複数の審査員が審査する。ソフトによって異なるが審査時間は1~2時間程度だ。短いなあ…。例えばRPGの中盤で「性的なものを強く想起させる表現」を巧妙に織り交ぜたらスルーしちゃうよなあ。

まったくの余談だが、多くのゲームメーカーが正会員となっているCESAには「個人賛助会員」と言うものが存在する。CESAの目的に賛同し、年会費18万円支払えばなれるようだ。ちなみに正会員は売上高により18万~120万円だ。CESAの会員一覧を見ていると、個人賛助会員はたったの一人。どこのゲームクリエイターか?と見てみたら、彼女居ない暦34年と9ヶ月ゲイムマンさんだった…。すげえよ、アンタ。

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コメント

「メトロイドプライム2」も12歳以上対象でしたから、「バテンII」は非全年齢4本目になるんじゃないですかね。

あっ
忘れてたっ
訂正しました。


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