2006年12月08日

Wiiレビューその1:Wii本体の基本機能など


スポンサーリンク

ついにWiiが発売された。Wii Sportsで体力測定を行った後で、さまざまなトレーニングをひととおりこなし、ハイラルの地を探索する日々を送っている。売り上げも好調なようで、北米では最初の1週間ほどで60万台超え、日本では最初の週末で約40万台と、合計100万台を超える販売を達成している。豪州と欧州での販売も始まり、年末商戦に向けて最高のスタートダッシュを切れたのではないだろうか。

さて、このWiiをいじり倒して、いろいろと気になった点が出てきた。ちょっとまとめてみよう。


Wii本体
箱から出して、まず感じたのはその重さ。他の次世代ゲーム機と比べると非常に軽いのだが、密度が濃い感じ。大きさの割にずっしりと質量を感じる造りになっている。

本体の質感は「高級感あふれる」と表現すると、若干誇張気味に感じられるが、少なくとも安っぽい印象は受けない。光沢のある白色で包まれる筐体に、一筋の黒いディスク挿入口が開いている。本体が小さい分、挿入口が大きく見える。この挿入口には青色LEDが隠されており、スタンバイ状態で伝言(メール)を受信するとほんのりと光る仕掛けになっている。


縦置きを前提に設計されており、本体パッケージには縦置き用の専用スタンドとそのスタンドを安定させるための補助プレートが含まれている。補助プレートが意外と大きいので、設置面積は見た目よりも多く必要となる。また、Wiiを斜めに設置することを前提としていて、スタンド自体が傾斜しており、本体自体に斜め置きのための切れ込みが入っている。斜めに置くのは主にデザイン上の都合と思われるが、意外なメリットも隠されている。縦置きスタンドには四角い窓が開けられており、それはWii本体の吸気孔の位置と一致している。斜めに置くことで吸気孔をふさがず、しかも視界に入らないようにするという仕掛けだ。また、床置きするなど低い位置に設置した場合でも、斜めに置くことでディスクが挿入しやすくなるメリットもある。


ACアダプタは本体と比べると、光沢がなくサイズも大きく無骨で地味な印象を受ける。まあ、目立つところにおくものでもないのでこれで問題ないだろう。機能上のメリットはまったくなさそうだが、このACアダプタも斜めの切れ込みが入っている。本体の意匠とあわせたのだろうか?当然ながらスタンドが付属しないのでこれを斜めに置くことはできない。

Wii本体の接続端子、スロットおよびボタンには以下のものがある
・ディスクスロット
・ACアダプタ接続端子
・AVマルチ出力端子
・センサーバー接続端子
・USB端子×2個
・電源ボタン
・リセットボタン
・SYNCボタン
・ゲームキューブコントローラポート×4個
・ゲームキューブメモリーカードスロット×2個
・SDカードスロット



このうち、ゲームキューブ関連の端子とSDカードスロットにはフタが付属し、必要のないときはふさいでおくことができる。ゲームキューブソフトを常用する場合や、横置きする場合にはこのフタをはずすことが可能だ。フタの裏にはずし方の説明もある。


この写真を撮っているときに気づいたが、フタの内側にある3つのプラスネジのうち、中央のネジのネジ山が潰れていた。他の2つのネジはキズ一つ無く、真っ黒なままなんだがこのネジだけ削れて銀色になっている。これはひどい。近くにキズも付いている。まあ、傷が付いていたからと言って、それでゲームが楽しめなくなるわけじゃないので気にならないと言えば気にならないのだが。なんだかなあ。


本体背面には3つの独自規格接続端子があるが、すべて長方形に切れ込みを入れた五角形になっている。これは誤った向きに接続しないための工夫だろう。もしかしたらACアダプタ同様、Wii本体の形状を意識したものかもしれない。ついでに、ものすごく些細なことだが、Wiiリモコンのストラップの付け根も同じような五角形の形状になっている。これもWii本体に似せたのかなあ。

USB端子は当然のごとく普通の長方形。現在のところ、USB端子を使用した周辺機器は存在しない。伝言板など、文字の入力が可能な場面があるのでキーボードを繋げるようにしてもよさそうだが、今のところ対応していないようだ。マウスやハードディスクもつながらない。

Wiiリモコン
Wiiの最大の特徴ともいえるのが、このWiiリモコン。シンプルなデザインながら非常に手になじみ、長時間プレイしても苦痛に感じない出来はさすがだ。

Wiiリモコンの特徴はさまざまあるが、大きく分けて以下の5つの機能がある
・モーションセンサー
・ダイレクトポインティング
・拡張コネクタ
・内蔵メモリ
・スピーカ
・振動機能

Wiiリモコン:モーションセンサー
モーションセンサーはリモコンを傾ける、振るなどの動作をしたときにその角度や加速度を検出する機能だ。リモコンが画面の方向を向いているかどうかは無関係で、単純にリモコンが重力方向に対してどのような角度にあるのか、どのぐらいの速度で傾いたり動いたりしたかを検出している。

実は、Wii Sportsではプレイ中にモーションセンサーのみを使用しているため、画面とは違う方向でラケットやクラブを振ったりボーリングの玉を放ったりしても普通に遊ぶことが可能なのである。

このモーションセンサー機能だけでも、十分ゲームに活用できるのだがひとつ欠点がある。モーションセンサーで検出できるのはWiiリモコンの相対的な位置。つまり、少し前までWiiリモコンがあった位置からどの程度移動したかしか分からない。傾きについては重力という明確な基準があるのだが、テレビに対してWiiリモコンがどの方向を向いているのかはこの機能だけでは知ることが出来ない。

Wiiリモコン:ダイレクトポインティング
ダイレクトポインティングはモーションセンサーを補うために搭載された機能で、Wiiリモコンの先端がテレビ画面のどのあたりを指し示すかを検出することができる。これの機能がついてはじめて、Wiiリモコンが画面上のカーソルをスムーズに動かせるようになる。これはWiiリモコン単体では不可能で、テレビの上か下に設置したセンサーバーが必要になる。


デジカメでセンサーバーを撮影すると分かるが、センサーバーの両端から目に見えない光(赤外線)が照射されている。リモコンの先端の赤外線センサーでこの光を受光し、リモコンの先端がセンサーバーの中央とくらべて左右どのぐらいの位置にあるのか、センサーバーよりどれぐらい下(上)を向いているのかを検出して画面上にポインタを表示する。普通、リモコンから赤外線が出て、テレビ等の受光部で受けるのとは逆になっているわけだ。ちなみに、この写真に写っているリモコンはWiiリモコンではなく、Wiiリモコン型のテレビリモコン。このようにリモコンから光が出るのが普通だ。

普通の赤外線センサーは、受光した光がどのように点滅しているかなどをしらべて、音量を上げる、電源を入れるなどの対応した機能を呼び出すが、Wiiリモコンでは点滅や波長とは関係なく、位置を調べている。どのような仕組みで動いているかを調べたければ、Wiiの設定画面でセンサーバーの感度を調べる項目を開くといい。ここで表示されるのは、実際にリモコンの受光部で受けた光が表示されている。


この画面で、たとえば鏡ごしにセンサーバーに向けてみたり、ライターの火を持ってきたり、テレビリモコンなどを目の前で操作したりすると、白い丸が表示される。実際、センサーバーを用いずにろうそくの火などで代用することも可能のようだ。Wii本体とセンサーバーはケーブルで繋がれているが、これは信号がやり取りされているのではなく、単純に電力を共有しているだけということになる。改造すれば電池式でケーブルレスセンサーバーも作れる。すぐに電池切れしそうだが。

Wiiリモコン:拡張コネクタ
Wiiリモコンの底部には金メッキされたコネクタが備わっている。ここに各種拡張コントローラを接続することで、Wiiリモコンに機能を追加することが可能だ。現在のところ、本体に付属するヌンチャクと、別売りのクラシックコントローラだけが対応している。


ヌンチャクは1個のアナログスティックと2個のボタンで構成されたシンプルなコントローラで、こちらにもWiiリモコン同様モーションセンサー機能が備えられている。ダイレクトポインティング機能がないため、カーソルの移動には使えないし、Wiiリモコンよりも不定形なので角度を決めるのが難しいが、Wiiリモコンのモーションセンサー機能同様に使用可能だ。実際、Wii Sportsではリモコンとヌンチャクを同時に使い、両手で殴りつけるボクシングが収録されている。

クラシックコントローラはバーチャルコンソールで遊ぶときに使用できる非常にオーソドックスなつくりのゲームコントローラだ。これを"クラシック"と名づけたところに任天堂のセンスと意地悪さを感じてしまうのは自分だけだろうか。両手でスティックとたくさんのボタンを指先だけで操作するのは、もう古い、こんなものクラシックだよという主張を感じる。それはさておき、いままで散々ゲームで遊んできたゲーマーには違和感なく触れるコントローラではないだろうか。手にしっくりとなじむ、良いコントローラだ。ただし、振動機能は備わっていない。残念。


クラシックコントローラの天面の中央に謎のボタンがある。これはゲームで使用するものではなく、押すと裏側のミゾの内側にある突起が動く仕組みになっている。構造から考えると、何かを固定するか、逆に何かにクラシックコントローラを固定するかのいずれかのように思える。何なのだろうか。

Wiiリモコン:内蔵メモリ
似顔絵を作れるMiiについては次回、詳しく書くが作成したMiiをリモコンに保存することが出来る。リモコンを持ち寄ってみんなで遊ぶときに、自分似顔絵を持って行けるのはなかなか楽しいものだ。

Wiiリモコン:スピーカ
今年の5月にE3で唐突に発表された要素。それがこのスピーカ機能だ。リモコンの中央に小さなスピーカが埋め込まれており、例えばWii Sportsでテニスボールを打ったときにパコーンと軽快な音を奏でる。音質は特に不満を感じるレベルではないが、ものすごくいい音が出るわけでもない。

詳しくは後述するがWiiリモコンが使用している通信方式はBluetoothで、これは携帯電話などのワイヤレスヘッドセットなどでも使用される規格でもあり、リアルタイムに音声を飛ばすのに十分な帯域がある。Wii Sportsでの効果音の他、メイドインワリオではセリフが出たり、ゼルダの伝説ではリンクとともに旅をするミドナの笑い声が手元から聞こえることもある。

音量はソフトウェア制御で、HOMEボタンを押して出てくる設定画面で調整が可能となっている。最大音量にすると若干音質の悪さが強調されるように思えた。

Wiiリモコン:振動機能
任天堂ではNINTENDO64のスターフォックス64ではじめて採用された振動機能は、Wiiでも健在だ。モーションセンサーと干渉することなく、十分な振動を感じさせる。

この振動機能はゼルダの伝説で非常に効果的に使用されており、走っている地面の感触がリモコンを通して手に伝わってくるのを感じる。NINTENDO64やゲームキューブの振動機能に比べて、振動の表現力が増したように感じられるのは気のせいだろうか。特に微細な振動が上手く表現されているように思える。今までのコントローラと比べて、手のひらとの接触面積が増していることも原因の一つかも知れない。


さて、先ほども書いたが、Wii本体とWiiリモコンはBluetoothという無線規格で接続され、1台の本体に対して最大で同時に4本まで繋げることが出来る。Bluetoothでは、「この本体でこのリモコンを使う」という設定が必要となるが本体に同梱されているリモコンはすでに設定済みで、すぐに使用可能となっている。追加のWiiリモコンを使用する場合には、リモコンの電池ブタをはずしSYNCボタンを押し、その後本体のSYNCボタンを押す必要がある。リモコンを持ち寄ってプレイする場合など、一時的に使用する場合にはフタをはずす必要はない。使用可能なリモコンでHOMEボタンを押し、リモコン追加機能を選んだ後で、1ボタンと2ボタンを同時に押せばゲスト参加が可能だ。

Wiiリモコンには電源ボタンも付いていて、これで本体のON/OFF(正確に言うと、スタンバイとリジューム)が出来る。ついつい、本体に向けてリモコンの電源ボタンを押してしまうが、赤外線リモコンではなくBluetoothリモコンなので指向性はない。極端な話、隣の部屋からでも電源を切れるわけで、本体に向けて操作をする必要はない。慣れって怖いなあ。

Wiiディスク
WiiのゲームソフトはCDやDVDと同じサイズの12cm光学ディスクが搭載されている。Wiiのディスクドライブはスロットイン形式。本体を縦置きした場合にはレーベル面を右に、記録面を左にして挿入口に軽く差し込むと、自動的に本体内に取り込まれる。この動きは実にスムーズだ。Wiiはゲームキューブにも対応しているが、ゲームキューブ専用の8cmディスクも、挿入口の中央だろうと、端っこだろうと関係なく滑らかに吸い込まれていく。

よく見ると分かるが、WiiのディスクにはCDともDVDとも書かれていない。ゲームキューブディスクも同様である。ゲームキューブのディスクはDVDの技術を応用して作られたものだが、記録方式がDVDとは異なっている。同一のドライブでWiiディスクも読み込み可能なので、Wiiディスクはゲームキューブディスクを12cmに拡張したものが使用されていると推測される。実際、パソコンのDVDドライブにWiiディスクを挿入するといつまでも読み込み続け、正常に認識されない。

先日、2007年下期にDVD-VIDEO対応のWiiが発売されると発表された。その際に現在のWiiをソフト的にバージョンアップしてDVD-VIDEO再生に対応させることはないとアナウンスされている。ライセンス料が本体価格に上乗せされるために再生ソフトが入っていないといわれているが、再生できないのはソフトを入れていないためではないかもしれない。もしかしたら、現在販売中のWiiの内蔵ドライブは専用ディスクにしか対応しておらず、通常のDVDは読み込めないのではないだろうか。そうなると、両ディスク対応のドライブと再生ソフト代、ライセンス料が加算される新型Wiiは、現在のWiiよりも比較的高額になる可能性がある。

ワイド画面対応
些細なことのようで結構重要なのがワイド画面(16:9)対応。すべてではないと思うが、Wiiメニューを含めたほとんどのWii対応ソフトはワイド画面に対応している。Wiiメニューの設定画面から切り替える必要があるので、ゲームを起動中は切り替えられない。また、ワイド設定してあってもバーチャルコンソール対応ソフトは4:3の通常画面となる。


実際に違いをみるとこのような感じ。上下カットではなく、本当のワイド対応。素晴らしい。

レビューその2に続く

関連記事
Wiiリモコン徹底分解


スポンサーリンク


この記事の前後の記事
2006年12月12日:ドラゴンクエスト9はニンテンドーDSで発売
2006年12月05日:発売2日間のWii販売台数は35万台

最新記事
2024年02月20日:3万アカウントの凍結を見届けた 趣味としてのTwitter(X)スパム報告
2023年06月25日:任天堂株主総会レポート2023
2023年06月21日:レビュー:ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム
2022年06月30日:任天堂株主総会レポート2022
2022年03月15日:Hue Sync Boxで映像とゲームを画面の外から強化する
2021年03月11日:シンエヴァを鑑賞した人たちを鑑賞した[ややネタバレあり]
2021年02月12日:藤子・F・不二雄「ノスタル爺」を読み解く
2021年01月18日:「呪術廻戦」単行本での加筆修正一覧(15巻まで)
2020年09月28日:「2.5次元の誘惑」がとにかく熱い
2020年04月08日:緊急事態宣言が発令された日の雑感


コメント

クラコンのくぼみはおそらく、「大玉」に付属する「おおだマイク」 等の周辺機器を接続するものではないでしょうか。
CGのコントローラーと形状が違うのでうまく付くかどうかはわかりませんが…

オンラインにするとwiiの遊びのはばがひろがりそうでいいですね。(泣)うちは無線LANないからつなげられないし。有線LANアダプタが早く欲しい。


- N-Styles -