2017年03月29日

1-2-Switchは最高のパーティゲーム


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発売日から2日遅れでSwitchを手に入れた。(経緯はこちら)
その後、案の定ハイラル探検に無限に時間を注ぎ込むような感じになってしまい、ブログの更新が滞ってしまった。先日ようやくハイラルに平和をもたらしたので、ぼちぼちSwitch関連の記事を書いていこうと思う。
ゼルダのレビューは相当にエネルギーが必要なので、まずは多人数プレイを何度か堪能した1-2-Swtichについて書きたい。

その前に、1-2-Switchが気になっている人たちへ、伝えるべきことがある。
このゲームは複数人で遊ぶ機会がない人は買うべきではない。1人ではまったく遊べない。
いや、一応一人プレイのゲームが2つほど入っているが、ギャラリーなしで遊んでも楽しくない。
最低2人、そして、人数が多ければ多いほど楽しめるゲームだ。

1-2-Switchは、ひとことで言うとバカなゲーム。ゲームそのものもバカだが、プレイヤーもとことんバカになる。バカになればなるほど楽しい。

このソフトにはSwitchの機能を駆使した28個のミニゲームが収録されていて、機能のショウケースの役割も果たしている。
それぞれのゲームには唐辛子の数でレベルが設定されており、その順番でソフトが並んでいる一番数が少ないのが「電話番」、最後の28番目に位置するのは「ゴリラ」だ。
この唐辛子は、ゲームの難度ではなく「遊ぶために必要なテンション」を表している。「必要なテンション」という基準を開示してゲームを並べているなんて、前代未聞だが、遊んでみると納得できる。たしかに、「ゴリラ」はテンションが上りきった状態で遊ぶと、より楽しめる。ある程度場が温まってから遊ぶと良い。

全ゲーム遊んだので、順番通りにそれぞれ軽く解説していこう。

1.電話番

テーブルにJoy-Conを2個設置し、ベルが鳴ったタイミングで、受話器に見立てた自分のJoy-Conを先に取ったほうが勝ちというシンプルすぎるゲーム。
一番テンションが低くても遊べるのがこのゲームだ。
ベル音が複数種あり、引っ掛けられることもある。
1回遊べばいいかなという感じ。

2.カウントボール

1-2-Switchで技術的に一番驚かされるゲーム。
言葉で説明すると「Joy-Conにボールが入り、傾けるとそのボールが動くので感触で何個あるか1-9の数字で答えるゲーム」となるのだが、実際に体験しないとそれがどういうことなのか理解できない。
「Joy-Conにボールが入る」というのは現実の話ではなく、そのような設定なのだけど、傾けたときの振動の感覚はボールが入っているとしか言いようがない。
3個ボールが入っている(という設定になっている)ときに、ゆっくりとJoy-Conを傾けると、まず1個目のボールが壁に当たる感触があり、続いて2個目が1個目に当たる感触、3個目が2個目に当たる感触が手のひらに伝わってくる。

「Joy-Conの中に入ったモーターの振動周波数が精密に制御されて擬似的に触感を再現している」という理屈を知った上でも声を上げて驚く現代の魔術といえる。

3.禅

Joy-Conを持ったまま、指定された姿勢を維持するゲーム。
Wii Fitでも同じようなものがあったが、今回は対戦ゲームであり、向き合って遊ぶ。
するとどうなるか。姿勢を維持したまま、相手の姿勢を崩すにはどうしたら良いか。
…笑わせればいい。

「禅」という名称ではあるが、実際は「高精度のモーションセンサーによるコンピュータ判定付きのにらめっこ」なのである。
プレイヤーのノリが良ければ死ぬほど面白い。そうでなければ「禅」のタイトル通り地味なゲームだ。

4.トレジャーボックス

宝箱の周りに巻かれた鎖を解くゲーム。Joy-Conを宝箱に見立てて、回転させることで鎖が解けてくる。
適切な角度で回さないと余計に鎖が絡まっていく。
遊んでいる本人よりも、コントローラをぐるぐる回しているプレイヤーを眺めるのが楽しい。

5.ミルク

Joy-Conを乳牛の乳首に見立てて、下に引っ張りつつSR/SLボタンを押すことで乳搾りを体験できる。
それなりにコツが必要で、引っ張るスピードとボタンを押すタイミングが重要。
HD振動のフィードバックや、画面上のミルクの勢いでうまく搾れているか確認できる。
これは、1回やればいいかなという感じ。

6.金庫破り

金庫のダイヤルに見立てたJoy-Conを回して、ダイヤルが震える角度に合わせるゲーム。
モーションセンサーとHD振動の精度の高さを体感できる。
慣れればかなりの速度で答えを見つけ出せる。楽しい。

7.ガンマン

Fire!の合図に合わせて相手にJoy-Conを向けてトリガーを引く早撃ち勝負。
合図より先に銃を動かしたり、角度が狂って地面を撃ったり空を撃ったりするとNG
シンプルすぎるので繰り返しプレイには向かない。

8.真剣白刃取り

受け側がだいぶ有利な判定になっているので、普通にやれば確実に白刃取りが成功する。連続して受けることは出来ないので、フェイントを掛けて受け側を動かしたあとで振り下ろす、読み合いの勝負になる。
それなりに楽しいが、あまり繰り返し遊ぶものでもない、

9.ライアーダイス

28個のゲームの中で、もっともルールが複雑。
その上、振動で数字を知らせる仕組みだからわかりづらい。
じっくり繰り返し遊べば面白さを理解できると思うが、数回遊んだだけではよくわからなかった。

10.旗上げ

声の指示通りに上下左右にJoy-Conを向けるだけのシンプル設計。…なのだが、女性の声で支持されたときは指示通り、男性の声の場合は指示の逆(「上」と言われたら下が正解)に向けないといけない。
テレビ画面を見ずに、互いに向き合って遊ぶのがポイント。当然、目の前の相手は左右逆に動く。男性の声で右と言われたときに左に向けることを頭では分かっていても、正面の相手が逆に動くと二重に混乱する。
ミスをしまくる二人を横から眺めるのが楽しいゲームだ。

11.ソーダ

他のゲームとは異なり、人数上限なしの多人数プレイができる。
1本のJoy-Conをソーダ瓶に見立てて、振りまくって次の人に渡し、振りすぎて蓋が飛んだら負け。
カウントボールと同じくHD振動の繊細さが分かる技術デモとしても優秀な出来。
Joy-Conの振動だけで、しゅわしゅわしている瓶を再現していて、そろそろフタが飛び出しそうか感覚でわかるようになっている。
まあ、実際密封した炭酸飲料の容器を振ったとして、あんなしゅわしゅわ感が手に伝わるわけもなく、ぜんぜんリアルではないのだが、そのへんのハッタリはうまいなと思った。

12.ひげそり

実際のひげそりを想像しながらプレイすると割と簡単なのだが、どう考えても男性有利なゲーム。
女性の方々におかれましては、紹介ムービーの男性二人が同棲しているという設定で掛け算をお楽しみください。

13.ジョイコン回し

テーブルにおいたJoy-Conに振動や傾きなどの刺激を与えずに持ち上げて、回して、置くだけのゲーム。
その場にいる全員がプレイヤーの手元を凝視して「まだいける!」「無理無理、そろそろ下ろそう」と大盛り上がり。
多人数ゲームは同じ空間にいるのに、互いの存在を無視して全員が画面を凝視する問題があるが、1-2-Switchは人間同士のコミュニケーションに戻す役目を担っていると考えている。ジョイコン回しはそれを最もうまく表現したゲームかもしれない。
デジタルのゲームなのに、ボードゲームのようなアナログ感がある。

14.ピンポン

本物の卓球から卓球台とボールを抜いたゲーム。音とタイミングと振りの強弱のみ。
コンセプトは分かるけど、既存のものから大事な要素を抜いて面白くなるわけがなく、こういうこともできるよという技術デモでしかないのかなという印象。
目を閉じて遊んだほうがいいかもしれない。

15.赤ちゃん

28本のゲームの中で、めずらしい一人用ゲームであり、唯一携帯スタイルで本体を操作するゲーム。
見ての通り、あたまおかしい。狂ってる。
「ニンテンドースイッチをだっこしましょう」というアナウンスに、その場にいる全員が「やばい」と言った。
赤ちゃんの声や顔や挙動が妙にリアルなところも、恐怖を感じる。
怖いもの見たさで一度遊んでみることをオススメするが、判定基準を解析してタイムアタック狙いでやるのも楽しいかもしれない。初見プレイでだいたい1分ぐらいだが、頑張れば30秒切れるかも。

16.帰ってきたガンマン

7番のガンマンとだいたい同じ…なのだが、撃つ合図のファイア!の部分が引っ掛けで、似た単語、例えばフラワー!とかファイル!とかフォックス!とか言ってくる。
たまにファイアと全く似てない「にゃーん」と言って場を和ませたりする。画面にもそのフェイントに沿った画像が表示される。
「にゃーん」をもう一度見たかったので繰り返しプレイしたが、ぜんぜん出なかった。レアなのだろうか。
プレイヤ自身が画面を見るとネタバレになるので、見るのは禁止して、ギャラリーが画像を楽しむのがよさそう。

17.ベースボール

卓球と同じで実際の遊びから映像を抜いたら面白くないということを理解するためのゲーム。
しかも同点9回表からのスタートで互いに3アウト取るか、サヨナラ打を打たないと終わらないから結構長い。ハズレ。

18.大食いコンテスト

唯一、右Joy-Conに搭載されたモーションIRカメラを使用する。そして、赤ちゃんと同じく1人用だ。
いまのところ、IRカメラは他のタイトルでも利用されておらず、一体どういう使い方をするのかわかりづらい機能なのだが、実用レベルの性能があることがこのゲームで分かる。
このゲームで、ひたすら口をパクパクされることが短時間でも大変疲れることを知った。連続プレイはおすすめできない。

19.ビーチフラッグ

現実の競技を模したら面白くなくなるシリーズ第三弾。
Joy-Conを振って走り、振動したら上に掲げるだけ。
さすがに28個も入れるとアタリハズレは出るよなあ。

20.魔法使い

完全にハリーポッター。
Joy-Conは振るのではなく、突き出すようにするのがコツ。
相手が突いた直後にやると、カウンターが入る。
20番代からプレイヤのテンションが高ければ高いほど楽しいゲームになっていく。
完全に魔法使いの世界に入り込んで、エクスペリアームス!とか叫びながら遊ぶと面白い。

21.ソードファイト

そのまま振れば攻撃、ボタンを押して構えれば防御。縦斬りには横防御、横切りには縦防御が効く。各プレイヤのライフは5ある。
電話番から順に20個以上遊んできたら、だいぶ温まっているはずなので本物の剣士になったつもりで、声を出しながらバトルしよう。

22.ボクシングジム

ストレート、フック、アッパーの指示通りに出して、先に打ったほうがポイントになる。
ゲームの作りを考えるとJoy-Conを持った片手だけ動かせば事足りるのだけど、せっかくならちゃんと構えて軽くフットワークも入れながら全身でボクシングをした方がいい。
ジョジョファン各位は、最後のパンチラッシュの際にぜひとも「オラオラオラオラオラ(※)」の声を出しながらやってほしい。
※各推しキャラに合わせて、無駄無駄でもドラララでもアリアリでもボラボラでも可

23.皿まわし

Joy-Conを立てたままぐるぐる回して皿まわしの持続時間を競う。
しかし、ゲーム側が相手を邪魔することを推奨してくる。
Joy-Conを持っていない方の手で相手のJoy-Conを叩きに行けば一層盛り上がる。

さて、そろそろ終盤だ。
ここから先のゲームは「恥」をいう概念を脳から追い出して遊ぼう。
とことんバカになって遊ぶことが大事だ。

24.コピーダンス

向かい合って、一人目が踊ったダンスを鏡写しにコピーするゲーム。
ゲーム内で具体的に説明していないのでわかりづらいが、ふたりとも右手でJoy-Conを持っていたら正しく判定されない。鏡写しにコピーするので、一方は左手に持つ必要がある。
ジョジョファンにやらせると、高い確率でジョジョ立ちをする。

25.モデルウォーク

腰をくねらせながら歩いたあとでポージング。
モデルになりきって遊ぼう。
相当広い部屋じゃないと足踏みして遊ぶことになる。
プレイ環境に左右されるゲームだ。

26.エアギター

タイトルの通り、エアギターだ。思う存分かき鳴らそう。
ネックを持ってる側の手は全く勝敗に影響しないのだが、そういうことはどうでもいい、全身でギタープレイをするべきだ。
騒音が気にならない環境なら飛び跳ねて遊ぶと最高。

27.フリーダンス

リズムに合わせて激しく踊り、STOPの合図に合わせて静止する。
ゲームのルールとしては非常にシンプルなので、遊んでる人たちのテンションが高ければ高いほど面白いが、場が温まっていない状態だとたいへん寒々しくなる。

28.ゴリラ

このゲームの最大の狂気、それがこのゴリラだ。
なんと、音ゲーである。
メスゴリラの叫ぶ「ウッホホウホホ ウッホホウホホ」などのリズムに合わせてJoy-Conを持ったままドラミングで真似するという内容。
仕組み上、手の動きだけを判定基準にしているが、100%楽しむのであれば声や全身の仕草も含めゴリラになりきろう。
このゲームが始まったら、観客も含め全員人間の言葉を忘れるという設定で遊ぶと楽しい。ウホウホウホホホ。

基本的に後半のゲームのほうが盛り上がるが、テンションが低い状態では楽しめない。
逆に、前半のゲームは居酒屋のテーブル上などでも十分遊べるのでTPOに応じてゲームを選ぶことができる。

個別に28個のゲームを遊ぶこともできるし、シャッフルモードもある。
また、チームに分かれて連続してゲームをプレイするチームマッチであれば、大人数で盛り上がることが可能だ。チーム内で順番にプレイヤーを選んでもいいし、ゲームごとに得意そうな人がプレイに参加するのもいい。

Switchを持っていて、4人以上で遊ぶ機会が一度でもあるのなら、このソフトを買う価値はある。数時間は大笑いしながら楽しめるだろう。2人でも遊べるが、ギャラリーの方が楽しめるタイプのゲームが多いので、出来ればギャラリーは2人ほしい。それに、4人ならチーム戦も楽しめる。
遊ぶ機会が一度だけだとしても、2時間も遊べば一人あたり1時間数百円という計算になり十分すぎるほど元は取れる。

それにしても、本体を発売日に買うような人は、一人でゲームにのめり込むタイプの割合が多いと思われる(数字の裏付けなし)のに、1人でほぼ楽しめないというコンセプトを本体同時発売タイトルにぶち込んできた胆力は凄い。この時点でゲーマーの選択肢が一つ減るわけなのだが、一人で遊びたいという需要はゼルダ一本で十分すぎるほど補えているので、正しい判断だったのだと思う。そのゼルダに関しては後日レビュー予定…なのだが、面白さを言語化するのが相当難しい…。


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2017年03月04日:Switch発売に寄せて

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