2007年12月18日

50本レビュー 1本目:「スーパーマリオブラザーズ」


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タイトル:スーパーマリオブラザーズ
発売:任天堂
ハード:ファミリーコンピュータ
発売日:1985年09月13日
バーチャルコンソール配信開始:2006年12月02日

このソフトについては散々語り尽くされていて、今さら何を書いても仕方がない気さえする。まるで古代遺跡からロケットの絵が発掘されたかのような存在。1985年のゲーム業界において、このクオリティのゲームがいったいどうして存在し得たのだろうか。多彩なステージやキャラクタについては言うまでもないが、覚えやすさ、遊びやすさに異常性すら感じてしまう。特に1-1のステージ構成の完璧さには脱帽せざるを得ない。

ゲームをスタートすると、マリオが右を向いて左端に立っている。左は行き止まりだ。Bボタンは反応がない、Aボタンを押すとその場で飛び跳ねるだけだ。プレイヤは右ボタンを押し続けるしかない。「右を押してください」と画面に説明が出るわけではない。プレイヤ自身の"気付き"にゆだねている。実際は他の選択肢を塞いで、右を押す事を強いているわけだが、この"気付き"が楽しさに繋がってくる。

右に進むとクリボーが出てくる。初回プレイでは衝突して1ミスしてしまうかも知れない。そこでこれは敵だと"気付く"。左には戻れない、右にはこちらに向かってくるクリボー。そこでAボタンでのジャンプで回避できるのではと"気づく"。続いて、ジャンプでブロックを叩ける事、土管や穴を越えられる事に気づく。最終的に、飛び越えられないポールに接触するとわかりやすいファンファーレとともに、ステージクリアが告げられる。キノコやフラワー、スターでマリオがパワーアップできる事、土管の下にコインの山がある事には最初は気づかないかも知れない。それは2回目以降のお楽しみとして残されている"気付き"だ。

説明するのではなく、気付かせる事でプレイヤに冒険している事を実感させているのだ。実際は開発者の掌の上で遊ばされているだけなのだが…。


ファミコンミニ スーパーマリオブラザーズファミコンミニ スーパーマリオブラザーズ
発売日:2005/09/13
発売元:任天堂
定価:¥2,000


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この記事の前後の記事
2007年12月19日:50本レビュー 2本目:「大人のDSゴルフ」
2007年12月18日:50本ゲームレビュー開始のお知らせ

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コメント

興味深く拝見しましたが、「説明書」の存在が忘れ去られている気もします。

発売日は1985年じゃないの?

>Cotさん
説明書を読まなくてもいいくらいの程よい操作性、難易度だということが言いたいのかなと思います。
かくいう僕自身も子供のころ初めてプレイした時、全く同じリアクションだったのを覚えています^^両親も姉妹もだいたいそんな感じでしたね。
単純だけど奥が深い。時代は違いますが、今話題になるマニアやライト関係なく楽しめるという意味でも、やっぱり伝説のゲームですね。
長文失礼しました。m( _ _ )m

>Noraさん
そうですね、ただこの「気付き」が面白さの根幹にあるような書き方だったので、それじゃ説明書から読んだ人には冒険の実感がなかったかと言えば違うのではないかと思いまして。
小さい子が説明書を読まなくてもなんとなく分かるように、段階的に操作に慣れることができるように、というのは意識されていたと思います。ただ、そこまでの話であって、説明書に書いてあるような操作方法を「見つけ出す喜び」までゲーム性にするような考えはなかったと思うんですよね。もし本当にそんなことを考えていたなら、先に説明書を読んだ人は想定されたお楽しみがひとつ減ってしまうわけで、それなら逆に説明書には何も書かれなかったんじゃないでしょうか。
なんだか最後は揚げ足取りのような書き方になってしまって申し訳ないです。ただ、このゲームって存在が大きすぎるだけに構造から音楽に至るまで超神格化されて、全てが崇高で深遠な思想と計算の元に組み上げられたように語られることが多いと思うんですね。でも当時の製作チームが考えていたことって、もっとシンプルに「面白いゲームを作ろう!」という一点だったんじゃないかなあと個人的には思ってしまうのです。それがここまでの完成度を見せたのは、宮本さん始め当時のメンバーの天性のバランス感覚によるものだとは思うんですが。
と言っても、実際のところは宮本さんしか知り得ないわけですけどね。あくまで個人的な考えですので、気分を害されたら申し訳ないです。長文、失礼しました。

数ある名作があるが,私には初めてやったこのゲームが一番です。何故このゲームが面白いのかと分析本が書けるのではないか!?十人十色の分析ができる作品でしょう!

このゲームを今の小学生が遊んだらどんな感想をもつのかな。
おもしろいと思ってくれるのだろうか。

ファミ通.comで似た記述を見た覚えがあるのですが、このレビューはゲームニクス理論を元に書かれたものでしょうか?

他にもファミコンのアクションゲームは持っていましたが、やっぱりマリオが一番ハマりましたね(私が持っていたのは3ですが)
明るいBGMと、難しすぎない所が取っ付きやすかったですv

開発者の人は本当にこういう意図があったんですか?

動きのなめらかさという点では、その後いろんなアクションゲームをやりましたが、スーパーマリオを超えるものはありませんでした!

初代マリオに帽子とヒゲを付けた理由は、ドット画でもマリオの向いてる方向をわかりやすくする為だそうですよん♪

ファミコン時代のゲームは説明書が説明書になっていなかったりしますから(ストーリーしか書いてなかったり)、説明書を読む=操作方法が分かる、とも一概には言えない。
まぁ。自分はファミコン時代にマリオを遊んだことがないので、説明書に操作方法うんぬんが書いていたかは知りませんが。

当時のマリオにそういう意図があったかは、マリオギャラクシー開発インタビューで「文字にしたら負けですからね」発言で感じなくもない。(開発者違いますけどね)

初めまして、GLFと申します。

初代マリオは、マリコレでプレイしました。
まだ幼稚園の頃だったので、初回プレイでクリボーにぶつかったかどうかは覚えてません(笑)

ジャンプ1つでブロックを叩く、敵を踏みつける等色々な事が出来るのがこのゲームのすごい所だと思いますね。
BGMや効果音も良いです。

1985年の頃は、自分はまだ生まれてなかったのですごく残念ですね。
リアルタイムで触れた人が羨ましい・・・。


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