2006年02月19日
ニンテンドーDSに関する任天堂の発表の略歴
04年05月18日 | "E3"開催 NINTENDO DSの仕様公開 |
07月28日 | "NINTENDO DS"が正式名称であると発表 |
09月21日 | NINTENDO DSの国内発売日、価格発表 |
10月07日 | "NINTENDO DS PREVIEW"開催 本体同時発売タイトル発表 ポケモン最新作、FF3等の発表 |
11月03日~ 11月28日 |
ニンテンドーワールドTouch! DSを全国5都市で開催 名古屋/大阪/東京/札幌/福岡 |
11月21日 | 北米でNINTENDO DS発売 メトロイドプライムハンターズ体験版同梱 |
12月02日 | 日本でNINTENDO DS発売 (初回出荷57万台) メイドインワリオ発売 (初週 約12万本) スーパーマリオ64DS発売 (初週 約12万本) |
05年02月24日 | ヨーロッパでNINTENDO DS発売 |
03月02日 | nintendogsのパッケージ、発売日発表 NINTENDO DS本体新色(4色)発表 |
03月10日 | "Game Developers Conference
2005"4日目 任天堂、岩田社長による基調講演 Revolutionの仕様を一部公開 (同日、ヨーロッパでNINTENDO DS発売) |
03月14日 | 脳を鍛える大人のDSトレーニング発表 DS楽引辞典発表 やわらかあたま塾発表 |
03月24日 | NINTENDO DS新色(ホワイト/ブラック)発売 |
04月21日 | nintendogs(3パッケージ)発売 (初週 約14万本) NINTENDO DS新色(ピンク/ブルー)発売 |
05月18日 | "E3"開催 Revolutionの仕様、外観を一部公開 GAMEBOY micro発表 WiFiコネクション発表 |
05月19日 | 脳を鍛える大人のDSトレーニング発売 (初週 約4万本) |
06月07日 | "任天堂経営方針説明会" すれ違い中継所の設置発表 |
06月09日 | NINTENDO DS新色レッド発表 |
06月30日 | やわらかあたま塾発売 (初週 約5万本) 任天堂前社長、山内相談役退任 |
08月08日 | NINTENDO DSレッド発売 ジャンプスーパースターズ発売 (初週 約20万本) |
08月18日 | ゲームボーイミクロ発売日発表 |
08月17日 | 北米でNINTENDO DS値下げ 08月21日に$149.99→$129.99 |
09月13日 | ゲームボーイミクロ発売 |
09月15日 | たまごっちのプチプチおみせっち発売 (初週 約10万本) |
09月16日 | "東京ゲームショウ"開催 Revolutionのコントローラ公開 |
10月05日 | "NINTENDO DSカンファレンス2005秋"開催 えいご漬け発表 もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング発表 国内でのWiFiコネクション詳細発表 FF3のスクリーンショット公開 |
11月14日 | 北米版MARIO KART DS発売 WiFiコネクション北米サービス開始 |
11月23日 | おいでよどうぶつの森発売 (初週 約34万本) WiFiコネクション国内サービス開始 |
12月08日 | マリオカートDS発売 (初週 約22万本) |
12月26日 | 都内で記者会見 本体販売台数が500万台突破と発表 4本のDSソフトがミリオンセラーと発表 |
12月29日 | もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング発売 (初週 約41万本) |
06年01月05日 | NINTENDO DS品切れのお詫びを掲載 |
01月26日 | えいご漬け発売 (初週 約23万本) |
01月27日 | NINTENDO DS Lite発表 |
02月10日 | NINTENDO DS Liteカラーバリエーション発表 |
02月15日 | "NINTENDO DSカンファレンス2006春"開催 7本のDSソフトがミリオンセラーと発表 DS地上波デジタル放送受信カード発表 ニンテンドーDSブラウザー発表 漢字そのままDS楽引辞典発表 DS美文字トレーニング発表 しゃべる!DSお料理ナビ発表 テトリスDS発表 |
03月02日 | NINTENDO DS Lite発売予定 聖剣伝説DS CHILDREN of MANA発売予定 |
03月23日 | "Game Developers Conference
2006"3日目 任天堂、岩田社長による基調講演予定 |
05月09-12日 | "E3"開催予定 |
※赤地は任天堂単独でのイベントもしくは会見での発表
青地は任天堂単独ではないイベントでの発表
黄色はウェブサイトやニュースリリースによる発表
2005年第一四半期ではサイト上での発表やGDC、E3等のイベントに合わせて動いているが、第二四半期以降はほぼ季節ごとに発表会を開いている。特に「NINTENDO DSカンファレンス」と銘打った発表会ではプレゼンテーションの内容をそのままサイト上で公開するなど、プレス向けでありながらユーザへの配慮を忘れていない。また、数年前からGDCやE3など海外向けイベントに積極的だった任天堂だが、昨年は今まで軽視していた東京ゲームショウでレボリューションのコントローラを公開するなど、特に日本のユーザを強く意識し始めた思える。この傾向が続くとしたら、E3後に国内向けのプレス発表会が行われそうだ。逆に言えば、国内向けのカンファレンスを終えたばかりの時期に開催されることとなるGDCやE3では、レボリューションは世界展開についての新たな情報が続々と出てくることが期待できそうだ。
ところで、最近よく任天堂がApple的だという評を目にする。今回のNINTENDO DSカンファレンス2006春ではたしかにApple的、というよりはジョブズ的だった。AppleのCEOのスティーブジョブズは一通り発表が終わったように見せかけて「One more thing...(もう一つ発表することがあるんだ)」と言って新製品を取り出すプレゼンで有名だ。今回の岩田氏のプレゼンはまさにジョブズ的なプレゼンと言えるだろう。好調な業績の発表、新しいソフトの発表、そしてもう一つ、ニンテンドーDSブラウザー。さらにもう一つ、地上波デジタル受信カード。最後に取り出したワンセグ対応カードが岩田氏にとって一番のサプライズだったのだろう。
さて、こうして一覧表にすると見えてくるものがある。
どうも不自然な時期に一部のニュースリリースを行っているようにみえる。例えば、ニンテンドーDSの国内向け発売日と価格の発表。これはまさに唐突だった。このスケジュールを見ると、本来は東京ゲームショウが終わり、一段落付いた頃に開催される「NINTENDO DS PREVIEW」で発表するつもりだったことが容易に推測できる。この日は東京ゲームショウ開催の数日前で、ソニーコンピュータエンタテインメントの発表会当日である。ニュースリリースを出したのはその発表会開催の直前である。発表会で発表されるであろうPSPの価格と発売日と比較させることが目的であったことは間違いない。
その当日午後、突然任天堂は自社サイトのトップページにニンテンドーDSの発売日と価格を掲載、非常に簡素なニュースリリースを出した。ニュースリリースの添付書類には概要が記され、ピクトチャットを内蔵することや本体の寸法、バッテリの持続時間などのスペックが初めて明らかになったものの、同時発売ソフトの発表もなく、明らかに急遽出したニュースリリースだと見て取れる。
具体的な時刻は不明だが、このニュースリリースが掲載されたのはPSPの発表会の開始1時間前と言われている。その結果、PSPの発表会は開始時間が20分程度遅れた…。以前から東京ゲームショウで販売店向けの発表を行うと言われており、その会場で当然価格と発売日が発表されるものだと考えられていたが、実際には発表されなかった。──開始時間の遅れ。その間に発表内容の変更が話しあわれたことは想像に難くない
2004年9月21日、この日が日本のゲーム史上において最もエキサイティングな1日だったと言っても過言ではない。
最近の話だと、Liteの発表が非常に不自然だ。直後に格好のお披露目の場である発表会を予定していたのに、なぜ中途半端に2点の写真だけの発表を行い、その2週間後になってようやく特設サイトが始動したのか?
やはり品薄に対する批判を回避するためであり、出回りつつあったリーク情報による混乱を沈静化するためだったと考えられる。本来は発売まで1ヶ月もないカンファレンスで始めて披露するつもりだったに違いない。発売前ギリギリでの発表もApple的で興味深いが、何よりその戦略をぶちこわして予定外に発表を前倒しにした判断力に感服した。品薄が続き、それがようやく緩和され始める時期に「来月新型が出ます」ではやっと手に入れた消費者は不満を抱くだろうし、かといって年末商戦で爆発的に売れている最中に「新型を作ってます」と言うわけにもいかない。消費者の不満を最小限に抑えた実に絶妙なタイミングの発表だった。
このように、本来はあとで発表するつもりだったものを前倒しにして発表する場合、ニュースリリースを用いるのは非常に都合が良い。これから立て続けに大きなイベントが続く。任天堂にとって何か予想外の展開があった場合、イベントで大々的に発表されるはずだった重大な情報が唐突にニュースリリースとして出てくることがあるかもしれない。レボリューションの仕様や価格など、具体的な情報が噂として漏れ始めたら要注意だ。