2007年01月14日

ゲームの売り上げの歴史を可視化(2006年版)


スポンサーリンク

ファミ通調べの2006年の年間売り上げTOP100が発表された。トップ10のうち、8本がNINTENDO DSソフトで、しかも8本すべて任天堂と関連会社(株式会社ポケモン)で占めているという異常事態になった。

年間1位の「ポケットモンスターダイヤモンド/パール」は1997年の初代ポケモンの399.5万本の記録を超えた430万本を販売し、日本のゲーム市場で初となる年間400万本超え(クアッドミリオン…で良いのかな?)を達成。2位の「Newスーパーマリオブラザーズ」と、3位の「もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング」もそろってトリプルミリオンを達成、こちらも初となる年間のトリプルミリオン3作品となった。4位の「おいでよどうぶつの森」と6位の「脳を鍛える大人のDSトレーニング」の2本も累計でトリプルミリオン、2006年中に累計トリプルミリオン到達が5作品というのも初めてのことだ。さらに、日本のゲーム市場ではじめて据置型ゲーム機の市場規模を携帯ゲーム機が凌駕し、市場全体としても大幅に拡大することになった。とにかく、初ずくし、記録ずくめの1年だったといえる。

以前、1996年から2005年までの売り上げの歴史を可視化する試みを行い、「見づらい」「目がちかちかする」「色弱差別」「意味がよくわからない」と大変好評だったので、今回のデータをぶち込んで画像を再作成してみた。図の作成方法は前回の記事で追記している。

1996年~2006年の年間売り上げTOP100

今回もやはり、続YSOさんから元データを拝借。いつもお世話になっております。

画像の見方を簡単に説明すると、鮮やかな色の四角いマスのひとつひとつがゲームソフトのプラットホームを表していて、一番上が年間1位のソフト、一番下が100位のソフトになっている。ぱっと見はごちゃごちゃして見づらいと思うが、ひとつの色に集中してみると、なんとなく分かってくるかと思う。

まずは赤色に注目して欲しい。やっぱりニンテンドーDSは勢いがある。占めている割合が大きいこともあるが、特に上位がDSソフトだらけだ。下位はPlaystation2ソフトが増えるが、上位の圧倒的な販売本数と比較すると、ドングリの背比べ状態で本数で考えると割合は少ない。販売本数を組み込んだ図はあとで掲載する。

薄いねずみ色で示したWiiは、ハーフミリオンを達成した21位の「Wii Sports」を筆頭に4本がランクイン。PLAYSTATION3用ソフトは最大でも10万本程度で、2006年度の年間ランキングではすべて圏外となった。ちなみに、2006年のボーダーラインは15万本となっている。また、Xbox360ソフトもランクインしていない。

続いて、2006年1年間の週間トップ10の推移を見てみる。

2006年の各週TOP10

こちらも図の見方は同じで、上が1位のプラットホーム、下が10位を表している。こちらの元データはegからのもので、メディアクリエイトによる集計のデータになる。ファミ通とは異なり、ポケットモンスター2作品を別のソフトとしてカウントしている。

文章で説明するまでもなく、1年にわたって上位がニンテンドーDSソフトで占領され続けた様子が見て取れるかと思う。通常、ゲームソフトは発売週に累計販売本数の6~8割程度を販売し、それ以降は一気にランク外にまっしぐらとなるが、年間ランキングで上位に位置するニンテンドーDSの定番ソフトは発売から1年が経過しても確実に万単位での売り上げを記録している。そのため、強力なヒット作が出ない週だと上位がDSソフトで占領されてしまうことになる。

Wiiは年末に発売されたため、5週のみとなるが発売翌週以降も2作品ずつTOP10に入り込んでいて好調な様子。こちらも発売週に売り上げが集中せず、ロングセラーの傾向を見せている。特に「Wii Sports」や「はじめてのWiiパック」といったソフトが好調な売れ行きを示していて、年度末までにミリオン達成の可能性が高そうだ。

一方、Xbox360は「デッド オア アライブ エクストリーム2」と「ブルードラゴン」がそれぞれ発売週に1週ずつランクイン、PLAYSTATION3も「リッジレーサー7」と「機動戦士ガンダム ターゲット イン サイト」の2作品が発売週に1週だけランクインしたのみ。本体の普及も伸び悩んでいる様子で、本格的にPLAYSTATION3ソフトがランキングに顔を出すようになるのは、2007年の年末商戦を待つ必要がありそうだ。


2006年の年間TOP100のうち、ニンテンドーDSソフトは36本であるのに対し、Playstation2ソフトは43本もある。1年を通して、図を真っ赤に染めるほどDSソフトがトップ10入りしたのに、PS2のほうが数が多いというのは違和感がある。そこで、次は販売本数ベースで比較してみる。

1ドット=5万本で整形プラットホームごとに並び替え

クリックして原寸大表示したときの縦1ドットが売上本数5万本にあたる。右の図は、左の図と同じデータをプラットホームごとに並び替えたものだ。
隣り合ったソフトの間にスペースを空けた図も用意した。販売本数順/プラットホーム順

スペースを空けた方の図で見たほうがわかりやすいと思うが、冒頭でも説明したように2006年の上位作品の販売本数は異常な本数になっている。ソフトの種類としてはPS2が数多くTOP100入りを果たしたが、販売本数で比較すると、ニンテンドーDSソフトが2倍以上売れていることになる。TOP100圏外での数字を加算するともうすこし差は縮まるが、それでもDSのソフト市場規模はPS2の2倍近い。

また、PSPとニンテンドーDSのソフト販売本数を比較すると、その差はほぼ10倍。ポケモンだけでPSP全ソフト以上の本数を売り上げている。携帯ゲーム機市場が拡大したと言われるが、実はDSだけで日本のゲーム市場の過半数を占めていて、その他の携帯ゲーム機がなかったとしても携帯ゲーム市場が据置型ゲーム市場を凌駕していることになる。


売り上げデータをどう切り取っても「DSすげえ」で終わってしまう2006年だった。2007年はいったいどうなるだろうか?ニンテンドーDSが席巻し続けるのか、勢いがつき始めているWiiがどこまで伸びるのか、PLAYSTATION3にいつごろ火が付くのか、Xbox360は倒れたままなのか、色んな意味で楽しみだ。


スポンサーリンク


この記事の前後の記事
2007年01月17日:スクウェアエニックス、直販サイト「e-STORE」を開店
2007年01月13日:Wii用ソフト「エキサイトトラック」のCM放送開始

最新記事
2024年07月10日:任天堂とアクセシビリティ
2024年06月28日:任天堂株主総会レポート2024
2024年06月16日:10年ぶりにテレビ周りを刷新した話
2024年05月01日:次世代Switchの現実味のある予測(2024年5月現在)
2024年02月20日:3万アカウントの凍結を見届けた 趣味としてのTwitter(X)スパム報告
2023年06月25日:任天堂株主総会レポート2023
2023年06月21日:レビュー:ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム
2022年06月30日:任天堂株主総会レポート2022
2022年03月15日:Hue Sync Boxで映像とゲームを画面の外から強化する
2021年03月11日:シンエヴァを鑑賞した人たちを鑑賞した[ややネタバレあり]


トラックバック

» ゲームの売り上げの歴史 from PETAX1001
どうも、PETAX1001です 最近こんなモノ見つけました。 ゲームの売り上げの歴史を可視化(2006年版) これをみると今年いかにDSのソフトが売... [Read More]

コメント

Wiiは一度本体とゼルダを買ってゆっくりプレイしたいですねぇ。

>PLAYSTATION3にいつごろ火が付くのか

お尻に火がつかないことを祈りま(ry

二兎追う者は一兎も得ず…

今のソニーにこれほど当てはまる言葉は無いでしょう。PSPなんて劣化GBA出さずに素直に据え置き機だけで頑張ってれば今よりはマシな状況だった筈なのに…。欲って恐いですよね。ホントに。

ま、でもPSPをアドバンスの劣化だと思っている人は誰もいないと思いますけどね。

何だかんだいってPS2は強いですなぁ・・・
据え置きよりも携帯になってきた2006年まだDSと肩を並べられるぐらい

2006ってPS2でそこまでいいゲーム出た記憶はないですが


- N-Styles -