2011年07月06日

1998年の秋、時のオカリナが任天堂ファンを変えた。


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13年ぶりのリメイクに対して当時から任天堂ファンサイトを運営している立場から思いのたけを綴っていこうと思う。本当は時のオカリナ3D発売日に書こうと思っていたのだが、プレイし始めたらどっぷりハマって裏ゼルダまで遊んでいたのでだいぶ遅れてしまった。

あれは今から15年前。1996年6月、NINTENDO64が発売された。当時あまり熱心なゲーマーではなかったが、店頭のデモ機で動いていたスーパーマリオ64に心を打たれ、気づいたら親からの仕送りがゲーム機に化けていた。

その年はマリオ64をひたすらプレイし続け、ウェーブレースに発売に歓喜し、マリオカート64とコントローラブロスを買い揃えて徹夜で風船を割りまくった。

翌年はブラストドーザーに苦しめられ、スターフォックス64にしびれ、ゴールデンアイでジェームス・ボンドになりきった。多くのゲームを楽しんでいたが、周囲にNINTENDO64ユーザがおらず、少し寂しくもあった。プレイステーションユーザに嫉妬心をいだいていたかもしれない。

寂しさは、ネット上で癒されることになった。当時、片手で数えられるほどだったが、任天堂ファンサイトが存在して他のファンの声を聞くことができた。現在のような情報交換というレベルではなく、掲示板が存在することもまれで、一方的な情報発信しかなかったが、それでも仲間の存在がより一層NINTENDO64を応援したいという気持ちを高めていくことになる。

そして、1997年の9月に当サイトの前身となるサイトを開設した。その後、交流の場となるよう掲示板とチャットを設置し、ファン同士でまだ見ぬ新作タイトルへの思いを交わすようになる。

なかなか発売されない新作タイトルにいらだち、他社で任天堂製品を模倣したようなソフト(なんとかカートとか)やハード(コントローラが震えたりとか)が出るたびに愚痴り合うすることもあった。今思うと、あの頃が任天堂ファンに取って一番苦しい時期だったかもしれない。

その鬱屈した空気を取り去ってくれたのが「ゼルダの伝説 時のオカリナ」だった。

延期を繰り返し、ようやく遊ぶことができた。3D空間で走り、敵を斬るリンクに驚愕し、神殿の立体的な謎解きに興奮した。

ハイラル平原の広さにため息を漏らしたとき、「ああ、このゲームが遊べるのなら、NINTENDO64が一番じゃなくてもいい」と心の中の暗闇が晴れたような気がした。

そう思ったのは自分だけではなかったようで、(あくまで自分の観測範囲での話だが)ゼルダ発売前後で、任天堂ファンサイトコミュニティ内の空気が一変した。他のハードでどんなゲームが出たとしても、NINTENDO64でゼルダが遊べたのだから、もういいじゃないか…そう悟ったような雰囲気になった。

そんなわけで、時のオカリナは自分にとって特別な一本なのである。


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コメント

このブログには、こういうエントリーが似合う。
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当時自分は20台前半、あんなに好きだったゲームからは離れ気味で、勧められたPSを持っているだけでした。
今ではすっかり任天堂ファンですがオカリナ前夜の64はそんな寂しい状況だったのですね。
オカリナが特別だっていう方の特別さってハンパじゃないなって思ってたんですが、その理由が判った気がしました。なんだか少し羨ましいです(^^)

私にとっては6,7年程前に中古で買った64本体とオカリナで、見た目じゃないゲームの面白さに気づかされたという思い出のゲームです。

いい話しだ。一気に読めた。
たかがゲームでも一生の思い出になるような体験は、かけがえのないものですね。
私はディディーコングレーシングが好きで、レア社に特別な想いが(笑)

自分はスーパーファミコンの流れで64をかったのですがスターフォックス64で任天堂に火がつきました

懐かしいですね。
1998年は任天堂のファンにとっては特別な年で11月21日は忘れられない一日ですね。
ゲームを作品として捉えた場合に、これほどの作品に出会うことは、もうないのかもしれないです。

ただ、今にして振り返ると10代の多感な時期であったことや学生で暇だったこと。そして、インターネット上に、いくつかのサイトを通じて同じファンの人たちと知り合ったことが、それを増幅させてくれたのかな、と思います。
あれっくすさん、そして当時の様々なサイトの運営者に皆さん、ありがとう。

時のオカリナに感涙した者です。オープニングを見てマジで涙してました。同時の任天堂は劣勢ですが、だかれこそ一生懸命応援してました!!

当時は「このシステムを使って○○ができたら」みたいな想像が楽しかった記憶があります
結局そういう形で「時のオカリナ」を越えようとする所は(国内メーカーからは)現れませんでしたが
いま遊んでもあの時代劇のチャンバラみたいな感覚は新鮮ですね
無双よりも時代劇っぽいあの感覚…

自分は当時の熱や感動が薄まってしまうのが怖くて、3DS版には手をだせずにいます


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