2011年11月19日

レビュー:スーパーマリオ3Dランド


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幼い頃に初代スーパーマリオブラザーズに触れてから、マリオシリーズはすべて遊んできた。初代の流れをくむ2Dマリオシリーズと、NINTENDO64と同時に誕生した3Dマリオシリーズがあるが、どちらが好きかと聞かれたら、3Dマリオを選ぶだろう。
しかし、世間ではそうではないらしい。

VGChartz調べのマリオシリーズ歴代売上トップ10は以下のとおり。赤が2Dマリオ、青が3Dマリオだ。

1FCスーパーマリオブラザーズ4024万本
2DSNEWスーパーマリオブラザーズ2607万本
3WiiNEWスーパーマリオブラザーズWii2230万本
4SFCスーパーマリオワールド2061万本
5GBスーパーマリオランド1814万本
6FCスーパーマリオブラザーズ31728万本
7N64スーパーマリオ641189万本
8GBスーパーマリオランド21118万本
9SFCスーパーマリオコレクション1055万本
10Wiiスーパーマリオギャラクシー967万本

そりゃ、NEWマリオにつづけてNEWマリオWiiも作るよと思うぐらいの2Dマリオの人気っぷりだ。

この売上を見て、それでも任天堂は、NEWスーパマリオブラザーズ2ではなく、3Dマリオの最新作をニンテンドー3DSで発売した。奥行きのある画面と、アナログスティック(アナログパッド)を駆使した、まぎれもなく3Dマリオシリーズの最新作だ。

社長が訊くシリーズで語られているが、3Dマリオシリーズにおける基本ルールをすべてリセットして、イチから新作を作り上げている。

そして、3Dマリオに気軽に楽しめる2Dのテイストを盛り込むことに成功した。
パッケージにも「手軽に気軽に3Dマリオ」と書かれている。

3Dなのだから、すべての方向に自由に進めるべきであるという発想を捨てたのが一番大きい。

スーパーマリオ64をはじめとする3Dマリオでは、各ステージのクリア条件がバリエーション豊かだった。基本は特定の場所に置かれたアイテムを取得すればクリアだが、ステージによってはボスを倒したり、複数のアイテムを集めたり、謎解き要素が多い。

それに対し、3Dランドでは「ゴールポールにたどり着く」というシンプルなゴールを1つだけ用意した。ボスが登場するステージですら、倒したあとでゴールポールがある場所にワープするという徹底ぶりだ。

今までは、今まさに置かれている危機的状況への対処と、ステージ全体のクリア条件達成の2つのことを考えながらプレイする状況が発生していたが、3Dランドでは目の前の問題にだけ対処して前に進みさえすればそのうちゴールに辿りつける。
目的をシンプルにしたことで、「頑張って難関を超えたのに、ゴールは逆方向だった」という悲劇も起きなくなり、ストレスがたまらない。
これが思いのほか快適で、サクサクとゲームが進む。やめどきがわからず、プレイし続けてしまう。

また、アナログパッドに「8方向、2速のみ」と制約をつけている。

通常、アナログパッド(スティック)は、360度どの角度にも進むことができ、速度も自由に調整できるので、マリオ64ではBダッシュを廃止していた。アナログスティックで微速度に調整するのは、結構難しい。3DランドではダッシュはX/Yボタン併用とすることで、何も考えずに全力で倒すだけでよくなった。

さらに、方向を上下左右斜めの8方向に限定したことで、3Dマリオで起こりがちだった「細い足場に着地しようとしたら、少し斜めにジャンプしてしまい落下した」というシチュエーションが大幅に減った。
全体的に操作感はすこぶる良い感じ。ただ、走りながらしゃがんだ直後にジャンプする「幅跳び」は、少しやりづらく感じた。今までの3DマリオだとしゃがみでZトリガーなどの背面ボタンを使用していたため、同時押ししやすかったが、L/Rボタンに変わっているのが原因だろう。
幅跳びのやりづらさは開発スタッフも認識していたのかはわからないが、幅跳びしないとクリアできない場面は存在しない(タヌキマリオのジャンプのほうが飛距離が長い)

視点変更機能をほぼ廃止したのも大きい。
一応十字キー左右で、左右を少し見渡すことができるという機能は残しているが、ごく一部のステージを除いてほぼ一本道なので全く必要ない。

素人判断だと、視点変更が自由にできるようになっていたら、このゲームはより面白くなるように思える。
横スクロールのシーンで、あえて主観視点にしたり、視点変更すれば初めて気づく仕掛けを用意したり、遊びのバリエーションが増える。視点変更は2Dゲームに対する大きなアドバンテージだが、今回はあえてそれを排除した。

普通にプレイしていれば遊びやすいのに、間違えて視点変更をしてしまって遊びづらくなるのを防いでいるのかもしれない。
ステージ構成がシンプルで、進む方向が固定されているので常に一番遊びやすい視点になっている。
全編通して視点でストレスを感じる部分はなかった。

難易度も絶妙だ。
NEWスーパーマリオブラザーズWiiで導入された初心者救済システムは更に強化され、クリアするだけなら初心者でも比較的楽ちんになっているが、上級者向けのスペシャルコースが表ステージと同じだけ用意されている。
プレイしやすくなった分、後半ステージの仕掛けは極悪になり、全ステージ完全クリア後に解除される最終ステージは(ギャラクシー2のアレよりはマシだが)相当難しい。クリアまで100人以上のマリオが地の底に落ちた。
難しいステージも理不尽さを感じるレベルではなく、ほどよい難しさでクリア後の達成感もある、いいバランスだと感じた。

全体的に見て、「敵を倒して、ジャンプして、ゴールする」というシンプルなゲームに仕上がっているが、シンプルさを感じさせない作りになっている。
多機能になればなるほどより複雑な楽しみ方ができる反面、ついていけなくなる人が出てくる。「複雑さの排除」がこのゲームの開発現場で徹底されたのだろう。

例えるなら、卓上に多数の調味料が置かれたラーメン屋と、一つも置いていないラーメン屋の違いだろうか。
客が何も味付けしなくても、最高の味でラーメンを出してくれれば調味料を足す必要はない。

最高のラーメンを、ありがとう。
ごちそうさまでした。


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コメント

待たされただけあって、完成度高そうですね。
しかし、年末の任天堂ラインナップは、凄まじさを感じます。
やりたいゲームがいっぱいありすぎる(>_<)
背水の陣的な感じですね。

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