2004年10月20日

ニンテンドーDSの知名度がピンチ?


スポンサーリンク

民間の調査機関「C-NEWS」が10歳から49歳のインターネットユーザー300名へ行ったオンラインアンケート調査によると、ニンテンドーDSの認知度は「名前は聞いたことがある」が5割だったという。

C-NEWSが実際にアンケートを行ったときの入力画面はこのようになっている。完全な調査結果に関しては、有料での公開となっているが、ある程度の調査レポートは掲載されている。ITmediaの記事はここから抜粋したもののようだ。

Q5:任天堂から新しく発売される携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」について、あなたはどの程度知っていますか? もっとも当てはまるものをお選びください。
1.機能などを詳しく知っている
2.機能などを何となく知っている
3.名前は聞いたことがある
4.知らない
※便宜上、選択肢に出典元にはない1~4の番号を付加した

この項目で「機能などを詳しく知っている」は1割弱、「名前は聞いたことがある」は5割強とのことだ。その他の2項目、「機能などを何となく知っている」と「知らない」の間には意味合いに大きな隔たりがあるが、抜粋したデータでは4割の回答者がどれほどの配分でこれらの項目に答えたのかは掲載していない。こういった調査でキモとなる部分は「知らない」以外の3項目の合計数、つまり「名前かそれ以上のことを知っている」という回答者がどれだけ居るかと言うことだろう。

実際にはその隠れた数字はどれだけのものか考えてみる。まず、「3」が5割を超えて存在しているのに、「1」と答えた人数が「2」を超えることはないのではないだろうか。ネット上での調査と言うこともあり、母集団にはそれなりの偏りがあるにしても、詳しい人間が何となく知っている人間を超えることはめったにない。少なくとも1割半ば以上の人数が「2」と回答しているものと思われる。すると、「4」つまり知らないと答えた回答者はせいぜい2割強と考えられ、DSの認知度は7~8割ぐらいあると考えて問題ないだろう。

こうして考えるとITmediaの付けた見出しで誤解を招いているのかもしれない。

C-NEWSに掲載されているいくつかの円グラフを眺めていると、30代以上よりも10代のほうが機能に関して高評価をしている。また、価格の評価は30代が50~80点と評価した割合が高いのに対し、10代では両極端な評価が比較的多い。回答者各個人のサイフの具合が大きく影響しているのだろう。

ところで、DSの知名度がある程度高いとは言っても欲しがっている人はあまりいないようだ。PSPが欲しいと答えたのが3割強、ニンテンドーDSが1割半程度だという。これだとPSPがDSの二倍以上に見えてしまうが、両方欲しいと答えたのが3割弱いるので、実際はPSPが6割程度、ニンテンドーDSが5割に満たない程度ということになる。

年代別に見ると10代ではPSPだけを購入すると答えている人数が、DSだけを購入すると答えた人数との差が大きい。だが、30代以上では差が狭まっている。DSの購入意欲も30代のほうが強い。それでも全体的にDSが大きく負けていることには変わりない。

これはどうしたことだろう。原因はいくつか考えられる。

まず、ニンテンドーDSについてアンケート内で15,000円という価格や各種機能が明記してある一方で、PSPに関しては問いの文中で「ソニー・コンピュータエンタテインメントも携帯型ゲーム機「PSP」を年内に発売する予定です」と言及があるだけだ。実際、15,000円に対して10代では50点以下を付けているのが50%も居る。それぞれの感じる商品価値が違うから一概には評価は出来ないが、15,000円より高いようであれば、価格面で魅力を失い買い渋りが起きないはずがない。今回のアンケートでも7割の回答者が携帯ゲーム機の価格を重視すると答えている。どちらに傾くかは分からないところではあるが、実際のPSPの価格が発表されたり、詳細が記入されていれば購入意欲に変化が出るかもしれない。

いや、「変化が出るかもしれない」なんて曖昧な考えで原因だと言い張っても仕方があるまい。そう、他に何か明確な原因があるはずだ。うむむ。いや、しかし、実際PSPは一般に公開されている情報が少ない。なんせ、PSPはCMをまだやっていないのだ。・・・ん?CM?

そういえば、今回の調査ではCMに関するアンケートも行われている。「確かに見た」のが6割とのことだ。その6割の回答者には自由記入欄にCMの感想を求めている。

「宇多田ヒカルが出演しているCM」を『確かに見た』6割強の回答者に、見て感じたことを自由回答で聞いたところ、「楽しそう」「インパクトがある」などもあったが、「機能が伝わらない」「服がいや」などの意見もあり、賛否が分かれた。

・・・・どうやらDSの購入意欲が低い原因の一つが判明してしまったようだ。


スポンサーリンク


この記事の前後の記事
2004年10月20日:Touch-DS.jpでMy First Touch!DSを掲載中
2004年10月12日:ニンテンドーDSの発表タイトルについて考える(4)-任天堂編4-

最新記事
2024年02月20日:3万アカウントの凍結を見届けた 趣味としてのTwitter(X)スパム報告
2023年06月25日:任天堂株主総会レポート2023
2023年06月21日:レビュー:ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム
2022年06月30日:任天堂株主総会レポート2022
2022年03月15日:Hue Sync Boxで映像とゲームを画面の外から強化する
2021年03月11日:シンエヴァを鑑賞した人たちを鑑賞した[ややネタバレあり]
2021年02月12日:藤子・F・不二雄「ノスタル爺」を読み解く
2021年01月18日:「呪術廻戦」単行本での加筆修正一覧(15巻まで)
2020年09月28日:「2.5次元の誘惑」がとにかく熱い
2020年04月08日:緊急事態宣言が発令された日の雑感



- N-Styles -