ポケモンGOリリースに寄せて

“フィーバー”、”一世風靡”、”熱狂”、”ブーム”、”社会現象”…世間で何かが流行するとそういった言葉で語られる。だが、多くの場合は誇張表現であったり、実際に流行っていたとしても特定ジャンル内でトップになるレベルで、その影響を肌で感じることは少なく、本物の社会現象と呼べるような流行を長い間感じたことがない。
そんな中、正真正銘、本物の社会現象が起きた。ポケモンGOである。
7月22日、すでに海外で旋風を巻き起こしてきたポケモンGOは日本に上陸した。
瞬く間にダウンロードされ、Android/iOSのランキングで1位を奪う。夏休みの子供達は街に飛び出し、仕事を終えたサラリーマンたちもそれに続く。周りを見回すと、スマホを持ってニコニコしている人たちがあふれていた。
まわりのポケストップにはルアーモジュールがセットされたことを意味する桜吹雪が舞っている。
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任天堂株主総会レポート2016

今年もこの季節がやってきた。
株主総会への参加は4年目。岩田さんがお亡くなりになり、君島社長が就任して初の株主総会となる。
過去の記事はこちら
任天堂株主総会レポート2013 | N-Styles
任天堂株主総会レポート2014 | N-Styles
任天堂株主総会レポート2015 | N-Styles

すれ違い通信はさすがに下火

昨年は雨の中での開催だったが、今日は曇り。
今回は、本社そばにある研究棟での開催となって3年目となる。
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開始時刻まで時間があるので、資料を読みながら待機。
今回の争点としては「スマホアプリ進出の進捗」「ポスト岩田体制の成果と展望」あたりがメインで、時事ネタとして「英国のEU離脱に伴う経済混乱への対応」が入って、「NX」についてはいつものように「現在はお話できる段階ではありません」とはぐらかすことだろう。
毎年、いい大人が揃って3DSを取り出してすれ違い通信を楽しみながら開会を待つのだが、さすがに今年は少なくなってて、スマホをいじってる人の方が多い。
それでも結構な人数とすれ違ってて、2回目・3回目のすれ違いの人が多数。毎年持ってきてる人達だ。あいさつも株主総会仕様になってる。「岩田社長ありがとう」のメッセージにしてる人も…。

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Miitomoで任天堂は何を狙っているか

3月17日に任天堂製スマホアプリ第一弾の「Miitomo」がリリースされた。
Wiiから採用されたアバター”Mii”を着飾ったり、質問に答えたりするコミュニケーションツールだ。
さっそく、iOSの無料アプリランキングでダウンロード数1位になっており、3日で100万ダウンロードを達成している。その後も1週間にわたって、1位を維持し続けるなど、好調な出だしだ。
もちろんリリース直後にダウンロードし、それ以降毎日遊んでいる。周りに任天堂ファンが多いため、あっという間にフレンドの数が膨れ上がった。
半月ほど遊んでみた雑感としては「今のところ、必要な機能が揃っていないものの、可能性は十分に感じられるアプリ」という感じだ。
前述のように、Miitomoは任天堂のスマホアプリ第一弾である。このアプリについて触れる際には、岩田社長がスマホ進出に向けて記者に語った言葉を元に考えていく必要がある。
このスマホ進出の発表は、ちょうどアプリリリースの1年前である2015年3月17日に行われた。
任天堂株式会社 株式会社ディー・エヌ・エー 業務・資本提携共同記者発表

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私を構成する9本のゲームと、その解説

SNS上で「私を構成する9本」というお題が流行っている。
元は「私を構成する9枚」で、CDを並べたものだったが、ゲーム好きや映画好きが改変して「9本」としている。
せっかくなので私も作ってみた。
画像作成は、スマホアプリの「Layout from Instagram」を使うと楽だ。

#私を構成する9本

NStylesさん(@nstyles)が投稿した写真 –


おおむね好きなゲームを並べているのだが、「私を構成する」というお題であることを考慮したチョイスだ。
作成した後で、「あれも入れておくべきだった」といくつか思い浮かんだが、こういうものは最初のフィーリングが大事なので手をくわえないことにした。
以下、それぞれのソフトの思い出。

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スーパーマリオ30周年記念ライブに感動した

9月21日に東京国際フォーラムで開催されたスーパーマリオ30周年記念ライブに行ってきた。距離的には大阪のほうが近いけど、まあせっかくだしマリオ好きのメンツを集めやすそうな東京の方で上限の6枚チケットをとりあえず確保して、友人から同行者を募って行った。
前日に東京入りして、安倍吉俊さんの個展を見たり、その近くでたまたま行われていた某漫画家の結婚パーティを遠巻きに眺めたり、ローストホースで店長に怒られたり、なぜかタレントさんとリアル脱出ゲームに参加してあと一歩のところで脱出に失敗したり、カフェでオーダーしてから1時間以上待たされたり、ライブまでの時間にいろいろあった。
開場時間に集合して、まずは物販コーナーに向かったのだが、どうも入場時間のだいぶ前から物販コーナーは先行販売していたらしく、会場限定のTシャツとマグカップは残念ながら売り切れ。なんとかパンフレットは買うことが出来た。
座席はちょうど中央部分の2階3列目。まあ、視界は広いのだけれどステージが遠い…。
ステージははてなブロックや土管で飾られていて、大変マリオっぽい。正面には大きなスクリーンもある。

客層は、30代男性がメインっぽい雰囲気ではあるものの、小学生らしきお子様もたくさん。女性も思っていた以上に多い。
多くの人たちにマリオが愛されていると感じた。

自分たちの席の目の前にはかわいらしい小さなマリオブラザーズがいた。

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任天堂株主総会レポート2015

いままで、任天堂株を”最も高い任天堂グッズ”と呼んでいたのだが、マリオカート8とコラボしたメルセデス・ベンツGLAをマリオグッズとみなした場合に、そちらが最高額になってしまうという問題が発生している。
というわけで、最高額ではないかもしれないがそれなりに高い任天堂グッズの権利を行使しておととし昨年につづいて任天堂の株主総会に行ってきた。

あいにくの雨

最寄り駅からは交差点ごとに若手の任天堂社員が案内板を持って立っていてくれるので会場まで一切迷わなくて済むのだが、結構な雨でお気の毒な感じだった。風邪ひかないようにね。

去年と同じく研究棟での株主総会。ビルも中身もトイレもピカピカ。
入場開始時刻より少し早くついてしまったので、ロビーで待機。冷たいお茶が出た。
会場入りしてから1時間やることがなく、3DSのすれちがい広場で暇つぶし。周りにも同じことを考えている人が多数いて、全国からやってきたMiiがひっきりなしに私の3DSに吸い込まれていく。数十名ほどすれ違いを消化したところ、昨年すれ違った人も多数いて、二度目のすれ違いになっている方が結構な比率で存在した。おかげで今まで一度もすれ違うことのなかった高知県民ともすれ違いに成功し、全都道府県とのすれ違いに成功した。ありがたい。
そんなこんなで、1時間経っていて役員の方々が入場。
岩田社長はネット越しに見るよりもスリムになった様子だが、病気でやつれているという印象は受けなかった。

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任天堂とDeNAの提携は何を目指すものなのか

任天堂とDeNAが共同会見を開き、資本提携および業務提携を行うことを発表した。資本提携により、互いの株式を交換する結果、任天堂はDeNAの第2位の大株主となる。また、業務提携によって、新たな会員制サービスを共同で構築し、任天堂のIP(知的財産)を使ったスマートデバイス(スマートホン・タブレット)向けゲームをリリースすることとなる。
今まで頑としてスマートデバイス向けのゲームリリースを行っていなかった任天堂が方針転換をしたと、センセーショナルに報道されることとなったが、実際の会見ではどのように発表されていたのだろうか。

禁じ手だった?スマートデバイス参入

任天堂株式会社 株式会社ディー・エヌ・エー 業務・資本提携共同記者発表
任天堂のサイトに会見時のプレゼン資料が掲載されている。
まず驚くことに、今回の提携への協議は2010年6月にスタートしている。2010年6月はiPhone4がリリースされる前後で、モバゲーを運営しているDeNAもスマートホンではなくフィーチャーフォン向けのサービスをメインとしていた時期だ。
もちろん5年前から現在の着地点を想定していたわけではないだろうが、携帯電話向けのコンテンツ提供を絶対的にNGとはしておらず、以前からあらゆる可能性は模索していたということになる。
そもそも、任天堂が否定していたのはいたずらに射幸心を煽るガチャ商法であって、Newスーパーマリオブラザーズ2の追加ステージのように、正当な対価としての追加コンテンツ提供に関してはむしろ積極的に取り組んでいる。また、以前からも岩田社長はスマートデバイスへの参入については明言しており、自社IPや、ゲームソフトの提供についても言及済みだ。

自社のゲーム資産をそのまま移植したとしても、それはスマートデバイス向けの娯楽として最適ではないと考えていますので、このようなアプローチを採ることは一切想定していません。ただし、このようなスマートデバイスを取り巻く環境の中で、任天堂が本当に得意とするところでお客様に価値を感じていただけることをご提供しなければ、多くのお客様にご支持はいただけないと思っていますので、開発チームには、ゲームをつくることも、自社のキャラクターを使うことも禁じていません。

2014年1月30日(木) 経営方針説明会/第3四半期決算説明会 任天堂株式会社 社長 岩田聡
1年前のこの発言は、DeNAとの提携を視野に入れた上でのものであることは間違いないが、今回の発表においても同じ見解を述べている。提携は方針転換ではなく、少なくとも1年前からの既定路線であったことがうかがい知れる。
そして、この2014年の岩田社長の発言は、以下のように続く。

ただ、これをもって、「マリオをスマートデバイスに供給」と報道されますと、完全にミスリードになってしまいます。

今回もそのようなミスリードがないように慎重に言葉を選んでいる。任天堂が保有するIPをそのまま移植するのではなく、スマートデバイスに適したコンテンツをつくり上げるのであり、決して移植ではないことを強調していたのだが、残念なことにスーパーマリオというアクションゲームソフトがスマホに移植されるという誤解を生むような報道が多く見られた。もちろん任天堂IPにマリオは含まれるが、ゲーム機のコントローラに適したアクションゲームがそのままスマホに移植されるわけではない。マリオというキャラクタがスマートデバイスのゲームに登場する可能性が出てきただけだ。
任天堂がスマホ参入を禁忌としていたように思われているのは、発表のタイミングを図っていたせいでもある。長い間準備はしていたわけだから、マスコミから参入しないのかと質問されたときに、「計画している」と早い段階で言うことも可能だったはずだ。
スマホゲームは、コンシューマゲーム業界以上に変化が大きい。コンプガチャ問題で大騒ぎしていた頃と比べて、いい意味でも悪い意味でも業界が熟している。いい意味は、世間の風当たりが弱まった点、悪い意味は新規参入がしづらくなった点だ。その辺りも加味して、ギリギリまで粘ってこの時期の発表となったのではないだろうか。

なぜ新ゲーム機の登場を発表したのか?

今回の会見では、二社の協業の他に「全く新しいコンセプトのゲーム専用機プラットフォーム」であるコードネーム”NX”についても言及している。

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任天堂株主総会レポート 2014

去年に引き続き、任天堂の株主総会に参加してきた。
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新社屋での株主総会

事前に発表されていたように、岩田社長が胆管腫瘍摘出手術直後ということで、今月10日に開催されたE3に引き続き欠席となった。
任天堂の定款15条で、株主総会の議長は取締役社長が務める規定があるが、今回は15条の2で定められた「取締役社長に事故あるときは、取締役会の決議によってあらかじめ定めた順序により他の取締役がこれに代わる」の規定に基づき、専務取締役である竹田玄洋氏が議長を務めることとなった。
会場は建てられたばかりで今月から使用開始となっている”研究棟”と呼ばれる新社屋7階の大会議室で行われた。
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研究棟は、その名の通り開発部門が入居する社屋で、本社は今後もその他の部門が使用することになる。
白い外壁、均等に並んだ窓ガラス、直方体の社屋は、本社と外見がよく似ている。下の写真は研究棟の敷地内から見た本社。
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本社と研究棟は非常に近くに建てられていて、互いに見える距離にあるが、隣り合っているわけではない。まあ、これはちょうどいい土地がなかったのでしょうがない。

竹田氏が議長を務める初の株主総会

10時に株主総会はスタート。ざっと見た感じでは1500人ぐらいは入りそうな大会議室に対し、2/3程度が座っていただろうか。去年とさほど変わらない印象。
まず、議長の竹田氏から岩田社長欠席についてのお詫びが述べられた。岩田社長のコメントも代読されたが、サイトに掲載されている文章と同一のものだった。
任天堂側からの報告事項はサイトに掲載されているpdfを元にしたものなので、そちらを目に通したほうがいいだろう。
3DSは比較的好調なものの、Wii Uは不調で3期連続の赤字という報告。
岩田社長と比べると、竹田氏はこういった場に慣れていないのか、報告内容の読み上げに手間取る場面があった。貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)みたいな言いづらい用語が多いのでしょうがないか。
だいたいは今まで発表されていた内容と同じものだが、「世界同時発売したWii Uのマリオカート8が発売から1ヶ月で200万本と好調で、本体の売上も上向いています」といっていた部分が気になった。
マリオカートが世界同時発売で200万本が好調といえる数字なのか、調査会社がWii Uの売上の数字が毎週出しているが、それが任天堂として満足しているものなのか、疑問に思える。もっと危機感を持った方がいいのでは。
ひと通り説明が終わってから質疑応答タイム。
いままでは岩田社長が回答することが多かったが、議長の竹田氏がハードウェアの部署出身ということもあり、質問内容に応じて担当役員に回答を促すスタイルとなった。ソフト面は宮本氏と高橋伸也氏、プロモーションは大和氏、IRは君島氏が主に回答していた。
株主総会中のメモを元に再構成しており若干ニュアンスが異なる部分があると思われるので、参考程度にして欲しい。詳細は来週にも任天堂のサイト上に掲載されるので、正確な情報はそちらをお待ちください。
全部のせてもしょうがないので、気になった点だけ抜粋。順番は実際のものと異なります。

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