2006年06月12日

任天堂経営方針説明会 テキスト起こし8


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テキスト起こし目次

任天堂経営方針説明会 テキスト起こし7の続き

テキスト起こしはこれで最後。

・ポケモンバトルレボリューションは年内発売
・技術の進歩により、Wiiは省電力で24時間ネットに繋がる
・毎日新しいこと、毎日変わること
・対戦しかないネットの利用は世界が狭い

--任天堂経営方針説明会 テキスト起こし8 ここから--
(ポケモンバトルレボリューションムービー)
さて、WiiでDSのソフトを拡張するという意味では、具体的な例をひとつお見せしたいと思います。

(映像:3D画面で2対2で闘うポケモンたち)
これは、私たちが『ポケモンバトルレボリューション』という名前で呼んでいるソフトのデモムービーです。

このソフトはDSとWiiが繋がる遊びの第一号となるソフトで、ダイヤモンドパールのポケモンソフトを差し込んだDSをコントローラとして使い、手元のDSカード上のポケモンをWiiの画面上に3Dで実体化させて、バトルを楽しむソフトです。

このソフトではダイヤモンドパールの新ポケモンを含む全ポケモンを3Dで表現して、ダイヤモンドパールとつながり、DSで育てた自分のポケモンで、友達とはもちろん、ゲーム内のコンピュータプレイヤーとも迫力のバトルを楽しんでいただくことができますし、また、Wi-Fi接続を使った、仕組みにも対応を予定しています。

このソフトはポケモンダイヤモンドパールの発売から間もない、年内に発売したいというふうに考えております
(映像終わり)

(Wii Connect 24)
先ほど、毎日電源を入れるのが楽しみになるようなことを実現したいという趣旨のことを申し上げました。

まあ、この(Wiiのコンセプトである)「Wii Connect 24」っていうのは、毎日新しい体験をゲーム機で提供するために、新しい仕組みとして用意したものです。

今回、技術の進歩をどのようにWiiに使うかということを考える上で、もちん高性能化の道を選ぶことも出来ましたが、我々はむしろ、電力を小さくするとか、えー、静かにするとか、小さくするとか、そういう方向を選んだわけですが、それと同時に、うんと小さい電力で、ずーっとネットに繋いでおけないかということが一緒にアイデアとしてありました。

そして、このことを考えていたときに同時に意識していたのは、「人はどうしてゲームをやめちゃうんだろうか?」、ど、「どういうときにやめちゃうんだろうか?」そして、「どうして開発者は、『ボリュームを増やさなければならない』という強迫観念に駆られるのか」ということに関する、えー、共通の、えー認識がありました。

もちろん、「ボリュームを増やして欲しい」というのはお客様が望んでいるからだということもあるんですが、同時に、ボリュームがないとすぐ終わってしまう、終わると、えー、中古(屋)に売られてしまうかもしれない、中古に売られたらその後新しい商品が売れなくて、商品寿命がすごく短くなってしまうという、サイクルでの発想があることもまた真理ではないかと思います。

また、人は「これ以上遊び続けても新しいことは起こらないぞ」と分かったときに、はたしてゲームを続けてくれるのかと、昔と違って、もう、ゲームの仕掛けっていうのは大抵、お客さんにばれていますから、ばれている仕掛けの上で、同じ事は続けてもらえません。

そのこと(ボリュームを増やすことで)で、プレイ時間を延ばすという方法論が、えー、ずっと取られてきたわけですが、それが、今、私は通用しなくなったと思っています。

というのは、むしろ、そ、そうであること(ボリュームを増やすこと)が、遊んでいただく上での障害になっているわけですね。でも、作る側はその呪縛からは逃れられない。

で、私はもちろんボリュームたっぷりの、こってりとしたゲームは、ときどきあって良いと思うんです。で、そういうものにどっぷり浸りたいということを否定するつもりは全くありませんが、そういう物しか存在が許されなければ、お客様の中で時間のない人、忙しい人は皆さん参加できなくなります。

ですから、その、問題を根本的に解決するのに、一番良い方法が、「毎日新しいこと」「毎日変わること」だと思っています。

(Wiiでのネットワークをどう利用するか)
そして、インターネットを使うこと、24時間動作可能で、えー、自分たちが寝ている間に何か変わること、何かが起こることっていうのは、次の日にゲーム機の電源を入れるものすごく強烈な動機になります。

そのうえで、このような仕組みを用意して、例えば、どうぶつの森でしたら、自分がいない間に…あるいは寝ている間に、友達が自分の村に遊びに来て、メッセージやプレゼントを残していく、次の日スイッチを入れたら、友達からのメッセージが。毎日、電源を入れるのが楽しみになる。

あるいは、毎日、新しい常識力の問題、あるいは、数独…というパズルがありますが、こういう問題が毎日届いてくる。

こんな事があって、毎日新しい体験が提供できたら、ゲームの中で…「ゲームの中に全部のボリュームを詰め込まなければならない」ということは変わるんじゃないかと。

また、インターネットで…とゲームが繋がるときに、皆さん多くの方がほとんどの場合、人と対戦、みし、見知らぬ人と対戦できるっていうことを、えー、よくおっしゃるんですけれども、対戦して勝った人はハッピーですが、負けた人はアンハッピーです。

対戦という構造は、もちろんあって良いんですけど、対戦しかないインターネットの利用は、私は世界が狭いと思うんですね。

ですから、逆に何らかの形で色んなものを、こう、共有したい、誰かが作ったものが、誰かの役に立つっていうような、あの、循環を作りたいと。で、もちろん対戦があっていいんですが、あるいは競争があって良いんですが、同時にシェアがある、協力があるっていう、そんな文化を創りた、その、シェアされるときに、えー、このWii Connect24というのは、ものすごく大きなポテンシャルがあるというふうに私は考えております。

すいません。えー、今日はお話しすることが盛りだくさんで、すっかり長くなってしまいました。
これからご質問を受けたいと思います。ありがとうございました。

(司会:どうも、ご静聴ありがとうございました)

--任天堂経営方針説明会 テキスト起こし8 ここまで--


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この記事の前後の記事
2006年06月14日:任天堂経営方針説明会から予想できること
2006年06月12日:任天堂経営方針説明会 テキスト起こし7

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コメント

テキスト起こし、ご苦労様でした。
説明会の内容をテキストで読める機会を作っていただいたことに深く感謝します。ありがとうございました!

お疲れ様です。

テキストデータとして読めたことでよくわかりました。
膨大な量の書き起こし、お疲れ様でした。

また時間があるときにでもあれっくすさんのご意見をお聞きしたいです。

ゲームをしているとき、何らかの成長があると、ものすごく楽しいです。
よくあるのが、動物を育てたり、人とのコミュニケーションを育んだりするゲームです。
それが戦ってくれるのは楽しいですよねえ。そういうタイプのがまだまだ増えるんでしょうか。
毎日変化するゲーム、で他に思い当たったのが、ダンジョンが入るたびに変わるタイプのゲームです。オイラは余り好きじゃありませんが。
ただ見掛けが変わるだけで、同じことをやっているだけだと、面白くありませんからねえ。
本文にもありますが「まだ何かあるかもしれない」と永遠に思えるようなゲームに出会えるのは幸せなもんです。


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