2007年03月25日

体験会パンフレットで見る発売中止ソフト


スポンサーリンク

任天堂は以前から、一般ユーザー向けの無料のゲーム体験会を開催している。無料で開催している割には相当な資金を投入しているようで、広い会場が用意され、数百台規模で試遊台が整然と並び、多くの子供達(の他、自分のようなマニア)が発売前のソフトを体験することが出来る。会場の広さや試遊台の多さにもかかわらず、1時間以上またされることもあり人気の高さを伺わせる。

さらに、新ハードへの移行期には発売前の新ハードに実際に触れられるということもあって、大行列が形成されてしまう。また、ポケットモンスターの「ミュウ配布」などのデータ配信や、物販コーナーもものすごい行列になってしまう。

簡単に任天堂の体験会の歴史をまとめると、以下のような感じだ。

1991年04月24日~05月06日 ファミコンスペースワールド 幕張メッセ
1992年08月26日~08月27日 ファミコンスペースワールド'92 晴海国際貿易センター
1993年08月24日~08月25日 ファミコンスペースワールド'93 晴海国際貿易センター
1994年08月27日~08月28日 スーパーファミコンアースワールド 晴海国際貿易センター
1995年08月23日~08月26日 ファミマガアースワールド 西武園ゆうえんち
1995年11月25日~11月26日 ファミコンスペースワールド'95 幕張メッセ
1996年11月22日~11月24日 NINTENDO64スペースワールド'96 幕張メッセ
1997年11月23日~11月24日 任天堂スペースワールド'97 幕張メッセ
1998年 開催なし
1999年08月27日~08月29日 任天堂スペースワールド'99 幕張メッセ
2000年08月25日~08月27日 任天堂スペースワールド2000 幕張メッセ
2001年08月24日~08月26日 任天堂スペースワールド2001 幕張メッセ
2002年 開催なし
2003年 開催なし
2004年11月03日~11月28日 ニンテンドーワールド Touch! DS 全国5会場
2005年 開催なし
2006年11月03日~11月26日 ニンテンドーワールド2006 Wii体験会 全国3会場
2007年 未定

上記のうち、アースワールドは任天堂主催ではなく、ファミマガの徳間書店主催のイベント。
スペースワールドの歴史についてはホコタテブログの記事が詳しい。今回も参考にさせていただいた。ありがとうございます。

これらのイベント会場では、入り口でパンフレットが配布される。このパンフレットは「ファミ通64」や「ニンテンドーキッズ」の編集部などが編集を行っており、なかなかしっかりとしたものだ。ゲームの画面写真がふんだんに使用され、オールカラーで50ページを超える。

サードパーティのブースはあるものの、会場の大半は任天堂ブースで、非常に多くのソフトが展示されている。新ハードのソフトのバリエーションを多く見せるためには仕方がないのだが、展示ソフトの中にはあまり開発が進んでいないタイトルが(仮称)表記付きで展示されている。体験会後、しばらくするとタイトルが変更されたり、場合によっては開発が中止されることもある。そういったソフトを触ることが出来るのも、このイベントの魅力でもある。

さて、パンフレットで開発中止ソフトを振り返ってみよう。

…とは言っても、1999年以降の体験会にしか行っていないのだが。

まずは2006年のニンテンドーワールド2006 Wii体験会から

これはWiiをはじめて触れるイベントで、WiiとニンテンドーDSソフトが中心となった展示会だった。
今後、展示されたソフトで発売中止となるものが出てくるかもしれないが、展示されていた作品はどれも発売されそうなモノばかり。
あえて一つあげるならこれか。

「DS美文字トレーニング(仮称)」
専用のタッチペンが用意され、見本を見ながら画面に漢字を書くものだが、どうも字のうまさの評価が怪しい感じがした。ちゃんと商品化されるかすこし心配ではある。

続いてニンテンドーワールド Touch! DS
サインはQエンタテインメントの水口哲也さんとセガ(ソニックチーム)の中裕司さん。
水口さんはユナイテッド・ゲーム・アーティストがソニックチームに営業譲渡されて独立したという経緯がある。運命の二人?

残念ながら(?)この年のパンフレットには中止になったソフトは(たぶん)1本もない


次は任天堂スペースワールド2001
サインは任天堂の今村孝矢さん。

正確には開発中止じゃないが、2001年10月12日の発売日まで決まっているのに発売されなかった「ゲームボーイウォーズアドバンス」
後に「ゲームボーイアドバンス1+2」として発売。

「ディディーコングパイロット」「サーベルウルフ」も発売されなかった。
ディディーコングパイロットは動きセンサー搭載で、ゲームボーイアドバンス本体を傾けてプレイする飛行機レース、サーベルウルフはよくわからない。

両方ともイギリスのレア社開発作品で、任天堂との関係悪化が発売中止の原因と思われる。

「ルナブレイズ」「バトランド」、こちらは両方ともハル研開発。何が原因だったんだろう…。


続いて任天堂スペースワールド2000
サインは言わずと知れた宮本茂さん。
ちらっとしか会場に現れなかったのに人だかりがすごかった…。

この年はNINTENDO64の末期ということで、いろいろとお蔵入りしたソフトがある。

まずはエコーデルタ。
開発はほぼ完了していたとみられ、マーケティング的な問題で発売しなかったようだ。
流出したと思われる開発ROMがebayに出品されたことがある。

NINTENDO64版「ドーブツばんちょう」
NINTENDO64としてもアレなローポリゴンのグラフィックだったが、ほぼそのままの仕様でゲームキューブ版「動物番長」として無事に発売された。

ゲームボーイカラー版「伝説のスタフィー」
こちらは発売されなかったが、2001年のスペースワールドでゲームボーイアドバンス用ソフトとして再度出展、無事発売されて続編もたくさん出ている。

他にもアルファドリームが自社発売する予定だった「ギミックランド」がゲームボーイカラーソフトとして出展されていたが、後ほどゲームボーイアドバンス用ソフトとして任天堂から「トマトアドベンチャー」という名称で発売されている。

これは正確には開発中止の類ではないのだが、ゲームボーイアドバンスの初期デザインと「ヨッシーストーリー」の画面イメージ。
本体は細部のデザインが異なり、配色も未発売のカラーリングである。
NINTENDO64で発売されたヨッシーストーリーの画面が使用されているのはダミーでゲームボーイアドバンス用ソフトとして発売予定になる事なくいつの間にか消え去った。



最後に任天堂スペースワールド'99


この年はいろいろと珍しいものが触れた。まずは細かい変更から。

ゲームボーイカラー「ゼルダの伝説 不思議な木の実」は「勇気の章」「力の章」「知恵の章」と、3つのトライフォースを彷彿とさせる3本が発売予定だったが、「ゼルダの伝説 ふしぎの木の実 ~大地の章~」「ゼルダの伝説 ふしぎの木の実~時空の章~」の2本に変わった。

NINTENDO64「ゼルダの伝説 外伝」は後ほど「ゼルダの伝説 ムジュラの仮面」と正式名称が発表された。

NINTENDO64「ジェットフォースジェミニ」は後ほど「スターツインズ」と名称が改められた。
CMにはなぜかムツゴロウさんを起用している

NINTENDO64「スーパーマリオRPG2」は「マリオストーリー」と名称が改められた。

NINTENDO64の周辺機器である64DDが展示されたのもこの年。
「巨人のドシン1」はちゃんと発売されたのだが、続編の「Black」「White」が書き換え機によってリリースされるという話がお蔵入りした。 その代わり「巨人のドシン解放戦線 チビッコチッコ大集合」が発売された。

64DDで発売予定だった「現代大戦略 Ultimate War」はROMカートリッジに変更され2000年のスペースワールドにも展示されたが、結局両方とも開発中止になった。

「井出洋介の麻雀塾」はROMカートリッジに変更され、2000年4月21日に発売された。

NINTENDO64「ミニレーサーズ」は、後に「スリッ駆ラジッ駆」という不可解な名称に改められ、結局発売されることはなかった。
8月の展示会で完成度90%、10月発売予定だったことからほぼ完成していたと見られる。

このソフトを忘れてはならない。
NINTENDO64版「MOTHER3 豚王の最期」
実際に触ったのだが、わずかな体験時間のうち、何分ものスキップ不可のムービーが流れるという意味不明な展示だった記憶がある。

いったん開発中止が発表された後に、ゲームボーイアドバンスソフト「MOTHER3」として発売された。

今年もイベントがあるかどうかは不明だが、最近は発売するかどうか危ういソフトを展示することが少なくなっているようなので、イベントがあったとしても中止になりそうなソフトを触る楽しみがなくなりそうで少し悲しい。


スポンサーリンク


この記事の前後の記事
2007年03月29日:セガと任天堂がWiiとDSで「マリオ&ソニック in 北京オリンピック」を開発
2007年03月23日:Wiiインターネットチャンネルの正式版リリースは4月

最新記事
2024年02月20日:3万アカウントの凍結を見届けた 趣味としてのTwitter(X)スパム報告
2023年06月25日:任天堂株主総会レポート2023
2023年06月21日:レビュー:ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム
2022年06月30日:任天堂株主総会レポート2022
2022年03月15日:Hue Sync Boxで映像とゲームを画面の外から強化する
2021年03月11日:シンエヴァを鑑賞した人たちを鑑賞した[ややネタバレあり]
2021年02月12日:藤子・F・不二雄「ノスタル爺」を読み解く
2021年01月18日:「呪術廻戦」単行本での加筆修正一覧(15巻まで)
2020年09月28日:「2.5次元の誘惑」がとにかく熱い
2020年04月08日:緊急事態宣言が発令された日の雑感


コメント

ガイストってのも中止になったんですかね?

ゲームボーイウォーズアドバンスの発売日がえらいことになってますよ。

井出洋介の麻雀はROMカートリッジになって64で発売されてますよ。

はじめましていつも楽しく読んでます。
コロコロカービィ2も確か開発中止になりましたね。

64で発売予定だった「ジャングル大帝」…期待してたんだけどなぁ~

ディディーコングパイロットは確か、動きセンサーこそ外されていた物の、仕様はそのままRAREのバンジョーパイロットとして発売されていたと思います。

N64の「コンカーズ・クエスト」も、日本発売は中止でしたよね。

懐かしいですコンカーズクエスト
お下品ネタが多くて日本のお子様には勧めづらかったという理由でしたっけ

GBAの画面にハメ込んである「ヨッシーストーリー」は技術デモのものです。
http://gameboy.ign.com/objects/015/015913.html

一応、サイン画像は加工された方が良いのでは?
個人特定などが怖い昨今ですから・・・。

多分ガイストは中止だと思いますよ。
いいゲームだったんだけどなぁ・・・・・・・・

多分ガイストは中止だと思いますよ。
いいゲームだったんだけどなぁ・・・・・・・・

キャベツってどうなったんだろ?

知っていると思いますが、ディディーコングパイロットはバンジョーパイロットとして外国で発売されてますよね。
たしか、サーベルウルフも外国で出てたっけな・・・・?

ガイストも海外では発売されましたよね?
日本でも出て欲しかったなぁ
ゼルダみたいにオンライン限定で発売してくれないかなぁ

イタリアのウルトラ82でーーーす!

たいへん面白い情報でした。。。www

ところで、私は中止ゲームに関係ウェブサイトと協力しています。宜しかったら、その情報と画像を私たちのウェブサイトに使用したいんですが、許可が必要ですか。


- N-Styles -