2014年06月10日

マリオカート8のバトルはなぜ通常コースなのか


スポンサーリンク

マリオカートシリーズ最新作、Wii U版「マリオカート8」が発売された。今回はほぼ世界同時発売ということで、オンライン対戦も世界中から参加者が集まって賑わっている。

mk8_00.jpg

シリーズ物にはありがちなことではあるが、過去作のユーザからの辛口の評価が多い。8作目で、しかも過去作がいずれも大ヒットということを加味したとしても、辛口の評価が、数の上でも表現の強さにおいても極端に大きいように見受けられる。

もちろん、高く評価している人もいるし、文句のほうが目立ちやすいということもあるのだが、一体どうして、ここまで不評なのだろうか。

SNSを検索して集めた今作のマイナスポイントを整理すると、以下の3つが多いようだ。

1.アイテムが一度に1つしか持てない
2.バトルが専用ステージではなくなっている
3.マップがゲームパッド上にしか出ない

他にも、細かな指摘は多数あるが、上記3つはとくに目立っている。

今作では仕様変更が多く見られるが、初心者への配慮が重点的に行われているように見える。
その中で、もっとも重要なものがアイテムを1つに限定していることだろう。

いままでのマリオカートシリーズは、アイテムボタンを押しっぱなしにすることで"装備"が可能となっていて、装備中にもう一つアイテムを取ることが可能だった。今回は、装備した状態ではアイテムが取れないように仕様変更されている。

カートの後ろにバナナをぶら下げて、後続からの赤こうらなどの攻撃を防ぎつつ次のアイテムをキープすることができた。運が良ければ、こうらを6連射することもできる。

これは、マリオカートシリーズの重要テクニックの一つで、この機能を使いこなせるかどうかは勝負の鍵となっていたが、廃止したのは初心者救済のためだろう。

今作は、よりシンプルに楽しめるよう、チューニングされている。
コース幅は全体的に広く、落下は少なめになっている。落下した場合もカートを釣り上げるジュゲムが以前よりスピーディに仕事をしてくれるので復帰も早い。訳がわからないうちに初心者が周回遅れになるシチュエーションは減ったはずだ。

以前の仕様に慣れた人たちから不満の声が出るのはしかたのないことで、レギュレーションが変わったのだから、それに従って新しいプレイスタイルを編み出していくしかない。ずっと同じ仕様で遊びたいのなら別に最新作で遊ばなくてもいい。

ふうせんバトルに関しては、バトル専用コースが廃止され、通常コースでプレイするようになった。

mk8_01.jpg

ふうせんバトルは、カートに取り付けられた3つの風船をこうらやバナナをぶつけあって割るゲームで、前作までは通常のコースと異なる円形や四角形の専用コースが用意されていた。
今作では通常のレースで使用するコースのうち8個が選ばれ、順走や逆走をしてバトルするようになっている。

バトル専用コースは通常コースより狭く、交差点が多数あるため、敵カートと鉢合わせる頻度が高く、あらゆる場所でこうらをぶつけあうことになる。
それに対し、通常コースだと互いに同じ方向に走っていれば永遠に衝突しないし、すれ違う場合もコースの先が見えているので事前に察知できる。
そのため、以前とはゲーム性が全く違ってきている。

ここまで大きな仕様変更があれば、たしかに文句も出てくる。
しかし、なぜこのような仕様変更をしたのだろうか?これも初心者対策と考えるべきなのだろうか。

今作の仕様で、バトル専用コースをプレイしたらどうなるか考えると、どうだろうか。同時プレイ最大12人、アイテム装備なしが前提条件となる。

以前は、敵と接触しづらい場所でアイテムボックスを拾い続けて、装備アイテムとストックアイテムが充実してから中央の敵カートが多い場所に出てくる作戦があった。今回はアイテムがストックできない分、防御が弱い。おそらく流れ弾で風船を割られる率が相当高くなる。
状況を理解する前に敗北する確率が増えるだろう。

実際、今回の通常コースでのプレイだと"なぜやられたかわからない"というシーンは少ない。大抵が前からすれ違いざまに撃たれるか、後ろから追い抜かれながら撃たれるか、正面から迫ってくるこうらやバナナを避けきれなくてぶつかるかのいずれかで、やられた理由がはっきりわかる。
当然後ろから流れ弾が飛んでくることもあるが、前からも後からも右からも左からもこうらが襲ってくるバトル専用ステージよりはマシだ。

12人参加している時点で、コースが広すぎて敵と出会わないということは少ない。ただ、後半になれば風船のなくなった透明の敵カートからガンガン攻撃を食らうので、倒すべき敵カートと出会わないうちにとつぜん画面に湧いて出たバナナを踏んでしまうというシーンはある。

初心者対策で変更した仕様のまま、以前のバトル専用コースで流れ弾を避け続けるゲームをするのがいいのか、ガッツリ内容を変えて通常コースでガンマン対決のようなこうらの撃ち合いをするのがいいのか、はっきり言えば好みの問題だ。
個人的には初心者と一緒に楽しめる後者のほうが好きだ。

マップに関しては、開発者側の気持ちは分からんでもないがちょっと弁護しづらい。
テレビ画面には左右に大きくスペースが開いていて、いくらでも半透明のマップを重ねられそうだ。

mk8_02.jpg
※テレビ画面

ゲームパッドで精細なマップと順位が表示されているものの、テレビとゲームパッドの配置をうまく調整しないと両方を視界に入れるのは難しい。

mk8_03.jpg
※ゲームパッド画面

もうマップなしを前提にして遊ぶのも良いかと思うのだが、これも初心者向けに画面の情報量を減らす配慮だろうか。単にWii Uソフトの宿命としてゲームパッドを活用しないといけなかっただけのような気がしないでもないのだが。

マップもそうだが、ネット対戦での勝ち負けの数とか、グランプリでのタイムとか、「あってもなくてもいいもの」は徹底的に排除しているようにみえる。ウェブデザイン的な考えで悪くないんだけど、自分としてはデータはなるべく見たいのでそこは残して欲しかった。

たとえば、マップは今までどおりテレビ画面に出して、ゲームパッドでラップタイムとか、アイテムの使用履歴とかこれでもかというぐらい情報を出して、観戦者が楽しんだりできるようなスタイルでも面白かったのではないだろうか。

あと、これは完全に余談だが、今回のスクリーンショットを撮っている最中にバグをひとつ発見。
ハイライト動画再生時にスティックを右に入れると逆再生可能だが、視覚エフェクトが逆再生に対応していないものがある。

mk8_04.jpg

キノコ使用時の炎のタイヤ跡や、ドリフト時のタイヤ跡が逆再生のときには本来の進行方向の逆側にエフェクトが出てしまっている。
火花もタイヤから空中に飛び出すのを逆再生しているのに、やはりタイヤから火花が飛び出している。
逆再生用のエフェクトを作るのは大変なので仕様なのだろうし、わざわざその部分の整合性を保つために開発リソースを割いたり、逆再生をカットするのは馬鹿らしいので、おもしろ現象として楽しむといい。


スポンサーリンク
関連記事


この記事の前後の記事
2014年06月12日:E3で発表されたWii Uの新作「Splatoon」に見る、任天堂のアイデア
2014年05月29日:与沢翼の雑誌に、編集者の魂を感じた

最新記事
2017年07月07日:私はキンプラに殺された
2017年06月30日:任天堂株主総会レポート2017
2017年06月20日:「映画 山田孝之3D」はとんでもない映画だった
2017年05月25日:ARMSはSplatoonの背中に追いつけるか?
2017年04月14日:amazonの検索結果からボッタクリ価格業者を消す方法
2017年03月29日:1-2-Switchは最高のパーティゲーム
2017年03月04日:Switch発売に寄せて
2017年02月14日:ニンテンドーSwitchと一緒に買っておきたいもの
2017年01月20日:IMAX版「君の名は。」は2倍泣ける
2017年01月19日:ニンテンドーSWITCHを確実に手に入れるにはどうしたら良い?予約はどこで?



- N-Styles -