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9月14日、ニンテンドーゲームキューブが発売された。対応ソフトも3本発売されたが、その話はおいといてとりあえずハードを徹底検証してみようと思う。単純にゲームキューブそのものを検証しても良いのだが、他のハードと比較するのがわかりやすくて良いだろう。ゲームキューブの対抗馬となるのはプレイステーション2、もしくはXboxだが、前者は持っていないし後者は発売されていない。それならば任天堂の家庭用の1つ前の世代のマシンと比較するのがよいだろう。
紫と黄色の対比。 |
というわけで、ゲームキューブと64DDのパッケージを並べてみた。ゲームキューブはコンパクトさを前面に出すために段ボールのみを使用しており、今までの機種のような発泡スチロールによる衝撃対策がなされていない。上面に取っ手が付いているので落とす心配が少ないと言うことだろうか。本体自体もかなり頑丈であるのであまり心配するほどのことじゃないのかもしれない。大きさはやはり小さい。ソフトなどがパッケージに同梱された64DDと比較すると一回り小さい印象だ。
ゲームキューブと64DD。64DDの上の溝が涙を誘う。 | 三段重ね。ホコリの蓄積っぷりが涙を誘う。 |
箱から本体を取り出して比較してみる。高さはゲームキューブの方が遙かに高いが、幅がかなり狭く、奥行きも若干小さい。重量もわずかにゲームキューブの方が軽くなっている。双方の説明書などから大きさなどを比較してみよう。
ゲームキューブ | 64DD | |
型名 | DOL-001(JPN) | NUS-010(JPN) |
使用電源 | DC 12V 3.25A | NINTENDO64(NUS-001(JPN))より供給 |
消費電力 | 39W | 14.40W |
使用温度範囲 | 10〜40℃ | 5〜40℃ |
使用湿度範囲 | 20%〜80% | 20%〜85%RH(結露無きこと) |
外形寸法 | 幅 150mm × 奥行き 161mm × 高さ 110mm | 幅 260mm × 奥行き 190mm × 高さ 78.7mm |
重量 | 約1400g | 1.6kg |
データ転送レート | 16Mbps〜25Mbps | 約1.0Mbyte/秒(最大)=約8Mbps |
ソフト容量 | 約1.5GB | 約64.45MB(64,458,560byte):書き込み領域を含む |
付属品-重量 | ニンテンドーゲームキューブ ACアダプタ(DOL-002(JPN))-約320g ニンテンドーゲームキューブ コントローラ(DOL-003)-約270g |
NINTENDO64 メモリー拡張パック(NUS-007)-42g NINTENDO64 ターミネーターパックイジェクタ(NUS-012)-2g NINTENDO64 モデム(NUS-029(JPN))-126g モジュラーケーブル(HVC-053)-50g ランドネットディスク(NUS-011(JPN))-43g 他、対応ソフト、周辺機器など(別梱包) |
64DDの同梱品の充実ぶりには唖然とするが、容量や転送レートはゲームキューブの方がかなり上である。消費電力も多い。さすが最新機種である。しかし64DDのほうが使用可能な温度や湿度の範囲が広い。梅雨時や冬場には注意が必要だ。最新機種が故の脆弱さだろうか。除湿器や暖房の使用を推奨する。というか10℃以下でゲームをしたら振動機能がなくても震えられるし、普段より早く連打できちゃうかもしれない。
端子はネズミ色がNINTENDO64マウス、紫色がゲームキューブコントローラのもの。 |
64DDのコントローラと言えば誰が何と言おうとNINTENDO64マウスである。文句は言わせない。これは「マリオアーティストペイントスタジオ」に同梱されている2ボタンとマウスボールを使用したポインティングデバイスである。それと比較してゲームキューブコントローラはボタン数が飛躍的に増加しており二軸のアナログスティックに2つのアナログトリガーと、非常に充実した構成になっている。また、マウスパットを必要としない点も特筆すべきであろう。64DDの完敗である。本体との接続コネクタ部分はNINTENDO64マウスがプラスチックを主体としており、金属部分が見えないようになっているのに対してゲームキューブコントローラは表面が金属製である。もちろん端子部分は内側に保護される形になっており触ることは出来ないので安全だ。むしろ表面が金属になったことにより滑りが良くなって抜き差しが楽になった印象がある。なお、NINTENDO64マウスは64DD用のコントローラだが64DDには接続せずNINTENDO64本体に接続する使用になっているので、注意が必要だ。
ゲームキューブコントローラを単体で検証すると、最初の印象はスペースワールドで触れた印象そのものなのでそのときに掲載した文章を参考にしていただきたい。長時間触れたあとの印象として1つ付け加えるとするとZボタンは連打や押しっぱなしには適さないが、今までのセレクトボタンやスタートボタンのようにメニューを開くような機能に割り当てられた際には、今まで思っていた以上に操作しづらいと感じることはなかった。あくまで補助的に加えられたボタンだと思った方がよいだろう。
左側がウェーブレース、モンキーボール。 右側がシムシティー64、マリオアーティストペイントスタジオ |
上がルイージマンション、下が巨人のドシン1 |
64DDのソフトは同梱品のない場合はプラスチックのケースがむき出しで、それを開くと音楽CDと同様に左に説明書、右にディスクが納められている。それに対してゲームキューブのソフトは四角形の筒状になった紙製のカバーに覆われて、中にプラスチックのケースがあり、やはりそれを開くと左に説明書、右にディスクが納められている。プラスチックのケースがすべて透明なのが特徴だ。ディスクの収納スペースの上にメモリーカード用の収納スペースがあるのがありがたい。なお、64DDソフト「巨人のドシン1」もゲームキューブ用ソフト同様に紙製のカバーに覆われている。説明書の見開きサイズの操作説明カードが付属するのもありがたい。ゲームキューブでこの操作説明カードが無くなったのは少しさびしい気がする。今のところ操作を覚えられないようなソフトは存在しないが、説明書をめくっていちいち操作説明のページを探すのは非常に面倒だ。
64DDとばかり比較するのもアレなので、各種媒体とゲームキューブディスクの比較を行ってみよう。ゲームキューブディスクは独自仕様フォーマットのディスクであるが、形状は外径、内径、厚みともに一般の8cm光ディスクと同一である。昔のシングルCDやごく一部のDVDソフトが同じサイズとなっている。
なんでこんなに持っているのか自分でも不思議 |
上の写真は拡大して表示するとわかりやすいだろう。若干ずれているが下表のような配置になっている。
ゲームキューブディスク | NINTENDO64 ROMカセット | スーパーファミコン SFメモリカセット | |
CD-R | スマートメディア | コンパクトフラッシュ | 64DD ディスク |
ゲームキューブ メモリーカード59 |
SDメモリーカード | ||
プレイステーション メモリーカード |
NINTENDO64 コントローラパック |
ゲームボーイアドバンス カートリッジ |
ゲームボーイカラー対応カートリッジ (振動対応) |
ゲームキューブディスクとメモリーカード59が小さいことが分かるが、小さいことによるデメリットがないわけではない。メモリーカード59は不用意に放置するとすぐに見失ってしまう。本体に刺しっぱなしにするか、ソフトのパッケージの収納スペースに納めるようにしておいた方がよいだろう。SDメモリーカードも小さいが、ゲームキューブ用のアダプタに刺しっぱなしにするか、購入したときにケースが付いてくるのでそこに納めておけば問題ない。というか、せめてフラッシュメモリの規格は各社で統一していただきたい。色々持っていても流用できなくて非常に困る。
ゲームキューブに興味津々なフェレットさん。オコジョさんではない。 |
最後に、室内でペットを飼っている人なら一度は経験したことがあるであろう「猫リセット」という現象ついてゲームキューブがどれほど耐久性があるか検証してみる。この現象はペットがリセットボタンを押してしまうという非常に悲しい現象である。猫以外のペットが原因のこともあるがこの名称が定番となっている。犬リセット、イグアナリセット、フェレットリセット、酔った親父リセット、教育ママリセットなどと派生語をたくさん生むよりも猫リセットで統一する方が良いだろう。猫リセットを喰らっても振り上げた拳の行き所はない。なんせ相手は愛するペットで、悪意があってやったわけではないのである。消えてしまったデータを前にただ呆然とするのみである。光ディスクを用いたゲーム機が普及するに従って新技「猫オープン」を習得したペットが各地に出現したようだが、オープンボタンはリセットボタンよりも被害が少なくて済むのでありがたい。
一説によると暖かいところを好む猫が、長時間プレイによって熱を帯びたゲーム機にじゃれついてしまうのが原因だとされる。ゲームに入り込みすぎて飼い主=プレイヤーが注意散漫になっていることも一因だろう。そう考えると「セーブせずに長時間プレイしていたときに限って猫リセットを喰らう」というマーフィーの法則的な定理も証明可能だろう。ちなみに、うちのフェレットはむしろ暑いのは苦手なので熱探知してリセットを押すことはないが、ダッシュでスーパーファミコンのACアダプタと本体との接続部分をピンポイント爆撃する。去年の話だがワゴンセールで200円で売られていたファイナルファンタジーV(なにをいまさら)を割り箸とテープでボタン固定して30時間ほど自動レベル上げ(裏技)している時にやられたときには泣きたくなった。そして二度とプレイすることはなくなった。今ではゲーム中にケージからフェレットを出すことはない。
ゲームキューブと戯れるフェレットさん。肉食目イタチ科である。 |
さて、ゲームキューブだが、十分な高さがあり面積が狭いためため容易に上に乗られることはない。上の写真では乗っているが無理矢理撮影したものだ。ゲームキューブのリセットボタンなどは出っ張っていないためまず押されることはないであろう。試しにプレイ中に本体を激しく動かしてみたが、ペットの体当たり程度ではショックで止まってしまうこともあまりないようだ。本体背面の各種ケーブルもしっかりと刺さるため、ペットが触れても接触不良でゲームが止まることはないだろう。しかし、64DDのイジェクトボタンほどペットに押されづらいボタンは存在しないのでこの点では64DDの勝利だと高らかに宣言したい。また、64DDとNINTENDO64の接続部分をペットが外してしまったら、たとえデータが壊れたとしてもペットを褒めてやっても良いぐらいだ。その様子をビデオに撮影して視聴者ビデオ投稿番組に送れば採用されるであろう。ただし、NINTENDO64側のリセットボタンを押されたらアウトなので64DDだけが猫リセットに強くてもしょうがない。
パナソニックから発売されるゲームキューブ互換機「SL-GC10」を導入するのも猫リセット対策に有効かもしれない。ボタン類が正面にあり、上には液晶表示部があって猫は上ることが出来ない。だが、おそらく現在猫リセットに最も強いのは縦置きしたプレイステーション2に間違いないだろう。縦置き可能にしたのは猫リセット対策だと断言してもよい。しかし、縦置きスタンドを買うのを渋ると本体自体を倒される危険をはらんでいるのも忘れてはいけない。そうして縦置きスタンドの需要も増えるのである。非常に考えられた戦略だと言えよう。猫を部屋に放置したままDVDを鑑賞しても何ら問題ないのである。しかし、横置きスタンドは猫リセット対策とは関係なさそうだ。
次回はゲームキューブ同時発売ソフトを1つずつレビューしていきたい。今度は真面目に書くので許してください。
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