公式ガイドブック「ハイラルヒストリア」でゼルダシリーズの繋がりが明らかに
ゼルダの伝説シリーズの公式ガイドブック「ハイラル・ヒストリア ゼルダの伝説大全」が発売された。
ゼルダの伝説シリーズは多くの作品が発売されているが、それぞれのシリーズの繋がりは断片的な情報しか明らかになっておらず、Wikipedia等でファンの推測を加えながらハイラル史が構築されていたが、この本で初めてその詳細が明らかとなった。
以下、ネタバレあり。
詳細はハイラルヒストリアに詳しく記述されているが、大きな流れとしては以下の図の通り。
「スカイウォードソードがすべての始まりのストーリー」「リンクの冒険が最後」「時のオカリナ以降でパラレルワールドに分岐する」ということは以前から明らかになっていたが、まさか3つに分かれているとは。
それぞれの作品の間には何世代にも渡る長い隔たりがあり、直後の世界を描いた続編(ムジュラの仮面、夢幻の砂時計、リンクの冒険など)以外は、全く別の時代のストーリーとなっている。
また、各作品の主人公はリンクではあるが、プレイヤが自由に名付けられる設定のため、必ずしもリンクという名前が正式名称ではなく、それぞれの主人公の関連性は明らかになっていない。
前述のようにすべてのストーリーの原点はスカイウォードソードであるが、そのスカイウォードソードの作中でも古代の歴史が語られているため、今後さらに古い時代を描いた作品が登場する可能性も考えられる。
実際、ハイラルヒストリア収録の漫画でスカイウォードソード以前のストーリーが語られている。
今作ではシリーズ上の重要アイテムであるマスターソード誕生の物語が描かれている。
また、ハイラルヒストリアで今作の重大なネタバレが多数記述されているので未プレイの方は要注意。
他の作品との繋がりが明らかになっていなかった「ふしぎのぼうし」だが、この作品が(現在のところ)ハイラル史上二番目に古い物語となる。
幾つかの作品で登場する魔神グフーが、この作品では謎の男として登場し後に魔神となる。
ふしぎのぼうしで封印されたグフーの復活を描いた4つの剣も正史扱いとなっている。後述の「4つの剣+」とは異なり、時のオカリナ以前の作品となっている。
時のオカリナはすべての作品のかなめとなるハイラル史上最も重要な作品となる。
今作の中でガノンドロフが聖地に侵入し、トライフォースを奪取する。その影響でリンクは7年間眠り続け、7年後の世界で魔王ガノンを撃破する。
この時代のリンクは後の世界で「時の勇者」と呼ばれるようになる。
エンディングでリンクはガノンドロフが聖地に侵入する前の時間に戻るわけだが、ここで「ガノンドロフの聖地侵入を阻止した世界」「ガノンドロフが聖地に侵入したあとでリンクに撃破される世界」のパラレルワールドに分岐する。
また、ハイラルヒストリアでは、さらなるパラレルワールドとして「ガノンドロフにリンクが敗れたあとの世界」が設定された。
■パラレルワールド1(ガノンドロフにリンクが敗れたあとの世界)
リンクが敗北後、七賢者がガノンをトライフォースごと聖地に封印し、さらに聖地をも封印する。その後のハイラルを描いた作品が神々のトライフォースだ。
この作品でガノンは復活し、再度倒される。
ふしぎの木の実は神々のトライフォース後の世界を描いている。リンクは同一人物。
リンクは2つの世界を救い、再度復活したガノンを倒す。ガノンさんの復活力半端ない。
夢をみる島も、その直後のストーリーとなっていて主人公は同一人物。
島に流れ着いたリンクになんやかんやあって、島を脱出する。ガノンやグフーは復活しない。
このパラレルワールドの終着点が初代ゼルダの伝説とその続編リンクの冒険となる。
またまたガノンが復活して倒されたり、ガノンが復活しそうになって阻止されたりする。
■パラレルワールド2(ガノンドロフの聖地侵入を阻止した世界)
7年前の世界に戻り、ガノンドルフの陰謀を阻止したリンク(時の勇者)の次の冒険を描いたのがムジュラの仮面。
月が落ちてきたり、仮面に変な姿に変えられたりするがガノンが復活したりはしない。
リンクが仮面で遊んでいる間に、ガノンドロフが賢者たちによって影の世界に送り込まれ、その影響で影の世界が狂い始める。その後の世界を描いたのがトワイライトプリンセスである。
この世界軸だとガノンドロフはトライフォースに触れていないはずだが、勇気のトライフォースを宿したリンクが7年後の世界から戻ってきた影響を受けているのではないかと説明されている。
この作品の中で時の勇者の亡霊が登場しているが、ハイラルヒストリアでは「子ども時代に戻って以降、勇者として名を残せなかったことを無念に感じていた」と記述されているのが切ない。確かにこの時間軸だとハイラル史では名を残していない…。「あー、俺7年後の世界ではすっげー活躍したし、タルミナでも超頑張って月落ちてくるの阻止したんだけどなー」「おじいさん、その話何度目ですか」みたいなやり取りでもあったんだろうか。
そして、例によって例のごとく、この時代のリンクが復活したガノンを倒す。
「ハイラルアドベンチャー」「シャドウバトル」「ナビトラッカーズ」の3つが遊べる作品だが、ハイラルヒストリアではハイラルアドベンチャーにのみ触れている。
「4つの剣」は時のオカリナ以前だが、ハイラルアドベンチャーはかなり後の時代となっている。
4つの剣同様、グフーが復活して倒されたりなどするわけだが、今回はガノンも復活して倒される。一粒で二度おいしい。
悪いやつをダブルで倒して、この世界の物語は終わりを告げる。
■パラレルワールド3(ガノンドロフが聖地に侵入したあとでリンクに撃破される世界)
時のオカリナでガノンが封印されたあと、リンクが7年前に帰ったあとの世界を描いたのが「風のタクト」だ。
リンクが勇気のトライフォースをお持ち帰りしたような気がしないでもないが、こちらの世界にもトライフォースが残っていた。もしかしたらトライフォースじゃなくてタライとホースなのかもしれない。
ハイラルが海に沈んだり、リンクが猫目になったりしたが、今回も元気にガノンが復活。
やっとトライフォースを集めたところでハイラル王が「ギャルのパンティをおくれ」と先に願いを言ってしまい、ぶちきれたガノンを猫目リンクが倒す。ハイラルは崩壊する。
せっかく自分の国が持てそうだったのに国が消滅したゼルダとリンクが「海賊王に俺はなる」と高らかに宣言して旅立った後の物語が「夢幻の砂時計」、その後鉄道網ができるまでハイラルを再建したあとの物語が「大地の汽笛」である。
どうやらこの世界軸ではガノンは完全に倒されたようでこれらの作品でガノンは復活しない。
パラレル3ではリンクがいなくなってるので勇者の血筋が途絶えているような気がしないでもないが、時のオカリナのエンディングあたりで描かれていない何かがあったかもしれない。
パラレル1の続編をいまさら出すとは思えないし、パラレル3は話が飛躍しすぎていてリンクに猫目遺伝子が色濃く出ているので、今後続編が出るとすればパラレル2のラインだろうか。時のオカリナ以前の話でもいいが、それだとガノンが出てこられないし、影の世界のその後を描いた作品にも期待したい。
まとめ:ガノンはリンクに7回倒されている。
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