2005年11月01日

GAME2.0について考える


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Web2.0というものが流行っているようだ。詳しい説明は省くので、適当にgoogleなどで検索して調べていただきたい。簡単に言うと既存の技術を組み合わせたり、あたらしい概念を持ち込んだり、利用者同士をつなげたりして今までとは違うWebを、バージョン2.0だよということでWeb2.0と呼ぶらしい。別にそういう規格があるわけでもないので勝手に名乗っているだけのようだ。

そのWeb2.0になぞらえてゲームソフトでもGAME2.0というものを考えてみよう。Web2.0も勝手に名乗っているだけなので、GAME2.0も私が勝手に「既存のゲームとは一味違うもの」を定義したものと考えてほしい。GAME2.0だから面白い、GAME2.0ではないからつまらないという話ではない。ただ、そのソフトが新しいのかそうでないのかを区別しただけの話だ。

GAME2.0を次のように定義する

以下の項目のうち、いずれかの要素、もしくは複数の要素を含んでいるゲームソフトをGAME2.0とする

1.接続性
2.ユニークなインタフェイス
3.カスタマイズ性
4.プレイヤ自主性
5.説明書不要

一つ一つの項目について具体例を挙げながら説明してみよう
1.接続性
要するにオンラインプレイのことだが、インターネットに接続する必要はなく、ローカルでの接続も含んでいる。
例えば、通信ケーブルで2台のゲームボーイを繋いでテトリスで対戦をするのも接続性を持っていると言える。他のバージョンとの接続性を持っているポケモンはテトリスよりもGAME2.0的だ。プラットフォームで言えば複数本のソフトを必要としたゲームボーイよりも、1カートリッジ対戦に対応したゲームボーイアドバンスのほうGAME2.0的だ。ケーブルを排除したニンテンドーDSはよりGAME2.0を実現しやすいプラットホームだろう。

しかし、ただハードの機能を使っているだけではGAME2.0ではなくGAME1.5でしかない。つながればいいという話ではない。
ローカルで対戦できるだけではとてもGAME2.0とは呼べないし、オンラインプレイの際に煩雑な設定や不親切な課金システム、PKや嫌がらせの危険にさらされるのはGAME2.0的ではない。
例えばスリープ状態にしたニンテンドーDS同士を近距離に接近させるだけで通信できるようにしたNintendogsは、非常に通信が簡単でオリジナリティあふれていてGAME2.0的だ。接続の対象を限定したり、接続までの手順を独自の工夫で簡単なものにしたNINTENDO WiFiサービス上のおいでよどうぶつの森はGAME2.0的だ。おいでよどうぶつの森は、Nintendogsと同様のすれ違い通信機能をも備えているので、接続性だけで考えても十分GAME2.0だといえるだろう。

接続性でプラットフォームの垣根を越えることが出来ればかなりGAME2.0的だ。
ゲームセンターの対戦格闘ゲームなど頻繁に見るようになったカードシステムは、ゲームセンターと携帯電話を繋げた画期的なシステムだ。これはGAME2.0と言って良いだろう。
NINTENDO64とゲームボーイソフトを64GBパックで接続し、対戦が3D画面で遊べるようになるポケモンコロシアムシリーズはゲームというよりもツールという意味合いが強いので、それ自体はGAME2.0とは言いがたい。ただ、ポケットモンスターシリーズをひとつのソフトとみなせば、さまざまなソフトでデータを流用することが出来、非常にGAME2.0的だ。

2.ユニークなインタフェイス
これはハードに依存するところが強く、周辺機器を使うソフトはイロモノ的なものも多数あるので、GAME2.0の項目として入れるのには少し悩んだ。
だが、手の中に納まるゲームパッドやジョイスティックは20年以上変わらない旧時代の遺産のように思える。ゲームパッドもアナログスティックを搭載したり、振動機能や無線機能を搭載したりしているが、これらはよほどソフト側でうまく使いこなさないとGAME1.5にしかなれない。こうして長年少しずつ改良していったモノを切り捨て、全く別の系統のインタフェイスがゲームで有効活用されるのなら、それをGAME2.0と呼ばずしてなにをGAME2.0と呼ぶのだろうか?

ニンテンドーDSにはタッチパネルとマイクという入力デバイスがあるが、これがあるからと言って、ニンテンドーDSのソフトが全てGAME2.0というわけでもない。あくまでソフトでどのような工夫をしているかがGAME2.0かどうかを分ける。

大合奏!バンドブラザーズではタッチパネルを使用する難易度があったが、あくまでおまけ。むしろプレイの邪魔になっているとみる人も多い。これはGAME2.0ではない。
犬に触れる、犬に呼びかけるというアクションがそのままプレイスタイルとなるNintendogsはまさにGAME2.0だ。GAME1.0の世界ではどうあがいても、犬とのふれあいをこれ以上再現することは不可能だ。

ニンテンドーDS以外のハードにも目を向けると、XboxLiveなどで使用されているヘッドセットマイクはGAME2.0的だ。オンラインFPSでヘッドセット越しに仲間と通信する行為はまさにGAME2.0だろう。

また、任天堂の新ハードRevolutionも続々とGAME2.0を生み出してくれそうな雰囲気をかもし出していて、非常に楽しみだ。


3.カスタマイズ性
ゲームが真にインタラクティブになるには、情報発信源がゲーム開発者側にだけ存在するようであってはならない。プレイヤがあれこれいじれて、それを他のプレイヤに渡せるのが望ましい。
ただ、単純にデータを作って渡すだけならクリエイション系のソフトは昔からあるのでGAME1.0にしかならない。何らかの差別化が必要だ

パソコン用のオンラインFPSではMODと呼ばれるものがある。マップやシナリオをユーザが作成して配布するものだ。出来の良いMODだと市販されたりもする。それを入手して動かせば、まったく別のゲームに生まれ変わったりする。ゲームに不満があるなら作り変えれば良い。これはまさにGAME2.0だ。

そんな大々的なものじゃなくても、プレイヤがデータを作り、配布や交換が出来る仕組みがあればゲームをより長く楽しむことが出来る。それに、データの作成自体を目的のソフトであればセーブデータに愛着がわいてくることにもなる。ポケモンのセーブデータにしても、Nintendogsの飼い犬にしても、長時間プレイした結果生まれた産物だ。愛着がわいてくるし、他のプレイヤに見せびらかしたくなる。これが単純にパラメータをMAXにしたRPGや、全ステージクリアしたアクションゲームのセーブデータであればあまり愛着もないだろう。これがGAME2.0かどうかを分ける違いだ。


4.プレイヤ自主性
GAME1.0の世界では目的が固定されていた。ラスボスを倒す、早いタイムを出す、高いスコアを出す、隠し要素をすべて出す。そういった目的が課せられ、それをこなすことしか出来なかった。プレイヤは遊んでいるのではなく、遊ばされている。そこに自主性はない。

それならば、いっそのことゲームからエンディングを排除してしまえば良い。Nintendogsがまさにそれを体現している。プレイヤはそれぞれ好きなように遊ぶことが出来る。開発者が作ったレールの上を走る必要はない。

オンラインゲームで敵を倒すことなく延々とチャットを続ける行為もGAME2.0的だ。
また、オンラインゲームではプレイヤたちから意見を吸い上げた結果でゲーム自体の修正を行うこともあり、自主性は非常に尊重されている。

FPSなどの対戦ゲームなどで設定項目を非常に細かく設定できるものであれば、自主性は高いといえるだろう。


5.説明書不要
ゲームはゲーマーのものだったのはGAME1.0の時代の話だ。GAME2.0で遊ぶのに分厚いマニュアルは要らない。
チュートリアルやオンラインヘルプの充実はもちろんのこと、そういった補助的な機能を搭載するまでもなく説明書不要のゲームが望ましい。

メイドインワリオシリーズがまさに説明書不要。5秒で完結する単純なミニゲームをテンポよく楽しませる心地よさはGAME1.0の世界では味わえない。まさにGAME2.0だ。

告白すると、これは全5項目だとキリがいいと思ったので付け足しただけだ。


と、まあ自分基準でGAME2.0を定義してみたが、どうだろうか。あくまで私の個人的な見解なのでいろいろと反論はあると思うが、なんとなくGAME2.0というものが見えてこないだろうか。


さて、ゲームの進化を語る中で必ず出てくる項目に、今回あげたGAME2.0の要件に入っていない項目がたくさんある。
・美しいグラフィック
・迫力あるサウンド
・大容量
・総プレイ時間
などだ。
冒頭で詳しい説明を省くと書いておきながら例えるのはどうかと思うが、Webに例えてみる。

操作性のいまいちなWeb1.0なサイト。そこでいくら綺麗な写真を掲載したり、良い音楽を配信したり、長い文章を読ませたりしてもそれがWeb2.0になるわけではない。
GAME2.0も同じことなのだ。
GAME2.0に美しいグラフィックやサウンドは不要だと断言しても良い。

しかし、新しい概念でゲームを作るとなると、続編として発売することは難しくなる。そして、今のゲーム業界では続編があらゆる面で有利だ。大ヒット作の続編であれば予算も多く出るだろう。
だが、GAME2.0は多くのデメリットを受けるが、それは逆にメリットにもなる。低予算であれば挑戦的な内容に出来るし、そうすれば売り上げ目標も下がる。単発ソフトなら前作のプレイヤに媚びる必要もない。お金をかけて作った美しいムービーシーンを見せつけるためにプレイヤの貴重な時間を奪う必要もない。

実際のところ、プレイヤにとってそのソフトがGAME1.0なのかGAME2.0なのかは、はっきり言えばあまり関係なく、面白ければそれで良い。だが、いつまでもGAME1.0ばかり出し続けているようであればゲーム離れは進行していくだろう。


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